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第19話:いつまでもウジウジしていては駄目だ!~トーマス視点~
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ルシータ嬢が騎士団の稽古場に来なくなってから、1週間が過ぎようとしていた。
「はぁ~」
「おいトーマス。気持ち悪いため息はよせ!」
心底嫌そうな顔で俺に暴言を吐くのは、ジョセフだ。自業自得とはいえ、あの美しくて可愛らしくて可憐なルシータ嬢を、1週間も拝めていないのだ。ため息ぐらい出る…
どうしても稽古に身が入らない。俺はいつからこんなにも情けない男になったのだろう…
「トーマス、元気出せよ!とにかく飯に行くぞ!」
ジョセフに連れられ、食堂へと向かう。なぜか物凄く食堂が騒がしいな…そう思いつつ食堂に入ると、そこにいたのは!何とエプロンに三角巾を付けた、ものすごく可愛らしいルシータ嬢が!一体どういう事なんだ?
話を聞くと、今日から食堂の手伝いをしているらしい。それにしても、こんなにも美しいルシータ嬢が食堂なんかで働いたら、むさ苦しい野郎どもが群がる!現に鼻の下を完全に伸ばした団員たちが、食い入るようにルシータ嬢を見ているではないか!
「おい、お前、ルシータ嬢が食堂で働く事を知っていたのだろう?どうして止めないんだ!見て見ろ!野郎どものいやらしい視線が、ルシータ嬢に襲い掛かっているではないか!!」
ジョセフに怒鳴りつけた!
「本人がやりたいと言っているのだから、別にいいだろう!そもそも、お前が文句を言える立場かよ。稽古場への入場を禁止しなければ、ルシータ嬢だって食堂で働くと言う選択肢は選ばなかったはずだ。お前のせいだろう!!」
そう言われてしまっては、何も言えない…それにしても、一生懸命働くルシータ嬢は美しいな…
ルシータ嬢に見とれていると、俺たちの所に料理を運んできてくれた。その笑顔がまた可愛いのなんのって!そうだ、あの時の事を謝らないと!
なんだか恥ずかしくて、俯き加減で謝罪した。クソ!なんで俺はもっと男らしく謝れないんだ!自分でも情けない…
「こちらこそ、トーマス様にしつこくしてごめんなさい。でも、やっぱり私はトーマス様が好きです!だから、諦めるつもりはありませんので!」
そう言って笑ったルシータ嬢。あんなにも酷い事を言った俺を許してくれるだけでなく、まだ俺を好きでいてくれるのか…嬉しくて、つい頬が緩む。
「良かったな、ルシータ嬢が許してくれて。それにしても、お前もいい加減腹くくれよ。あれほどまでに美しくて優しく明るい令嬢なんて、そうそういないぞ。わかっているのか?」
「分かっている!俺も男だ!ルシータ嬢にしっかり気持ちを伝えよう!でも…本当に俺でいいのだろうか…気持ちが通じ合ったと分かったら、捨てられたりしないだろうか…」
2年前の出来事が脳裏をよぎる。
「でかい図体して、何を女々しい事を言っているんだよ!気持ち悪いな!そもそも、ルシータ嬢は何度お前に断られても、暴言を吐かれても諦めずにお前に気持ちをぶつけ続けているんだぞ!それに比べ、お前は…それでも男か!よっぽどルシータ嬢の方が男らしいぞ!」
確かにジョセフの言う通りだな!俺も男だ!
「お前の言う通りだ!とにかく、ルシータ嬢に気持ちを伝えよう!」
そう決意したのはいいが、ルシータ嬢は食堂で働きだしたため、昼食時にしか触れ合う事が出来ない。それにしても団員共め!ここぞとばかりに、ルシータ嬢に話しかけやがって!見ているだけで腹ただしい!
「おい、ただでさえゴリラみたいな顔をしているお前が、そんな恐ろしい顔をしていたら余計皆にビビられるぞ…」
呆れ顔のジョセフ。
「うるさい!そもそもルシータ嬢に気持ちを伝えるにしても、ちっともルシータ嬢と2人きりになれないじゃないか!この状況で、どうやって気持ちを伝えろって言うんだよ!」
「そんなもの自分で考えろよ!無駄にでかい頭が付いているだろう?」
クソ、事ある事に俺をバカにしやがって。イライラしたまま家に帰ると
「トーマス、あなたジョーンズ公爵家のルシータちゃんに惚れられているのですってね!今日ジョーンズ公爵夫人に聞いたのよ!何やらあなたの為に、料理を勉強したり、食堂で働き出したりと物凄く頑張ってくれているそうじゃない!あの生きた芸術作品とまで言われたジョーンズ公爵家のご令嬢に好かれるだなんて!いい、何が何でもものにしなさい!ほら、これにでも誘って、しっかりと告白して来なさい!」
そう言って俺に渡して来たのは、歌劇のチケットだ。まさか母上にまで話が行っているなんて。それに、ルシータ嬢は俺の事を家族にも話しているのか…
「いい事!このチャンスを何が何でもものにするのよ!きっとこの機会を逃したら、あなたは一生結婚できないわ!それにしても、やっぱりずっと美しい者達に囲まれていると、トーマスの様なゴリラ顔が新鮮なのかもしれないわね!そうだわ、今度家に遊びに連れて来なさい!いいわね、必ずよ!」
鼻息荒く俺に詰め寄る母上。母上が暴走しないといいのだが…とりあえずこの歌劇のチケットをルシータ嬢に渡して、2人で歌劇を見に行こう。話はそれからだ!
