47 / 49
第47話:ずっと一緒です
しおりを挟む
魔術師様が私に分かりやすい様に、丁寧に説明してくれる。どうやら私とアレホ様以外の人間は、部屋から出される様だ。心配そうな顔で、両親と陛下、王妃様、使用人たちが出ていく。
「リリ…ナ…やめ…」
意識が朦朧としているアレホ様が、私に必死に訴えてくる。でも私は…
「大丈夫ですわ。絶対に成功させて見せます。それにたとえ失敗しても、一緒にあの世に逝けるのです。アレホ様、随分時間が掛かってしまい、申し訳ございません。私もアレホ様が大好きです。ずっと過去に囚われてしまい、大切な事を見失っておりましたわ。どうか私と共に、未来を歩んで行ってください」
「リリ…」
アレホ様の瞳から、ポロポロと涙が溢れている。そっとアレホ様の涙を拭いた。既に覚悟は出来ている。どんな結果になろうと、もう二度と私は、アレホ様から離れるつもりはない。
それに何より、マルティ様。あの人だけは許せない!あの人の思い通りにはさせない!あまりにも自分勝手すぎるマルティ様に、私は今までに感じた事のないほどの怒りがこみ上げているのだ。
“それでは始めましょう。まずはこの呪文を覚えて下さい”
魔術師様から呪文の書いた紙を見せられた。それほど難しい呪文ではない様で、呪文自体はすぐに覚えられた。
「呪文は覚えられましたわ。それで次はどうすればよろしいのですか?アザが随分と薄くなっております。早くしないと」
“リリアーナ嬢、落ち着いて。焦りは禁物です。この後が非常に難しいのですが、全神経を集中させて下さい。そして殿下を助けたいと強く念じるのです。いいですか?あなた様の体の中には、魔力があります。その魔力を目覚めさせるのです。チャンスは一度きり。魔力を集中させた後、呪文を唱え、そのまま殿下の唇の口づけをして下さい”
えっ?口づけをするの?て、今そんな事を言っている場合ではない。
「分かりましたわ。やってみます」
“いいですか、リリアーナ様。万が一失敗すれば、あなた様も命を失います。その事だけは忘れないで下さい”
「分かっております。既に覚悟は出来ておりますから」
私はアレホ様を助けたい。ゆっくり目を閉じ、今までアレホ様にして頂いた事を思い出す。アレホ様はいつでもどんな時でも、私の事を一番に考えてくれた。自分の命と引き換えに、私を助けてくれた。だから今度は、私が助けたい。お願い、私の中に眠る魔力、どうか目覚めて。
するとなぜだろう、今まで感じた事のない感覚に襲われた。今だ!直感でそう感じると、すぐに呪文を唱え、アレホ様の唇に自分の唇を重ねた。
温かくて柔らかい…
どうか生きて!
その瞬間、私とアレホ様を温かい光が包んだのだ。
さらに
“イヤ…どうして…どうしてよ!消えたくない、止めて”
目の前にはパラパラと体が崩れ落ちていくマルティ様の姿が。これは一体…
“どうしてよ!どこまで私を苦しめれば気が済むのよ!あなたのせいで私の魂が…”
ギロリと睨むマルティ様。黙って聞いていれば勝手な事を。
「ふざけないで!どこまで私を苦しめれば気が済むのは、私のセリフよ!そもそも自業自得でしょう!あなたのせいで、私とアレホ様が、どれほど傷ついたか!」
“うるさい、私は…”
「私とアレホ様は、絶対に幸せになって見せる。あなたなんかに負けない!さようなら、マルティ様」
そう言うと、既に顔だけになっているマルティ様にほほ笑んだ。
“どうして…イヤァァァァ・・・・”
悲鳴を上げながら完全に消滅したマルティ様。これで本当の意味で、全てが終わったのだろう。
「リリアーナ!大丈夫かい?あの女は、完全に消滅した様だな…」
