15 / 62
第15話:僕が犯した最大の過ち【後編】~エヴァン視点~
無事婚約破棄が終わり、泣きながら部屋から出ていくルーナを目で追う。一体どういう事だ?ルーナはクラーク殿下が好きなのではないのか?もしかしてまだクラーク殿下や陛下から話を聞いていないのか?
そう、僕は最後に僕に言ったルーナの言葉
「エヴァン様、私はあなた様に出会ったあの日から、ずっとあなた様をお慕いしておりました。8歳であなた様と婚約できたあの日は、本当に嬉しくて、夢の様でした。あれから7年、こんな形でお別れする事になってしまった事、正直悲しく思います。それでも私は、エヴァン様と婚約できたこと、そしてあなた様の傍にいれた事、とても幸せに思います。本当にありがとうございました」
それが頭から離れない。それにルーナは泣いていた。もしかして僕は、何か間違っていたのだろうか?いいや、そんな事はないはずだ!
その場から動けない僕の肩を叩き、父上が出ていく。とにかく部屋に戻ろう。フラフラと立ち上がり、部屋に戻った。そして僕は泣いた。本当にこれでルーナは僕のものではなくなったのだ。
その現実が辛くて、どうしようもない気持ちになった。正直これからどうやって生きていけばいいのかも分からない。そんな思いから、僕はその後3日間、家から出る事が出来なかった。
それでも僕は公爵令息だ。このまま引きこもる訳にはいかない。そんな思いで、4日目、学院へと向かった。既に僕たちの婚約破棄の噂が学院中に広がっていた。
ただ、誰も僕を責める事はしなかった。中にはなぜか感謝してくる令息までいたのだ。そういえば、ルーナの姿がない。そう思っていると、ルーナもずっと休んでいるらしいと友人が教えてくれた。
どうやらショックで休んでいる様だ。もしかしてルーナは僕の事を?いいや、そんな事はない。現にルーナは僕の家から提示した慰謝料を拒否している。きっと後ろめたい気持ちがあるから、拒否したんだ。そうだ、そうに決まっている!
そして婚約破棄から1週間後、久しぶりにルーナが姿を現した。相変わらず美しいルーナ、もう僕の婚約者ではないのだ。既にたくさんの婚約申込が来ていると聞いている。皆バカだな、いくらルーナにアプローチしても、彼女はクラーク殿下の元に嫁ぐのに。
そんな中、先生がクラーク殿下と現れた。そして明日国に帰るとの発表があったのだ。そうか…明日ルーナを連れて国に帰るのか。そう思ったのだが…
どうやらクラーク殿下には婚約者がおり、国に帰ったらその女性と結婚するらしい。ルーナもその事を知っていた様で、普通に話しをしている。
一体どういう事だ?クラーク殿下はルーナと結婚するつもりだったのではないのか?いてもたってもいられなかった僕は、クラーク殿下のお別れ会が終わると同時に、クラーク殿下に話しかけた。
「クラーク殿下、あの…少しお話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ああ、構わないよ。私に何か用かい?」
穏やかな眼差しで僕を見つめるクラーク殿下。
「あの…ナタリー嬢からクラーク殿下はルーナを連れて国に帰ると聞いておりましたが、違うのでしょうか?2人は愛し合っているとも伺いしましたが…」
「私とルーナ嬢がかい?確かにルーナ嬢とは仲良くさせてもらっていたが、僕には心から愛する女性が自国にいるからね。それにルーナ嬢だって、君を心から愛していた。僕とルーナ嬢は愛し合うなんて、大嘘もいいところだ。そもそも既に婚約者がいる令嬢に手を出すほど、私が愚かだと君は考えていたのかい?それは心外なだ」
「申し訳ございません…そんなつもりでは…」
「冗談だよ。そうか…だから君は、急にルーナ嬢に冷たくしたんだね。でも、ナタリー嬢がどんな女性か、君だって知っているだろう。それに公爵令息の君なら、少し調べればその話が大嘘だって、すぐにわかったはずなのに…君がそこまで愚かだなんて、思わなかったよ」
はぁ~と、ため息を付くクラーク殿下。確かにクラーク殿下の言う通りだ。僕はあの女の言い分を鵜呑みにして、ろくに調べもしなかった。
「ルーナ嬢はずっと悩んでいたよ。君がどうして急に冷たくなったのかってね…それにしても、まさかそんな理由だったなんてね」
クラーク殿下が苦笑いしている。
「とにかく、これ以上ルーナ嬢を傷つけないでくれよ。それから、ハドソン殿下にも話したけれど、ナタリー嬢は王妃にはふさわしくないね。今回の話を聞いて、増々そう思ったよ。そんな令嬢の嘘に、まんまとハマるだなんて…」
クラーク殿下が残念な者を見る目で僕を見ている。本当に僕は、なにをやっていたのだろう。
「それじゃあ、私はもう行くよ。とにかく、これ以上ルーナ嬢を傷つける事だけはしないでくれよ」
そう言い残して去って行ったクラーク殿下。まさかナタリー嬢に嵌められていたなんて!
