兄妹による異世界召還浪漫奇譚

山本桐生

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ギルドの新人は必ず古参冒険者に嫌がらせを受ける運命なのでしょうか

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 栗色の髪の毛を後ろで纏めた眼鏡の彼女。年齢的には二十代前半だろうか。彼女はメテオと名乗った。
「私がこのギルドの受付をしております。新しい冒険者様。そして……」
 メテオは冒険者達に向き直る。
「声が聞こえておりましたが……どちらが悪いかはご自分で分かりますよね?」
 冒険者達は目を逸らす。
「ヤマト様、カズサ様、大変申し訳ありませんでした」
「いや、メテオさんが謝るような事では……でも俺と和沙の事を知っているんですか?」
「それはもちろんお二人は有名ですから」
 当然である。
 魔王を倒す為に召喚された勇者達。知らない者などいないだろう。
 そして冒険者登録を済ませ、メテオから説明を受ける。

 冒険者はランクごとに分けられる。
 Fランク……全ての冒険者はここから始まり、E、D、C、B、A、Sとクエストの達成状況や貢献度によってランクは上がっていく。
 最上位はSSランクが存在し、これは世界を救うに値する貢献をした者に与えられる。

 クエストとはギルドに出される依頼であり、これもやはり難易度によりFからAに分かれ、自分と同等ランク以下の依頼しか受ける事は出来ない。
 これは冒険者を守る為のルールではあるが、パーティーメンバー内に高ランクの仲間がいる場合は、その高ランク者に対応したクエストも受けられる。
 ちなみにSとSSランクのクエストが無いのは、そのクラスの冒険者はほぼいないからである。

★★★

 受けたのはFランク、薬草採取のクエストである。
 王都の外、北側に存在する森林から取ってくるだけ。はっきり言って、これは冒険者ではなく、その辺りの一般市民でさえ問題無く出来る仕事である。
 たまに魔物も出て来るらしいが、この付近では小型の魔物しか出現せず、和沙もいるから何も問題は無い。
 腰に帯剣をする和沙。
 そして大和は槍。
「剣が良い!! 俺も剣が良かったんだけど!!」
「剣で槍に対抗する場合は三倍の技量が必要だって話も聞くよ。兄さん、弱いんだから槍を使おうよ」
「馬鹿だな、お前は。どうせ弱いんだから、武器くらい好きなの使わせろ」
「兄さんはそっち見て」
「あ、はいはい」
 二人して薬草を探す。
 そしてあまり危険も無いから二手に分かれる。

「これは……ちょっと葉の形が違うか。こっちのは、あれ、これレアなヤツじゃないか?よし、摘んどこう。これは……毒草じゃん、ヤバイじゃん」
 なんて大和が一人で薬草を採取していると……
 ザッ、と草を踏む音に大和は振り返る。
「和沙?」
 そこにいたのは……
「よぉ、無能の兄貴」
 ギルドで大和達に絡んで来た冒険者達だった。三人の屈強な冒険者がそこに立つ。
「クソッ、先手必勝だ!!」
 大和はいきなり槍で冒険者一人に突き刺した。
「ぐわっ!!」
「わー!! お前、いきなり何しやがんだ!!?」
「うるせぇ!! 殺やられる前に殺るのが冒険者だろぉが!!」
 めったやたらに槍を突き出す大和。
「何だコイツ、普通じゃねぇ!! イカれてんのか!!?」
「おい、取り押さえろ!!」
「そいや、そいや!!」
 しかし大和の抵抗はむなしく、冒険者達に拘束されてしまうのである。
「おい、大丈夫か?」
「ああ、深くは刺さらなかったからな」
「でもいきなり攻撃してくるなんて、狂ってやがる」
 冒険者は口々にそう言葉を口にする。
「くっ、殺せ!!」
「殺せ、ってお前、何で俺達がそこまでしなくちゃいけねぇんだよ」
「じゃあ、何が目的なんだ?」
「俺達の目的は」
「まさか、俺の体か!! クソッ、この変態どもが!!」
「話を聞け!!」
「俺達はお前の装備が目的なんだよ!!」
「大人しく渡せば無事に帰してやる」

 特に和沙は勇者の資質を持っている。王国からの期待も高い。その和沙が冒険者として活動をするのだ。そのサポートは手厚く、持たされた武器防具は共に質が良い。それはFランクの冒険者が持てるような装備ではない。
 それを狙ったとの事だったのだ。
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