希望通り婚約破棄したのになぜか元婚約者が言い寄って来ます

Karamimi

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第45話:どうしてうまく行かないの?~ナタリー視点~

「どういう事よ!どうしてあの女の誕生日パーティーが、何事もなく終わっているのよ!」

あの憎き女、ルーナの誕生日パーティーをより盛り上げてあげるために、毒蛇と毒グモを送り込んでやったのに!どうして騒ぎもなく普通に終わっているの!

「申し訳ございません。送り込んだスパイたちは、護衛騎士たちによって見つかってしまった様で…ただ、声を掛けられた瞬間毒を飲んだ様で、実行犯たちは既にこの世にはおりません。ですので、お嬢様がやったという事が知られる事はありませんので」

「何が“知られる事はありません”よ!結局失敗したのなら、意味がないじゃない!あいつの誕生日パーティーを滅茶苦茶にしてやろうと思ったのに!ルーナ!どれほど悪運の強い女なの!ちょっと顔が可愛いからって、皆からチヤホヤされて!それにハドソン様の心まで奪って!本当に憎たらしい事この上ないわ!」

子供の頃から何不自由ない生活を送って来た私。物心ついた時には、王妃様の強い希望により、王太子殿下のハドソン様の婚約者として、そして次期王妃として常に皆から注目される存在。

誰からも愛され尊敬され、誰もが跪く。それが私なのだ。そんな私の前に現れたのが、あの女、ルーナだ!この国では珍しい銀色の髪をしたあの女は、少し顔が可愛いと言うだけで、婚約者のエヴァン様はもちろん、第二王子のアイザック殿下を始め、国中の殿方を魅了した。

あの女がほほ笑むだけで、令息たちは頬を赤らめる。あんな女よりももっともっと魅力的な私がいると言うのに、他の令息たちはなぜかあの女を見つめているのだ。

令息だけではない、令嬢たちまでもあの女を一目置いている。きっと令息だけでなく、令嬢にも媚を売っているのだろう。次期王妃は私なのに、どうしてあんな女が注目されるの?私は現王妃様が認めた次期王妃なのに!本当に嫌な女だ。

日に日にあの女への憎しみが積もって行った。そんな中、私を憤慨させる出来事が起こった。それは貴族学院に入学してすぐの事。

令息たちが面白半分で、人気投票を行ったのだ。もちろん、次期王妃でもある私が令嬢部門では1位になると思っていた。というよりも、私が1位以外考えられないのだ。それなのになんと1位の座は、あの女が奪い取って行ったのだ。

1位にあの女の名前が出た瞬間、怒りで我を忘れ、あの女に飛びかかったわ。“どんなあくどい手を使ったのよ!”てね。

当時婚約者だったエヴァン様がすかさずあの女を庇った。さらにハドソン様まで、あの女の肩を持ったのだ。私をギロリと睨みつけ、さらに自分の婚約者に手を出そうとした私に対し、正式に我がヴィノーデル公爵家に抗議をして来たのだ。

エヴァン様の父親は、現国王の弟。さすがにお父様からは“エヴァン殿をこれ以上怒らせないでくれ”と言われた。

完全に私を敵視し始めたエヴァン様は、あの女に私が近づかない様に、常に目を光らせている。そう、あの女はずっと、エヴァン様に守られていたのだ。あの女は結局、男に守られないと生きていけないのね。何とかエヴァン様とあの女を婚約破棄出来ないかしら?

さらに私をイラつかせたのは、ハドソン様だ。どうやらハドソン様もあの女の毒牙にかかっており、切なそうにあの女を見つめているのだ!あの女は、ハドソン様の心までも奪ったのだ!許せない!絶対にあの女を地獄に叩き落してやる。

そう思っていた時、ちょうど隣国の王太子が留学してきた。もちろん、あの女はすかさず隣国の王太子に取り入っていた。相変わらず男に取り入るのが好きな女ね…でも、このチャンスを逃がす訳にはいかないわ。

不安を抱えているエヴァン様を騙し、あの女と婚約破棄する様に誘導した。エヴァン様に無視されて悲しそうな顔をしているあの女を見ると、スカッとした。そしてエヴァン様は、まんまと私の嘘を信じて、あの女と婚約破棄をした。

これであの女もおしまいね。公爵令息に婚約破棄をされ、惨めな思いをしなさい。
そう思っていたのに、あの女はフリーになったという事で、今まで以上に人気が爆発。エヴァン様まで、再びあの女に近づき始めた。

それが気に入らなくて、私はさらにあの女に忠告をした。ただ、それが気に入らなかったのか、再びクリスティロソン公爵家から抗議が来たのだ。でもあの女とエヴァン様は婚約破棄済み。クリスティロソン公爵家にとやかく言われる筋合いはないと跳ね除けてやった。

ただ、私があの女に忠告したことが気に入らなかったハドソン様からも“このままでは君とは結婚できない”と言われた。そういえばハドソン様は、あの女が好きなのだったわ。

あの女、エヴァン様と婚約破棄したことで、今度は次期王妃の座を狙っているのね…
許せない!とにかく手を打たないとと思って今回の件を計画したのに、まさか失敗に終わるだなんて…

もう我慢できないわ!

部屋を飛び出し向かった先は、お父様の書斎だ。

「お父様、もう私は我慢の限界ですわ。あの女は私を王妃の座から引きずり降ろそうとしているの。あの女がいる限り、私は幸せに何てなれない!」

お父様の前で声をあげて泣いた。お父様は私の涙に弱いのだ。こうやってお父様の前で大泣きをすれば、大抵の願い事は叶えてくれるのだ。

「私の可愛いナタリー。そんなに泣いて、可哀そうに。あの女とは、ルーナ嬢の事かい?」

「そうよ、あの女、エヴァン様だけでなく、ハドソン様の心まで奪っているのよ。きっと私を王妃の座から引きずりおろして、あの女が王妃になるつもりなのよ。お父様、このままだと私、全てをあの女に奪われてしまうわ。お願い、あの女を消し去って」

「…わかった。私に考えがある…可愛いナタリーの頼みだ。何とかしよう」

そう言ってほほ笑んでくれたお父様。ほぉ~ら、お父様は私のいう事を何でも聞いてくれるのよ。お父様はこう見えて非常に優秀なのよ、きっとうまくあの女を消し去ってくれるわ。

「ねえ、お父様、どうせならあの女の首を掻き切ってしまいしょう」

「ナタリー、そんな恐ろしい事を言わないでくれ…でも、わかったよ。ナタリーが望むなら、そうしよう」

あの女の為に特注で作らせた、あの女そっくりな人形。あの人形と同じ目に合わせてあげるわ。楽しみに待っていてね、ルーナ。



※次回、ルーナ視点に戻ります。

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