前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

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第94話:いい加減罪を認めて下さい

 お父様が見た事のない器具を見せてきたのだ。前世の記憶を持っている私でも、初めて見る形をしている。

「どうしてその器具が、我が国で作られているとわかるのだい?そもそもこの器具だけで、私たちが犯人だと決めつけるなど、さすがに横暴ではないのかい?」

「ですがこの器具には、アラバシア王国で作られた事を意味する刻印が、ここにありますよ。確かアラバシア王国で作られた物には、全て特殊な刻印が打たれているのですよね。ただ、確かにこれだけでは証拠に欠けますね。それではこちらの映像をご覧ください」

 今度はお父様が、ある映像を映し出したのだ。

「ここは、王宮に停まっている公爵家の馬車だね」

「ええ、そうです。ファラオ殿下もご存じかと思いますが、王宮にはいたるところに監視用の録画機が設置してあるのですよ。もちろん、来客用の馬車停留場所にも」

 ニヤリと笑ったお父様。

 映像を皆で見ていく。御者が馬車から離れた瞬間、辺りをキョロキョロと見渡す1人の男が。この男は、アラバシア王国からやって来た、アラン殿下とアイリ殿下の執事だ。彼は家の馬車の車輪に近づくと、何やら器具の様なものを取り付けている。

 ここでお父様が動画を止め、執事の手元を大きく拡大した。

「見て下さい、この器具、今私が持っているものと同じものでしょう。どうしてお2人の執事が、この器具を付けているのですかね?」

「そ…そんな事、私たちに聞かれても知らない。勝手に執事がやった事だ」

「そうよ、まさか執事がこんな事をするだなんて。彼は国に戻ったら、厳罰に処する事にしますわ」

 なんと!自分たちで指示を出したのに、全て執事のせいにするだなんて。なんて酷い人たちなのだろう。確かに彼らの執事は間違った事をしたが、それでも主の指示に従っただけなのに…この人たち、どこまで腐っているのかしら?

「それではお2人とも、執事が勝手にやった事で、何も知らなかったとおっしゃるのですか?」

「「ああ(ええ)、そうだ(よ)」」

「そうですか…それでは続きをご覧ください」

 お父様が再び映像を再生させた。すると器具を取り付け終わったところで、アラン殿下とアイリ殿下がやって来たのだ。執事に何か説明され、2人が車輪を覗き込んでいる。

 そして笑顔で何やら話をしているのだ。何を話しているかまでは分からないが、きっとこれでうまく行くだろうと喜んでいるのだろう…

「アラン殿下、アイリ殿下、この映像を見ても、まだ執事が勝手にやった事というのですか?ここにははっきりと、あなた達が映っていますよ。それに、車輪についている器具を確認している様子もあります。

 そうそう、実行犯でもある執事は、昨日拘束しました。そこで洗いざらい話してくれましたよ」

「何だって!あいつ、私たちを売ったのだな!とんでもない男だ!」

「王太子でもあるお兄様と、王女でもある私を売るだなんて!これは極刑が妥当だわ」

「とんでもないのは、あなた達ですよね!まさか我が家の馬車に細工をして、私とお兄様にけがを負わせるだなんて。一歩間違えば、私もお兄様も命を落としていたかもしれないのですよ。

 それに御者が責任を取らされていたかもしれないのです。あなた達は、自分たちがどれほど恐ろしい事をしたのか、分かっているのですか?」

 あまりにも理不尽な事を言うので、つい頭に血が上り口出ししてしまった。でも、どうしても黙っていられなかったのだ。この人たち、どこまで腐っているのかしら!

「だから、私たちは何もしていないとさっきから言っているだろう!悪いが君たちの戯言に付き合っている暇はない。もう船に乗らなければいけないから、私たちはこれで失礼するよ」

「それではさようなら~」

 怒るアラン殿下の後ろを、アイリ殿下が手を振って笑顔で去って行こうとする。

 もしかして、この状況で逃げだすの?あり得ないわ。

「お待ちください、話しはまだ…」

「アラン、アイリ。もうやめなさい!」

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