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第18話:楽しい時間になりました
いつも私がお茶をしているバラ園を超え、さらに奥へと向かう。
「ダーウィン様、一体どこまで行くのですか?この奥は確か、何もなかったような…えっ?」
「「「シャレル(嬢)お誕生日おめでとう」」」」
何もなかったはずの場所には、立派なバラ園が。さらにお父様や陛下、マーレス伯爵夫人、他にもたくさんの使用人たちの姿が。
「これは一体、どういうことですか?このバラ園は…」
「このバラ園は、ダーウィン殿下がシャレルの為に作ってくれたのだよ。それに今回のお誕生日パーティを手掛けたのも、ダーウィン殿下だ」
お父様がそう教えてくれたのだ。
「ぼ…僕は別に何も…ただ、婚約者として何かしないとと思っただけで…」
「ダーウィン様、私の為に、こんなにも素敵なバラ園を作って下さったのですか?嬉しいです!こんなにも嬉しいお誕生日プレゼントは、初めてですわ」
嬉しくてダーウィン様に抱き着いた。私がバラが好きだと以前話した事を、覚えてくれていたのね。それにしてもかなり広いバラ園だ。きっとかなりの時間を要して作られたのだろう。
「シャ…シャレル、ぼ…僕は…」
「ダーウィンとシャレル嬢は、随分と仲睦まじいな。シャレル嬢には国の為にダーウィンと婚約させてしまった事、申し訳なく思っていたが。2人の仲が良い様でよかったよ」
陛下が嬉しそうに笑っている。
「父上、僕は…」
「はい、陛下。私はダーウィン様が大好きですわ。これからもずっと、ダーウィン様の傍にいたいです。ですがこの1ヶ月、全然会えなくて寂しくて…誰かさんたちのせいで」
ウルウルとした目で、お父様とマーレス伯爵夫人を見つめた。
「シャレル嬢はちょっと街で迷子になったくらいで、かなり厳しい罰を受けていると聞いた。ガスディアノ公爵、マーレス伯爵夫人、そろそろ許してやったらどうだ?」
「僕からもお願いします。僕が目を離したのがいけなかったのです。どうかお願いします」
陛下だけでなく、ダーウィン様までそんな事を言いだしたのだ。ダーウィン様なんて、私の為に頭を下げてくれているのだ。
「私はガスティアノ公爵様に頼まれて、シャレル様に課題を出していただけです。正直申し上げますと、この様な無意味な事をさせる意味があるのかと、ずっと疑問を抱いていたのです」
ここにきて、マーレス伯爵夫人まで、こちら側に寝返って来たのだ。
「公爵は娘に厳しすぎるんだ。シャレル嬢はまだ9歳だぞ。もし夫人が生きていたら、何というか!」
「そうだな…すまない、シャレル。私は君に立派な王妃になって欲しくて、少し厳しくしすぎた様だ」
「お父様…」
「という事で、今日でシャレル嬢の罰は終わりという事でいいね。明日からまた、いつも通り王妃教育を進めてくれ、マーレス伯爵夫人」
「はい、そうさせていただきますわ。これでやっと、私もいつも通りシャレル様に接する事が出来ます。元々優秀なシャレル様に厳しくするのも、心が痛いのですよ」
そう言って笑ったマーレス伯爵夫人。よかった、これでいつも通りの生活に戻れるのね。
「陛下、ダーウィン様、ありがとうございます。これで地獄の生活から解放されますわ」
改めて2人のお礼を言った。満足そうな陛下と、なんだか嬉しそうな顔をしているダーウィン様。
「さあ、この話しは終わりだ。今日はシャレル嬢のお誕生日だ。盛大に祝おう」
その後は皆でお料理を頂きながら、楽しい時間を過ごした。
「そろそろ日も暮れて来たし、この辺でお開きにしよう。陛下、王太子殿下、マーレス伯爵夫人、今日は娘の為に、ありがとうございました」
お父様が皆に頭を下げた。私も一緒に頭を下げる。
「こちらこそ、楽しい時間をありがとう。すまない、妻も誘ったのだが、体調が悪い様で…」
