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第25話:今まで抑えていた感情が溢れ出した~ローイン視点~
マーガレット嬢に拒絶され、絶望に打ちひしがれるマリン。今度は俺に縋って来たのだ。この際だから、俺が愛しているのはマーガレット嬢だけだとこの女に知らしめてやろう。
そんな思いで、今まで封印していた気持ちを、マーガレット嬢に伝えた。そんな俺に、目を大きく見開き、どう答えていいのか分からないと言った顔のマーガレット嬢。
するとマリンが、自分という婚約者がいながら、マーガレット嬢を想っていたのは立派な不貞行為だと、騒ぎ出したのだ。本当に頭の悪い女だ。俺は今まで、マーガレット嬢の気持ちを封印してきたし、そう言った素振りも見せてこなかった。
それに俺は、きちんとマリンと婚約破棄をしてから、マーガレット嬢に気持ちを伝えたのだ。なりふり構わず、色々な男と関係を持っていたマリンと一緒にして欲しくはない。
さすがにこれ以上マリンの醜態をさらす訳にはいかないと思ったのか、俺たちに頭を下げ、マリンを連れて行くマリンの両親。
ただ、ここで終わる様な女ではない。最後の最後に、俺に向かって暴言を吐いていた。こんな虫けらみたいな女に、何を言われようと動じる俺ではない。虫が最後に鳴いていると思っていたのだが…
何を思ったのか、マーガレット嬢が怖い顔をして
「ローイン様の瞳の色のどこが妖怪なのよ!真っ青な雲一つない空をイメージさせる美しいスカイブルーの左目、どこまでも広がる壮大な海をイメージさせる、エメラルドグリーンの右目。そんな素敵な色を持っているローイン様の瞳は、この国の誰よりも美しい瞳よ!」
そう叫んでいたのだ。そのセリフを聞いた瞬間、俺は泣きそうになった。この子は何一つ変わっていない。今でもマーガレット嬢は、あの時と変わらない思いを抱いてくれている。それが嬉しくてたまらなかった。
あまりの嬉しさに、ついマーガレット嬢を抱きしめた。今度こそ俺は、彼女を離したりしたい。俺が彼女を幸せにしたい。そう強く思ったのだ。
その後クラスメイトの令嬢たちもマーガレット嬢に謝罪をしていた。あいつら、散々マーガレット嬢を傷つけていて!という感情もあったが、本人が許すと言っているのだから、これ以上俺が口を出す事ではないと判断した。
その後、しばらく話をした後、マーガレット嬢は帰って行った。何度も何度もお礼を言われたが、お礼を言うのは俺の方だ。今の俺があるのは、マーガレット嬢があの時、俺の瞳を褒めてくれたからなのだから…
無事断罪も終わり、俺も屋敷に戻ってきた。
「ローイン、今日のあなた、とても格好よかったわよ。それにしても、マーガレット嬢、あの時と全く変わっていなかったわね。まさか、あのセリフがまた聞けるだなんて、思わなかったわ」
「真っ青な雲一つない空をイメージさせる美しいスカイブルーの左目、どこまでも広がる壮大な海をイメージさせる、エメラルドグリーンの右目か。本当に表現力が豊かな子だね。確かにローインの瞳は、本当に美しい。マーガレット嬢の言う通り、まるで空と海の様だ。この美しさが理解できないやつは、目が曇っているのだよ」
そう言って父上が笑っていた。確かに、俺の瞳の美しさが分からない様な奴は、目だけでなく、心も曇っているのだろう。そう、あの女の様に…
「そんな曇った令嬢と婚約をさせてしまって、本当にごめんなさい。請求した慰謝料は、あなたが好きに使ってもらって構わないから。それから、マーガレット嬢の件も、すぐにアディナス伯爵に話しをしましょう。ただ、一度婚約破棄をすると、半年間は婚約を結び直せないという、面倒なしきたりがあるのよね」
そう、我が国には色々と面倒なしきたりがあるのだ。
「きっとマーガレット嬢も、まだ頭が混乱しているでしょうし。それに、半年の間で、ゆっくりとマーガレット嬢との仲を、深めていきますから大丈夫です」
半年後と言えば、ちょうど貴族学院を卒院するタイミングだ。正直俺は、無理やりマーガレット嬢を俺の婚約者にしたいとは考えていない。彼女は辛い思いをした分、彼女の思う様にして欲しいと考えているのだ。
ただ、彼女に振り向いてもらえるよう、頑張るつもりだ。幸い俺もマーガレット嬢も、フリーなのだ。今まで抑えていた感情を、これからは彼女に目いっぱい伝えていこう。
次こそは絶対に失敗しない。
