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第35話:ふざけているのか?~アドレア視点~
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正直レイリスの事は気になるが、今日は王宮で宴が行われただけと聞いている。お妃候補を選ぶのに、最低でも1週間はかかるから、その間はきっと、レイリスも大人しく屋敷で過ごせるだろう。
その間に、何とかケリをつけないと。そう思っていたのだが…
「公爵殿、アドレア殿、大変です。先ほど王家の騎士団の方たちがやって来て、レイリスを王宮に連れて行ってしまいました。レイリスが殿下のお妃候補に選ばれたという通知を頂き、レイリスを起こしに行ったのですが、中々起きなくて…そうこうしている間に、彼らが押しかけて来たのです」
「何だって?レイリス嬢が連れて行かれただって?あの恐ろしいほど強いレイリス嬢がかい?」
父上が目を丸くしている。確かにレイリスなら、王宮騎士団など、片手で倒してしまうだろう。それなのに、どうして…
「レイリスはちょっと体調が悪かったようで、体が思う様に動かなかったのです。それに何やらリングの様なものを付けられた瞬間、レイリスの意識が飛んでしまったのです。あの…レイリスは大丈夫でしょうか?あんな姿、初めて見たので…」
不安そうな顔の伯爵。
「レイリスは体調が悪かったのですか?そういえば最近、レイリスは体調があまり良くない時がありました。もしかして、命に関わる病気なのかもしれません。すぐに医者に診せないと」
「落ち着きなさい、アドレア。伯爵が言った、“リング”が気になるな。もしかしたら、魔力を無力化するリングかもしれない。詳しい話は魔術師に聞かないと。すぐに魔術師を連れて来てくれ」
魔力を無力化するリングだって?そんな物を付けられて、レイリスは大丈夫なのか?不安で胸が押しつぶされそうになる。
「旦那様、魔術師を連れてきました」
ちょうどタイミングよく、僕専属の魔術師がやって来たのだ。父上がレイリスの様子を細かく話した。すると…
「きっと魔力を無力化するリングで間違いないでしょう。それにしても、レイリス嬢はどうして意識を飛ばしたのでしょうか?通常リングを付けられたとしても、長期間リングを付けていない限り、体調を崩したり意識を飛ばすことはありません。魔力を持っていない人間と、同じ状況になるだけのはずですが」
不思議そうに首をかしげる魔術師。
「ちょっと待ってくれ。長期間リングを付けていると、体に異変がおきるのかい?」
「はい、魔力をリングに吸われ続けるので、体に大きな負担になります。最悪、命を落とすこともあります。とはいえ、定期的に付け外しすれば、そこまで危険な物ではありません」
「何が危険な物ではありませんだ!現にレイリスはリングを付けた瞬間、意識を飛ばしたのだろう?きっと体に大きな負担がかかっているに違いない。すぐにレイリスを助け出さないと!」
「落ち着いて下さい、坊ちゃま。と言いたいところですが、最近レイリス様の体調があまり良くなかったという事は、もしかしたら何らかの理由で、魔力が増減している可能性があります。一度診察をしてみないとわかりませんが、最悪命に関わる事も…」
「レイリスの魔力に異変がおきているという事か?そんな中変なリングを付けられた事で、レイリスの体に大きな負担がかかったとしたら…」
レイリスの命が危ない!