私をギュッと抱きしめてくれるのは、アレホ様だ。どうやらアレホ様も、マルティ様の姿が見えていた様だ。
「アレホ様、よかった。元気になられたのですね!マルティ様は完全に消えました。本当の意味で、全てが終わったのですね…」
マルティ様の魂が消滅した今、もう何かに怯える事もないだろう。
“殿下、リリアーナ様、よかった、成功したのですね。それにしてもリリアーナ様の魔力、素晴らしいものでした。あなた様には魔法の素質があります。どうですか?我が国に来て、ぜひ魔力の勉強をしませんか?あなた様ならきっと、大魔法使いになれます。私が証明いたします”
よくわからないが、魔術師様がとても興奮している。
「師匠、リリアーナは僕と結婚して、この国の王妃になるのです。悪いがあなた様の国にはいかせられませんから」
私を抱きしめながら、そう言い切るアレホ様。
「アレホ様の言う通りですわ。もう私は、アレホ様から離れるつもりはありません。それに、魔力も興味がありませんわ。これからはアレホ様と共に、平和な国を目指したいと思っておりますの」
魅了魔法に始まり、呪いの魔法まで、本当に魔法はもう懲り懲りなのだ。出来れば今まで通り、魔法とは無縁な世界で生きていきたいと考えている。
「リリ…ナ…やめ…」
意識が朦朧としているアレホ様が、私に必死に訴えてくる。でも私は…
「大丈夫ですわ。絶対に成功させて見せます。それにたとえ失敗しても、一緒にあの世に逝けるのです。アレホ様、随分時間が掛かってしまい、申し訳ございません。私もアレホ様が大好きです。ずっと過去に囚われてしまい、大切な事を見失っておりましたわ。どうか私と共に、未来を歩んで行ってください」
「リリ…」
アレホ様の瞳から、ポロポロと涙が溢れている。そっとアレホ様の涙を拭いた。既に覚悟は出来ている。どんな結果になろうと、もう二度と私は、アレホ様から離れるつもりはない。
それに何より、マルティ様。あの人だけは許せない!あの人の思い通りにはさせない!あまりにも自分勝手すぎるマルティ様に、私は今までに感じた事のないほどの怒りがこみ上げているのだ。
“それでは始めましょう。まずはこの呪文を覚えて下さい”
魔術師様から呪文の書いた紙を見せられた。それほど難しい呪文ではない様で、呪文自体はすぐに覚えられた。
「呪文は覚えられましたわ。それで次はどうすればよろしいのですか?アザが随分と薄くなっております。早くしないと」
“リリアーナ嬢、落ち着いて。焦りは禁物です。この後が非常に難しいのですが、全神経を集中させて下さい。そして殿下を助けたいと強く念じるのです。いいですか?あなた様の体の中には、魔力があります。その魔力を目覚めさせるのです。チャンスは一度きり。魔力を集中させた後、呪文を唱え、そのまま殿下の唇の口づけをして下さい”
えっ?口づけをするの?て、今そんな事を言っている場合ではない。
「分かりましたわ。やってみます」
“いいですか、リリアーナ様。万が一失敗すれば、あなた様も命を失います。その事だけは忘れないで下さい”
「分かっております。既に覚悟は出来ておりますから」
私はアレホ様を助けたい。ゆっくり目を閉じ、今までアレホ様にして頂いた事を思い出す。アレホ様はいつでもどんな時でも、私の事を一番に考えてくれた。自分の命と引き換えに、私を助けてくれた。だから今度は、私が助けたい。お願い、私の中に眠る魔力、どうか目覚めて。
するとなぜだろう、今まで感じた事のない感覚に襲われた。今だ!直感でそう感じると、すぐに呪文を唱え、アレホ様の唇に自分の唇を重ねた。
温かくて柔らかい…
どうか生きて!
