婚約破棄した殿下が今更迫ってきます!迷惑なのでもう私に構わないで下さい

Karamimi

文字の大きさ
4 / 49

第4話:両親と話し合いました

しおりを挟む
「分かりました…もう一度娘としっかり話し合ってみます。そのうえで、修道院に入れるかどうか決めさせていただくという事でよろしいでしょうか?」

「ええ、もちろんです。もし修道院に入るという事でしたら、こちらの書類にサインを頂いた上、修道院にお越しください。リリアーナ様、私はあなたの幸せを心より願っております。どうかあなた様にとって、いい方向に進むといいですね」

「ありがとうございます、修道長様」

私に微笑みかけると、そのまま一礼して去っていく修道長様。なんて素敵な女性なのかしら?私も彼女の様に、困っている人に手を差し伸べられるような人になりたい。

「リリアーナ、本当にすまなかった。君がそこまで追い詰められているだなんて…私は目先の事しか考えていなかった。よく考えたら、リリアーナはここ数ヶ月で、びっくりするほどやつれてしまったのに。それなのに私は…」

「リリアーナ、本当にごめんなさい。でも、分かって欲しいの。私達は決してあなたを政治の道具にしようとした訳ではないのよ。あなたの未来の幸せを考えて行動していたの。でも、そのせいで今のあなたの命の灯を消してしまったら、意味がないわ」

お父様もお母様も泣いていた。2人の涙を見た瞬間、どうしようもないほど胸が痛んだ。でも…もう私は、これ以上は無理なのだ。

「私の方こそごめんなさい。でも…もう無理なのです。どうか私を、自由にして頂けないでしょうか?お願いします」

お父様とお母様に向かって頭を下げた。

「分かったよ、リリアーナ。ただ…今の状況を少し話してもいいだろうか?本当はこの話しは、全てが解決してからしようと思っていたのだが、致し方ない」

お父様が深呼吸をした。一体何の話があるというのかしら?

「実は殿下は今、魅了魔法を掛けられているのだよ。掛けたのはもちろん、マルティ・ガレイズ嬢だ。ガレイズ伯爵家はあろう事か、魔法大国から魔術師を連れてきて、この国では禁止されている魔法を使った。既にある程度の証拠はそろっていて、近々ガレイズ伯爵家及び、マルティ嬢を断罪する予定だ。ただ、魅了魔法を解くための手配が今遅れていて。それでも来月には全て片付く予定でいるんだ。魅了魔法が解ければ、殿下も元に戻るはずだ!だからどうかそれまで耐えて欲しいと、陛下と王妃殿下に泣きつかれてね。でも、ここまでリリアーナが傷つき苦しんでいるのなら、私たちは婚約破棄を進めようと思っている」

なんと!アレホ様は魅了魔法に掛かっていただなんて。

でも…

「たとえ魅了魔法が解けたところで、あの人は私を愛する事はないと思いますわ。だって、マルティ様が現れる前から、私に冷たかったですもの。それに私、この1年でもうアレホ様に対する愛情も、すっかり枯渇してしまいました。たとえ魅了魔法が解けても、私は幸せになれないと思っております。もうアレホ様に関わりたくはないのです。どうか私を、修道院に入れて下さい。そこでひっそりと暮らしたいのです」

魅了魔法が掛けられていたとか、そんな事はどうでもいい。私はもう、彼には関わりたくないし、何よりこれ以上傷つきたくないのだ。私を睨みつける冷たい眼差し、マルティ様に向けられた愛おしそうな顔、正直言って、あれが魅了魔法が原因とは思えない。

きっとあれが、本来のアレホ様の姿なのだろう。

「リリアーナがそこまで言うのなら、分かったよ。すぐにでも婚約破棄を進めよう。ただ、修道院に入るのだけはどうか諦めてくれないかい?婚約破棄をしたら、君の思うがままにしてもらって構わない。だからどうか、これからもこの公爵家で、私たちの傍で生活をして欲しい。今までリリアーナを傷つけてしまった分、償いをしたいと考えているんだ」

「お願い、リリアーナ。どうか修道院に入るのだけは辞めて頂戴。あそこに入ったら、もう二度と会えなくなってしまうわ。そこまであなたを追い詰めたのは、私達だという事も理解している。でも…それでも私たちは、あなたを愛しているの。あなたには今まで散々傷つけてしまった分、令嬢としての普通の幸せを味わってほしいの」

お父様とお母様が必死に訴えかけてくる。私はもう、普通の令嬢としての幸せなんて望んでいないのだが。でも、両親の必死に訴える姿を見たら、これ以上我が儘は言えない気がした。

「分かりましたわ…アレホ様とさえ婚約破棄させていただければ、私は満足です。ですので、どうかよろしくお願いします」

「わかったよ、それじゃあ、明日早速王宮に出向いて、婚約破棄の手続きを進めよう。私は先に王宮に出向き、話しをしておくから、午後から母さんと一緒に、王宮に来てくれるかい?」

「分かりましたわ。よろしくお願いいたします」

お父様に頭を下げた。

これでやっと婚約破棄が出来る!そう思ったら、嬉しくて涙が止まらなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

私も貴方を愛さない〜今更愛していたと言われても困ります

せいめ
恋愛
『小説年間アクセスランキング2023』で10位をいただきました。  読んでくださった方々に心から感謝しております。ありがとうございました。 「私は君を愛することはないだろう。  しかし、この結婚は王命だ。不本意だが、君とは白い結婚にはできない。貴族の義務として今宵は君を抱く。  これを終えたら君は領地で好きに生活すればいい」  結婚初夜、旦那様は私に冷たく言い放つ。  この人は何を言っているのかしら?  そんなことは言われなくても分かっている。  私は誰かを愛することも、愛されることも許されないのだから。  私も貴方を愛さない……  侯爵令嬢だった私は、ある日、記憶喪失になっていた。  そんな私に冷たい家族。その中で唯一優しくしてくれる義理の妹。  記憶喪失の自分に何があったのかよく分からないまま私は王命で婚約者を決められ、強引に結婚させられることになってしまった。  この結婚に何の希望も持ってはいけないことは知っている。  それに、婚約期間から冷たかった旦那様に私は何の期待もしていない。  そんな私は初夜を迎えることになる。  その初夜の後、私の運命が大きく動き出すことも知らずに……    よくある記憶喪失の話です。  誤字脱字、申し訳ありません。  ご都合主義です。  

あなたに未練などありません

風見ゆうみ
恋愛
「本当は前から知っていたんだ。君がキャロをいじめていた事」 初恋であり、ずっと思いを寄せていた婚約者からありえない事を言われ、侯爵令嬢であるわたし、アニエス・ロロアルの頭の中は真っ白になった。 わたしの婚約者はクォント国の第2王子ヘイスト殿下、幼馴染で親友のキャロラインは他の友人達と結託して嘘をつき、私から婚約者を奪おうと考えたようだった。 数日後の王家主催のパーティーでヘイスト殿下に婚約破棄されると知った父は激怒し、元々、わたしを憎んでいた事もあり、婚約破棄後はわたしとの縁を切り、わたしを家から追い出すと告げ、それを承認する書面にサインまでさせられてしまう。 そして、予告通り出席したパーティーで婚約破棄を告げられ絶望していたわたしに、その場で求婚してきたのは、ヘイスト殿下の兄であり病弱だという事で有名なジェレミー王太子殿下だった…。 ※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。 ※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

成人したのであなたから卒業させていただきます。

ぽんぽこ狸
恋愛
 フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。  すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。  メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。  しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。  それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。  そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。  変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。

〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……

藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」 大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが…… ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。 「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」 エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。 エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話) 全44話で完結になります。

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする

夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、 ……つもりだった。 夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。 「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」 そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。 「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」 女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。 ※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。 ヘンリック(王太子)が主役となります。 また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

処理中です...