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第1話:通販で天使が届いた!
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(まさか、本当に届くなんて……)
灯里の目の前には正真正銘、本物の天使が立っていた。背中には大きな白い羽、頭上には天使の輪。光を受けて淡く輝くその姿は、作り物じゃない――。
ついさっき、怪しい通販サイトで『本物のキューピッド即日配送!』を勢いでポチったばかり。
別に好きな人がいるわけじゃないし、叶えたい恋もない。
ただ、宣材写真の顔が推し俳優の、月城流星そっくりだったのだ。深夜テンションで注文するには十分すぎる理由だった。
(……写真の通りだ。本当に流星くんそっくり……すっっっっごいイケメン……!)
「本日はご注文ありがとうございます。 天界派遣キューピッドのルカと言います。」
ルカは写真そのままの微笑みを浮かべる。繊細で儚げで、角度によっては完全に流星くんに見えてしまう瞬間すらあった。
しかもただのイケメンじゃない。空気までピンと張りつめるような、人間離れしたオーラまである。灯里の目はルカに釘付けだった。
灯里がじっと見つめていると、ルカは優しい笑顔で話し始める。
「これからあなたの恋を精一杯応援させてもらうね。それじゃあ、お相手の名前を教えてもらえる?」
「え、えっと……」
口ごもる灯里。「会いたかっただけ」なんて、言えるはずもない。
「あ、もし言いにくかったら、このアンケートに書いてもらえればいいよ」
ルカはアンケートを手渡すと、灯里の部屋の回転椅子にくるっと後ろ向きに座った。背もたれに腕をかけて、だらりともたれかかる。
まるで教室で男子がふざけて座っているみたいで、背中の羽や頭上の光輪が余計にちぐはぐに見える。天使なのに、妙に人間くさい。
(顔は流星くん……なんだけど、なんだろこの違和感……)
◇ ◇ ◇
灯里が用紙を書き終えると、ルカは肩をすくめながら軽やかに声をかけた。
「じゃあ、契約前にちょっとだけルールを説明するね。僕はキューピッドとして、君の恋を全力で応援するよ。でも相手の気持ちを直接変えたり、強制的に好きにさせたりはできないんだ。……で、次は……あれ? 何を言うんだっけ」
ルカは少し考える素振りを見せて、そこで止まってしまった。言葉の端々には緊張感がなく、どうにも場慣れしていない感じがする。
灯里が怪訝な顔で見ていると、
「……ま、細かいことは後でいいや」
ルカは説明を流し気味に済ませ、にこりと笑って契約書を差し出す。
「とりあえずここにサインしてね!」
(ちょっ……こんな雑でいいの……?)
灯里はルカの慣れなさや雑さに不安を覚える。
「え、えっと……あなた、この仕事どのくらいやってるの? あんまり慣れてるように見えないけど……」
ルカはふわっと笑って肩をすくめる。
「え? あー、バレた? 今回がデビュー戦ってやつ!
写真だけの予定だったんだけど、人手不足で急遽派遣されちゃったんだ」
悪びれず堂々。繊細で美しい雰囲気はどこへやら、雑さ全開の新人だ。
「ま、僕としては初めてでも全力でやるけどね。あんまり細かいことは気にしない方がいいよ!」
灯里は手元を見て思考を巡らせる。
(……本当にこの人、大丈夫かな……でも、顔は流星くんだし……)
ルカは灯里の様子を見て、さらに一歩近づき、ふわっと微笑む。
「あれ? なんか緊張してる?」
「え……ちょっと……昔からあんまり男の子と話すの得意じゃないのもあるんだけど……」
「そっかー。僕がかっこよすぎて緊張してるのかと思ったよ!」
「……いや、正直言うとあなたが変すぎてびっくりしてるんだけど!!」
灯里は呆れて思わずツッコんでしまう。
(やっぱりだめだ、この人!帰ってもらおう!)
灯里がそう決意した瞬間、
「あれ? まだサインしてないの?」
ルカは後ろから灯里の手を取り、ペンを持たせる。
(わっ! 触っ……距離近っ……)
「ここに名前を書いてもらえればいいから」
笑顔のルカと目が合った瞬間、心臓が高鳴り、完全に理性が吹き飛んだ。
(……顔が……良すぎる……!)
朦朧とした頭で気づいたら手が勝手に動いていた。
「……あっ」
書類を見て青ざめる。
「ありがとう。これで契約成立だね」
(え、ちょっと待って、やらかしたぁぁぁ!!)
