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第1話:婚約破棄をしたいです
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夕食後、大好きなカモミールティを飲む。あぁ、なんて美味しいのかしら。でも、美味しいカモミールティを飲んでいても、私の心は落ち着かない。
そう、私には1つ悩みがあるのだ。それは婚約者で王太子殿下の、ブライン様の事。私達は8歳の時、婚約を結んだ。と言っても、我が家からの一方的な申し込みだ。
8歳だった私は、初めて王家で開かれたお茶会で、美しいブライン様に一目ぼれしてしまったのだ。その事をお父様に話したら、お父様が王妃様に話してくれて、半ば強引に婚約が成立した。
ちなみに我がメッション公爵家はこの国一番の大貴族で、非常に発言力が強いのだ。その為きっと、我が公爵家を無下に出来ない陛下と王妃様が、ブライン様の気持ちを無視して、私と婚約させたのだろう。
その証拠に、ブライン様は婚約してから、ほとんど私と目を合わせてもくれないし、ほほ笑んでもくれないのだ。もちろん、言葉もあまりかわさない。
この国一の美少年と称されるブライン様は、非常に優秀で勉学はもちろん武術にも優れ、さらに誰にでもお優しいのだ。そんなブライン様に嫌われている私って、本当に駄目な人間よね。
「お嬢様、なんだか今日は元気がないですね。もう一杯お茶を飲みますか?」
私に話しかけてきたのは、専属メイドのマリンだ。歳も近く、私の良き理解者、姉の様な存在なのだ。
「ねえ、マリン。私、このまま本当にブライン様と結婚しても、いいのかしら?ほら、ブライン様は私の事を嫌っていらっしゃるでしょう?」
はぁ~とため息を付きながら、ついそんな事を呟いてしまう。私は今、16歳、貴族学院2年生だ。と言っても、今は学年末休みなので、もうすぐ3年生になる。
ちなみにこの貴族学院は、貴族や王族は全員入学しなければいけない学院で、3年間ここで勉強する。
そしてこの貴族学院卒業の1ヶ月後に、私とブライン様は結婚する事になっている。
「お嬢様、何をおっしゃられるのかと思えば…いいですか、お嬢様は1年後には、殿下の元に嫁ぐのです。既に王妃教育も終わっていらっしゃるではないですか?今更何をおっしゃっているのですか?」
「とは言っても、当のブライン様が私を嫌っているのよ。きっと結婚しても幸せになれないわ。それに最近は、伯爵令嬢のクロエ様と仲睦まじい様だし…」
クロエ・ミレィシャル様、ピンク色の髪に青い瞳をした、それはそれは美しい女性。本当にブライン様とお似合いなのだ。
「お嬢様、いくら伯爵令嬢と殿下が仲が良くても、婚約者はあなた様です。それに、殿下はお嬢様の事を嫌っていないと思いますわ。むしろ…」
「いいえ、そんな事はないわ。だって私とほとんど目も合わせないし、合ってもすぐにそらすのよ。私に極力触れない様にしているし。きっと無理やり婚約者に収まった私を、憎んでいらっしゃるのだわ。そうよ、そうに違いないわ。ねえ、私、これ以上大好きなブライン様に嫌な思いをして欲しくないの。だからね、私達婚約破棄をしようと思っているの」
ずっと考えていた。私がいくらブライン様を思っても、当の本人が私の事を嫌っているのなら、たとえ結婚してもお互い辛いだけ。それなら、ブライン様の事を思って、身を引いた方がいい様な気がして来たのだ。
「お嬢様、またバカげたことを!いいですか、王太子殿下との婚約破棄なんて、簡単に出来るものではないのですよ!本当にあなた様は、何を考えているのですか?」
「でも、そうする事が私たちの幸せの為なのよ。それに私の顔、見てみて。この吊り上がった目、怖いと思わない?それに赤い髪にオレンジの瞳、見るからに気が強そうで扱いにくそうな女だわ。きっとこの見た目も、ブライン様は苦手なのよ」
そうよ、現に私の顔をほとんど見ないのだもの。そもそもブライン様は神的に美しいお顔をしていらっしゃるのだ。他国の王女様たちが、既に婚約しているブライン様と結婚したいと、何人も申し込んできたと聞いている。
そんな神的にお美しいブライン様と、こんな意地悪そうな顔をしている私が、釣り合うはずがないのよね。
鏡に映る自分の顔を見ていたら、なんだか悲しくなってきた。
「何をおっしゃっているのですか?確かにお嬢様の目は少し吊り上がっていて、一見冷たそうに見えますが、あなた様は誰よりもお優しいではありませんか。その証拠に、ご友人も多いですし。私の事も大切にして下さります」
「あら、私は別に普通に接しているだけよ。それに皆、私が公爵令嬢だから傍にいてくれるだけかもしれないし…きっとそうだわ、やっぱり親の爵位って大事だものね」
「いい加減にしてください。今日のお嬢様は一体どうされたのですか?明日は王妃様とお茶をする日でしょう?訳の分からない事をおっしゃっていないで、そろそろお休みになってください」
本当にまったく!と、怒るマリン。
「いいえ、マリン。私、ブライン様を解放してあげたいの。やっぱり婚約破棄をしないと。明日私も王宮に行くのですもの。ちょうどいいわ。今すぐお父様に婚約破棄のお話をして来るわね」
そうと決まれば善は急げよ。そのまま部屋から勢いよく出ていく。
「ちょっと、お嬢様!」
後ろでマリンの声が聞こえたが、今はとにかく、お父様と話をしないと。
~あとがき~
新連載始めました。
よろしくお願いしますm(__)m
そう、私には1つ悩みがあるのだ。それは婚約者で王太子殿下の、ブライン様の事。私達は8歳の時、婚約を結んだ。と言っても、我が家からの一方的な申し込みだ。
8歳だった私は、初めて王家で開かれたお茶会で、美しいブライン様に一目ぼれしてしまったのだ。その事をお父様に話したら、お父様が王妃様に話してくれて、半ば強引に婚約が成立した。
ちなみに我がメッション公爵家はこの国一番の大貴族で、非常に発言力が強いのだ。その為きっと、我が公爵家を無下に出来ない陛下と王妃様が、ブライン様の気持ちを無視して、私と婚約させたのだろう。
その証拠に、ブライン様は婚約してから、ほとんど私と目を合わせてもくれないし、ほほ笑んでもくれないのだ。もちろん、言葉もあまりかわさない。
この国一の美少年と称されるブライン様は、非常に優秀で勉学はもちろん武術にも優れ、さらに誰にでもお優しいのだ。そんなブライン様に嫌われている私って、本当に駄目な人間よね。
「お嬢様、なんだか今日は元気がないですね。もう一杯お茶を飲みますか?」
私に話しかけてきたのは、専属メイドのマリンだ。歳も近く、私の良き理解者、姉の様な存在なのだ。
「ねえ、マリン。私、このまま本当にブライン様と結婚しても、いいのかしら?ほら、ブライン様は私の事を嫌っていらっしゃるでしょう?」
はぁ~とため息を付きながら、ついそんな事を呟いてしまう。私は今、16歳、貴族学院2年生だ。と言っても、今は学年末休みなので、もうすぐ3年生になる。
ちなみにこの貴族学院は、貴族や王族は全員入学しなければいけない学院で、3年間ここで勉強する。
そしてこの貴族学院卒業の1ヶ月後に、私とブライン様は結婚する事になっている。
「お嬢様、何をおっしゃられるのかと思えば…いいですか、お嬢様は1年後には、殿下の元に嫁ぐのです。既に王妃教育も終わっていらっしゃるではないですか?今更何をおっしゃっているのですか?」
「とは言っても、当のブライン様が私を嫌っているのよ。きっと結婚しても幸せになれないわ。それに最近は、伯爵令嬢のクロエ様と仲睦まじい様だし…」
クロエ・ミレィシャル様、ピンク色の髪に青い瞳をした、それはそれは美しい女性。本当にブライン様とお似合いなのだ。
「お嬢様、いくら伯爵令嬢と殿下が仲が良くても、婚約者はあなた様です。それに、殿下はお嬢様の事を嫌っていないと思いますわ。むしろ…」
「いいえ、そんな事はないわ。だって私とほとんど目も合わせないし、合ってもすぐにそらすのよ。私に極力触れない様にしているし。きっと無理やり婚約者に収まった私を、憎んでいらっしゃるのだわ。そうよ、そうに違いないわ。ねえ、私、これ以上大好きなブライン様に嫌な思いをして欲しくないの。だからね、私達婚約破棄をしようと思っているの」
ずっと考えていた。私がいくらブライン様を思っても、当の本人が私の事を嫌っているのなら、たとえ結婚してもお互い辛いだけ。それなら、ブライン様の事を思って、身を引いた方がいい様な気がして来たのだ。
「お嬢様、またバカげたことを!いいですか、王太子殿下との婚約破棄なんて、簡単に出来るものではないのですよ!本当にあなた様は、何を考えているのですか?」
「でも、そうする事が私たちの幸せの為なのよ。それに私の顔、見てみて。この吊り上がった目、怖いと思わない?それに赤い髪にオレンジの瞳、見るからに気が強そうで扱いにくそうな女だわ。きっとこの見た目も、ブライン様は苦手なのよ」
そうよ、現に私の顔をほとんど見ないのだもの。そもそもブライン様は神的に美しいお顔をしていらっしゃるのだ。他国の王女様たちが、既に婚約しているブライン様と結婚したいと、何人も申し込んできたと聞いている。
そんな神的にお美しいブライン様と、こんな意地悪そうな顔をしている私が、釣り合うはずがないのよね。
鏡に映る自分の顔を見ていたら、なんだか悲しくなってきた。
「何をおっしゃっているのですか?確かにお嬢様の目は少し吊り上がっていて、一見冷たそうに見えますが、あなた様は誰よりもお優しいではありませんか。その証拠に、ご友人も多いですし。私の事も大切にして下さります」
「あら、私は別に普通に接しているだけよ。それに皆、私が公爵令嬢だから傍にいてくれるだけかもしれないし…きっとそうだわ、やっぱり親の爵位って大事だものね」
「いい加減にしてください。今日のお嬢様は一体どうされたのですか?明日は王妃様とお茶をする日でしょう?訳の分からない事をおっしゃっていないで、そろそろお休みになってください」
本当にまったく!と、怒るマリン。
「いいえ、マリン。私、ブライン様を解放してあげたいの。やっぱり婚約破棄をしないと。明日私も王宮に行くのですもの。ちょうどいいわ。今すぐお父様に婚約破棄のお話をして来るわね」
そうと決まれば善は急げよ。そのまま部屋から勢いよく出ていく。
「ちょっと、お嬢様!」
後ろでマリンの声が聞こえたが、今はとにかく、お父様と話をしないと。
~あとがき~
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