その為にも俺は、やれることをやるまでだ。
※長くなりましたが、次回からマーガレット視点に戻ります。
よろしくお願いいたします。
そんな思いで、今まで封印していた気持ちを、マーガレット嬢に伝えた。そんな俺に、目を大きく見開き、どう答えていいのか分からないと言った顔のマーガレット嬢。
するとマリンが、自分という婚約者がいながら、マーガレット嬢を想っていたのは立派な不貞行為だと、騒ぎ出したのだ。本当に頭の悪い女だ。俺は今まで、マーガレット嬢の気持ちを封印してきたし、そう言った素振りも見せてこなかった。
それに俺は、きちんとマリンと婚約破棄をしてから、マーガレット嬢に気持ちを伝えたのだ。なりふり構わず、色々な男と関係を持っていたマリンと一緒にして欲しくはない。
さすがにこれ以上マリンの醜態をさらす訳にはいかないと思ったのか、俺たちに頭を下げ、マリンを連れて行くマリンの両親。
ただ、ここで終わる様な女ではない。最後の最後に、俺に向かって暴言を吐いていた。こんな虫けらみたいな女に、何を言われようと動じる俺ではない。虫が最後に鳴いていると思っていたのだが…
何を思ったのか、マーガレット嬢が怖い顔をして
「ローイン様の瞳の色のどこが妖怪なのよ!真っ青な雲一つない空をイメージさせる美しいスカイブルーの左目、どこまでも広がる壮大な海をイメージさせる、エメラルドグリーンの右目。そんな素敵な色を持っているローイン様の瞳は、この国の誰よりも美しい瞳よ!」
そう叫んでいたのだ。そのセリフを聞いた瞬間、俺は泣きそうになった。この子は何一つ変わっていない。今でもマーガレット嬢は、あの時と変わらない思いを抱いてくれている。それが嬉しくてたまらなかった。
あまりの嬉しさに、ついマーガレット嬢を抱きしめた。今度こそ俺は、彼女を離したりしたい。俺が彼女を幸せにしたい。そう強く思ったのだ。
その後クラスメイトの令嬢たちもマーガレット嬢に謝罪をしていた。あいつら、散々マーガレット嬢を傷つけていて!という感情もあったが、本人が許すと言っているのだから、これ以上俺が口を出す事ではないと判断した。
その後、しばらく話をした後、マーガレット嬢は帰って行った。何度も何度もお礼を言われたが、お礼を言うのは俺の方だ。今の俺があるのは、マーガレット嬢があの時、俺の瞳を褒めてくれたからなのだから…
無事断罪も終わり、俺も屋敷に戻ってきた。
「ローイン、今日のあなた、とても格好よかったわよ。それにしても、マーガレット嬢、あの時と全く変わっていなかったわね。まさか、あのセリフがまた聞けるだなんて、思わなかったわ」
「真っ青な雲一つない空をイメージさせる美しいスカイブルーの左目、どこまでも広がる壮大な海をイメージさせる、エメラルドグリーンの右目か。本当に表現力が豊かな子だね。確かにローインの瞳は、本当に美しい。マーガレット嬢の言う通り、まるで空と海の様だ。この美しさが理解できないやつは、目が曇っているのだよ」
そう言って父上が笑っていた。確かに、俺の瞳の美しさが分からない様な奴は、目だけでなく、心も曇っているのだろう。そう、あの女の様に…
「そんな曇った令嬢と婚約をさせてしまって、本当にごめんなさい。請求した慰謝料は、あなたが好きに使ってもらって構わないから。それから、マーガレット嬢の件も、すぐにアディナス伯爵に話しをしましょう。ただ、一度婚約破棄をすると、半年間は婚約を結び直せないという、面倒なしきたりがあるのよね」
そう、我が国には色々と面倒なしきたりがあるのだ。
「きっとマーガレット嬢も、まだ頭が混乱しているでしょうし。それに、半年の間で、ゆっくりとマーガレット嬢との仲を、深めていきますから大丈夫です」
半年後と言えば、ちょうど貴族学院を卒院するタイミングだ。正直俺は、無理やりマーガレット嬢を俺の婚約者にしたいとは考えていない。彼女は辛い思いをした分、彼女の思う様にして欲しいと考えているのだ。
ただ、彼女に振り向いてもらえるよう、頑張るつもりだ。幸い俺もマーガレット嬢も、フリーなのだ。今まで抑えていた感情を、これからは彼女に目いっぱい伝えていこう。
次こそは絶対に失敗しない。
その為にも俺は、やれることをやるまでだ。
※長くなりましたが、次回からマーガレット視点に戻ります。
よろしくお願いいたします。
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