◇ ◇ ◇
ルカは灯里のアンケート用紙を覗き込む。
「えーっと、お名前は“坂下灯里さん”。お相手は……瀬戸陽真さん」
灯里はピクっとなって固まる。
(そこ、やっぱり突っ込まれるよね……)
灯里は男子と話すのが苦手で、好きな人どころか、男友達すらいない。
とりあえず、空欄を埋めないと……
そう思って、少し話したことがあるクラスメイトの名前を書いただけだった。
ルカは用紙に目を通しながら驚いて声を上げる。
「え?ほとんど話したことないの? よくそんな人を好きになるなぁ……理解不能だよ」
ルカは灯里の方を見ず、用紙に目を落としたまま、呆れたように呟く。
(それはそう……だけど、そんな言い方しなくてよくない?)
灯里はむすっと頬をふくらませそうになる。
ルカはお構いなしに続ける。
「そもそも僕、恋愛感情ってよくわからないんだよね。僕にうまくやれるかなぁ……」
(いや、キューピッドなのに恋愛感情がわからないって、そんなのあり?!)
灯里の戸惑う視線を感じたルカは、にっこりと笑いながらさらに続ける。
「あ、そうそう。返品交換はできないからね。僕が気に入らなくても、他の人に変わったりはできないよ」
灯里は目を見開いたまま、言葉に詰まりながらも小さく頷く。
ルカは満足げに微笑むと、窓を開け、ひらりと空へ舞い上がった。
「じゃあ今日はもう遅いから帰るね。また明日!」
灯里は目を丸くして見上げるしかなかった。羽ばたく音とともに、ルカの姿が夜空に溶けていく。
(……飛んだ……。やっぱり本物の天使なんだ……)
◇ ◇ ◇
契約してしまった。ーーあんな変な人と……
それに――
書いた名前は好きでもなんでもないクラスメイト。
(……やばい、変な嘘ついちゃった…….)
雑で、新人で、しかも恋愛感情が理解できない天使。
そんな相手に「でっちあげの恋」を全力で応援される……。
でも――顔は、流星くんそっくり。
ーーこれって成功?それとも失敗?
(不安すぎるはずなのに……なんかちょっとワクワクしてる自分が一番やばいかも……)
灯里の目の前には正真正銘、本物の天使が立っていた。背中には大きな白い羽、頭上には天使の輪。光を受けて淡く輝くその姿は、作り物じゃない――。
ついさっき、怪しい通販サイトで『本物のキューピッド即日配送!』を勢いでポチったばかり。
別に好きな人がいるわけじゃないし、叶えたい恋もない。
ただ、宣材写真の顔が推し俳優の、月城流星そっくりだったのだ。深夜テンションで注文するには十分すぎる理由だった。
(……写真の通りだ。本当に流星くんそっくり……すっっっっごいイケメン……!)
「本日はご注文ありがとうございます。 天界派遣キューピッドのルカと言います。」
ルカは写真そのままの微笑みを浮かべる。繊細で儚げで、角度によっては完全に流星くんに見えてしまう瞬間すらあった。
しかもただのイケメンじゃない。空気までピンと張りつめるような、人間離れしたオーラまである。灯里の目はルカに釘付けだった。
灯里がじっと見つめていると、ルカは優しい笑顔で話し始める。
「これからあなたの恋を精一杯応援させてもらうね。それじゃあ、お相手の名前を教えてもらえる?」
「え、えっと……」
口ごもる灯里。「会いたかっただけ」なんて、言えるはずもない。
「あ、もし言いにくかったら、このアンケートに書いてもらえればいいよ」
ルカはアンケートを手渡すと、灯里の部屋の回転椅子にくるっと後ろ向きに座った。背もたれに腕をかけて、だらりともたれかかる。
まるで教室で男子がふざけて座っているみたいで、背中の羽や頭上の光輪が余計にちぐはぐに見える。天使なのに、妙に人間くさい。
(顔は流星くん……なんだけど、なんだろこの違和感……)
◇ ◇ ◇
灯里が用紙を書き終えると、ルカは肩をすくめながら軽やかに声をかけた。
「じゃあ、契約前にちょっとだけルールを説明するね。僕はキューピッドとして、君の恋を全力で応援するよ。でも相手の気持ちを直接変えたり、強制的に好きにさせたりはできないんだ。……で、次は……あれ? 何を言うんだっけ」
ルカは少し考える素振りを見せて、そこで止まってしまった。言葉の端々には緊張感がなく、どうにも場慣れしていない感じがする。
灯里が怪訝な顔で見ていると、
「……ま、細かいことは後でいいや」
ルカは説明を流し気味に済ませ、にこりと笑って契約書を差し出す。
「とりあえずここにサインしてね!」
(ちょっ……こんな雑でいいの……?)
灯里はルカの慣れなさや雑さに不安を覚える。
「え、えっと……あなた、この仕事どのくらいやってるの? あんまり慣れてるように見えないけど……」
ルカはふわっと笑って肩をすくめる。
「え? あー、バレた? 今回がデビュー戦ってやつ!
写真だけの予定だったんだけど、人手不足で急遽派遣されちゃったんだ」
悪びれず堂々。繊細で美しい雰囲気はどこへやら、雑さ全開の新人だ。
「ま、僕としては初めてでも全力でやるけどね。あんまり細かいことは気にしない方がいいよ!」
灯里は手元を見て思考を巡らせる。
(……本当にこの人、大丈夫かな……でも、顔は流星くんだし……)
ルカは灯里の様子を見て、さらに一歩近づき、ふわっと微笑む。
「あれ? なんか緊張してる?」
「え……ちょっと……昔からあんまり男の子と話すの得意じゃないのもあるんだけど……」
「そっかー。僕がかっこよすぎて緊張してるのかと思ったよ!」
「……いや、正直言うとあなたが変すぎてびっくりしてるんだけど!!」
灯里は呆れて思わずツッコんでしまう。
(やっぱりだめだ、この人!帰ってもらおう!)
灯里がそう決意した瞬間、
「あれ? まだサインしてないの?」
ルカは後ろから灯里の手を取り、ペンを持たせる。
(わっ! 触っ……距離近っ……)
「ここに名前を書いてもらえればいいから」
笑顔のルカと目が合った瞬間、心臓が高鳴り、完全に理性が吹き飛んだ。
(……顔が……良すぎる……!)
朦朧とした頭で気づいたら手が勝手に動いていた。
「……あっ」
書類を見て青ざめる。
「ありがとう。これで契約成立だね」
(え、ちょっと待って、やらかしたぁぁぁ!!)
◇ ◇ ◇
ルカは灯里のアンケート用紙を覗き込む。
「えーっと、お名前は“坂下灯里さん”。お相手は……瀬戸陽真さん」
灯里はピクっとなって固まる。
(そこ、やっぱり突っ込まれるよね……)
灯里は男子と話すのが苦手で、好きな人どころか、男友達すらいない。
とりあえず、空欄を埋めないと……
そう思って、少し話したことがあるクラスメイトの名前を書いただけだった。
ルカは用紙に目を通しながら驚いて声を上げる。
「え?ほとんど話したことないの? よくそんな人を好きになるなぁ……理解不能だよ」
ルカは灯里の方を見ず、用紙に目を落としたまま、呆れたように呟く。
(それはそう……だけど、そんな言い方しなくてよくない?)
灯里はむすっと頬をふくらませそうになる。
ルカはお構いなしに続ける。
「そもそも僕、恋愛感情ってよくわからないんだよね。僕にうまくやれるかなぁ……」
(いや、キューピッドなのに恋愛感情がわからないって、そんなのあり?!)
灯里の戸惑う視線を感じたルカは、にっこりと笑いながらさらに続ける。
「あ、そうそう。返品交換はできないからね。僕が気に入らなくても、他の人に変わったりはできないよ」
灯里は目を見開いたまま、言葉に詰まりながらも小さく頷く。
ルカは満足げに微笑むと、窓を開け、ひらりと空へ舞い上がった。
「じゃあ今日はもう遅いから帰るね。また明日!」
灯里は目を丸くして見上げるしかなかった。羽ばたく音とともに、ルカの姿が夜空に溶けていく。
(……飛んだ……。やっぱり本物の天使なんだ……)
◇ ◇ ◇
契約してしまった。ーーあんな変な人と……
それに――
書いた名前は好きでもなんでもないクラスメイト。
(……やばい、変な嘘ついちゃった…….)
雑で、新人で、しかも恋愛感情が理解できない天使。
そんな相手に「でっちあげの恋」を全力で応援される……。
でも――顔は、流星くんそっくり。
ーーこれって成功?それとも失敗?
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