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第73話:アラステ王国でずっと生きていきます
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「キャリーヌ、そのドレス、とてもよく似合っているわ。今日はあなたの晴れ舞台ですもの。それにしても、アラステ王国は自然豊かで、とても綺麗な国ね。私、すっかりアラステ王国が好きになってしまったわ」
「ミリアム様ったら。そうですね、アラステ王国は国自体は小さいですが、自然豊かな美しい国です。今日のサミュエル様の王太子就任式と私たちの婚約披露パーティが終わったら、皆でピクニックに行きましょう。急いでカリアン王国に帰る必要はないのでしょう?」
「ええ、そうさせていただくわ。せっかくだから、しっかりアラステ王国を視察させてもらわないと」
隣でそう言って笑っているのは、ミリアム様だ。そして今日は、サミュエル様の王太子就任式と、私たちの婚約披露が行われる日。今日の為にミリアム様とカイロ様、さらにカリアン王国の王太子夫妻、グランズ王国の両陛下、ディステル王国の両陛下も我が国に来てくれている。
もちろん、お姉様やお義兄様、グランも私たちの為に、アラステ王国に来ている。久しぶりの里帰りとあって、お姉様はもちろん、お母様も大喜び。グランは初めてのアラステ王国に、興味津々の様で、しばらくアラステ王国に滞在する事になっている。
ちなみにミリアム様とカイロ様は、1週間前に入国されたのだ。既に2人には、色々な場所を案内したが、まだまだ案内したりない。もっと2人には、アラステ王国の魅力を知って欲しいと思っている。
「そういえば、ジェイデン殿下はもう旅立たれたの?いくら王族だからって、幽閉程度で済ませるだなんて、甘いのよ!」
ジェイデン殿下か…あの後正式に裁判が行われ、主犯でもあるジェイデン殿下とティーヌン侯爵は身分をはく奪され、この国で一番厳しいと言われている施設に幽閉されることが決まった。
それに伴い、ティーヌン侯爵家は取り潰されたのだ。本来であれば、極刑が妥当だったのだろうが、さすがに王族を極刑に処すのは…という貴族間の声を反映して、ティーヌン侯爵同様、幽閉に決まったのだ。
「確かに私も甘いと思いましたわ。ただ、お2人が幽閉される施設は非常に劣悪で、生きられて2年と言われております。ある意味死刑判決を下されたようなものですわ」
早くて半年、長くても2年生きられたらいいと言われている程の場所に、幽閉されるのだ。ある意味、極刑より残酷かもしれないと、お父様が話していた。
「そうだったのね。それならまあいいわ…て、こんなめでたいときに、変な話をしてごめんなさい。そろそろ時間ね、それじゃあ、私はカイロ様の元に戻るわ」
そう言うと、ミリアム様が部屋から出て行った。
「お嬢様、そろそろお時間です。参りましょう」
クラミーに連れられ、部屋から出た。向った先は、王族の控室だ。
「キャリーヌ、そのドレス、とてもよく似合っているよ。今日やっと君を僕の正式な婚約者として、皆に紹介できると思うと、嬉しくてたまらないよ」
私の傍に駆け寄ってきてくれたのは、サミュエル様だ。立派なマントをまとったサミュエル様は、誰が見ても次期国王にふさわしい姿をしている。
「サミュエル様こそ、とても素敵ですわ。今日からあなた様は王太子殿下です。1年後には私たちの結婚式が控えておりますし、これから大忙しですね」
そう、既に16歳になっている私たちは、1年後には正式に結婚をする事になっている。
本来なら目が回るほど忙しい時間を過ごしているはずなのだが、ミリアム様が我が国にいる間は、陛下を始め他の貴族たちが協力してくれ、私とサミュエル様に自由な時間を与えてくれているのだ。
“我が国を救って下さったミリアム殿下とカイロ殿をもてなすのが、今のサミュエル殿下とキャリーヌ嬢の最重要任務ですから”
との事。すっかり我が国の人気者になったミリアム様とカイロ様。入国した時、貴族たちから熱烈な歓迎を受けていたくらいだ。ただ、当の本人たちは、かなり困惑していたが…
何はともあれ、私たちはミリアム様とカイロ様のお陰で、今日という日を迎える事が出来たのだ。本当に2人には感謝している。
「さあ、そろそろ時間だ。行こうか」
陛下と王妃様の後に続き、私とサミュエル様も大ホールに入っていく。たくさんの貴族、さらに他国の王族たちが見守る中、サミュエル様の王太子就任式が行われた。
陛下から王太子の証でもある王冠が、サミュエル様の頭に乗せられた。その瞬間、大きな拍手が沸き起こる。
これでサミュエル様は、正式にこの国の王太子と認められたのだ。