「父上、一刻も早くレイリスを助けに行きましょう。いくら何でも伯爵家に乗り込んで、令嬢を攫うだなんて酷すぎます!こんな事がまかり通っていたら、王族への忠誠心など、とてもではないが誓えない!」
「アドレアの言う通りだ。さすがに容認できないな。明日の朝、主要な貴族たちを呼んで協力を仰ごう。急げば3日程度で準備が整うだろう」
「父上、それは正気ですか?3日後だなんて、とても待てません。あの愚か者が、レイリスのリングを定期的に外させるとは思えません!本当なら今すぐ助けに行きたいが、もう夜ですし。明日には王宮に向かいます」
「待て、アドレア。早まるな!失敗したらレイリス嬢を助けられないどころか、アドレア自身も危険に晒されるのだぞ!」
「父上は昔、僕に言いましたよね。僕の持つ魔力には、国を良くも悪くもする事が出来ると。僕の力ひとつで、国を滅ぼすことも出来ると。それなら、僕にあの王族共を滅ぼさせてください。この力はレイリスを守るためにあるのです。今こそ、この魔力を使う時」
ずっと憎かった魔力、こんなもの、持って生まれなければ!そう願った日々もあった。でも、レイリスと出会い、彼女のお陰で魔力も悪くないと思えた。レイリスは絶望の中にいた僕を助けてくれたのだ。
今度は僕が、この魔力を使って彼女を助ける番だ。
その間に、何とかケリをつけないと。そう思っていたのだが…
「公爵殿、アドレア殿、大変です。先ほど王家の騎士団の方たちがやって来て、レイリスを王宮に連れて行ってしまいました。レイリスが殿下のお妃候補に選ばれたという通知を頂き、レイリスを起こしに行ったのですが、中々起きなくて…そうこうしている間に、彼らが押しかけて来たのです」
「何だって?レイリス嬢が連れて行かれただって?あの恐ろしいほど強いレイリス嬢がかい?」
父上が目を丸くしている。確かにレイリスなら、王宮騎士団など、片手で倒してしまうだろう。それなのに、どうして…
「レイリスはちょっと体調が悪かったようで、体が思う様に動かなかったのです。それに何やらリングの様なものを付けられた瞬間、レイリスの意識が飛んでしまったのです。あの…レイリスは大丈夫でしょうか?あんな姿、初めて見たので…」
不安そうな顔の伯爵。
「レイリスは体調が悪かったのですか?そういえば最近、レイリスは体調があまり良くない時がありました。もしかして、命に関わる病気なのかもしれません。すぐに医者に診せないと」
「落ち着きなさい、アドレア。伯爵が言った、“リング”が気になるな。もしかしたら、魔力を無力化するリングかもしれない。詳しい話は魔術師に聞かないと。すぐに魔術師を連れて来てくれ」
魔力を無力化するリングだって?そんな物を付けられて、レイリスは大丈夫なのか?不安で胸が押しつぶされそうになる。
「旦那様、魔術師を連れてきました」
ちょうどタイミングよく、僕専属の魔術師がやって来たのだ。父上がレイリスの様子を細かく話した。すると…
「きっと魔力を無力化するリングで間違いないでしょう。それにしても、レイリス嬢はどうして意識を飛ばしたのでしょうか?通常リングを付けられたとしても、長期間リングを付けていない限り、体調を崩したり意識を飛ばすことはありません。魔力を持っていない人間と、同じ状況になるだけのはずですが」
不思議そうに首をかしげる魔術師。
「ちょっと待ってくれ。長期間リングを付けていると、体に異変がおきるのかい?」
「はい、魔力をリングに吸われ続けるので、体に大きな負担になります。最悪、命を落とすこともあります。とはいえ、定期的に付け外しすれば、そこまで危険な物ではありません」
「何が危険な物ではありませんだ!現にレイリスはリングを付けた瞬間、意識を飛ばしたのだろう?きっと体に大きな負担がかかっているに違いない。すぐにレイリスを助け出さないと!」
「落ち着いて下さい、坊ちゃま。と言いたいところですが、最近レイリス様の体調があまり良くなかったという事は、もしかしたら何らかの理由で、魔力が増減している可能性があります。一度診察をしてみないとわかりませんが、最悪命に関わる事も…」
「レイリスの魔力に異変がおきているという事か?そんな中変なリングを付けられた事で、レイリスの体に大きな負担がかかったとしたら…」
レイリスの命が危ない!
「父上、一刻も早くレイリスを助けに行きましょう。いくら何でも伯爵家に乗り込んで、令嬢を攫うだなんて酷すぎます!こんな事がまかり通っていたら、王族への忠誠心など、とてもではないが誓えない!」
「アドレアの言う通りだ。さすがに容認できないな。明日の朝、主要な貴族たちを呼んで協力を仰ごう。急げば3日程度で準備が整うだろう」
「父上、それは正気ですか?3日後だなんて、とても待てません。あの愚か者が、レイリスのリングを定期的に外させるとは思えません!本当なら今すぐ助けに行きたいが、もう夜ですし。明日には王宮に向かいます」
「待て、アドレア。早まるな!失敗したらレイリス嬢を助けられないどころか、アドレア自身も危険に晒されるのだぞ!」
「父上は昔、僕に言いましたよね。僕の持つ魔力には、国を良くも悪くもする事が出来ると。僕の力ひとつで、国を滅ぼすことも出来ると。それなら、僕にあの王族共を滅ぼさせてください。この力はレイリスを守るためにあるのです。今こそ、この魔力を使う時」
ずっと憎かった魔力、こんなもの、持って生まれなければ!そう願った日々もあった。でも、レイリスと出会い、彼女のお陰で魔力も悪くないと思えた。レイリスは絶望の中にいた僕を助けてくれたのだ。
今度は僕が、この魔力を使って彼女を助ける番だ。
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