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第2章
第12話:グレイ様がベスさんに嫉妬した様です
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この街に来て1ヶ月が過ぎた。すっかりこの街にも慣れた。毎日市場に買い物に行くため、お店の人ともすっかり顔なじみだ。さらにあの日助けたベスさんとも仲良くなり、空いている時間を狙って毎日パンを買いに行っている。
ただ仕事をしていないため、物凄く暇だ。やっぱり働いている方が私には性に合っている、そう思ってグレイ様に働きたい旨を伝えたのだが
“この街は治安が悪いんだ。食堂などもたまに襲撃されている。万が一スカーレットが働いている時に襲撃されたらどうするんだ?とにかく、働く事はダメだ”
そう言われてしまった。仕方がないので、毎日竹刀を振るったり、トレーニングをしたりして過ごしている。そのお陰か、以前より筋力が付いて動きも少しだけ俊敏になった気がする。
今日もトレーニングをした後、街に買い物に向かった。
「スカーレット、今買い物の帰りか?」
話しかけて来たのは、ベスさんだ。大きな小麦の袋を担いでいる。
「はい、そうです。ちょうど今からベスさんのお店のパンを買って帰ろうと思っているところですわ。それにしても、その小麦の袋、重そうですわね」
「慣れれば大したことはないよ。ちょうど今、客が少ない時間だからな。今日も食パンを買うんだろう?スカーレットの為に取っておいてあるぜ」
「いつもありがとうございます。ベスさんの家のパンは、夫も大好きなのですよ」
「そう言えばスカーレットの旦那って、見た事がないな。本当に家に帰って来ているのか?」
「朝早くに家を出て、夜遅くに帰ってきますので」
この街に来てから、ずっと働き詰めなグレイ様。帰りもかなり遅いし、体を壊さないか心配だ。
「ふ~ん、まあ、この街は治安が悪いからな。ちょっとここで待っていろよ。すぐにパンを持ってくるから」
お店の前まで来ると、1人で中に入って行ったベスさん。わざわざ取り置きしてくれたパンを持ってきてくれる様だ。
「お待たせ、はいこれ」
「ありがとうございます、これ、お金です」
お金を渡し、パンを受け取った。
「それでは私はこれで」
そう言って帰ろうとした時だった。
「スカーレット!!」
声の方を振り向くと、グレイ様が物凄い速さでこちらにやって来た。
「グレイ様、こんな時間にどうされたのですか?」
「この辺りで強盗が発生したから、様子を見に来たんだ。スカーレット、昼間に買い物に行けと言っているだろう。もうすぐ日も暮れる。とにかくすぐに家に帰るんだ」
そう言うと、私の腕を掴んだグレイ様。そうだわ、せっかくだから、ベスさんを紹介しないと。
「グレイ様、彼が以前お話したパン屋の息子のベスさんです。ベスさん、こっちは私の夫です」
お互いを紹介する。
「この街の騎士団長をしている、グレイと申します。いつも妻がお世話になっています。それでは、私たちは急ぎますので、これで」
ベスさんに軽く挨拶をしたグレイ様、そのまま私の腕を掴み、家の方に向かって歩き出した。そんな私たちを見て、ポカンとしているベスさん。家に着くなり
「スカーレット、どうしてこんな時間に外に出ているんだ!危ないだろう。それにスカーレットは人妻なんだぞ。どうして男と2人でいるんだ。変な噂でもたったらどうするんだ!」
そう怒られた。ここに来てから、よくグレイ様に怒られる。でも、確かに人妻の身でありながら、男性と2人きりでいるのはよくなかったわね。
「グレイ様、軽率な行動をとってしまい、ごめんなさい。次回から気を付けますわ」
「いや…俺の方こそすまない。最近忙しくて、ついイライラしてスカーレットに怒りをぶつけてしまった。ただ…最近スカーレットと一緒にいる時間が少なくて、正直不安なんだ。自分でも本当に情けないのだが、スカーレットの事になると、どうしても余裕がなくなる」