そして次は、私とサミュエル様の婚約披露へと移る。サミュエル様にエスコートされ、陛下と王妃様の隣に2人で並んだ。
「今日お集りの皆様。先ほど我が息子、サミュエルが正式に王太子に就任いたしました。それに伴い、サミュエルの正式な婚約者を紹介いたします。マディスン公爵家の令嬢、キャリーヌ・マディスンです。ご存じの方も多いかと思いますが、キャリーヌ嬢には散々辛い思いをさせてしまいました。そんな中でも、彼女はサミュエルを支え、共に歩んでくれると言ってくれたのです。そしてその言葉通り、しっかりサミュエルを支えてくれております。どうか若い2人を、温かく見守って頂けると幸いです」
陛下、私の事をそんな風に思ってくれていたのね。なんだか嬉しいわ。そして次は、サミュエル様の挨拶だ。
「皆様、本日は私、サミュエル・グロッサム・アラステの為にお集まりいただき、誠にありがとうございます。今日この日を迎えられた事、本当に幸せに思っております。この日を迎えるまでに、本当に色々な事がありました。ですが、友人達や婚約者でもあるキャリーヌに支えられ、今日という日を迎える事が出来ました。私は1人では何もできない人間です。だからこそ、人との繋がりを今後も大切にしたい、そう考えております。どうかこれからも、キャリーヌ共々よろしくお願いいたします」
サミュエル様が深々と頭を下げた。私のサミュエル様に続いて頭を下げる。
確かにこの日を迎えるまで、本当に色々な事があった。だからこそ、今日という日を迎えられた事、私も嬉しく思う。
ゆっくり頭を上げると、会場中から拍手が沸き上がった。来賓席を見ると、目に涙を浮かべ、拍手をしているミリアム様の姿が目に入った。
サミュエル様の言う通り、私たちはミリアム様やカイロ様、それに沢山の人たちに支えられ、今日という日を迎えられた。彼らがいたから、今の幸せがある、そう言っても過言ではない。
ジェイデン殿下に婚約を解消され、側妃を拒んだことで牢に入れられたあの日。私は絶望の中、カリアン王国に向かった。たった1人で、不安で仕方がなかった。
でも今は、かけがえのない友人が、愛する婚約者が、そして沢山の人が私を支えてくれる。
私はまだまだ視野が狭く、間違った道を進んでしまう事もある。そんな私を、正しい道に導いてくれる大切な人たち。
彼らの存在は私にとって、何物にも代えられない大切な宝物だ。
これからも彼らの存在を大切にして、生きていきたい。
このアラステ王国で…
~あとがき~
これにて完結です。
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
「ミリアム様ったら。そうですね、アラステ王国は国自体は小さいですが、自然豊かな美しい国です。今日のサミュエル様の王太子就任式と私たちの婚約披露パーティが終わったら、皆でピクニックに行きましょう。急いでカリアン王国に帰る必要はないのでしょう?」
「ええ、そうさせていただくわ。せっかくだから、しっかりアラステ王国を視察させてもらわないと」
隣でそう言って笑っているのは、ミリアム様だ。そして今日は、サミュエル様の王太子就任式と、私たちの婚約披露が行われる日。今日の為にミリアム様とカイロ様、さらにカリアン王国の王太子夫妻、グランズ王国の両陛下、ディステル王国の両陛下も我が国に来てくれている。
もちろん、お姉様やお義兄様、グランも私たちの為に、アラステ王国に来ている。久しぶりの里帰りとあって、お姉様はもちろん、お母様も大喜び。グランは初めてのアラステ王国に、興味津々の様で、しばらくアラステ王国に滞在する事になっている。
ちなみにミリアム様とカイロ様は、1週間前に入国されたのだ。既に2人には、色々な場所を案内したが、まだまだ案内したりない。もっと2人には、アラステ王国の魅力を知って欲しいと思っている。
「そういえば、ジェイデン殿下はもう旅立たれたの?いくら王族だからって、幽閉程度で済ませるだなんて、甘いのよ!」
ジェイデン殿下か…あの後正式に裁判が行われ、主犯でもあるジェイデン殿下とティーヌン侯爵は身分をはく奪され、この国で一番厳しいと言われている施設に幽閉されることが決まった。
それに伴い、ティーヌン侯爵家は取り潰されたのだ。本来であれば、極刑が妥当だったのだろうが、さすがに王族を極刑に処すのは…という貴族間の声を反映して、ティーヌン侯爵同様、幽閉に決まったのだ。
「確かに私も甘いと思いましたわ。ただ、お2人が幽閉される施設は非常に劣悪で、生きられて2年と言われております。ある意味死刑判決を下されたようなものですわ」
早くて半年、長くても2年生きられたらいいと言われている程の場所に、幽閉されるのだ。ある意味、極刑より残酷かもしれないと、お父様が話していた。
