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第12話:何かがおかしい!~ブラック視点~
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翌日、少し早めに学院についた俺は、門の前で彼女が来るのを待つ。もちろん、待ち伏せしているだなんて気付かれない様に、極力自然を装った。
しばらく待っていると、彼女を乗せた馬車がやって来たのだ。どうしよう、声を掛けようか?そう思っていると、ユリア嬢の方からやってきてくれたのだ。今日も俺がずっと恋焦がれていた笑顔を見せてくれるユリア嬢。
そんな彼女に、そっけない態度を取ってしまう俺。どうして俺は素直になれないのだろう。自分が情けない。そんな俺を全く気にする様子もなく、満面の笑みで挨拶をしてくれたユリア嬢だったが、すぐに俺から去って行ってしまった。
もう行ってしまうのか?そっけない態度をとったにもかかわらず、すぐに立ち去ってしまうユリア嬢から目が離せない。今日も体調があまり良くない様だ。せっかくだから教室まで送って行こう。そう思い手を掴んだ時だった。
「痛っ」
とっさにユリア嬢が声を上げた。よく見ると左手が酷く腫れているではないか。これは大変だ、相当痛かっただろう。すぐに治療を!そう思い医務室に連れて行こうとしたのだが、頑なにユリア嬢が嫌がったのだ。
なぜだ?どうしてそんなに医務室が嫌なんだ?そもそもこんな酷い怪我をしているのに、伯爵家では手当てすらしてもらえないのか?何かがおかしい!
とりあえず放っておく訳にもいかないため、馬車で待機していた執事に手当てをしてもらう様に依頼した。手当てが終わると、俺たちに頭を下げ去っていくユリア嬢。
「坊ちゃま、あの令嬢の怪我…酷く腫れておりましたね。幸い打ち身に効く薬を持っておりましたので、塗っておきましたが。それに顔色が非常に悪い。彼女は伯爵令嬢ですよね?どうして家で治療を受けないのですか?」
執事も疑問に思ったのか、俺に問いかけて来た。
「俺にも分からない。とにかく俺も、教室に向かうよ」
そう伝え、急いで教室に向かった。授業中も考える事と言えば、ユリア嬢の事ばかり。どうして彼女は怪我を放置したまま学院に来たんだ?もしかして、治療を受けさせてもらえないとか?
そもそも彼女の両親は既に亡くなっている。いくら自分の姪だからと言っても、伯爵や夫人にも厄介者扱いされていたのなら…もしかしてあの病気も、毒によるものなのか?
ついそんな事を考えてしまう。でも、考えれば考えるほど、ユリア嬢の行動は不可解なのだ。一度執事に調べさせてみるか。
そんな事を考えていると、お昼休みになった。ユリア嬢が気になって彼女の教室まで行くと、どうやら友人たちと一緒に、中庭で食事をする様だ。友人たちに支えられ、中庭へと向かうユリア嬢。
楽しそうに食事をしているが、あまり食べていない様だ。ただ、弁当自体は、普通の弁当だった。特に冷遇されている訳ではないのか?そう思っていたのだが…
「やっぱりユリア、変よ。体調の悪いユリアのお弁当に、ステーキなんていれるかしら?普通病人用の食事にしない?」
「私も思ったわ。それにお弁当を見た時、こんなご馳走食べたことがない!と言わんばかりに、目を輝かせていたわ。それに病気なら、どうして薬を飲んでいないのかしら?」
「カルディア様のユリアに対する扱いも酷いし。やはりあの噂は本当だったのかもしれないわね。何とかユリアを助けられないかしら?」
放課後友人たちがユリア嬢について話をしていたのだ。いてもたってもいられなかった俺は、彼女たちに声を掛けた。
「君たち、あの噂とは一体ないんだい?」
突然の俺の登場に、目を丸くして固まる友人達。
「あの…その…」
「別に君たちをどうこうとは考えていない。ただ…俺もユリア嬢が心配なんだ。だから教えてくれないかい?」
お互い顔を見合わせて考えている友人達。すると1人の令嬢が口を開いた。
「あの…実はパラスティ伯爵がユリアを冷遇しているという噂が、ずっと貴族の間で流れていて…もちろん、噂です。それに伯爵の言う通り、ユリアは確かに病気を患っている様ですし…」
「ただ、君たちはユリア嬢が伯爵家で冷遇されていると思っているのだね。俺もそんな気がする」
俺が何か引っかかっていたのと同じように、ユリア嬢の友人たちも、気になる点があるのだろう。やはり一度、ユリア嬢の状況を調べさせる必要がありそうだ。
「あの、ブラック様。どうしてユリアを気にかけて下さるのですか?」
1人の令嬢が俺に話しかけて来た。真剣な表情で俺を見つめている。きっとこの子たちにとってユリア嬢は、とても大切な存在なのだろう。
「さあ、どうしてだろう。ただ、彼女の置かれている状況を考えると、俺も気になる点がいくつかある。もしまた何か気になる点があれば、教えてくれると助かる」
「…分かりました。あの…私達ではユリアを助ける事が出来ません。もし…もしブラック様がユリアを助けて下さるのなら、私たちは何でも協力いたします。どうか…どうかユリアの事をよろしくお願いします」
何を思ったのか、友人たちが俺に頭を下げて来たのだ。
「俺も何が出来るか分からないから、正直期待しないで欲しい。それじゃあ」
つい令嬢たちに冷たい態度を取ってしまった。ただ、このまま弱っていくユリア嬢をただ見ているだけ何て出来ない。とにかく、一刻も早くユリア嬢の置かれている状況を把握しないと!