そして何の罪もないルーナを1年もの間無視し、婚約破棄までして傷つけた。
「僕は一体何をしているのだろう…本当に僕は愚かだな…一番大切な人を傷つけ、自ら手放すだなんて…」
自分のあまりの愚かさに、涙が溢れて来た。本当に僕は何をしていたのだろう…
そう、僕は最後に僕に言ったルーナの言葉
「エヴァン様、私はあなた様に出会ったあの日から、ずっとあなた様をお慕いしておりました。8歳であなた様と婚約できたあの日は、本当に嬉しくて、夢の様でした。あれから7年、こんな形でお別れする事になってしまった事、正直悲しく思います。それでも私は、エヴァン様と婚約できたこと、そしてあなた様の傍にいれた事、とても幸せに思います。本当にありがとうございました」
それが頭から離れない。それにルーナは泣いていた。もしかして僕は、何か間違っていたのだろうか?いいや、そんな事はないはずだ!
その場から動けない僕の肩を叩き、父上が出ていく。とにかく部屋に戻ろう。フラフラと立ち上がり、部屋に戻った。そして僕は泣いた。本当にこれでルーナは僕のものではなくなったのだ。
その現実が辛くて、どうしようもない気持ちになった。正直これからどうやって生きていけばいいのかも分からない。そんな思いから、僕はその後3日間、家から出る事が出来なかった。
それでも僕は公爵令息だ。このまま引きこもる訳にはいかない。そんな思いで、4日目、学院へと向かった。既に僕たちの婚約破棄の噂が学院中に広がっていた。
ただ、誰も僕を責める事はしなかった。中にはなぜか感謝してくる令息までいたのだ。そういえば、ルーナの姿がない。そう思っていると、ルーナもずっと休んでいるらしいと友人が教えてくれた。
どうやらショックで休んでいる様だ。もしかしてルーナは僕の事を?いいや、そんな事はない。現にルーナは僕の家から提示した慰謝料を拒否している。きっと後ろめたい気持ちがあるから、拒否したんだ。そうだ、そうに決まっている!
そして婚約破棄から1週間後、久しぶりにルーナが姿を現した。相変わらず美しいルーナ、もう僕の婚約者ではないのだ。既にたくさんの婚約申込が来ていると聞いている。皆バカだな、いくらルーナにアプローチしても、彼女はクラーク殿下の元に嫁ぐのに。
そんな中、先生がクラーク殿下と現れた。そして明日国に帰るとの発表があったのだ。そうか…明日ルーナを連れて国に帰るのか。そう思ったのだが…
どうやらクラーク殿下には婚約者がおり、国に帰ったらその女性と結婚するらしい。ルーナもその事を知っていた様で、普通に話しをしている。
一体どういう事だ?クラーク殿下はルーナと結婚するつもりだったのではないのか?いてもたってもいられなかった僕は、クラーク殿下のお別れ会が終わると同時に、クラーク殿下に話しかけた。
「クラーク殿下、あの…少しお話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ああ、構わないよ。私に何か用かい?」
穏やかな眼差しで僕を見つめるクラーク殿下。
「あの…ナタリー嬢からクラーク殿下はルーナを連れて国に帰ると聞いておりましたが、違うのでしょうか?2人は愛し合っているとも伺いしましたが…」
「私とルーナ嬢がかい?確かにルーナ嬢とは仲良くさせてもらっていたが、僕には心から愛する女性が自国にいるからね。それにルーナ嬢だって、君を心から愛していた。僕とルーナ嬢は愛し合うなんて、大嘘もいいところだ。そもそも既に婚約者がいる令嬢に手を出すほど、私が愚かだと君は考えていたのかい?それは心外なだ」
「申し訳ございません…そんなつもりでは…」
「冗談だよ。そうか…だから君は、急にルーナ嬢に冷たくしたんだね。でも、ナタリー嬢がどんな女性か、君だって知っているだろう。それに公爵令息の君なら、少し調べればその話が大嘘だって、すぐにわかったはずなのに…君がそこまで愚かだなんて、思わなかったよ」
はぁ~と、ため息を付くクラーク殿下。確かにクラーク殿下の言う通りだ。僕はあの女の言い分を鵜呑みにして、ろくに調べもしなかった。
「ルーナ嬢はずっと悩んでいたよ。君がどうして急に冷たくなったのかってね…それにしても、まさかそんな理由だったなんてね」
クラーク殿下が苦笑いしている。
「とにかく、これ以上ルーナ嬢を傷つけないでくれよ。それから、ハドソン殿下にも話したけれど、ナタリー嬢は王妃にはふさわしくないね。今回の話を聞いて、増々そう思ったよ。そんな令嬢の嘘に、まんまとハマるだなんて…」
クラーク殿下が残念な者を見る目で僕を見ている。本当に僕は、なにをやっていたのだろう。
「それじゃあ、私はもう行くよ。とにかく、これ以上ルーナ嬢を傷つける事だけはしないでくれよ」
そう言い残して去って行ったクラーク殿下。まさかナタリー嬢に嵌められていたなんて!
