あなた達を見返して必ず幸せを掴んで見せます

Karamimi

文字の大きさ
41 / 52

第41話:断罪は続きます

陛下の言葉に、唖然とする。とにかく、はっきりと陛下に伝えないと。

「陛下、申し訳ないのですが、私はネイサン様と結婚などしたくありません。先ほども申しましたが、私はネイサン様と婚約破棄をしたいが為に、父の悪事を暴いたのです。こんな事は言いたくはありませんが、ネイサン様は国王の器ではないのではないでしょうか?」

「おい、ジェシカ!さっきから聞いていれば、よくも僕の事をコケにしやがったな。それもこんな公衆の面前で。これは立派な国家反逆罪だ。今すぐジェシカを牢に入れろ」

私に向かって怒っているのは、ネイサン様だ。

「本当の事を申したまでですわ。私は間違った事を言っておりません」

「ジェシカ、君って子は本当に!」

「やめろ、ネイサン!」

陛下の止める声もきかず、さっきのお父様と同じように、真っ赤な顔をして私に殴りかかって来るネイサン様。でも予想通り、護衛騎士に止められていた。

あら、残念ね。ここで私を殴ってしまえば、令嬢に手を上げる最低な男というレッテルが張られたはずなのに。まあいいわ、私を殴っている映像は、この後ちゃんと流れる予定だし。

「陛下、ネイサン殿下は令嬢で自分の婚約者でもある、ジェシカ嬢を殴ろうとしました。さらに、ネイサン殿下の日ごろの行いは、目に余るものがあります。やはり、ネイサン殿下を王にするのは私は反対です」

「「「私たちもです」」」」

ダスディー侯爵を筆頭に、他の貴族たちも声を上げる。

「ちょっと、黙って聞いていれば好き勝手言って。そもそも、この女がネイサンに暴言を吐いたから悪いのでしょう?ネイサンは誰がなんと言おうと、この国の王になるのよ!」

あの映像を見せて以来、大人しくしていた王妃様がついに口を開いた。私たちを睨みつけている。

「王妃殿下、本当にそうお思いですか?そういえば、あなた様もファレソン侯爵と一緒に、随分と悪事を働いておりましたね。陛下、どうぞこちらをご覧ください」

王妃様がお父様と一緒に話をしている姿が流れる。もちろん、音声もしっかり入っている。そう、王妃様は王妃という権力を利用してお父様に協力し、見返りとして金品を受け取っていたのだ。

さらに、私が提供した騎士との浮気映像も流れた。これはさすがにアウトだろう。

「お前、まさか私以外の男と関係を持っていたのか。それも、悪事にまで手を染めて!」

「違うのよ、これには訳があるの。ちょっと、ジェシカ嬢、この映像は世に出さないと約束したじゃない」

「いいえ、そんな約束はしておりません。私は陛下を裏切る事は出来ませんので、提供させていただきました」

「ふざけないでちょうだい」

私に向かって怒鳴る王妃様。

「ジェシカ、まさか母上まで脅していたなんて、恐ろしい女だ。父上、ジェシカとの婚約破棄を受け入れます。こんな恐ろしい女、こっちから願い下げだ」

何を思ったのか、ネイサン様が得意げにそう言っている。この人、自分の置かれている状況がまだ分かっていない様だ。

「うるさい、どいつもこいつも!おい、王妃を今すぐ王宮の地下牢に連れていけ」

陛下が騎士たちに指示を出す。

「待って、あなた。本当に誤解なの。お願い、私の話を聞いてちょうだい」

泣き叫びながら退場をしていく王妃様。

王妃様の退場と同時に、家宅捜索をしていた騎士たちがたくさんの書類を持って戻ってきた。

「陛下、ジェシカ嬢がおっしゃっていたことは、本当の様です。侯爵の部屋に、原本がございました」

どうぞ!と言わんばかりに、陛下に書類を見せる騎士たち。

「どうやら間違いない様だな…ファレソン侯爵を王宮の地下牢に入れておけ」

大人しくしていたお父様が、騎士たちに連れていかれる。

「そんな、あなた」

「父上!」

継母と異母弟が泣きながらお父様に縋っている。その姿を見ても、正直何も思わない。それどころか、ザマァ見ろとすら思う私は、相当性格が悪いのだろう。

背を丸め、うなだれながら連行されていくお父様を見守る。

「ジェシカ、あなた、よくもあの人を!」

「父上によくもこんな酷い事をしたな。この裏切り者!」

私に向かって文句を言う継母と義理弟。

「私は真実を暴いただけですわ。文句なら、自分の夫と父親に言ってくださいませ。そうそう、お継母様、あなたがお父様に加担した証拠も残っておりますよ。きっとすぐにお父様と同じ場所に行けるでしょう」

