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第32話:出来る事をやっていくしかない~エヴァン視点~
ハドソンとの交渉が成立したその日、早速父上にもヴィノーデル公爵とナタリー嬢に盗聴&盗撮機付きの贈り物を贈る件を話したのだが…
「エヴァン、さすがにそれは良くない。犯罪者でもない限り、本人または家長に許可なく、勝手に盗聴器や盗撮機を付ける事は禁止されている。もし罪を犯せば、重罪に課せられるのだぞ!」
「それは十分承知しております。でも、このままではルーナが…」
「ルーナ嬢を心配するのは分かる。でも、さすがにそれは承認できない。きっと陛下からも、許可が下りないはずだ」
そう言われてしまったのだ。
案の定陛下からもNGが出た。
「エヴァン、すまない。昨日はつい君の口車に乗ってしまって、協力すると言ってしまったが…」
そう言って頭を下げるハドソン。口車って、僕がハドソンをそそのかしたみたいじゃないか!
「陛下や父上が駄目だと言っているのだから、公爵家に盗聴&盗撮機を付けるのは諦めるよ。その分、ルーナの周りはもちろん、アルフィーノ侯爵家の警備により一層力を入れようと思っている」
「それなら、王族御用達の影の騎士たちを手配するよ。せめてそれくらいさせてくれ。それから、少しでもおかしな動きがあったら、僕にも教えて欲しい」
「ありがとう、ハドソン。とりあえずアルフィーノ侯爵にはある程度話は通してあるから、問題ないだろう。ナタリー嬢がこのまま何も動かないとも限らないから」
「そうだね…ねえ、エヴァン、僕は婚約者がいる身で、エマに恋をしてしまった。やっぱり、男としては失格かな?1人の女性を愛する事が出来なかったのだから…」
悲しそうに呟くハドソン。
「婚約者と言っても、物心つくかつかないかの時に、王妃様の我が儘で結ばれた婚約だろう。それにハドソンは何度もナタリー嬢に歩み寄ろうとしたのに、それをことごとく振り払って来たのはナタリー嬢だ。ハドソンの気持ちが付いて行かないのは仕方がない事。それに君が心から愛しているのは、エマ嬢なのだろう?それならその気持ちを大切にしたらいいと、僕は思う」
好きでもない女を無理やり婚約者にされ、それでも今まで必死に歩み寄ろうとしたハドソンを、きっと誰も悪く言わないだろう。それに…ナタリー嬢は強烈すぎるからな…エマ嬢も気が強くて口うるさいが、ナタリー嬢よりかはマシだろう。
「ありがとう、エヴァン。僕はやっぱりエマが大好きだ。だから、もう迷わない。彼女と結婚できるように、全力を尽くすよ」
そう言ってほほ笑んだハドソン。今までほとんどほほ笑むことがなかったハドソンだが、僕が協力を依頼しいてから、よく笑う様になった。そして今まで以上に、熱い視線でエマ嬢を見ているのだ。
よほどエマ嬢の事が好きなのだろう。ただそのせいで、ナタリー嬢がルーナへの風当たりを強めているので、今は出来るだけエマ嬢を見ないでくれとは伝えてあるが…
どうしても目で追ってしまう様だ。まあ、気持ちは分かるが…
「君がエマ嬢と結婚しようがしまいがどうでもいいが、ルーナの事を考えると、このままナタリー嬢を君の婚約者にしておくことは、絶対に避けたいからね。それにあの女には、恨みしかないし…僕を騙した事、絶対に後悔させてやるよ」
「そういえば、アイザックも君に嘘を吹き込んだらしいね…」
「アイザックの件は、もう何とも思っていないよ。そうそう、早速ミレー殿下に使いを出したよ。アイザックの奴、絶世の美女と聞いて目の色が変わったからね。本当に分かりやすい男だ」
そう、先日アイザックに、ミレー殿下の事を話したのだ。最初はごねていたが、絶世の美女と聞いて、是非会ってみたいと言いだした。陛下も王妃様も、アイザックがそう言うなら、一度会ってみるといいとの事だったので、僕がミレー殿下に使いを出したのだ。
「まあ、我が国にとっても、アイザックがミレー殿下の婿養子として迎えられれば、国益も大きいからね。アイザックさえ気に入ってくれたら、僕たちはうまくお膳立てを行おう。エヴァンも手伝ってくれるだろう?」
「もちろんだよ。でも多分僕たちのお膳立ては必要ないと思うよ。アイザックは多分ミレー殿下に一目ぼれするだろうし、ミレー殿下の性格からしたらきっと、アイザックを気に入るだろうし」
事前にミレー殿下の事は色々と調べたのだ。ただ…ミレー殿下の本性を知ったら、もしかしたらアイザックが怖気ずつかもしれないから、それまでになんとしても婚約を結ばせないと。まあ、ミレー殿下は非常に賢いから、その点もうまく振舞うだろう。
そして僕が使いを送った1週間後、改めてミレー殿下から一度我が国を訪問して、アイザックに会いたいとの連絡が来たのだった。
※次回、ルーナ視点に戻ります。
「エヴァン、さすがにそれは良くない。犯罪者でもない限り、本人または家長に許可なく、勝手に盗聴器や盗撮機を付ける事は禁止されている。もし罪を犯せば、重罪に課せられるのだぞ!」
「それは十分承知しております。でも、このままではルーナが…」
「ルーナ嬢を心配するのは分かる。でも、さすがにそれは承認できない。きっと陛下からも、許可が下りないはずだ」
そう言われてしまったのだ。
案の定陛下からもNGが出た。
「エヴァン、すまない。昨日はつい君の口車に乗ってしまって、協力すると言ってしまったが…」
そう言って頭を下げるハドソン。口車って、僕がハドソンをそそのかしたみたいじゃないか!
「陛下や父上が駄目だと言っているのだから、公爵家に盗聴&盗撮機を付けるのは諦めるよ。その分、ルーナの周りはもちろん、アルフィーノ侯爵家の警備により一層力を入れようと思っている」
「それなら、王族御用達の影の騎士たちを手配するよ。せめてそれくらいさせてくれ。それから、少しでもおかしな動きがあったら、僕にも教えて欲しい」
「ありがとう、ハドソン。とりあえずアルフィーノ侯爵にはある程度話は通してあるから、問題ないだろう。ナタリー嬢がこのまま何も動かないとも限らないから」
「そうだね…ねえ、エヴァン、僕は婚約者がいる身で、エマに恋をしてしまった。やっぱり、男としては失格かな?1人の女性を愛する事が出来なかったのだから…」
悲しそうに呟くハドソン。
「婚約者と言っても、物心つくかつかないかの時に、王妃様の我が儘で結ばれた婚約だろう。それにハドソンは何度もナタリー嬢に歩み寄ろうとしたのに、それをことごとく振り払って来たのはナタリー嬢だ。ハドソンの気持ちが付いて行かないのは仕方がない事。それに君が心から愛しているのは、エマ嬢なのだろう?それならその気持ちを大切にしたらいいと、僕は思う」
好きでもない女を無理やり婚約者にされ、それでも今まで必死に歩み寄ろうとしたハドソンを、きっと誰も悪く言わないだろう。それに…ナタリー嬢は強烈すぎるからな…エマ嬢も気が強くて口うるさいが、ナタリー嬢よりかはマシだろう。
「ありがとう、エヴァン。僕はやっぱりエマが大好きだ。だから、もう迷わない。彼女と結婚できるように、全力を尽くすよ」
そう言ってほほ笑んだハドソン。今までほとんどほほ笑むことがなかったハドソンだが、僕が協力を依頼しいてから、よく笑う様になった。そして今まで以上に、熱い視線でエマ嬢を見ているのだ。
よほどエマ嬢の事が好きなのだろう。ただそのせいで、ナタリー嬢がルーナへの風当たりを強めているので、今は出来るだけエマ嬢を見ないでくれとは伝えてあるが…
どうしても目で追ってしまう様だ。まあ、気持ちは分かるが…
「君がエマ嬢と結婚しようがしまいがどうでもいいが、ルーナの事を考えると、このままナタリー嬢を君の婚約者にしておくことは、絶対に避けたいからね。それにあの女には、恨みしかないし…僕を騙した事、絶対に後悔させてやるよ」
「そういえば、アイザックも君に嘘を吹き込んだらしいね…」
「アイザックの件は、もう何とも思っていないよ。そうそう、早速ミレー殿下に使いを出したよ。アイザックの奴、絶世の美女と聞いて目の色が変わったからね。本当に分かりやすい男だ」
そう、先日アイザックに、ミレー殿下の事を話したのだ。最初はごねていたが、絶世の美女と聞いて、是非会ってみたいと言いだした。陛下も王妃様も、アイザックがそう言うなら、一度会ってみるといいとの事だったので、僕がミレー殿下に使いを出したのだ。
「まあ、我が国にとっても、アイザックがミレー殿下の婿養子として迎えられれば、国益も大きいからね。アイザックさえ気に入ってくれたら、僕たちはうまくお膳立てを行おう。エヴァンも手伝ってくれるだろう?」
「もちろんだよ。でも多分僕たちのお膳立ては必要ないと思うよ。アイザックは多分ミレー殿下に一目ぼれするだろうし、ミレー殿下の性格からしたらきっと、アイザックを気に入るだろうし」
事前にミレー殿下の事は色々と調べたのだ。ただ…ミレー殿下の本性を知ったら、もしかしたらアイザックが怖気ずつかもしれないから、それまでになんとしても婚約を結ばせないと。まあ、ミレー殿下は非常に賢いから、その点もうまく振舞うだろう。
そして僕が使いを送った1週間後、改めてミレー殿下から一度我が国を訪問して、アイザックに会いたいとの連絡が来たのだった。
※次回、ルーナ視点に戻ります。
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