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チュート殿下 53 乾杯の音頭まで取っちゃったけど……まぁ結果オーライ!
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今日は控室での挨拶が終われば、今日の俺のお仕事はおしまいだと思っていたのに、壇上に上がったとたん、国王陛下から挨拶をしろと言われた時には、少し驚いたけど、まぁ、突然の挨拶としては良くできたんじゃないかな。ついでに乾杯の音頭まで取っちゃったけど……まぁ結果オーライ!
それで、その場で、この挨拶が終わったら予定を早めて、この会場から離脱を図ることを決めた。
乾杯した流れのまま、壇上から下がると、誰にも声をかけられないことを良いことに、インしてきた扉からすかさずアウト。
控えの間には、出て行った時と同じように動きを止めた王直属侍従たちが居るだけ。さっきまで舞踏会場で俺の様子を見守ってくれていたマーシュも戻ってきていて、違う部屋で待っているリフルと合流し離宮に戻るため先導を始めた。
俺はただマーシュに着いて行くだけ。
控えの間を出ると直ぐにマーシュはリフルのもとに向かい、リフルも予想よりも随分と早い俺たちの到着に、少し驚いた表情を浮かべたものの、行動は早く廊下に出てきてそのまま俺の後ろについた。
マーシュもそれを確認すると俺たちを包むような動ける結界を素早く張って、ここに来た時とは違う廊下を通って離宮まで戻るようだ。
俺も加勢するためでもないが、気配察知を巡らす。
今の俺たちの行動は誰も想像できた者は居ないだろう、本人もそうなのだから。
だから、離宮のある王城正面の反対側には、ほとんど人の存在がない。敵が配置しているような人材も居ないみたい。
離宮を出ることにあれほど神経質になっていたけど、終わってみればお披露目もあっという間で……あの後の舞踏会場がどうなっているか知ったこっちゃないけど……とにかく思い描いていた中では、一番うまく行った形かもね。
緊張感は持ちつつ、何事もなく離宮に帰ってこれて、ちょっと肩透かしの感もあったけど、何も身内に命を狙われたいわけではないからね。
このゲームサバゲーでもRPGでもなく乙女ゲームだから……。
俺の末路は『乙女ゲームって半端なくエグイな』って、男からしたら理屈も何もない感情で完結しているような世界で、終わり方だけど、話の途中は乙女の恋愛ゲームだったから、途中で命を落とすことは無いと信じたい……。
俺が話の中のアースクエイク殿下と随分と違っちゃってるから、自分の所為で首を絞めているといえるかもしれないところがツライところ。
だが、俺は身内、血縁ではないぞ、を守りながら、好きに生きて行ってやるぜ!
そんな思いを新たにする、血縁と言われる人々との邂逅だった。
やはり、お披露目が終わった後は、利権を狙った黒い頭のネズミどもの数が、極端に多くなった。
せっかく、一番いい形でお披露目会を終わらせられたのに、侍従たちの眉間のしわが濃くなることは望んでないのだ俺は。
これからの俺の行動予定だが、初級学校入学までは何もない。
俺以外の新入生はきっと、社交で昼間に行われるお茶会だとか、自分の家の夜会に出席するとか、この前のプレ舞踏会が終われば公に参加することが許されるということだからね。
アァ、そうそう、あの俺が抜け出した舞踏会のその後だけれど……。
俺が乾杯を行っちゃったからね、王様が行うことがなくなって、進行役の宰相が『それではこれから~』とか何とか言葉で場をつないで、一番貴族で位の高い公爵たちから挨拶を始めることでその場を収めたらしい。
貴族たちは王様に挨拶をする機会に、何とか俺の情報を得ようとしていたらしいけど、情報なんて全く持っていないんだから、そもそも答えられるわけがない。
それを宰相あたりが、『持っているけど教えませんよ』な雰囲気を醸し出すことで躱していたみたいだが、これからはそれでは難しいだろう。
だから、宰相たちも俺の情報を得るために、できれば手中に収めて傀儡にでもするためか、もしかしたら排除するためにか、積極的に接触を図ってくるだろうと、マーシュが言っていた。
プレ舞踏会は、子供が主役の者であることもあって、子供はまだ大人たちの思惑など知る由もなく、初めてのキラキラ舞踏会場に喜び楽しんで帰って行ってくれたらしい。一生に一度のことだから,会が壊れなくてよかった。
美味しそうなケーキもたくさんあったらしいからね。
そういえば、俺生まれ変わってから生クリームのケーキとか食べたことなかったな、毒殺を警戒して……。
それで、その場で、この挨拶が終わったら予定を早めて、この会場から離脱を図ることを決めた。
乾杯した流れのまま、壇上から下がると、誰にも声をかけられないことを良いことに、インしてきた扉からすかさずアウト。
控えの間には、出て行った時と同じように動きを止めた王直属侍従たちが居るだけ。さっきまで舞踏会場で俺の様子を見守ってくれていたマーシュも戻ってきていて、違う部屋で待っているリフルと合流し離宮に戻るため先導を始めた。
俺はただマーシュに着いて行くだけ。
控えの間を出ると直ぐにマーシュはリフルのもとに向かい、リフルも予想よりも随分と早い俺たちの到着に、少し驚いた表情を浮かべたものの、行動は早く廊下に出てきてそのまま俺の後ろについた。
マーシュもそれを確認すると俺たちを包むような動ける結界を素早く張って、ここに来た時とは違う廊下を通って離宮まで戻るようだ。
俺も加勢するためでもないが、気配察知を巡らす。
今の俺たちの行動は誰も想像できた者は居ないだろう、本人もそうなのだから。
だから、離宮のある王城正面の反対側には、ほとんど人の存在がない。敵が配置しているような人材も居ないみたい。
離宮を出ることにあれほど神経質になっていたけど、終わってみればお披露目もあっという間で……あの後の舞踏会場がどうなっているか知ったこっちゃないけど……とにかく思い描いていた中では、一番うまく行った形かもね。
緊張感は持ちつつ、何事もなく離宮に帰ってこれて、ちょっと肩透かしの感もあったけど、何も身内に命を狙われたいわけではないからね。
このゲームサバゲーでもRPGでもなく乙女ゲームだから……。
俺の末路は『乙女ゲームって半端なくエグイな』って、男からしたら理屈も何もない感情で完結しているような世界で、終わり方だけど、話の途中は乙女の恋愛ゲームだったから、途中で命を落とすことは無いと信じたい……。
俺が話の中のアースクエイク殿下と随分と違っちゃってるから、自分の所為で首を絞めているといえるかもしれないところがツライところ。
だが、俺は身内、血縁ではないぞ、を守りながら、好きに生きて行ってやるぜ!
そんな思いを新たにする、血縁と言われる人々との邂逅だった。
やはり、お披露目が終わった後は、利権を狙った黒い頭のネズミどもの数が、極端に多くなった。
せっかく、一番いい形でお披露目会を終わらせられたのに、侍従たちの眉間のしわが濃くなることは望んでないのだ俺は。
これからの俺の行動予定だが、初級学校入学までは何もない。
俺以外の新入生はきっと、社交で昼間に行われるお茶会だとか、自分の家の夜会に出席するとか、この前のプレ舞踏会が終われば公に参加することが許されるということだからね。
アァ、そうそう、あの俺が抜け出した舞踏会のその後だけれど……。
俺が乾杯を行っちゃったからね、王様が行うことがなくなって、進行役の宰相が『それではこれから~』とか何とか言葉で場をつないで、一番貴族で位の高い公爵たちから挨拶を始めることでその場を収めたらしい。
貴族たちは王様に挨拶をする機会に、何とか俺の情報を得ようとしていたらしいけど、情報なんて全く持っていないんだから、そもそも答えられるわけがない。
それを宰相あたりが、『持っているけど教えませんよ』な雰囲気を醸し出すことで躱していたみたいだが、これからはそれでは難しいだろう。
だから、宰相たちも俺の情報を得るために、できれば手中に収めて傀儡にでもするためか、もしかしたら排除するためにか、積極的に接触を図ってくるだろうと、マーシュが言っていた。
プレ舞踏会は、子供が主役の者であることもあって、子供はまだ大人たちの思惑など知る由もなく、初めてのキラキラ舞踏会場に喜び楽しんで帰って行ってくれたらしい。一生に一度のことだから,会が壊れなくてよかった。
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