そう伝えてやった。

「この性悪女!だからあの女の子供なんて、さっさと殺しておけばよかったのよ。それなのにあの人が“ジェシカはまだ使い道がある”なんて言うからいけないのよ」

そう言って暴れていた。今サラッと私を殺そうとしたことを暴露したわね。恐ろしい女。

「陛下、今ファレソン侯爵夫人がおっしゃった通り、彼女はファレソン侯爵と共謀し、元ファレソン侯爵夫人を殺し、ジェシカ嬢も亡き者にしようとしておりました。さらに、悪事にも手を染めております。侯爵と共に、地下牢へ連行した方がよろしいのではないでしょうか?」

すかさずダスディー侯爵が陛下に提案した。

「…そうだな。夫人も王宮の地下牢に入れておけ」

「ちょっと、どうして私まで。ジェシカ、あなたの事、一生恨んでやるからね」

真っ赤な顔をして怒鳴りながら連行されていった継母を見送る。さてと、後は異母弟だけだが…チラリと彼の方を見る。

「あ…あの、僕…父上や母上に逆らえなかったんだ。異母姉上、僕はまだ11歳だよ。だからその…助けてくれるよね」

なぜか私の顔を見て、そんな事を言いだした異母弟。

「私は何もできないわ。多分侯爵家は取り潰されるだろうから、あなたはお継母様の実家の、伯爵家でお世話にでもなるしかないのではなくって」

「伯爵家…そんな、僕は公爵になるつもりだったのに…」

がっくりと肩を落とす異母弟。だからなにをどうしたら公爵になれると思うのよ。まあ、今まで贅沢三昧をしてきた分、伯爵家でまっとうな貴族になれる様、努力する事ね。

さあ、最後はネイサン様だ。

あなたにおすすめの小説

夫に欠陥品と吐き捨てられた妃は、魔法使いの手を取るか?

里見
恋愛
リュシアーナは、公爵家の生まれで、容姿は清楚で美しく、所作も惚れ惚れするほどだと評判の妃だ。ただ、彼女が第一皇子に嫁いでから三年が経とうとしていたが、子どもはまだできなかった。 そんな時、夫は陰でこう言った。 「完璧な妻だと思ったのに、肝心なところが欠陥とは」 立ち聞きしてしまい、失望するリュシアーナ。そんな彼女の前に教え子だった魔法使いが現れた。そして、魔法使いは、手を差し出して、提案する。リュシアーナの願いを叶える手伝いをするとーー。 リュシアーナは、自身を子を産む道具のように扱う夫とその周囲を利用してのしあがることを決意し、その手をとる。様々な思惑が交錯する中、彼女と魔法使いは策謀を巡らして、次々と世論を操っていく。 男尊女卑の帝国の中で、リュシアーナは願いを叶えることができるのか、魔法使いは本当に味方なのか……。成り上がりを目論むリュシアーナの陰謀が幕を開ける。 *************************** 本編完結済み。番外編を不定期更新中。

【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね

との
恋愛
離婚したいのですか?  喜んでお受けします。 でも、本当に大丈夫なんでしょうか? 伯爵様・・自滅の道を行ってません? まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。 収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。 (父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる) ーーーーーー ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。 32話、完結迄予約投稿済みです。 R15は念の為・・

【完結】都合のいい女ではありませんので

風見ゆうみ
恋愛
アルミラ・レイドック侯爵令嬢には伯爵家の次男のオズック・エルモードという婚約者がいた。 わたしと彼は、現在、遠距離恋愛中だった。 サプライズでオズック様に会いに出かけたわたしは彼がわたしの親友と寄り添っているところを見てしまう。 「アルミラはオレにとっては都合のいい女でしかない」 レイドック侯爵家にはわたししか子供がいない。 オズック様は侯爵という爵位が目的で婿養子になり、彼がレイドック侯爵になれば、わたしを捨てるつもりなのだという。 親友と恋人の会話を聞いたわたしは彼らに制裁を加えることにした。 ※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。

(完結)私はもう他人です!

青空一夏
恋愛
マリアの両親は平民で、ピナベーカリーというパン屋を経営している。一歳違いの妹ソフィアはピンクブロンドにピンクの大きな瞳の愛らしい女の子で、両親に溺愛されていた。マリアも妹を可愛がっており、幼いころの姉妹仲はとても良かった。 マリアが学園に通う年齢になった頃、小麦粉の値上げでピナベーカリーの経営がうまくいかず、マリアは学園に行くことができない。同じ街のブロック服飾工房に住み込みで働くことになった。朝早く実家のパン屋を手伝い、服飾工房に戻って夜まで針仕事。 お給料の半分は家に入れるのだが、マリアはそれを疑問にも思わなかった。 その1年後、ソフィアが学園に通う年齢になると、ピナベーカリーが持ち直し、かなりパンが売れるようになった。そのためソフィアは裕福な子女が通う名門ルクレール女学園の寮に行くことになった。しかし、ルクレール女学園の学費は高く、マリアは給料を全部入れてくれるように頼まれた。その時もマリアは妹の幸せを自分のものとして捉え、両親の言うとおりにそれを受け入れる。 マリアは家族思いで誠実。働き者なところをブロック服飾工房のオーナーであるレオナードに見初められる。そして、レオナードと結婚を誓い合い、両親と妹と引き合わせたところ・・・・・・ これは、姉妹格差で我慢させられてきた姉が、前世の記憶を取り戻し、もう利用されないと、自分の人生を歩もうとする物語です。

【完結】お飾り妃〜寵愛は聖女様のモノ〜

恋愛
今日、私はお飾りの妃となります。 ※実際の慣習等とは異なる場合があり、あくまでこの世界観での要素もございますので御了承ください。

諦めていた自由を手に入れた令嬢

しゃーりん
恋愛
公爵令嬢シャーロットは婚約者であるニコルソン王太子殿下に好きな令嬢がいることを知っている。 これまで二度、婚約解消を申し入れても国王夫妻に許してもらえなかったが、王子と隣国の皇女の婚約話を知り、三度目に婚約解消が許された。 実家からも逃げたいシャーロットは平民になりたいと願い、学園を卒業と同時に一人暮らしをするはずが、実家に知られて連れ戻されないよう、結婚することになってしまう。 自由を手に入れて、幸せな結婚まで手にするシャーロットのお話です。

【完結】時戻り令嬢は復讐する

やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。 しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。 自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。 夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか? 迷いながらもユートリーは動き出す。 サスペンス要素ありの作品です。 設定は緩いです。 6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。

見捨てられた逆行令嬢は幸せを掴みたい

水空 葵
恋愛
 一生大切にすると、次期伯爵のオズワルド様に誓われたはずだった。  それなのに、私が懐妊してからの彼は愛人のリリア様だけを守っている。  リリア様にプレゼントをする余裕はあっても、私は食事さえ満足に食べられない。  そんな状況で弱っていた私は、出産に耐えられなくて死んだ……みたい。  でも、次に目を覚ました時。  どういうわけか結婚する前に巻き戻っていた。    二度目の人生。  今度は苦しんで死にたくないから、オズワルド様との婚約は解消することに決めた。それと、彼には私の苦しみをプレゼントすることにしました。  一度婚約破棄したら良縁なんて望めないから、一人で生きていくことに決めているから、醜聞なんて気にしない。  そう決めて行動したせいで良くない噂が流れたのに、どうして次期侯爵様からの縁談が届いたのでしょうか? ※カクヨム様と小説家になろう様でも連載中・連載予定です。  7/23 女性向けHOTランキング1位になりました。ありがとうございますm(__)m