呪いをかけられた王子を助けたら愛されました

Karamimi

文字の大きさ
25 / 26

第25話:私達家族に与えられたご褒美

「ティア嬢、リベリオの件、本当にありがとう。呪いを解いてくれただけでなく、再びキャロル殿下にかけられそうになった呪いを跳ね返してくれた事、本当に感謝している」

改めて陛下からお礼を言われた。

「それでだな、午後には君の両親も呼んで、褒美について話をしようと思っているから、そのつもりで」

まあ、両親も来るの?という事は、きっと爵位も上がるのね。お父様たち、きっと大喜びするでしょうね。

「承知いたしました。それでは私はこれで失礼いたします」

自室に戻るため、部屋を出た。自室に戻ると、すぐに伯爵家に帰る準備を始めた。

「随分と長い時間この離宮にお世話になった気がするけれど、たった3ヶ月程度しかいなかったのよね。でも…」

この3ヶ月、今までにないほど充実した生活だった。今まで全くと言っていいほど、殿方との接触がなかった私が、まさかこの国一番の美青年、第三王子のリベリオ殿下と仲良くなるなんてね。

でも、もう彼の呪いも解けたし、キャロル殿下が再び襲ってくることもないだろう。そう、私の役目は終わったのだ。

なんだか胸の奥がチクリと痛む。

初めて会った時は、絶望に満ち溢れていたリベリオ殿下、その姿を見た時何とかしてあげたいと思った。最初は同情もあっただろう、でも、彼と過ごしていくうちに、いつしか心が温かい物で包まれる様な、そんな感覚に襲われた。

誰もが絶望する様な最悪な呪いをかけられながらも、それでも私の言う事を聞いてくれ、必死に呪いと立ち向かう彼の姿を見ていたら、何が何でも彼を助けたいと思う様になった。

だからこそ、ダラス様に最後の2つの呪いを解いてもらう様に、お願いしたのだ。本当は自分で解きたかった。でも…私にはその力がなかった。それが悔しかった。だからキャロル殿下が再び襲ってくるかもしれないと聞いた時、何が何でも彼を私の手で守りたいと思った。

そして、無事リベリオ殿下を守る事が出来た。それが嬉しくてたまらなかった。

そう、私はきっと、リベリオ殿下が好きなのだろう。でも彼は、国一番の美青年で、第三王子だ。そんな彼が、私を好きになる事はないだろう。それに、他に好きな人がいる様な口ぶりだったし…

とにかく私にできる事は、早く彼の傍から去る事。大丈夫よ、私には魔力がある。今回の件で、私はきっとこの国の王宮魔術師にしてもらえるだろう。だから…彼の事はきっぱり忘れて、王宮魔術師として頑張るまでだ。

一通り片付けが終わった頃には、ちょうどお昼だ。いつもの様に、リベリオ殿下と昼食を食べる。こうやって彼と食事をするのも、今回が最後だろう。そう思うと、やっぱり胸が苦しい。それでも笑顔で食べきった。

そして午後

「ティア、よくやったぞ。さすが我が娘だ!」

「ティア、あなたまた無理をして!それにしてもダラス様も水臭いわ。こちらに来ていたのなら、我が家に寄ってくれてもいいものを!」

「お父様、お母様、お久しぶりです。ダラス様も色々と忙しかったのでしょう。さあ、そろそろ陛下たちの元へと向かいましょう」

一足先に両親と合流し、一緒に陛下たちの待つ部屋へと向かう。

部屋に入ると、陛下、王妃殿下、王太子殿下、リベリオ殿下が待っていた。一気に両親の顔が引き締まるのがわかる。

「大変お待たせして申し訳ございません」

お父様がすかさず挨拶をした。

「よく来てくれたね、ファリスティ伯爵、夫人。君たちも知っていると思うが、ティア嬢が我が息子、リベリオの呪いを解いただけでなく、再び呪いをかけに来たキャロル殿下からも守ってくれた。これでリベリオは、これから先、ずっと平和に暮らせるだろう。本当にありがとう」