そう言って頭を掻きむしっているグレイ様。そんなグレイ様の手をそっと握った。
「私が好きなのは、グレイ様ただ1人です。ベスさんは、そうですね、弟みたいな存在ですかね。あの人、体格はいいけれど、まだ14歳なのですよ」
「あいつ、まだ14歳なのか…でも、だからと言って向こうはスカーレットに好意を抱いているかもしれないだろう?そもそも、多少歳が離れている夫婦はいくらでもいる!」
「それはないですわ。きっと向こうも、姉の様な存在だと思っているのではないですかね。ほら、以前ベスさんの事を助けた事もありましたし」
「スカーレットは異性に対して鈍すぎるんだ。俺の好意にも、一切気が付かなかったじゃないか。俺は物凄く君が心配なんだ。やっぱり護衛を雇って…」
「護衛何て雇わなくても大丈夫ですわ。とにかく、私はグレイ様一筋です。どんなに目の前に素敵な人が現れたとしても、絶対にグレイ様以外になびく事はありませんから。どうか信じて下さい」
真っすぐグレイ様を見つめ、そう伝えた。誰が何と言おうと、私はグレイ様が大好きなのだ。
「それじゃあ、スカーレットから口づけをしてくれるか?」
ニヤリと笑いながらそう言ったグレイ様。私から口づけだなんて、今までした事がない。さすがに恥ずかしいわ。でも、それで信用してもらえるのなら…
そう思い、自分の唇をグレイ様の唇に押し当てた。やっぱり恥ずかしい!そんな思いから、すぐに離れ俯いてしまう。そんな私の顎を持ち上げ、そのまま唇を塞いだグレイ様。
どんどん深くなっていく。その時だった。
ドンドン
「グレイ、ここに居るのか?犯人が捕まったぞ。早く現場に来い!」
外で副騎士団長様が叫んでいる。
「クソ、いいところを!すまん、スカーレット、また仕事に戻らないといけなくなった」
「私は大丈夫ですわ。お気をつけて行ってらっしゃいませ」
あぁ、もう行ってしまうのね。寂しいが仕方がない。でもドアを開ける寸前、再び私に口づけをしたグレイ様。そして、そのまま家を出て行った。
グレイ様ったら…
それにしても、グレイ様でも嫉妬するのね。それも、ベスさんに。
思いがけないグレイの姿を見たスカーレットは、しばらくニヤニヤが止まらなかったのであった。
ただ仕事をしていないため、物凄く暇だ。やっぱり働いている方が私には性に合っている、そう思ってグレイ様に働きたい旨を伝えたのだが
“この街は治安が悪いんだ。食堂などもたまに襲撃されている。万が一スカーレットが働いている時に襲撃されたらどうするんだ?とにかく、働く事はダメだ”
そう言われてしまった。仕方がないので、毎日竹刀を振るったり、トレーニングをしたりして過ごしている。そのお陰か、以前より筋力が付いて動きも少しだけ俊敏になった気がする。
今日もトレーニングをした後、街に買い物に向かった。
「スカーレット、今買い物の帰りか?」
話しかけて来たのは、ベスさんだ。大きな小麦の袋を担いでいる。
「はい、そうです。ちょうど今からベスさんのお店のパンを買って帰ろうと思っているところですわ。それにしても、その小麦の袋、重そうですわね」
「慣れれば大したことはないよ。ちょうど今、客が少ない時間だからな。今日も食パンを買うんだろう?スカーレットの為に取っておいてあるぜ」
「いつもありがとうございます。ベスさんの家のパンは、夫も大好きなのですよ」
「そう言えばスカーレットの旦那って、見た事がないな。本当に家に帰って来ているのか?」
「朝早くに家を出て、夜遅くに帰ってきますので」
この街に来てから、ずっと働き詰めなグレイ様。帰りもかなり遅いし、体を壊さないか心配だ。
「ふ~ん、まあ、この街は治安が悪いからな。ちょっとここで待っていろよ。すぐにパンを持ってくるから」
お店の前まで来ると、1人で中に入って行ったベスさん。わざわざ取り置きしてくれたパンを持ってきてくれる様だ。
「お待たせ、はいこれ」
「ありがとうございます、これ、お金です」
お金を渡し、パンを受け取った。
「それでは私はこれで」
