ぐうたら令嬢は公爵令息に溺愛されています

Karamimi

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第25話:居心地がいいです

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 笑顔の夫人に見送られ、部屋の外に出ると

「レイリス、やっと出てきてくれたのだね。おのれ母上め、僕のレイリスを奪おうとするだなんて」

 レアが飛んできたのだ。いつから私は、レアのものになったのかしら?自己中な男ね。

「あれ?その服、着替えたのかい?とてもよく似合っているよ。見た目もとてもおしゃれだし」

「そうでしょう?この服、夫人とデザイナーと一緒に考えて作ってもらったのよ。見ていなさい、レア。そのうち貴族女性たちの間で流行する予定だから」

 きっとお母様もお姉様も、私に謝罪する日が来るはずだわ!散々私の服をバカにしていたのですもの、お母様とお姉様が悔しがる顔を見るのが、今から楽しみね。

「レイリスが嬉しそうで僕も嬉しいよ。すっかり日が暮れてしまったね。夕食にしよう」

 夕食!

 昨日の夜会といい昼食といい、公爵家のお料理は恐ろしいほど美味しいのだ。よし、しっかり食べないと!

 食堂に向かうと、これまたご馳走が並んでいた。どれも美味しそうだ。早速お料理を頂く。それにしても、本当にどれを食べてもほっぺたが落ちそうになるくらい美味しいのだ。これはたまらないわね。

 夢中で食べていると

「ゴホン」

 この咳払いは!

 チラリと近くに控えているマリアンの方を見る。

 “お嬢様、いくら何でも食べすぎです”

 そう目で訴えてきたのだ。マリアンめ、公爵家でも訴えてくるだなんて。でも、さすがのマリアンも、直接私に意見できないようだ。無視して食べよう。

 そう思い、再び料理に手を延ばそうとした時だった。再びマリアンが、咳払いをしたのだ。

 もう、マリアンったら、うるさいわね。ナイフを置き、マリアンの方を見た。

「レイリス、どうしたのだい?君の為に料理を準備したのだから、好きなだけ食べたらいいよ。君、レイリスの専属メイドだったね。君がいると、レイリスが食事に集中できない様だから、席を外してくれるかい?」

 私の隣で食事をしていたレアが、マリアンを部屋の外に出したのだ。レアったら、たまにはいい仕事をするじゃない。うるさいのもいなくなったし、これで好きなだけ食べられるわ。

 レアのお陰で、私はお腹いっぱい食事を堪能する事が出来た。そして食後。

「さすがに食べ過ぎて苦しいわ」

「それじゃあ、少しベッドで休むといいよ。レイリスの部屋も準備してあるから、この部屋を好きに使ってくれ」

 レアが案内してくれたのは、立派なベッドが置かれた広い部屋だ。お昼に横になった部屋も立派だったが、こっちもいい部屋だわ。早速ベッドに横になる。フカフカで気持ちいいわ。

「君たち、レイリスにマッサージをしてあげてくれ」

「かしこまりました」

 ん?マッサージ?初めて聞く言葉に困惑する私を他所に、女性たちが私の元にやって来たのだ。

「レイリス様、失礼いたします」

 そう言うと、私の足に何やら液体を付けて、足をもみだしたのだ。何なの!これは、とても気持ちがいいわ。

「レア、これは一体何?とても気持ちがいいわ」

「これは今、異国で流行っているマッサージと言うものだよ。リラックス効果のある花のエキスを使ったオイルを肌に塗り込み、もみほぐしていくそうだ。僕もやってもらったけれど、とても気持ちよくて。肌もつるつるになるのだよ」

 確かにとても気持ちいい。これはたまらないわね。

 30分かけ、手足をマッサージしてもらった。どうやら全身もやってもらえるそうで、今度は体もやってもらう約束もした。

「お嬢様、そろそろお屋敷に戻るお時間です」

 マッサージを終え、ベッドの上でくつろいでいると、どこからともなくやって来たマリアンが声をかけてきた。

「今から屋敷に帰るですって?嫌よ、このフカフカのベッドでそのまま寝たいわ」

 マッサージもしてもらってフカフカのベッドに横になっている今、起き上がって馬車に乗って伯爵家に帰るだなんて面倒くさい。

「何をおっしゃっているのですか?婚約もしていらっしゃらない殿方のお屋敷に泊まるだなんて、その様な事はいけません!さあ、帰りますよ」

 私の手を引っ張るマリアン。嫌よ、面倒くさい。

「レア、今日はここに泊まってもいいわよね?」

 私の傍でベッドに座っていたレアに助けを求めたのだが…

「僕もそうさせてあげたいのだけれど、僕たちはまだ婚約を結んでいないからそれは出来ないな。ごめんね、レイリス。僕が運んであげるから」

 そう言うと、レアが私を抱きかかえたのだ。レアが運んでくれるのなら、まあいいか。

 それにしても今日は、楽しかったわ。公爵家での生活も、そんなに悪くはなさそうね。
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