「はぁ~」
「おいトーマス。気持ち悪いため息はよせ!」
心底嫌そうな顔で俺に暴言を吐くのは、ジョセフだ。自業自得とはいえ、あの美しくて可愛らしくて可憐なルシータ嬢を、1週間も拝めていないのだ。ため息ぐらい出る…
どうしても稽古に身が入らない。俺はいつからこんなにも情けない男になったのだろう…
「トーマス、元気出せよ!とにかく飯に行くぞ!」
ジョセフに連れられ、食堂へと向かう。なぜか物凄く食堂が騒がしいな…そう思いつつ食堂に入ると、そこにいたのは!何とエプロンに三角巾を付けた、ものすごく可愛らしいルシータ嬢が!一体どういう事なんだ?
話を聞くと、今日から食堂の手伝いをしているらしい。それにしても、こんなにも美しいルシータ嬢が食堂なんかで働いたら、むさ苦しい野郎どもが群がる!現に鼻の下を完全に伸ばした団員たちが、食い入るようにルシータ嬢を見ているではないか!
「おい、お前、ルシータ嬢が食堂で働く事を知っていたのだろう?どうして止めないんだ!見て見ろ!野郎どものいやらしい視線が、ルシータ嬢に襲い掛かっているではないか!!」
ジョセフに怒鳴りつけた!
「本人がやりたいと言っているのだから、別にいいだろう!そもそも、お前が文句を言える立場かよ。稽古場への入場を禁止しなければ、ルシータ嬢だって食堂で働くと言う選択肢は選ばなかったはずだ。お前のせいだろう!!」
そう言われてしまっては、何も言えない…それにしても、一生懸命働くルシータ嬢は美しいな…
ルシータ嬢に見とれていると、俺たちの所に料理を運んできてくれた。その笑顔がまた可愛いのなんのって!そうだ、あの時の事を謝らないと!
なんだか恥ずかしくて、俯き加減で謝罪した。クソ!なんで俺はもっと男らしく謝れないんだ!自分でも情けない…
「こちらこそ、トーマス様にしつこくしてごめんなさい。でも、やっぱり私はトーマス様が好きです!だから、諦めるつもりはありませんので!」
そう言って笑ったルシータ嬢。あんなにも酷い事を言った俺を許してくれるだけでなく、まだ俺を好きでいてくれるのか…嬉しくて、つい頬が緩む。
「良かったな、ルシータ嬢が許してくれて。それにしても、お前もいい加減腹くくれよ。あれほどまでに美しくて優しく明るい令嬢なんて、そうそういないぞ。わかっているのか?」
「分かっている!俺も男だ!ルシータ嬢にしっかり気持ちを伝えよう!でも…本当に俺でいいのだろうか…気持ちが通じ合ったと分かったら、捨てられたりしないだろうか…」
2年前の出来事が脳裏をよぎる。
「でかい図体して、何を女々しい事を言っているんだよ!気持ち悪いな!そもそも、ルシータ嬢は何度お前に断られても、暴言を吐かれても諦めずにお前に気持ちをぶつけ続けているんだぞ!それに比べ、お前は…それでも男か!よっぽどルシータ嬢の方が男らしいぞ!」
確かにジョセフの言う通りだな!俺も男だ!
「お前の言う通りだ!とにかく、ルシータ嬢に気持ちを伝えよう!」
そう決意したのはいいが、ルシータ嬢は食堂で働きだしたため、昼食時にしか触れ合う事が出来ない。それにしても団員共め!ここぞとばかりに、ルシータ嬢に話しかけやがって!見ているだけで腹ただしい!
「おい、ただでさえゴリラみたいな顔をしているお前が、そんな恐ろしい顔をしていたら余計皆にビビられるぞ…」
呆れ顔のジョセフ。
「うるさい!そもそもルシータ嬢に気持ちを伝えるにしても、ちっともルシータ嬢と2人きりになれないじゃないか!この状況で、どうやって気持ちを伝えろって言うんだよ!」
「そんなもの自分で考えろよ!無駄にでかい頭が付いているだろう?」
クソ、事ある事に俺をバカにしやがって。イライラしたまま家に帰ると
「トーマス、あなたジョーンズ公爵家のルシータちゃんに惚れられているのですってね!今日ジョーンズ公爵夫人に聞いたのよ!何やらあなたの為に、料理を勉強したり、食堂で働き出したりと物凄く頑張ってくれているそうじゃない!あの生きた芸術作品とまで言われたジョーンズ公爵家のご令嬢に好かれるだなんて!いい、何が何でもものにしなさい!ほら、これにでも誘って、しっかりと告白して来なさい!」
そう言って俺に渡して来たのは、歌劇のチケットだ。まさか母上にまで話が行っているなんて。それに、ルシータ嬢は俺の事を家族にも話しているのか…
「いい事!このチャンスを何が何でもものにするのよ!きっとこの機会を逃したら、あなたは一生結婚できないわ!それにしても、やっぱりずっと美しい者達に囲まれていると、トーマスの様なゴリラ顔が新鮮なのかもしれないわね!そうだわ、今度家に遊びに連れて来なさい!いいわね、必ずよ!」
鼻息荒く俺に詰め寄る母上。母上が暴走しないといいのだが…とりあえずこの歌劇のチケットをルシータ嬢に渡して、2人で歌劇を見に行こう。話はそれからだ!
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