そう言って帰ろうとした時だった。
「スカーレット!!」
声の方を振り向くと、グレイ様が物凄い速さでこちらにやって来た。
「グレイ様、こんな時間にどうされたのですか?」
「この辺りで強盗が発生したから、様子を見に来たんだ。スカーレット、昼間に買い物に行けと言っているだろう。もうすぐ日も暮れる。とにかくすぐに家に帰るんだ」
そう言うと、私の腕を掴んだグレイ様。そうだわ、せっかくだから、ベスさんを紹介しないと。
「グレイ様、彼が以前お話したパン屋の息子のベスさんです。ベスさん、こっちは私の夫です」
お互いを紹介する。
「この街の騎士団長をしている、グレイと申します。いつも妻がお世話になっています。それでは、私たちは急ぎますので、これで」
ベスさんに軽く挨拶をしたグレイ様、そのまま私の腕を掴み、家の方に向かって歩き出した。そんな私たちを見て、ポカンとしているベスさん。家に着くなり
「スカーレット、どうしてこんな時間に外に出ているんだ!危ないだろう。それにスカーレットは人妻なんだぞ。どうして男と2人でいるんだ。変な噂でもたったらどうするんだ!」
そう怒られた。ここに来てから、よくグレイ様に怒られる。でも、確かに人妻の身でありながら、男性と2人きりでいるのはよくなかったわね。
「グレイ様、軽率な行動をとってしまい、ごめんなさい。次回から気を付けますわ」
「いや…俺の方こそすまない。最近忙しくて、ついイライラしてスカーレットに怒りをぶつけてしまった。ただ…最近スカーレットと一緒にいる時間が少なくて、正直不安なんだ。自分でも本当に情けないのだが、スカーレットの事になると、どうしても余裕がなくなる」
そう言って頭を掻きむしっているグレイ様。そんなグレイ様の手をそっと握った。
「私が好きなのは、グレイ様ただ1人です。ベスさんは、そうですね、弟みたいな存在ですかね。あの人、体格はいいけれど、まだ14歳なのですよ」
「あいつ、まだ14歳なのか…でも、だからと言って向こうはスカーレットに好意を抱いているかもしれないだろう?そもそも、多少歳が離れている夫婦はいくらでもいる!」
「それはないですわ。きっと向こうも、姉の様な存在だと思っているのではないですかね。ほら、以前ベスさんの事を助けた事もありましたし」
「スカーレットは異性に対して鈍すぎるんだ。俺の好意にも、一切気が付かなかったじゃないか。俺は物凄く君が心配なんだ。やっぱり護衛を雇って…」
「護衛何て雇わなくても大丈夫ですわ。とにかく、私はグレイ様一筋です。どんなに目の前に素敵な人が現れたとしても、絶対にグレイ様以外になびく事はありませんから。どうか信じて下さい」
真っすぐグレイ様を見つめ、そう伝えた。誰が何と言おうと、私はグレイ様が大好きなのだ。
「それじゃあ、スカーレットから口づけをしてくれるか?」
ニヤリと笑いながらそう言ったグレイ様。私から口づけだなんて、今までした事がない。さすがに恥ずかしいわ。でも、それで信用してもらえるのなら…
そう思い、自分の唇をグレイ様の唇に押し当てた。やっぱり恥ずかしい!そんな思いから、すぐに離れ俯いてしまう。そんな私の顎を持ち上げ、そのまま唇を塞いだグレイ様。
どんどん深くなっていく。その時だった。
ドンドン
「グレイ、ここに居るのか?犯人が捕まったぞ。早く現場に来い!」
外で副騎士団長様が叫んでいる。
「クソ、いいところを!すまん、スカーレット、また仕事に戻らないといけなくなった」
「私は大丈夫ですわ。お気をつけて行ってらっしゃいませ」
あぁ、もう行ってしまうのね。寂しいが仕方がない。でもドアを開ける寸前、再び私に口づけをしたグレイ様。そして、そのまま家を出て行った。
グレイ様ったら…
それにしても、グレイ様でも嫉妬するのね。それも、ベスさんに。
思いがけないグレイの姿を見たスカーレットは、しばらくニヤニヤが止まらなかったのであった。
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