そして何の罪もないルーナを1年もの間無視し、婚約破棄までして傷つけた。
「僕は一体何をしているのだろう…本当に僕は愚かだな…一番大切な人を傷つけ、自ら手放すだなんて…」
自分のあまりの愚かさに、涙が溢れて来た。本当に僕は何をしていたのだろう…
あなたにおすすめの小説
〖完結〗旦那様が私を殺そうとしました。
藍川みいな
恋愛
私は今、この世でたった一人の愛する旦那様に殺されそうになっている。いや……もう私は殺されるだろう。
どうして、こんなことになってしまったんだろう……。
私はただ、旦那様を愛していただけなのに……。
そして私は旦那様の手で、首を絞められ意識を手放した……
はずだった。
目を覚ますと、何故か15歳の姿に戻っていた。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全11話で完結になります。
【完結】貴方の後悔など、聞きたくありません。
なか
恋愛
学園に特待生として入学したリディアであったが、平民である彼女は貴族家の者には目障りだった。
追い出すようなイジメを受けていた彼女を救ってくれたのはグレアルフという伯爵家の青年。
優しく、明るいグレアルフは屈託のない笑顔でリディアと接する。
誰にも明かさずに会う内に恋仲となった二人であったが、
リディアは知ってしまう、グレアルフの本性を……。
全てを知り、死を考えた彼女であったが、
とある出会いにより自分の価値を知った時、再び立ち上がる事を選択する。
後悔の言葉など全て無視する決意と共に、生きていく。
あなたに未練などありません
風見ゆうみ
恋愛
「本当は前から知っていたんだ。君がキャロをいじめていた事」
初恋であり、ずっと思いを寄せていた婚約者からありえない事を言われ、侯爵令嬢であるわたし、アニエス・ロロアルの頭の中は真っ白になった。
わたしの婚約者はクォント国の第2王子ヘイスト殿下、幼馴染で親友のキャロラインは他の友人達と結託して嘘をつき、私から婚約者を奪おうと考えたようだった。
数日後の王家主催のパーティーでヘイスト殿下に婚約破棄されると知った父は激怒し、元々、わたしを憎んでいた事もあり、婚約破棄後はわたしとの縁を切り、わたしを家から追い出すと告げ、それを承認する書面にサインまでさせられてしまう。
そして、予告通り出席したパーティーで婚約破棄を告げられ絶望していたわたしに、その場で求婚してきたのは、ヘイスト殿下の兄であり病弱だという事で有名なジェレミー王太子殿下だった…。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
「商売する女は不要」らしいです
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリアナ・ヴァルトハイムは、第二王子の婚約者だった。しかし「女が商売に口を出すな」と婚約破棄され、新しい婚約者には何も言わない従順な令嬢が選ばれる。父にも見捨てられたエリアナは、自由商業都市アルトゥーラへ。
前世の経営コンサルタントの知識を武器に、商人として成り上がる。複式簿記、マーケティング、物流革命——次々と革新を起こし、わずか一年で大陸屈指の豪商に。
やがて王国は傾き、元婚約者たちが助けを求めて土下座してくるが、エリアナは冷たく突き放す。「もう関係ありません」と。
そして彼女が手に入れたのは、ビジネスでの成功だけではなかった。無愛想だが誠実な傭兵団長ディアンと出会ってーー。
その発言、後悔しないで下さいね?
風見ゆうみ
恋愛
「君を愛する事は出来ない」「いちいちそんな宣言をしていただかなくても結構ですよ?」結婚式後、私、エレノアと旦那様であるシークス・クロフォード公爵が交わした会話は要約すると、そんな感じで、第1印象はお互いに良くありませんでした。
一緒に住んでいる義父母は優しいのですが、義妹はものすごく意地悪です。でも、そんな事を気にして、泣き寝入りする性格でもありません。
結婚式の次の日、旦那様にお話したい事があった私は、旦那様の執務室に行き、必要な話を終えた後に帰ろうとしますが、何もないところで躓いてしまいます。
一瞬、私の腕に何かが触れた気がしたのですが、そのまま私は転んでしまいました。
「大丈夫か?」と聞かれ、振り返ると、そこには長い白と黒の毛を持った大きな犬が!
でも、話しかけてきた声は旦那様らしきものでしたのに、旦那様の姿がどこにも見当たりません!
「犬が喋りました! あの、よろしければ教えていただきたいのですが、旦那様を知りませんか?」「ここにいる!」「ですから旦那様はどこに?」「俺だ!」「あなたは、わんちゃんです! 旦那様ではありません!」
※カクヨムさんで加筆修正版を投稿しています。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法や呪いも存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
※クズがいますので、ご注意下さい。
※ざまぁは過度なものではありません。
噂の悪女が妻になりました
はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。
国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。
その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。