邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi

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第1話:結婚する事になりました

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「皆、ご飯よ。いらっしゃい」

今日も離宮の片隅で、1人動物たちに食事を与える。私の名前は、レアンヌ・ミル・ファリシア。この国の第二王女だ。王女と言っても名ばかりで、私は本宮から一番離れたこの離宮で、ひっそりと暮らしている。

というのも、私の母は元男爵令殿。どうやら私の父でもある今の国王陛下がお母様を見初め、密かに関係を持っていたらしい。そして生まれたのが私だ。

ただ王妃様がお母様と国王陛下の関係に激怒し、かなり揉めたらしい。その結果、私とお母様は、ひっそりと離宮で暮らすことになったのだ。そんなお母様も、私が7歳の時に亡くなった。

原因不明の高熱に襲われ、必死の看病も空しく息を引き取ったのだ。葬儀すら行えず、私が穴を掘って泣きながら埋葬した。

ちなみにお母様は、王妃様の指示で食事に毒を盛られたらしい。どうしてそんな事を知っているかって?それは動物たちが教えてくれたから。

なぜか私は物心ついた時から、動物たちの声が聞こえるのだ。正直その事実を知った時、悔しくて悲しくて、私もお母様の元に逝きたいと考えた。でも、そんな私を支えてくれたのが、ここにいる動物たちだ。

何度も私の命を奪おうとする王妃様から、動物たちが守ってくれているのだ。この子たちがいるから、私は生きていける。

「皆、美味しい?」

“ああ、美味しいよ。レアンヌが作る料理は最高だね”

“本当に美味しいよ。そうそう、レアンヌ、知っているかい?先日この国が、ついに隣国に勝ったらしいよ。これでしばらくは、平和に暮らせるね。あっ、でもまた平和になると、あの意地悪王妃がレアンヌを虐めたりしないかな?”

燕のルーンがそう教えてくれた。ルーンはとても物知りで、何でも知っているのだ。我が国は9年前、敵国が攻めてきたため、ずっと戦争をしていたのだ。そんな中、ついに隣国に勝利したとの事。

「ついに戦争が終わるのね。よかったわ。やっぱり平和が一番よね」

一時はかなり危うく、王都まで敵軍が攻めてきていた。そんな中、よく勝利したものだわ。

その時だった。

私の近くに集まっていた動物たちが、一斉に逃げていく。どうしたのかしら?

「レアンヌ殿下、陛下がお呼びです。至急本宮へ」

3人の騎士たちが私のところにやって来たのだ。陛下が私を本宮に呼ぶだなんて、一体何の用かしら?

不信に思いつつも、行かない訳にはいかない。騎士たちに連れられて、本宮へと向かう。すると、陛下と王妃様、さらに王妃様の娘でもある第一王女、カトレナ王女も待っていた。

王妃様とカトレナ王女は、私の姿を見た瞬間、露骨に嫌そうな顔をして扇子で口元を隠している。

「相変わらず見すぼらしい格好をしているのね。それに、あの女にそっくり!見ているだけで、虫唾が走るわ」

すぐさま暴言を吐く王妃様。面倒なので、無視しておくことにした。

「ちょっと、何とか言いなさいよ!本当に感じの悪い娘!」

「お母様、こんなのでも使い道があるのですから、いいではありませんか?」

そう言ってカトレナ王女が王妃様をなだめている。使い道がある?一体どういう事かしら?

「レアンヌ、実はお前には、アントニオ殿に嫁いでもらおうと思っている」

「アントニオ様?」

聞き覚えのない名前だ。一体誰かしら?

「そうだ、アントニオ殿はこの国を救ってくれた英雄!人間離れした身体能力を持つアントニオ殿は、22歳という若さで騎士団をまとめ上げ、自ら剣を握り隣国の将軍を追い詰め、ついにこちら側が優位な条件で和平を結ぶことが出来たのだ。いわば、この国の英雄という訳だ」

なるほど、確か陛下は、この国を救ってくれたものには、公爵の地位と自分の娘を嫁にやる!と、前代未聞、あり得ない程大盤振る舞いをしていたらしい。さらに好きな土地や莫大なお金も与えると言ったそうだ。

それだけこの国が危機的状況だったという事なのだが…でも、どうしてそんな英雄に私の様な人間を嫁がせたいのかしら?

「あの、どうして私なのですか?この国を救ってくださった英雄なのですよね。それなら、私よりカトレナ王女の方がふさわしいのでは…」

「本当に世間知らずね!アントニオ様は、平民上がりなうえ、ずっと鉄の仮面を被っているのよ。いくら英雄だからって、そんな男に可愛いカトレナを嫁がせられないわ!」

「人間離れした身体能力を持っている事から、実は獣人ではないかという噂もあるくらいなのよ!そんな恐ろしい男の元に、どうして私が嫁がないといけないのよ!だから、あなたが代わりに嫁ぐことになったのよ。一応あなたはお父様の血を受け継いでいる王女でしょ?本当に何の役にも立たないお荷物だと思っていたけれど。よかったわね、あなたも役に立つときが来て」

なるほど、それで私にその男性の元に嫁がせることにしたのね。

「もちろん、あなたに拒否権はないわよ。これは決定事項なの。明日にはアントニオ様の元に向かう手配は済んでいるからそのつもりで。さあ、話は済んだわ。早く離宮に戻りなさい!あなたの顔を見ていると、虫唾が走るのよ」

そう言うと、私をさっさと部屋から追い出した王妃様。どうやら私は、嫁に行く事が決まった様だ。


~あとがき~
新連載始めました。
よろしくお願いしますm(__)m
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