122 / 196
チュート殿下 90 考察。やっぱりピンクは電波系⁉
しおりを挟む
ゲームでは、平民で在りながらも特待生でSクラス。非常に優秀であるはずの『ヒロイン』。
ところが、ふたを開けてみれば、どうやら『ヒロイン』とみなされている人物は、一番下のクラス。
このSクラスに該当する人物が居ないとすれば、やはり『ヒロイン』はあのクラスに居るピンク?
ここでもゲームとの大きな相違があるが、これは安心材料なのかどうなのか……。
『ヒロイン』が、一番下のクラスに居る原因は、もちろん成績が悪いことに他ならないが、この学園に入学できたことから考えて、とりあえず魔法は使うことができることは確かなのだろう。
一般的にこの国においての魔法は精霊魔法であるのだが、どうなんだろう?
もしも彼女の使っている魔法が、この国の精霊魔法なのだとすれば、彼女は何かしらの精霊と契約ができていることに成るのだが、そうするとあの彼女の色は何の精霊と契約したことになるのか?
俺の瞳は一応青色、水属性ということになっているが、全属性が使用可能な特殊な色だ。いろいろな色に見えるらしいが、決して何かの属性が混じったような色はしていない。
髪や瞳の色は、基本的にはこの国の人間は生まれた時の茶色から、契約した精霊の属性によって違ってくるのだが、その属性の色、金色・青色・緑色・赤色・黒色の五色が混じってなにか他の色になることは無い。色の濃淡はあるが混じったような色になることがないのだ。
だから、ピンクはこの国の魔法使いにはいないはずだ。
この国で特別視される金色は、髪でも瞳でも元の茶色にのせられるためか、あまりに弱い精霊との契約であると、茶色が薄くなったようにしか見えないことがあって、判断が難しいところもあるが、概ねこの国では髪と瞳の色で使える魔法の種類を判断することはそう難しくないことなのだ。
しかし、魔法の種類やその理論が全く違う隣国では、生まれながらにカラフルな瞳や髪色が当たり前で、使う魔法から纏う色が変わるという考え方から存在しないらしい。
また、前世の遺伝によって親の色が子供に受け継がれるようなものでもなく、外見の色から親子兄弟を判断することも難しいらしい。
そもそも髪色や瞳の色をいじることができないとされているこの国で、ピンク色をどのように解釈すればいいのか?
今までの常識から図ることができない色を、それでも常識の中に落とし込もうとしたときに起きることとして考えられること……。
ピンクは赤色と白色が混ざったものだ。
赤色は火属性の精霊から。
白色は……すっごく薄く、弱い、光属性の精霊から。
と、考えられはしないか?
何とか自分たちの持てる知識の中から、魔法が使えることを考えて出すこの国の住人が出す結論は、このようなところに落ち着きはしないのか?
『ヒロイン』が、この世界がゲームの「ドキ恋」の世界に非常によく似ている、いやそのものの世界であると感じていたら。
そして、自分がこの世界の『ヒロイン』であると、思い込んでいたら。
努力せずとも最終的にはこの国の上級貴族の誰か、もしかしたら、攻略対象者とされる全ての『イケメン』を、我がものにできると、そう考えていたら。
現実的な努力をまるでしないで、今に至っているとしたならば、『ヒロイン』の成績が最底辺であることの説明になるかもしれない。
特に、入園式での服装から考えられる結論が、この『ヒロイン』と目される人物は、現実のこの世界を受け入れることなく、自分の中のゲームの世界を現実であると認識し、ゲームを再現することで自分が知っている通りの結末を手に入れられると思い込んでいる、お花畑の電波系ピンクである可能性が非常に強くなったということだ。
「今すぐにでも鑑定してこようか?」
というキールのとても魅力的な提案を拒む理由はないのだけれど、電波であったならばこちらの常識が通用しないことも十分あることで、絶対にキールの存在に気が付かれないとは言い切れないところが……。
「電波にはこの世界の頭の緩そうな女神が憑いている可能性もあるから、慎重にいかないといけない……と俺のそう冴えない勘が言っているんだよね……」
関係を持たなくてよいならば全く関係を持ちたくない。
しかし、そうもいかないことも俺のそう冴えない勘が言っていたりもする。
教室の前方で繰り広げられている、偉そうな教師のオンステージももう直ぐ終わりそうな気配がしている。
俺以外はすべてが顔見知りであるこのクラスでは流石に自己紹介は行われずに終わりそうだ。
誰か初級学校の時の自己紹介で俺がやったことを知っている者でもいたのかな?
もしかしたら、このクラスでの俺の扱いは、俺たちが行おうとしているお花畑に対するものと同じなのかもしれないな。
『触らぬ神に祟りなし』
ところが、ふたを開けてみれば、どうやら『ヒロイン』とみなされている人物は、一番下のクラス。
このSクラスに該当する人物が居ないとすれば、やはり『ヒロイン』はあのクラスに居るピンク?
ここでもゲームとの大きな相違があるが、これは安心材料なのかどうなのか……。
『ヒロイン』が、一番下のクラスに居る原因は、もちろん成績が悪いことに他ならないが、この学園に入学できたことから考えて、とりあえず魔法は使うことができることは確かなのだろう。
一般的にこの国においての魔法は精霊魔法であるのだが、どうなんだろう?
もしも彼女の使っている魔法が、この国の精霊魔法なのだとすれば、彼女は何かしらの精霊と契約ができていることに成るのだが、そうするとあの彼女の色は何の精霊と契約したことになるのか?
俺の瞳は一応青色、水属性ということになっているが、全属性が使用可能な特殊な色だ。いろいろな色に見えるらしいが、決して何かの属性が混じったような色はしていない。
髪や瞳の色は、基本的にはこの国の人間は生まれた時の茶色から、契約した精霊の属性によって違ってくるのだが、その属性の色、金色・青色・緑色・赤色・黒色の五色が混じってなにか他の色になることは無い。色の濃淡はあるが混じったような色になることがないのだ。
だから、ピンクはこの国の魔法使いにはいないはずだ。
この国で特別視される金色は、髪でも瞳でも元の茶色にのせられるためか、あまりに弱い精霊との契約であると、茶色が薄くなったようにしか見えないことがあって、判断が難しいところもあるが、概ねこの国では髪と瞳の色で使える魔法の種類を判断することはそう難しくないことなのだ。
しかし、魔法の種類やその理論が全く違う隣国では、生まれながらにカラフルな瞳や髪色が当たり前で、使う魔法から纏う色が変わるという考え方から存在しないらしい。
また、前世の遺伝によって親の色が子供に受け継がれるようなものでもなく、外見の色から親子兄弟を判断することも難しいらしい。
そもそも髪色や瞳の色をいじることができないとされているこの国で、ピンク色をどのように解釈すればいいのか?
今までの常識から図ることができない色を、それでも常識の中に落とし込もうとしたときに起きることとして考えられること……。
ピンクは赤色と白色が混ざったものだ。
赤色は火属性の精霊から。
白色は……すっごく薄く、弱い、光属性の精霊から。
と、考えられはしないか?
何とか自分たちの持てる知識の中から、魔法が使えることを考えて出すこの国の住人が出す結論は、このようなところに落ち着きはしないのか?
『ヒロイン』が、この世界がゲームの「ドキ恋」の世界に非常によく似ている、いやそのものの世界であると感じていたら。
そして、自分がこの世界の『ヒロイン』であると、思い込んでいたら。
努力せずとも最終的にはこの国の上級貴族の誰か、もしかしたら、攻略対象者とされる全ての『イケメン』を、我がものにできると、そう考えていたら。
現実的な努力をまるでしないで、今に至っているとしたならば、『ヒロイン』の成績が最底辺であることの説明になるかもしれない。
特に、入園式での服装から考えられる結論が、この『ヒロイン』と目される人物は、現実のこの世界を受け入れることなく、自分の中のゲームの世界を現実であると認識し、ゲームを再現することで自分が知っている通りの結末を手に入れられると思い込んでいる、お花畑の電波系ピンクである可能性が非常に強くなったということだ。
「今すぐにでも鑑定してこようか?」
というキールのとても魅力的な提案を拒む理由はないのだけれど、電波であったならばこちらの常識が通用しないことも十分あることで、絶対にキールの存在に気が付かれないとは言い切れないところが……。
「電波にはこの世界の頭の緩そうな女神が憑いている可能性もあるから、慎重にいかないといけない……と俺のそう冴えない勘が言っているんだよね……」
関係を持たなくてよいならば全く関係を持ちたくない。
しかし、そうもいかないことも俺のそう冴えない勘が言っていたりもする。
教室の前方で繰り広げられている、偉そうな教師のオンステージももう直ぐ終わりそうな気配がしている。
俺以外はすべてが顔見知りであるこのクラスでは流石に自己紹介は行われずに終わりそうだ。
誰か初級学校の時の自己紹介で俺がやったことを知っている者でもいたのかな?
もしかしたら、このクラスでの俺の扱いは、俺たちが行おうとしているお花畑に対するものと同じなのかもしれないな。
『触らぬ神に祟りなし』
44
あなたにおすすめの小説
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる