彼を傷つける者は許さない!私が皆叩き潰して差し上げましょう

Karamimi

文字の大きさ
30 / 36

第30話:両親や陛下がやって来ました

しおりを挟む
翌朝、いつもの様に朝ご飯を作る。さすがに昨日の夜遅くまで騒いでいた為、皆遅くまで寝ていると思いきや、しっかり朝食の催促をしに来たお兄様。隊員たちも私の作る朝ご飯を待っていた。

本当にこの人たちは、タフなのだから…

でも、きっと森で食べる最後の食事になるだろう。そう思い、皆のリクエストを聞き、料理を作っていく。朝から本当によく食べる。

その時だった。

「ヴィーノ、バラン、アリシア!!」

この声は…

「「母上」」

「お母様!」

嬉しそうにこちらに走って来るのは、お母様だ。後ろにはお父様と何人かの男性もいる。

「ルーカス、討伐ご苦労だったな…」

ルーカス様に話しかけているのは…陛下?かしら。まさか陛下までいらしたの?でも、なぜか目も合わさず、そっぽを向いている。悲しそうな顔でルーカス様を見つめる陛下。

「ルーカス様、あなた様のお父様でしょう?ほら、5年ぶりに会ったお父様との感動の再開を喜ばないと」

そう声を掛けたのだが…

「アリシア、この人は俺には興味がないよ。一体何しに来たんだい?そうか、アリシアが魔王を倒したから、見に来たのか?魔王を倒すなんて、相当な快挙だもんな」

「ルーカス…すまん…」

「ルーカス殿下、確かに陛下は今まであなた様に父親らしいことをしてこなかったのは事実です。でも、あなた様を大切にしてこなかったわけではないのですよ。現に陛下は…」

「カーラル公爵。いいんだ。私が全て悪いんだよ」

「良くないです。確かに陛下は、最愛の妻でもあるあなた様の母親を亡くし、自暴自棄になっていた時期もありました。本当にあの時の陛下は、クズ以外何物でもありませんでした。それでも、今は何とか立ち直り、王妃と戦う為に立ち上がったのです。もちろん、そう仕向けるために、私が並大抵の努力をした事は言うまでもありませんが」

要するに、クズな陛下を立ち直らせるために、お父様が相当努力をしたと言いたいのだろう。だからって、陛下をクズ呼ばわりしなくても。さすがの陛下も、ジト目で睨んでいる。

「あなた…確かに陛下の目を覚まさせるのは大変だったけれど、本人に向かって言わなくても…」

さすがの母上も飽きれている。

「夫人、いいんだ。公爵の言う通りだ。私が本当に愚かだった。ルーカス、今まで本当にすまなかった。お前が王宮に戻ってくると同時に、王太子に任命しようと思っている。どうか引き受けてくれるか?」

「俺は…正直あなたの事は、父親とは思っていません。でも…俺はアリシアと共に、この国を支えていきたいと思っています。でも勘違いしないでください。俺を今まで支えてくれたカーラル公爵家の方々の恩に答えたい、俺自身もアリシアと幸せになる為に受け入れるのです。その事は、お忘れなく!」

「…わかった。それでもいい。ありがとう、ルーカス」

寂しそうに笑った陛下。その姿を見て、いつかこの親子が心から笑える日が来るといいな…て、他人事みたいなことを言っていたらダメよね。そこは私の出番でしょう。王宮で生活する様になったら、私が2人の仲を改善しないと。

「それで、魔王の亡骸を確認したいのですが」

話しかけてきたのは、魔術師だ。どうやら今から、調査が行われる様だ。早速皆で、滝の前まで来た。

「この滝の奥に洞窟があって、その奥に魔王の亡骸があります。さあ、参りましょう」

ルーカス様を先頭に進もうとした時だった。

「あの…本当に魔王はもういないのでしょうか?」

不安そうに声を掛けてきたのは、一緒に付いて来ていた貴族たちだ。きっと魔王が怖いのだろう。

「不安な方はここで待っていて下さっても構いませんよ。さあ、行きましょう」

「待って下さい、行きます。私も連れて行ってください!」

慌ててついてくる貴族たち。洞窟の奥に進むと、そこには、仰向けに倒れている魔王の姿が。

「本当に魔王が倒れている…今すぐ魔王の亡骸を回収しましょう。それにしても、見た感じは若そうだが、いくつくらいなんだろう」

魔術師たちが亡骸を回収しながら呟いている。

「4000歳だと思いますわ。魔王の寿命は5000年で、後1000年で命を落とすと言っていたので」

「何ですと!そういえば魔王を倒したのは、アリシア嬢でしたね。まさかあなた様が、伝説の光の魔力を持つ方だったとは」

目を輝かせて私の方にやって来た魔術師たち。そういえば、魔王も光の魔力とか言っていたわね。

「光の魔力とはなんだ?」

陛下が不思議そうに、魔術師たちに聞いている。

「はい、光の魔力とは、私たちが想像もしない壮大な魔力を持った人の事です。光の魔力を持つ者のみ、魔王を倒すことが出来るのです。ただ…光の魔力を持っているかどうかを見極める術がないため、どれくらいの周期で生まれているのか、今まで全く知られていませんでした。その為、伝説の人間として、魔術師の間で伝えられてきたのです」

「そんな人間がいたのね。それが、アリシアだったの?」

「その様です。光の魔力を持った人間は、魔王のみが認識できると言われています。ただ、魔王も自分の近くまで来ないと認識できない様で…光の魔力を持った人間と交わる事で、魔王は永遠の命を手に入れる事が出来ると言われています。ただし、光の魔力を持つ人間は、同時に魔王を倒すことが出来るほどの力を持っているのです。そのため、魔王も命がけで手に入れようとしてくるのだとか」

「なるほど、だから魔王はアリシアを連れ去ったんだな。永遠の命を手に入れるために。アリシア、魔王に何か酷い事はされていないか?交わるとは、そういう事だろう?」

「すぐにルーカス様が助けに来てくださったので、特に何もされていませんわ」

「それなら良かった」

ホッと胸をなでおろすルーカス様。いつの間にか、ものすごく心配性になってしまった様だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

〖完結〗旦那様が私を殺そうとしました。

藍川みいな
恋愛
私は今、この世でたった一人の愛する旦那様に殺されそうになっている。いや……もう私は殺されるだろう。 どうして、こんなことになってしまったんだろう……。 私はただ、旦那様を愛していただけなのに……。 そして私は旦那様の手で、首を絞められ意識を手放した…… はずだった。 目を覚ますと、何故か15歳の姿に戻っていた。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全11話で完結になります。

【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。

こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。 彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。 皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。 だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。 何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。 どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。 絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。 聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──…… ※在り来りなご都合主義設定です ※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です ※つまりは行き当たりばったり ※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください 4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!

元聖女になったんですから放っておいて下さいよ

風見ゆうみ
恋愛
私、ミーファ・ヘイメルは、ローストリア国内に五人いる聖女の内の一人だ。 ローストリア国の聖女とは、聖なる魔法と言われる、回復魔法を使えたり魔族や魔物が入ってこれない様な結界を張れる人間の事を言う。 ある日、恋愛にかまけた四人の聖女達の内の一人が張った結界が破られ、魔物が侵入してしまう出来事が起きる。 国王陛下から糾弾された際、私の担当した地域ではないのに、四人そろって私が悪いと言い出した。 それを信じた国王陛下から王都からの追放を言い渡された私を、昔からの知り合いであり辺境伯の令息、リューク・スコッチが自分の屋敷に住まわせると進言してくれる。 スコッチ家に温かく迎えられた私は、その恩に報いる為に、スコッチ領内、もしくは旅先でのみ聖女だった頃にしていた事と同じ活動を行い始める。 新しい暮らしに慣れ始めた頃には、私頼りだった聖女達の粗がどんどん見え始め、私を嫌っていたはずの王太子殿下から連絡がくるようになり…。 ※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。 ※クズがいますので、ご注意下さい。

もう何も信じられない

ミカン♬
恋愛
ウェンディは同じ学年の恋人がいる。彼は伯爵令息のエドアルト。1年生の時に学園の図書室で出会って二人は友達になり、仲を育んで恋人に発展し今は卒業後の婚約を待っていた。 ウェンディは平民なのでエドアルトの家からは反対されていたが、卒業して互いに気持ちが変わらなければ婚約を認めると約束されたのだ。 その彼が他の令嬢に恋をしてしまったようだ。彼女はソーニア様。ウェンディよりも遥かに可憐で天使のような男爵令嬢。 「すまないけど、今だけ自由にさせてくれないか」 あんなに愛を囁いてくれたのに、もう彼の全てが信じられなくなった。

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

【完結】あなたのいない世界、うふふ。

やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。 しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。 とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。 =========== 感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。 4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。

[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました

masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。 エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。 エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。 それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。 エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。 妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。 そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。 父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。 釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。 その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。 学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、 アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。

公爵令嬢の辿る道

ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。 家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。 それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。 これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。 ※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。 追記  六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。

処理中です...