しばらく待っていると、彼女を乗せた馬車がやって来たのだ。どうしよう、声を掛けようか?そう思っていると、ユリア嬢の方からやってきてくれたのだ。今日も俺がずっと恋焦がれていた笑顔を見せてくれるユリア嬢。
そんな彼女に、そっけない態度を取ってしまう俺。どうして俺は素直になれないのだろう。自分が情けない。そんな俺を全く気にする様子もなく、満面の笑みで挨拶をしてくれたユリア嬢だったが、すぐに俺から去って行ってしまった。
もう行ってしまうのか?そっけない態度をとったにもかかわらず、すぐに立ち去ってしまうユリア嬢から目が離せない。今日も体調があまり良くない様だ。せっかくだから教室まで送って行こう。そう思い手を掴んだ時だった。
「痛っ」
とっさにユリア嬢が声を上げた。よく見ると左手が酷く腫れているではないか。これは大変だ、相当痛かっただろう。すぐに治療を!そう思い医務室に連れて行こうとしたのだが、頑なにユリア嬢が嫌がったのだ。
なぜだ?どうしてそんなに医務室が嫌なんだ?そもそもこんな酷い怪我をしているのに、伯爵家では手当てすらしてもらえないのか?何かがおかしい!
とりあえず放っておく訳にもいかないため、馬車で待機していた執事に手当てをしてもらう様に依頼した。手当てが終わると、俺たちに頭を下げ去っていくユリア嬢。
「坊ちゃま、あの令嬢の怪我…酷く腫れておりましたね。幸い打ち身に効く薬を持っておりましたので、塗っておきましたが。それに顔色が非常に悪い。彼女は伯爵令嬢ですよね?どうして家で治療を受けないのですか?」
執事も疑問に思ったのか、俺に問いかけて来た。
「俺にも分からない。とにかく俺も、教室に向かうよ」
そう伝え、急いで教室に向かった。授業中も考える事と言えば、ユリア嬢の事ばかり。どうして彼女は怪我を放置したまま学院に来たんだ?もしかして、治療を受けさせてもらえないとか?
そもそも彼女の両親は既に亡くなっている。いくら自分の姪だからと言っても、伯爵や夫人にも厄介者扱いされていたのなら…もしかしてあの病気も、毒によるものなのか?
ついそんな事を考えてしまう。でも、考えれば考えるほど、ユリア嬢の行動は不可解なのだ。一度執事に調べさせてみるか。
そんな事を考えていると、お昼休みになった。ユリア嬢が気になって彼女の教室まで行くと、どうやら友人たちと一緒に、中庭で食事をする様だ。友人たちに支えられ、中庭へと向かうユリア嬢。
楽しそうに食事をしているが、あまり食べていない様だ。ただ、弁当自体は、普通の弁当だった。特に冷遇されている訳ではないのか?そう思っていたのだが…
「やっぱりユリア、変よ。体調の悪いユリアのお弁当に、ステーキなんていれるかしら?普通病人用の食事にしない?」
「私も思ったわ。それにお弁当を見た時、こんなご馳走食べたことがない!と言わんばかりに、目を輝かせていたわ。それに病気なら、どうして薬を飲んでいないのかしら?」
「カルディア様のユリアに対する扱いも酷いし。やはりあの噂は本当だったのかもしれないわね。何とかユリアを助けられないかしら?」
放課後友人たちがユリア嬢について話をしていたのだ。いてもたってもいられなかった俺は、彼女たちに声を掛けた。
「君たち、あの噂とは一体ないんだい?」
突然の俺の登場に、目を丸くして固まる友人達。
「あの…その…」
「別に君たちをどうこうとは考えていない。ただ…俺もユリア嬢が心配なんだ。だから教えてくれないかい?」
お互い顔を見合わせて考えている友人達。すると1人の令嬢が口を開いた。
「あの…実はパラスティ伯爵がユリアを冷遇しているという噂が、ずっと貴族の間で流れていて…もちろん、噂です。それに伯爵の言う通り、ユリアは確かに病気を患っている様ですし…」
「ただ、君たちはユリア嬢が伯爵家で冷遇されていると思っているのだね。俺もそんな気がする」
俺が何か引っかかっていたのと同じように、ユリア嬢の友人たちも、気になる点があるのだろう。やはり一度、ユリア嬢の状況を調べさせる必要がありそうだ。
「あの、ブラック様。どうしてユリアを気にかけて下さるのですか?」
1人の令嬢が俺に話しかけて来た。真剣な表情で俺を見つめている。きっとこの子たちにとってユリア嬢は、とても大切な存在なのだろう。
「さあ、どうしてだろう。ただ、彼女の置かれている状況を考えると、俺も気になる点がいくつかある。もしまた何か気になる点があれば、教えてくれると助かる」
「…分かりました。あの…私達ではユリアを助ける事が出来ません。もし…もしブラック様がユリアを助けて下さるのなら、私たちは何でも協力いたします。どうか…どうかユリアの事をよろしくお願いします」
何を思ったのか、友人たちが俺に頭を下げて来たのだ。
「俺も何が出来るか分からないから、正直期待しないで欲しい。それじゃあ」
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