「その様な事は気にしないで下さい。お忙しい中、陛下が足を運んで下さった事だけでも有難い限りですわ」
「相変わらずしっかりしているね、シャレル嬢は。どうかこれからも、ダーウィンの事を頼んだよ」
優しい眼差しで私を見つめる陛下。この人はきっと、ダーウィン様の事を大切に思っているのだろう。
「シャレル、今日は一緒に帰ろう。たまには一緒に、公爵家でゆっくり夕食を摂るのもいいだろう。屋敷でも使用人たちが、お前の誕生日パーティをするため、朝から準備をしてくれているのだよ」
「まあ、そうなのですね。それでは私共は、これで失礼いたします。陛下、ダーウィン様、マーレス伯爵夫人、今日はありがとうございました」
3人にお礼を言い、その場を後にしようとした時だった。
「待って下さい、シャレル、少しだけいいかな?」
私の元にやって来たのは、ダーウィン様だ。
「シャレル、9歳のお誕生日、おめでとう。君はあの時、市場で売っていた石に興味があっただろう?さすがに石のプレゼントはどうかと思ったら、これ」
「まあ、これはアクアマリンのネックレスですか?なんて綺麗なのでしょう。こんなにも素敵なバラ園だけでなく、アクアマリンのネックレスまで頂けるだなんて。ダーウィン様、本当にありがとうございます。大切にしますね。そうですわ、どうか私の首に付けて下さい」
せっかくなので、ダーウィン様に付けてもらおうと思ったのだ。そっとネックレスを手に取り、震える手で私の首にネックレスを付けてくれた。
「シャレル様、よくお似合いですよ。本当に素敵なアクアマリンだ事。あなた様の瞳の色と同じです」
マーレス伯爵夫人が、褒めてくれた。夫人の言う通り、本当に素敵なのだ。きっとかなり良質な物なのだろう。
「ダーウィン様、こんなにも素敵なプレゼント、ありがとうございます。今日から肌身離さず、毎日付けますね」
「ダーウィン殿下、娘の為にありがとうございます。それでは私共はこれで、失礼いたします」
お父様と一緒に、王宮を後にする。まさかこんなにも素敵な1日になるだなんて。それにこのネックレス。私の宝物にしよう。
「ダーウィン様、一体どこまで行くのですか?この奥は確か、何もなかったような…えっ?」
「「「シャレル(嬢)お誕生日おめでとう」」」」
何もなかったはずの場所には、立派なバラ園が。さらにお父様や陛下、マーレス伯爵夫人、他にもたくさんの使用人たちの姿が。
「これは一体、どういうことですか?このバラ園は…」
「このバラ園は、ダーウィン殿下がシャレルの為に作ってくれたのだよ。それに今回のお誕生日パーティを手掛けたのも、ダーウィン殿下だ」
お父様がそう教えてくれたのだ。
「ぼ…僕は別に何も…ただ、婚約者として何かしないとと思っただけで…」
「ダーウィン様、私の為に、こんなにも素敵なバラ園を作って下さったのですか?嬉しいです!こんなにも嬉しいお誕生日プレゼントは、初めてですわ」
嬉しくてダーウィン様に抱き着いた。私がバラが好きだと以前話した事を、覚えてくれていたのね。それにしてもかなり広いバラ園だ。きっとかなりの時間を要して作られたのだろう。
「シャ…シャレル、ぼ…僕は…」
「ダーウィンとシャレル嬢は、随分と仲睦まじいな。シャレル嬢には国の為にダーウィンと婚約させてしまった事、申し訳なく思っていたが。2人の仲が良い様でよかったよ」
陛下が嬉しそうに笑っている。
「父上、僕は…」
「はい、陛下。私はダーウィン様が大好きですわ。これからもずっと、ダーウィン様の傍にいたいです。ですがこの1ヶ月、全然会えなくて寂しくて…誰かさんたちのせいで」
ウルウルとした目で、お父様とマーレス伯爵夫人を見つめた。
「シャレル嬢はちょっと街で迷子になったくらいで、かなり厳しい罰を受けていると聞いた。ガスディアノ公爵、マーレス伯爵夫人、そろそろ許してやったらどうだ?」
「僕からもお願いします。僕が目を離したのがいけなかったのです。どうかお願いします」
陛下だけでなく、ダーウィン様までそんな事を言いだしたのだ。ダーウィン様なんて、私の為に頭を下げてくれているのだ。
「私はガスティアノ公爵様に頼まれて、シャレル様に課題を出していただけです。正直申し上げますと、この様な無意味な事をさせる意味があるのかと、ずっと疑問を抱いていたのです」
ここにきて、マーレス伯爵夫人まで、こちら側に寝返って来たのだ。
「公爵は娘に厳しすぎるんだ。シャレル嬢はまだ9歳だぞ。もし夫人が生きていたら、何というか!」
「そうだな…すまない、シャレル。私は君に立派な王妃になって欲しくて、少し厳しくしすぎた様だ」
「お父様…」
「という事で、今日でシャレル嬢の罰は終わりという事でいいね。明日からまた、いつも通り王妃教育を進めてくれ、マーレス伯爵夫人」
「はい、そうさせていただきますわ。これでやっと、私もいつも通りシャレル様に接する事が出来ます。元々優秀なシャレル様に厳しくするのも、心が痛いのですよ」
そう言って笑ったマーレス伯爵夫人。よかった、これでいつも通りの生活に戻れるのね。
「陛下、ダーウィン様、ありがとうございます。これで地獄の生活から解放されますわ」
改めて2人のお礼を言った。満足そうな陛下と、なんだか嬉しそうな顔をしているダーウィン様。
「さあ、この話しは終わりだ。今日はシャレル嬢のお誕生日だ。盛大に祝おう」
その後は皆でお料理を頂きながら、楽しい時間を過ごした。
「そろそろ日も暮れて来たし、この辺でお開きにしよう。陛下、王太子殿下、マーレス伯爵夫人、今日は娘の為に、ありがとうございました」
お父様が皆に頭を下げた。私も一緒に頭を下げる。
「こちらこそ、楽しい時間をありがとう。すまない、妻も誘ったのだが、体調が悪い様で…」
「その様な事は気にしないで下さい。お忙しい中、陛下が足を運んで下さった事だけでも有難い限りですわ」
「相変わらずしっかりしているね、シャレル嬢は。どうかこれからも、ダーウィンの事を頼んだよ」
優しい眼差しで私を見つめる陛下。この人はきっと、ダーウィン様の事を大切に思っているのだろう。
「シャレル、今日は一緒に帰ろう。たまには一緒に、公爵家でゆっくり夕食を摂るのもいいだろう。屋敷でも使用人たちが、お前の誕生日パーティをするため、朝から準備をしてくれているのだよ」
「まあ、そうなのですね。それでは私共は、これで失礼いたします。陛下、ダーウィン様、マーレス伯爵夫人、今日はありがとうございました」
3人にお礼を言い、その場を後にしようとした時だった。
「待って下さい、シャレル、少しだけいいかな?」
私の元にやって来たのは、ダーウィン様だ。
「シャレル、9歳のお誕生日、おめでとう。君はあの時、市場で売っていた石に興味があっただろう?さすがに石のプレゼントはどうかと思ったら、これ」
「まあ、これはアクアマリンのネックレスですか?なんて綺麗なのでしょう。こんなにも素敵なバラ園だけでなく、アクアマリンのネックレスまで頂けるだなんて。ダーウィン様、本当にありがとうございます。大切にしますね。そうですわ、どうか私の首に付けて下さい」
せっかくなので、ダーウィン様に付けてもらおうと思ったのだ。そっとネックレスを手に取り、震える手で私の首にネックレスを付けてくれた。
「シャレル様、よくお似合いですよ。本当に素敵なアクアマリンだ事。あなた様の瞳の色と同じです」
マーレス伯爵夫人が、褒めてくれた。夫人の言う通り、本当に素敵なのだ。きっとかなり良質な物なのだろう。
「ダーウィン様、こんなにも素敵なプレゼント、ありがとうございます。今日から肌身離さず、毎日付けますね」
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