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第31話:今度こそ失敗は許されません
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「クロエ様、この錠剤は一体何ですか?まさか、猛毒?」
さすがに猛毒は勘弁ですわ!そう思っていると
「そんな訳ないでしょう!私がこの薬を手に入れるために、どれほど苦労したか…これはね、一種の麻酔みたいなものよ」
「麻酔?」
聞き覚えのない言葉が飛び出す。
「そうよ、手術とかするときとかに、痛みを感じないようにする薬よ。この国では、錠剤として販売されているの。まさか錠剤で麻酔を手に入れられるなんてね」
痛みを感じにくくる薬?それが不治の病と一体何の関係があるのかしら?さっぱり分からない。コテンと首をかしげて考えていると。
「オニキス、あなた本当にわかりやすい性格ね…いい、この薬はね。飲むと体が動かなくなるの。ただ、意識はあるから話は出来たりするの。また、誰かに体を触れられても、何も感じなくなるのよ。体も動かなくなるし、何も感じない。まさに不治の病でしょう?」
なるほど、確かに急に感覚を失い、体が動かなくなったら、きっと何らかの病気にかかったとみんなが思うわね。
「ただ、この薬は12時間しか効果がないの。だから、12時間たって体の感覚が戻り始めたら、また飲まないといけないのよ。一応ずっと飲み続けていても害はない様だから、安心して頂戴」
「そんな便利な薬があるのですね。それではこの薬を飲めば、私は体が動かなくなるのですね。でも、急に私の体が動かなくなり、不治の病と知ったら、お父様たちはきっと悲しむわ…」
お父様の事だ、きっと世界中から医者を呼び、必死に治そうとしてくれるだろう…お母様もきっと悲しむわ。お兄様やお義姉様だって…
「オニキス、そんな事を言っていたら、婚約破棄は出来ないわよ。いい?確かにあなたが病気になったら、あなたの家族は悲しむわ。でも、ブライン様と婚約破棄をし、私がブライン様と新たに婚約を結ぶまでの辛抱よ。それまでは、なんとか病気のフリをして頂戴。無事全てが終わったら、あなただって誰かと結婚する事が出来るのだから」
確かにクロエ様の言う通りだ。私がブライン様と婚約破棄をするという事は、どうしても家族を悲しませてしまうという事。
そう、何かを必ず犠牲にしないといけないという事なのだ。であれば、私の答えは1つ。
「クロエ様、私の為に色々とありがとうございます。分かりました、私、この薬を飲んで、不治の病にかかった風を演じますわ」
「よかった。さすがにどんくさいオニキスでも、薬を飲む事くらいは出来るものね。いい、12時間経ったら効果が切れるから、必ず飲み続けるのよ。それから、この薬の存在は誰にもバレてはいけないわ。もちろん、メイドたちにも。すぐに飲めるよう、ベッドの近くに隠しておくといいわ。そうね、マットレスと布団の間なんてバレにくくていいかもしれないわね」
「分かりました。あの、協力者がいた方がいいと思いますの。だから、専属メイドのマリンには、薬の存在を話してもいいですわよね?」
私1人だと、飲み忘れたりしそうで不安だ。そう思って提案したのだが…
「ちょっとオニキス。メイドなんかに話したら、公爵に話されるでしょう!本当にあなたはおバカなんだから。もしかして、以前の作戦もメイドたちに話をしていたとか?」
「ええ…専属メイドのマリンには話しておりましたわ」
「何考えているのよ!そう言うのは、ふつう内緒にしておくものでしょう!きっと公爵の耳にも入っているわよ。このおバカ!」
急に怒り出したクロエ様。
「でも、お父様からはその件に関して、何も言われておりませんわ。それに、マリンはそんなおしゃべりではありませんし…」
「おしゃべりじゃなくても、メイドというものは、何かあれば主人でもあるその家の主に報告するものなのよ。本当にあなたは、何にも知らないのね!いい、絶対に今回の薬の件は、メイドにも内緒にするのよ。いいわね。とにかく、途中でバレてもアウトなんだから。絶対に失敗は許されないの。分かったわね。屋敷に帰ったら、すぐにマットレスと布団の間にすぐに隠すのよ!」
「はい、分かりましたわ」
クロエ様のすごい迫力に押され、つい大きな声で返事をしてしまった。
「万が一バレたらあなたは、何らかの厳しい処罰を受けないといけないかもしれないのよ。王族を騙して、婚約破棄をしようとしているのだからね。もしかしたら原作通り、あなたは処刑、公爵家はお家取り潰しになるかもしれないわね」
「えぇぇ!それは嫌ですわ!我が家がそんな事になったら私…」
私のせいで公爵家が潰される…そう思ったら、涙が溢れる。
「だから、ビービー泣かないでよ。まあ、私はヒロインだから、お咎めなしだろうけれど。あなたはただでさえ、悪役令嬢という不利なポディションなんだから、十分気を付けなさいよ。分かったわね」
「はい、分かりましたわ!気を引き締めて頑張ります」
これは何が何でも、失敗は許されないわね。気を引き締めて行かないと。
さすがに猛毒は勘弁ですわ!そう思っていると
「そんな訳ないでしょう!私がこの薬を手に入れるために、どれほど苦労したか…これはね、一種の麻酔みたいなものよ」
「麻酔?」
聞き覚えのない言葉が飛び出す。
「そうよ、手術とかするときとかに、痛みを感じないようにする薬よ。この国では、錠剤として販売されているの。まさか錠剤で麻酔を手に入れられるなんてね」
痛みを感じにくくる薬?それが不治の病と一体何の関係があるのかしら?さっぱり分からない。コテンと首をかしげて考えていると。
「オニキス、あなた本当にわかりやすい性格ね…いい、この薬はね。飲むと体が動かなくなるの。ただ、意識はあるから話は出来たりするの。また、誰かに体を触れられても、何も感じなくなるのよ。体も動かなくなるし、何も感じない。まさに不治の病でしょう?」
なるほど、確かに急に感覚を失い、体が動かなくなったら、きっと何らかの病気にかかったとみんなが思うわね。
「ただ、この薬は12時間しか効果がないの。だから、12時間たって体の感覚が戻り始めたら、また飲まないといけないのよ。一応ずっと飲み続けていても害はない様だから、安心して頂戴」
「そんな便利な薬があるのですね。それではこの薬を飲めば、私は体が動かなくなるのですね。でも、急に私の体が動かなくなり、不治の病と知ったら、お父様たちはきっと悲しむわ…」
お父様の事だ、きっと世界中から医者を呼び、必死に治そうとしてくれるだろう…お母様もきっと悲しむわ。お兄様やお義姉様だって…
「オニキス、そんな事を言っていたら、婚約破棄は出来ないわよ。いい?確かにあなたが病気になったら、あなたの家族は悲しむわ。でも、ブライン様と婚約破棄をし、私がブライン様と新たに婚約を結ぶまでの辛抱よ。それまでは、なんとか病気のフリをして頂戴。無事全てが終わったら、あなただって誰かと結婚する事が出来るのだから」
確かにクロエ様の言う通りだ。私がブライン様と婚約破棄をするという事は、どうしても家族を悲しませてしまうという事。
そう、何かを必ず犠牲にしないといけないという事なのだ。であれば、私の答えは1つ。
「クロエ様、私の為に色々とありがとうございます。分かりました、私、この薬を飲んで、不治の病にかかった風を演じますわ」
「よかった。さすがにどんくさいオニキスでも、薬を飲む事くらいは出来るものね。いい、12時間経ったら効果が切れるから、必ず飲み続けるのよ。それから、この薬の存在は誰にもバレてはいけないわ。もちろん、メイドたちにも。すぐに飲めるよう、ベッドの近くに隠しておくといいわ。そうね、マットレスと布団の間なんてバレにくくていいかもしれないわね」
「分かりました。あの、協力者がいた方がいいと思いますの。だから、専属メイドのマリンには、薬の存在を話してもいいですわよね?」
私1人だと、飲み忘れたりしそうで不安だ。そう思って提案したのだが…
「ちょっとオニキス。メイドなんかに話したら、公爵に話されるでしょう!本当にあなたはおバカなんだから。もしかして、以前の作戦もメイドたちに話をしていたとか?」
「ええ…専属メイドのマリンには話しておりましたわ」
「何考えているのよ!そう言うのは、ふつう内緒にしておくものでしょう!きっと公爵の耳にも入っているわよ。このおバカ!」
急に怒り出したクロエ様。
「でも、お父様からはその件に関して、何も言われておりませんわ。それに、マリンはそんなおしゃべりではありませんし…」
「おしゃべりじゃなくても、メイドというものは、何かあれば主人でもあるその家の主に報告するものなのよ。本当にあなたは、何にも知らないのね!いい、絶対に今回の薬の件は、メイドにも内緒にするのよ。いいわね。とにかく、途中でバレてもアウトなんだから。絶対に失敗は許されないの。分かったわね。屋敷に帰ったら、すぐにマットレスと布団の間にすぐに隠すのよ!」
「はい、分かりましたわ」
クロエ様のすごい迫力に押され、つい大きな声で返事をしてしまった。
「万が一バレたらあなたは、何らかの厳しい処罰を受けないといけないかもしれないのよ。王族を騙して、婚約破棄をしようとしているのだからね。もしかしたら原作通り、あなたは処刑、公爵家はお家取り潰しになるかもしれないわね」
「えぇぇ!それは嫌ですわ!我が家がそんな事になったら私…」
私のせいで公爵家が潰される…そう思ったら、涙が溢れる。
「だから、ビービー泣かないでよ。まあ、私はヒロインだから、お咎めなしだろうけれど。あなたはただでさえ、悪役令嬢という不利なポディションなんだから、十分気を付けなさいよ。分かったわね」
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