「そうだったのね。それならまあいいわ…て、こんなめでたいときに、変な話をしてごめんなさい。そろそろ時間ね、それじゃあ、私はカイロ様の元に戻るわ」
そう言うと、ミリアム様が部屋から出て行った。
「お嬢様、そろそろお時間です。参りましょう」
クラミーに連れられ、部屋から出た。向った先は、王族の控室だ。
「キャリーヌ、そのドレス、とてもよく似合っているよ。今日やっと君を僕の正式な婚約者として、皆に紹介できると思うと、嬉しくてたまらないよ」
私の傍に駆け寄ってきてくれたのは、サミュエル様だ。立派なマントをまとったサミュエル様は、誰が見ても次期国王にふさわしい姿をしている。
「サミュエル様こそ、とても素敵ですわ。今日からあなた様は王太子殿下です。1年後には私たちの結婚式が控えておりますし、これから大忙しですね」
そう、既に16歳になっている私たちは、1年後には正式に結婚をする事になっている。
本来なら目が回るほど忙しい時間を過ごしているはずなのだが、ミリアム様が我が国にいる間は、陛下を始め他の貴族たちが協力してくれ、私とサミュエル様に自由な時間を与えてくれているのだ。
“我が国を救って下さったミリアム殿下とカイロ殿をもてなすのが、今のサミュエル殿下とキャリーヌ嬢の最重要任務ですから”
との事。すっかり我が国の人気者になったミリアム様とカイロ様。入国した時、貴族たちから熱烈な歓迎を受けていたくらいだ。ただ、当の本人たちは、かなり困惑していたが…
何はともあれ、私たちはミリアム様とカイロ様のお陰で、今日という日を迎える事が出来たのだ。本当に2人には感謝している。
「さあ、そろそろ時間だ。行こうか」
陛下と王妃様の後に続き、私とサミュエル様も大ホールに入っていく。たくさんの貴族、さらに他国の王族たちが見守る中、サミュエル様の王太子就任式が行われた。
陛下から王太子の証でもある王冠が、サミュエル様の頭に乗せられた。その瞬間、大きな拍手が沸き起こる。
これでサミュエル様は、正式にこの国の王太子と認められたのだ。
そして次は、私とサミュエル様の婚約披露へと移る。サミュエル様にエスコートされ、陛下と王妃様の隣に2人で並んだ。
「今日お集りの皆様。先ほど我が息子、サミュエルが正式に王太子に就任いたしました。それに伴い、サミュエルの正式な婚約者を紹介いたします。マディスン公爵家の令嬢、キャリーヌ・マディスンです。ご存じの方も多いかと思いますが、キャリーヌ嬢には散々辛い思いをさせてしまいました。そんな中でも、彼女はサミュエルを支え、共に歩んでくれると言ってくれたのです。そしてその言葉通り、しっかりサミュエルを支えてくれております。どうか若い2人を、温かく見守って頂けると幸いです」
陛下、私の事をそんな風に思ってくれていたのね。なんだか嬉しいわ。そして次は、サミュエル様の挨拶だ。
「皆様、本日は私、サミュエル・グロッサム・アラステの為にお集まりいただき、誠にありがとうございます。今日この日を迎えられた事、本当に幸せに思っております。この日を迎えるまでに、本当に色々な事がありました。ですが、友人達や婚約者でもあるキャリーヌに支えられ、今日という日を迎える事が出来ました。私は1人では何もできない人間です。だからこそ、人との繋がりを今後も大切にしたい、そう考えております。どうかこれからも、キャリーヌ共々よろしくお願いいたします」
サミュエル様が深々と頭を下げた。私のサミュエル様に続いて頭を下げる。
確かにこの日を迎えるまで、本当に色々な事があった。だからこそ、今日という日を迎えられた事、私も嬉しく思う。
ゆっくり頭を上げると、会場中から拍手が沸き上がった。来賓席を見ると、目に涙を浮かべ、拍手をしているミリアム様の姿が目に入った。
サミュエル様の言う通り、私たちはミリアム様やカイロ様、それに沢山の人たちに支えられ、今日という日を迎えられた。彼らがいたから、今の幸せがある、そう言っても過言ではない。
ジェイデン殿下に婚約を解消され、側妃を拒んだことで牢に入れられたあの日。私は絶望の中、カリアン王国に向かった。たった1人で、不安で仕方がなかった。
でも今は、かけがえのない友人が、愛する婚約者が、そして沢山の人が私を支えてくれる。
私はまだまだ視野が狭く、間違った道を進んでしまう事もある。そんな私を、正しい道に導いてくれる大切な人たち。
彼らの存在は私にとって、何物にも代えられない大切な宝物だ。
これからも彼らの存在を大切にして、生きていきたい。
このアラステ王国で…
~あとがき~
これにて完結です。
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
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