その瞬間、私とアレホ様を温かい光が包んだのだ。
さらに
“イヤ…どうして…どうしてよ!消えたくない、止めて”
目の前にはパラパラと体が崩れ落ちていくマルティ様の姿が。これは一体…
“どうしてよ!どこまで私を苦しめれば気が済むのよ!あなたのせいで私の魂が…”
ギロリと睨むマルティ様。黙って聞いていれば勝手な事を。
「ふざけないで!どこまで私を苦しめれば気が済むのは、私のセリフよ!そもそも自業自得でしょう!あなたのせいで、私とアレホ様が、どれほど傷ついたか!」
“うるさい、私は…”
「私とアレホ様は、絶対に幸せになって見せる。あなたなんかに負けない!さようなら、マルティ様」
そう言うと、既に顔だけになっているマルティ様にほほ笑んだ。
“どうして…イヤァァァァ・・・・”
悲鳴を上げながら完全に消滅したマルティ様。これで本当の意味で、全てが終わったのだろう。
「リリアーナ!大丈夫かい?あの女は、完全に消滅した様だな…」
私をギュッと抱きしめてくれるのは、アレホ様だ。どうやらアレホ様も、マルティ様の姿が見えていた様だ。
「アレホ様、よかった。元気になられたのですね!マルティ様は完全に消えました。本当の意味で、全てが終わったのですね…」
マルティ様の魂が消滅した今、もう何かに怯える事もないだろう。
“殿下、リリアーナ様、よかった、成功したのですね。それにしてもリリアーナ様の魔力、素晴らしいものでした。あなた様には魔法の素質があります。どうですか?我が国に来て、ぜひ魔力の勉強をしませんか?あなた様ならきっと、大魔法使いになれます。私が証明いたします”
よくわからないが、魔術師様がとても興奮している。
「師匠、リリアーナは僕と結婚して、この国の王妃になるのです。悪いがあなた様の国にはいかせられませんから」
私を抱きしめながら、そう言い切るアレホ様。
「アレホ様の言う通りですわ。もう私は、アレホ様から離れるつもりはありません。それに、魔力も興味がありませんわ。これからはアレホ様と共に、平和な国を目指したいと思っておりますの」
魅了魔法に始まり、呪いの魔法まで、本当に魔法はもう懲り懲りなのだ。出来れば今まで通り、魔法とは無縁な世界で生きていきたいと考えている。
11
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私も貴方を愛さない〜今更愛していたと言われても困ります
せいめ
恋愛
『小説年間アクセスランキング2023』で10位をいただきました。
読んでくださった方々に心から感謝しております。ありがとうございました。
「私は君を愛することはないだろう。
しかし、この結婚は王命だ。不本意だが、君とは白い結婚にはできない。貴族の義務として今宵は君を抱く。
これを終えたら君は領地で好きに生活すればいい」
結婚初夜、旦那様は私に冷たく言い放つ。
この人は何を言っているのかしら?
そんなことは言われなくても分かっている。
私は誰かを愛することも、愛されることも許されないのだから。
私も貴方を愛さない……
侯爵令嬢だった私は、ある日、記憶喪失になっていた。
そんな私に冷たい家族。その中で唯一優しくしてくれる義理の妹。
記憶喪失の自分に何があったのかよく分からないまま私は王命で婚約者を決められ、強引に結婚させられることになってしまった。
この結婚に何の希望も持ってはいけないことは知っている。
それに、婚約期間から冷たかった旦那様に私は何の期待もしていない。
そんな私は初夜を迎えることになる。
その初夜の後、私の運命が大きく動き出すことも知らずに……
よくある記憶喪失の話です。
誤字脱字、申し訳ありません。
ご都合主義です。
あなたに未練などありません
風見ゆうみ
恋愛
「本当は前から知っていたんだ。君がキャロをいじめていた事」
初恋であり、ずっと思いを寄せていた婚約者からありえない事を言われ、侯爵令嬢であるわたし、アニエス・ロロアルの頭の中は真っ白になった。
わたしの婚約者はクォント国の第2王子ヘイスト殿下、幼馴染で親友のキャロラインは他の友人達と結託して嘘をつき、私から婚約者を奪おうと考えたようだった。
数日後の王家主催のパーティーでヘイスト殿下に婚約破棄されると知った父は激怒し、元々、わたしを憎んでいた事もあり、婚約破棄後はわたしとの縁を切り、わたしを家から追い出すと告げ、それを承認する書面にサインまでさせられてしまう。
そして、予告通り出席したパーティーで婚約破棄を告げられ絶望していたわたしに、その場で求婚してきたのは、ヘイスト殿下の兄であり病弱だという事で有名なジェレミー王太子殿下だった…。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる