もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました

Karamimi

文字の大きさ
47 / 48

第47話:皆が温かく迎えてくれました

しおりを挟む
1週間後、久しぶりに制服に袖を通した。そしてリースが、私の髪を綺麗にとかし、髪飾りを付けてくる。

「ありがとう、リース。それじゃあ、行ってくるわね」

「ユリア様、見た目は元に戻っても、魔力はまだ完全には戻っていらっしゃらないのです。くれぐれも、無理をしないで下さいね」

「ええ、もちろんよ。行ってきます」

部屋から出ると、制服姿のブラック様の姿が。

「ブラック様の制服姿、やっぱり素敵ですわ。とてもカッコいいです」

「ユリアの制服姿も、新鮮で素敵だよ。ただ…やはり君は美しい。いいかい?知らない男に付いて行ってはいけないよ。君はあのゴミどもによって、世間から隔離されていた。その分無防備になっている部分も多々あるだろう。いいかい?俺から離れてはいけないからね。分かったね?」

あのゴミどもとは、叔父様たちの事だろう。確かに最低な人たちだったが、さすがにゴミは…

「ブラック様、私に興味を抱く物好きな殿方はあなた様くらいですので、ご安心ください」

「それはどうかな…君は自分の事を全く分かっていないからね。まあいい、そろそろ行こうか」

「はい」

お義母様やリース達に見送られ、馬車に乗り込み学院を目指す。しばらく走ると、懐かしい貴族学院が見えて来た。

「ブラック様、貴族学院が見えてきましたわ」

私の安らぎの場所だった貴族学院。学院を見た瞬間、嬉しくてついはしゃいでしまう。もし学院に入学できていなければ、ブラック様に再開する事もなかった。そう考えると、叔父様にはある意味感謝しているのだ。

「さあ、ユリア。そんなに嬉しそうに窓にへばりついていないで、行こうか?」

「はい」

ブラック様に差し出された手を取り、馬車から降りると…

「「「「ユリア!!!」」」」

私を待っていてくれたのは、友人達だ。

「皆、待っていてくれたのね。嬉しいわ」

「当たり前でしょう。ユリア、あなたの髪、元に戻ったのね」

「本当だわ、昔のユリアに戻ったのね。よかった。すっかり元気になって」

「皆、ありがとう。実は魔術師様が魔力を回復する薬を開発してくださったの」

「それは良かったわ。本当によかった」

友人たちが私を抱きしめながら、涙を流して喜んでくれている。そんな彼女たちを見たら、私も涙が溢れ出した。でも…そっと涙をぬぐい

「皆、本当にありがとう。クラスは違うけれど、これからも仲良くしてね。あなた達は、私の大切な大切な友人なのですもの。昼食も一緒に食べましょう」

「もちろんよ。やっぱりユリアね。公爵令嬢で、ブラック様の婚約者になっても、ちっとも変わらないのですもの。安心したわ」

「あら、あなた達こそ、ずっと同じ様に接してくれるじゃない。私、それが嬉しくてたまらないの。ありがとう、皆」

両親が亡くなり、治癒魔法のせいでおばあちゃんの様になった時も、ブラック様の家の養女になり、ブラック様の婚約者になった今も、彼女たちは同じ態度で接してくれる。それが嬉しくてたまらないのだ。

「それじゃあ、また後でね。お昼、テラスで待っているわ」

「ええ、必ず行くわね」

友人たちに向かって、笑顔で手を振る。

「ユリア、友人たちに再会できてよかったね。彼女たちは、どんなユリアでも受けいれてくれる素敵な友達だ。大切にしないとね」

「はい、私、彼女たちとずっと友達でいたいですわ。ブラック様、私を貴族学院に戻してくださり、ありがとうございました」

「お礼を言う必要は無いよ。俺は君の婚約者なのだから。俺はね、神様に…いいや、天使様に誓ったんだ。ユリアには二度と苦痛や悲しみを味わう事はさせない、彼女の喜ぶ事を目いっぱいすると」

「ブラック様…本当にあなた様は、最高の婚約者ですわ。私も今までブラック様に迷惑を掛けた分、今度は私がブラック様を幸せにしたいと考えておりますの」

「それなら、いつも笑顔でいて欲しい。それだけで俺は、幸せでたまらないから」

そう言うと、少し恥ずかしそうに笑ったブラック様。もう、ブラック様ったら。

そんな話をしているうちに、教室に着いた。私、皆に受け入れてもらえるかしら?そう思いつつ、ブラック様と一緒に教室へと入った。

すると

「「「「ユリア様(嬢)、ようこそ我がクラスへ」」」」」

クラスに入った途端、皆が声を合わせて歓迎してくれたのだ。これは一体…

「ユリア様、あなた様の置かれていた状況、父から聞きました。随分と苦労されたのですね。お可哀そうに…」

「もうあの意地悪な人たちはいません。どうかこれからはこのクラスの一員として、目いっぱい素敵な思い出を作りましょう」

「ユリア様のお席はこちらですわ。何か分からない事があれば、何でも相談してくださいね」

「それにしてもユリア嬢…こんなに美しい女性だったのか…治癒魔法とは恐ろしいな…こんな美しい女性を、あのような姿にしてしまうだなんて…」

「本当だな…本当に美しい…」

「おい、令息ども、ユリアを見つめるな!」

すかさずブラック様が怒っている。どうやら私は、皆から歓迎されている様だ。つい最近まで、伯爵令嬢、それも養女で虐げられていた私を、こんな風に高貴な身分の方たちが受け入れてくれるだなんて…

きっとこれから、素敵な学院ライフが待っているのだろう。彼ら彼女らを見て、そう確信したのだった。



※次回、最終話です。
よろしくお願いしますm(__)m
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。

海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。 アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。 しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。 「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」 聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。 ※本編は全7話で完結します。 ※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る

水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。 婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。 だが―― 「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」 そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。 しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。 『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』 さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。 かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。 そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。 そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。 そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。 アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。 ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します

ちより
恋愛
 侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。  愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。  頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。  公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。 しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。 そんな時、隣国から王太子がやって来た。 王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。 すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。 アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。 そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。 アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。 そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

家族から冷遇されていた過去を持つ家政ギルドの令嬢は、旦那様に人のぬくもりを教えたい~自分に自信のない旦那様は、とても素敵な男性でした~

チカフジ ユキ
恋愛
叔父から使用人のように扱われ、冷遇されていた子爵令嬢シルヴィアは、十五歳の頃家政ギルドのギルド長オリヴィアに助けられる。 そして家政ギルドで様々な事を教えてもらい、二年半で大きく成長した。 ある日、オリヴィアから破格の料金が提示してある依頼書を渡される。 なにやら裏がありそうな値段設定だったが、半年後の成人を迎えるまでにできるだけお金をためたかったシルヴィアは、その依頼を受けることに。 やってきた屋敷は気持ちが憂鬱になるような雰囲気の、古い建物。 シルヴィアが扉をノックすると、出てきたのは長い前髪で目が隠れた、横にも縦にも大きい貴族男性。 彼は肩や背を丸め全身で自分に自信が無いと語っている、引きこもり男性だった。 その姿をみて、自信がなくいつ叱られるかビクビクしていた過去を思い出したシルヴィアは、自分自身と重ねてしまった。 家政ギルドのギルド員として、余計なことは詮索しない、そう思っても気になってしまう。 そんなある日、ある人物から叱責され、酷く傷ついていた雇い主の旦那様に、シルヴィアは言った。 わたしはあなたの側にいます、と。 このお話はお互いの強さや弱さを知りながら、ちょっとずつ立ち直っていく旦那様と、シルヴィアの恋の話。 *** *** ※この話には第五章に少しだけ「ざまぁ」展開が入りますが、味付け程度です。 ※設定などいろいろとご都合主義です。 ※小説家になろう様にも掲載しています。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?

はくら(仮名)
恋愛
 ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。 ※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。

処理中です...