転生したら当て馬王子でした~絶対攻略される王太子の俺は、フラグを折って幸せになりたい~

HIROTOYUKI

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プリュム・シャルール 6

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「おかしい……おかしすぎる!」

   あの、待ちに待った入園式からおかしかった……。

   正門を入った時に、虹が掛からなかったり、花びらが舞い降りてこなかった事はまぁギリ許すとして(頭の中ではオープニングはちゃんと再生されていたから)、堂々と門の中央を歩けないことからして納得できないのだけど……

   だって、道の真ん中には馬○!○糞がこんもり落ちているのよぉ!

   あんな物オープニングに全く出てこなかった!

   匂いもひどいし、なんて遅れているのかしらこの世界は!

   ……まぁ、それは、ここがなーロッパな剣と魔法の世界だからしょうがないんだけど……。

   でも、あそこで一応王子様のアースクエイクに出会えなかった事もそうだし、第一にあのお気に入りの制服が、私の可愛らしさを見せつける事が出来るはずの制服がぁ!

   下着姿の痴女に間違われるってどうゆう事!

   ヒロインである私が、Sクラスじゃない事も納得できない!

   攻略対象者ほぼみんなSクラスなのに、校舎が違うってそんな事攻略本にも書いてなかった!

   学園の間取りも全部頭に入っているはずなのに、行く事が出来ない所が多過ぎるのよ!

「チュート殿下!チュート殿下はどこにいるの⁉︎」

   これだけ探しているのに、一度も目にした事がないってどういうことなの?

   なんとか一度だけかい潜ってSクラスの教室を覗き見しても、それらしき人がいなかった。

   金髪なんて目立つはずでしょ。あのまっ金金はこの国にはあいつしか居ないはずなんだし。

   って、あの後も頑張って探してみたけど、チュート殿下を見つける事はできなかったのよねー……。

   クラスの上とか下とかの格差もすごいけど、そもそもの階級?の上下もすごい隔たりがあるんだって。

   私はまぁいくら可愛くても、階級的には平民。

   ヒロインだから、魔力量とかそんなのは半端ないと思うのよ、だからこそこの学園に招待されたんだと思うんだけど、平民だから一番下のクラスに入れられてしまったのよね、実力とか勝てないのよね身分てものには。

   私は将来王妃になるから、下々の者と付き合うのはなぁって考えてたけど、上のクラスに近づく事もできないから、しょうがないじゃない、情報を得ないとね。

   私もバカじゃないから、っていうか賢いんだけど……、とにかく知ってる「ドキ恋」とは、違うところもあることにちゃんと気付いているのよ。

   制服がそうだったし……。

   冷静に考えてみれば、「ドキ恋」で今みたいなダッサい制服じゃあウケルわけないのよね、その時代のその場所のファッションってものがあるんだから、私もちょっと浮かれてて、その事に気が回らなかったのよ。

   このアミュレット王国で、女の人は子供でもひざを出したりしない。

   以前住んでたタリスマン帝国でも、ひざを出してる女の人は居なかった。

   ぬかったわぁ。

「ドキ恋」って、そんなにむずくなかったと思うんだよねー。特に1枚目は。だからチュート殿下だったんだし。

   2枚目からが鬼でさ。1枚目のデータで攻略難度が変わるって、あの変なこだわりは何なのって感じ。

   王道の伯爵王子を攻略するのは簡単なんだけど、逆ハーを狙うっていうか、ちゃんと逆ハールートもあるって表記されてる乙ゲーも珍しかったから、やらないって言う手はないじゃない。

   顔と身分はピカイチのアースクエイクを簡単に操って、儚げ系天真爛漫ヒロインを演出しつつ、光魔法を使い熟す唯一の聖女として地位を確立したら、邪魔なアースクエイクを辺境に追いやって、攻略対象者イケメンを全員侍らせるのよ。

   そのためにもアースクエイクを攻略しなければ、何も始まらないんだから!

   だから、授業も受けずに学園内を探していたのよ。

   偉そうに歩いているヴォーテックスは見かけた事はあったんだけど、まだアースクエイクを攻略して落として無いから、近付く事もできないのよね、きっと!

   そんな中で、生徒総会ってのが行われるって朝の連絡事項で冴えない担任が話していた。

   担任て言えば、Sクラスの担任はチョロい攻略対象者だったっけ。チュート殿下が無理だったら、あの担任から落とせば、裏から手を回せる事も多くなるかもしれないしぃ……。

   まぁ、今聞いた生徒総会?総会って言うくらいだから、通っている生徒全て出なきゃいけないのだろうし、確か生徒会長ってあの伯爵王子だったよね。近くできちんと顔を見るチャンス!

   王妃になる私としては、顔見せはしておかないとね。

   出会うのはもうちょっと後だったはずだけどね。
   
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