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チュート殿下 29 情報は大切!でも知ってるだけでは使えない……
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忍者になった気分だぜ。
俺以外にも潜んでいる奴がいたりするのも面白い。
彼らは風属性の者が多いかな。認識阻害と気配遮断の魔法を使っているみたいだ。だから、そこに実体はあるんだよね。
彼らから時々聞こえてくる言葉や、書いている文字から取りあえずこの国の人間みたいだからほっておくけど。
大臣達や高官達の顔も名前も知らないら、どの派閥の人間かもわからないが、何人かで集まって使用人たちを人払いをして話をしているところに出くわしたことがあった。
彼等はやはりこれから自身の身の振り方に大きく影響を及ぼすだろう、王の子供についてどのように対処していくべきか話し合っていた。
「見たであろうあの髪のいろを」
「薄くはあったが確かに『金』が入っている」
「陛下は……そのぉ……お子様はお一人だけだと……」
「貴殿は知らなかったのか、陛下が学園時代、まぁ色々あって、今の王妃殿下の姉君と婚約破……」
「んんんッ……そのことは城の中では禁呪だぞ。とにかく疑われていた子供が、ご落胤であると知れたのだ」
「そうだ、正当性は王妃様腹で間違いないが、あれは……あぁこれも禁呪でしたな」
「母の血筋に大きな問題があるが、とにかくまともな子供が一人、弱くても王たる資格の光の精霊と契約できたのだから、これからの身の置き方を考えませんとな」
「とにかく情報が少なすぎますな、このまま伯爵家で養育されるのか、引き取られて帝王学をまなばされるのか」
「養家の力が弱すぎますな、よければ我が家がお預かりすることもやぶさかではないにだが」
「あの時、手を挙げられることがなかった貴公がですかな?それならば我が家の方が格が高い」
「何をおっしゃるのやら……我が家は、3代前に王女様が降下して……」
「それを言われるならば我が家は、5代前に時の陛下の兄君が……」
「我が家は、帝国の……」
それまで穏やか気味に話していた紳士たちが、自身の利益になりそうな話になると,口角泡立てて喚きあっている。これでは人払いした意味ないかも。
建設的な情報はこれ以上得ることはできなさそうなので、その場から離れた。
その他の場所でも、様々な派閥争いが行われていることがわかる。
ただどこの話でも決定打となるようなものは聞くことはできなかった。
結局どこの派閥でも最後は、『もう一人の王子』の精霊契約の結果待ち。という形に納まるのだ。
両方を天秤にかけて、今この時点で片方のみに重さをかけるには情報がない。あの伯爵家に非常に近い位置にいるものは別にして、今は中立の立場にいる方がどちらに転んでも対処ができるのだから。
俺と異母兄?は2歳違い。
婚約者候補の娘を用意するにして、この世界では女性の方が年が上はあまり歓迎されない。俺と同い年かそれよりも下、あまり下過ぎると候補にはならない。
側近候補も同じこと、こちらは最低俺と同い年。あまり上すぎるとこちらもいい顔はされないだろう。
なんてことを、考えているのか、自分の子供もこの点ではただの持ち駒。とりあえずは年齢の合う合わないで、派閥内の子供の取り合いが始まるようだ。
俺は特に黒い話をしている者達を、鑑定及び念写スキルを使って覚えておくことにして、帰りは一瞬で離宮の庭に帰る。
こんなことを、度々おこなって、もしかしなくてもマーシュより沢山の情報を得てしまっている俺。
ただ、個人のつながりとかか、表側の顔とか知らないから、情報を知っていてもそれを運用することができない。
「もったいない」
元日本人の俺としては、もったいないお化けがそこここにフヨフヨ漂っているみたいな感じがして、腰が落ち着かない感じ。
でも、このことマーシュに知らせたら、それこそ身体だけじゃなくて心もこの離宮に監禁状態になるかもしれないし。
きっと、俺を守るためにはどんなことでもしようとすると思うから……。