「勿体なきお言葉にございます」

「それでだな、まずファリスティ伯爵家には、今回ブルシャ王国から貰った慰謝料の3分の2を与える。そして爵位も、侯爵位を与えよう。もちろん領地も増やす予定だ。今のところ、南部の土地を与えようと思っているのだが、どうだい?」

「そんなにいただけるのですか?ありがとうございます。この上ない幸せでございます」

お父様の顔が、ぱぁぁっと明るくなったのが分かる。そりゃそうだろう、今回ブルシャ王国から頂いた慰謝料は、国家予算の2倍。その慰謝料の3分の2を頂けるだけでなく、土地までもらえるとなれば、喜ばない訳がない。

「それからティア嬢、君には当初の予定通り、王宮魔術師の地位を与えよう。それから…その…もし君さえよければだが…その…」

なぜか陛下がもごもご言っている。どうしたのだろう。

「父上、ここからは僕が話をします」

そう言うと、私の前までやって来たリベリオ殿下。一体どうしたのかしら?



※次回最終話です。
よろしくお願いします。

あなたにおすすめの小説

本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます

氷雨そら
恋愛
 本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。 「君が番だ! 間違いない」 (番とは……!)  今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。  本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。 小説家になろう様にも投稿しています。

突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。

橘ハルシ
恋愛
 ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!  リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。  怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。  しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。 全21話(本編20話+番外編1話)です。

【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~

夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」 婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。 「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」 オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。 傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。 オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。 国は困ることになるだろう。 だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。 警告を無視して、オフェリアを国外追放した。 国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。 ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。 一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。

所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜

しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。 高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。 しかし父は知らないのだ。 ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。 そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。 それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。 けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。 その相手はなんと辺境伯様で——。 なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。 彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。 それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。 天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。 壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。

初めから離婚ありきの結婚ですよ

ひとみん
恋愛
シュルファ国の王女でもあった、私ベアトリス・シュルファが、ほぼ脅迫同然でアルンゼン国王に嫁いできたのが、半年前。 嫁いできたは良いが、宰相を筆頭に嫌がらせされるものの、やられっぱなしではないのが、私。 ようやく入手した離縁届を手に、反撃を開始するわよ! ご都合主義のザル設定ですが、どうぞ寛大なお心でお読み下さいマセ。

「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い

腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。 お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。 当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。 彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。

【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

こころ ゆい
恋愛
※最終話に、3/11加筆した分をアップしました。 ※番外編書きたい気持ちがあるのですが、一旦、恋愛小説大賞の締め切りに合わせて、完結とさせて頂きます。🌱 ※最後、急ぎ足で駆け抜けたので、説明不足や誤字脱字多くなっているかもしれません。都度見つけ次第、修正させて頂きます。申し訳ありません。💦 ジャスミン・リーフェント。二十歳。 歴史あるリーフェント公爵家の一人娘だが、 分厚い眼鏡に地味な装い、常に本を読んでいる変わり者。皆が自分のことをそう言っているのは知っていた。 モーリャント王国の王太子殿下、コーネル・モーリャントとの婚約が王命で決まってから十三年。王妃教育を終えても婚姻は進まず、宙ぶらりん状態。 そんな中、出席した舞踏会でいつも通り他の女性をエスコートする王太子殿下。 それだけならまだ良かったが、あろうことか王太子の連れた女性が事件を巻き起こす。その最中で言い渡された婚約破棄。 「....婚約破棄、お受けいたします」 そのあと、ジャスミンは一人旅に出てある人物と出会った。 これは、婚約破棄された女性が獣人国で知らぬうちに番と出会い、運命に翻弄されていく物語。

【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました

22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。 華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。 そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!? 「……なぜ私なんですか?」 「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」 ーーそんなこと言われても困ります! 目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。 しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!? 「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」 逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?