確かに、話を聞いていて、心が沈むこともあった。ただ、『僕』であった時のことは他人事だから、端から聞いているより平気なのだけど。
俺以外にも潜んでいる奴がいたりするのも面白い。
彼らは風属性の者が多いかな。認識阻害と気配遮断の魔法を使っているみたいだ。だから、そこに実体はあるんだよね。
彼らから時々聞こえてくる言葉や、書いている文字から取りあえずこの国の人間みたいだからほっておくけど。
大臣達や高官達の顔も名前も知らないら、どの派閥の人間かもわからないが、何人かで集まって使用人たちを人払いをして話をしているところに出くわしたことがあった。
彼等はやはりこれから自身の身の振り方に大きく影響を及ぼすだろう、王の子供についてどのように対処していくべきか話し合っていた。
「見たであろうあの髪のいろを」
「薄くはあったが確かに『金』が入っている」
「陛下は……そのぉ……お子様はお一人だけだと……」
「貴殿は知らなかったのか、陛下が学園時代、まぁ色々あって、今の王妃殿下の姉君と婚約破……」
「んんんッ……そのことは城の中では禁呪だぞ。とにかく疑われていた子供が、ご落胤であると知れたのだ」
「そうだ、正当性は王妃様腹で間違いないが、あれは……あぁこれも禁呪でしたな」
「母の血筋に大きな問題があるが、とにかくまともな子供が一人、弱くても王たる資格の光の精霊と契約できたのだから、これからの身の置き方を考えませんとな」
「とにかく情報が少なすぎますな、このまま伯爵家で養育されるのか、引き取られて帝王学をまなばされるのか」
「養家の力が弱すぎますな、よければ我が家がお預かりすることもやぶさかではないにだが」
「あの時、手を挙げられることがなかった貴公がですかな?それならば我が家の方が格が高い」
「何をおっしゃるのやら……我が家は、3代前に王女様が降下して……」
「それを言われるならば我が家は、5代前に時の陛下の兄君が……」
「我が家は、帝国の……」
それまで穏やか気味に話していた紳士たちが、自身の利益になりそうな話になると,口角泡立てて喚きあっている。これでは人払いした意味ないかも。
建設的な情報はこれ以上得ることはできなさそうなので、その場から離れた。
その他の場所でも、様々な派閥争いが行われていることがわかる。
ただどこの話でも決定打となるようなものは聞くことはできなかった。
結局どこの派閥でも最後は、『もう一人の王子』の精霊契約の結果待ち。という形に納まるのだ。
両方を天秤にかけて、今この時点で片方のみに重さをかけるには情報がない。あの伯爵家に非常に近い位置にいるものは別にして、今は中立の立場にいる方がどちらに転んでも対処ができるのだから。
俺と異母兄?は2歳違い。
婚約者候補の娘を用意するにして、この世界では女性の方が年が上はあまり歓迎されない。俺と同い年かそれよりも下、あまり下過ぎると候補にはならない。
側近候補も同じこと、こちらは最低俺と同い年。あまり上すぎるとこちらもいい顔はされないだろう。
なんてことを、考えているのか、自分の子供もこの点ではただの持ち駒。とりあえずは年齢の合う合わないで、派閥内の子供の取り合いが始まるようだ。
俺は特に黒い話をしている者達を、鑑定及び念写スキルを使って覚えておくことにして、帰りは一瞬で離宮の庭に帰る。
こんなことを、度々おこなって、もしかしなくてもマーシュより沢山の情報を得てしまっている俺。
ただ、個人のつながりとかか、表側の顔とか知らないから、情報を知っていてもそれを運用することができない。
「もったいない」
元日本人の俺としては、もったいないお化けがそこここにフヨフヨ漂っているみたいな感じがして、腰が落ち着かない感じ。
でも、このことマーシュに知らせたら、それこそ身体だけじゃなくて心もこの離宮に監禁状態になるかもしれないし。
きっと、俺を守るためにはどんなことでもしようとすると思うから……。
確かに、話を聞いていて、心が沈むこともあった。ただ、『僕』であった時のことは他人事だから、端から聞いているより平気なのだけど。
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