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第62話:ディーラス王国に到着しました
「ダーウィン様、見て下さい。王宮があんなに小さいですわ。王都の街がどんどん小さくなっていきます。本当にお空を飛んでいるのね。凄いわ」
「シャレル、危ないから一旦席に着こう。さあ、こっちにおいで」
ダーウィン様に連れられ、席に着いた。今日はいよいよ、ディーラス王国に向かう日。初めて乗る飛行船に、大興奮中だ。
我が国には王宮所有の飛行船が1台だけある。この飛行船で、陛下や王妃様は公務をこなしている。ダーウィン様も乗る事があるようだが、私は初めてなのだ。そもそも、自国から出るのも初めて。
全てが初めての事で、今からワクワクしている。正直ジョーン殿下の事は、まだ怖い。でも、怯えていても仕方がない。ダーウィン様とディン様が、必死にジョーン殿下の悪事を暴いて下さったのだ。
今の私は、1人ではない。心強い婚約者とその家臣がついていてくれる。もちろん、お父様や陛下、王妃様も傍にいて下さっているのだ。きっと大丈夫。
ちなみに今日は、王妃様だけでなく、ディン様も一緒について来てくれている。せっかくディーラス王国に行くのだ。貿易の話もゆっくりしようという事になったのだ。
「シャレル嬢、窓にへばりついていないで、お茶でも飲んでいたらどうですか?あなた様は仮にも王妃殿下になられるお方です。いくら飛行船が珍しく、気の知れた者しかいないとはいえ、少しはしたないですよ」
近くで優美にお茶を飲んでいたディン様に、失礼な言葉を吐かれた。一時は優しかったのに、また嫌味を言う様になるだなんて。でも、確かにはしたなかったわね。いけないわ。
窓から離れ、背筋を伸ばす。
「ディン、その様な言い方をしなくてもいいだろう?シャレルは飛行船が初めてなのだから。シャレル、好きなだけ景色を見ていていいのだよ。ここには、僕たちしかいないのだから」
「ダーウィン殿下が甘やかすから、シャレル嬢がつけあがるのです。元々優秀な方だったのに、どこで狂われてしまわれたのか…」
「何だって!シャレルは今でも非常に優秀だ。現に社交界でも一目置かれているし、令嬢たちとの関係も良好。知識も豊富で、僕なんてしょっちゅう助けられているよ」
「確かに優秀ですが、いざという時、後先考えずに突っ走るところがあるでしょう?それが危険なのです。どんな状況でも、冷静でいないといけません」
「ディン、君って人は…」
「ダーウィン様、ディン様も落ち着いて下さい。確かに私は、まだまだ未熟で、後先考えずに行動してしまう事がございますわ。だからこそ、これからもどうか私の事を支えて下さい。頼りにしていますよ、ディン様」
にっこりとディン様にほほ笑んだ。あなたがダーウィン様の傍にいてくれたからきっと、ジョーン殿下を断罪できた。なんだかんだ言って、私はディン様に感謝をしているのだ。
「シャレル、いつの間にディンの事を。ディン、最近いつも僕たちの傍にいるね。もしかして、シャレルの心を掴むために!」
「ダーウィン殿下、訳の分からない嫉妬をするのはお止め下さい。それよりも、窓を見て下さい、ディーラス王国が見えてきましたよ」
皆で窓の外を見た。白を基調とした美しい建物が並んでいるディーラス王国。なんて美しい国なのかしら?
「ディーラス王国は、白のレンガを主にして建物を作っているのですよね。真っ白でとても美しい街ですわ。上から見てもこんなに綺麗なのですから、きっと地上に降りたら、もっと綺麗なのでしょうね。それに奥の方には、立派な海も見えますわ。真っ白な建物に真っ青な海。なんて素敵な国なのでしょう」
「ディーラス王国は確かに綺麗な国だね。シャレルが喜んでくれてよかったよ。1ヶ月という短い期間だが、沢山思い出を作っていこう」
「シャレル様、殿下は1ヶ月で戻らなくてはいけませんが、あなた様はもう少し長居しても問題ありませんと、陛下から仰せつかっております。もし1ヶ月たって、まだディーラス王国に残りたいのでしたら、何なりとお申し付けを」
「ディン、シャレルに余計な事を言わないでくれ。シャレルが残るのなら、僕も残るよ」
「殿下、あなた様にはたくさんの仕事が残っているのです。その様な我が儘は許されません」
「何が我が儘だ。婚約者のシャレルが残るのなら、僕も残るのが筋と言うものだ」
またしても言い合いを始めた2人。さて、どうしよう。
「あなた達、何を喧嘩をしているの?もうディーラス王国に着陸するわ。シャレルちゃん、ここが私が生まれ育ったディーラス王国よ。どうか楽しんでいって。私も色々とあなたに案内したい場所もあるし」
私たちの元にやって来たのは、王妃様だ。
「それは本当ですか?こんなに美しい国を見て回れるだなんて、とても楽しみです。王妃様、どうぞよろしくお願いします」
私の言葉に、嬉しそうに頷く王妃様。久しぶりの里帰り、王妃様の心の傷も、少しは癒えてくれると嬉しい。
「さあ、到着しましたよ。参りましょう」
「シャレル、危ないから一旦席に着こう。さあ、こっちにおいで」
ダーウィン様に連れられ、席に着いた。今日はいよいよ、ディーラス王国に向かう日。初めて乗る飛行船に、大興奮中だ。
我が国には王宮所有の飛行船が1台だけある。この飛行船で、陛下や王妃様は公務をこなしている。ダーウィン様も乗る事があるようだが、私は初めてなのだ。そもそも、自国から出るのも初めて。
全てが初めての事で、今からワクワクしている。正直ジョーン殿下の事は、まだ怖い。でも、怯えていても仕方がない。ダーウィン様とディン様が、必死にジョーン殿下の悪事を暴いて下さったのだ。
今の私は、1人ではない。心強い婚約者とその家臣がついていてくれる。もちろん、お父様や陛下、王妃様も傍にいて下さっているのだ。きっと大丈夫。
ちなみに今日は、王妃様だけでなく、ディン様も一緒について来てくれている。せっかくディーラス王国に行くのだ。貿易の話もゆっくりしようという事になったのだ。
「シャレル嬢、窓にへばりついていないで、お茶でも飲んでいたらどうですか?あなた様は仮にも王妃殿下になられるお方です。いくら飛行船が珍しく、気の知れた者しかいないとはいえ、少しはしたないですよ」
近くで優美にお茶を飲んでいたディン様に、失礼な言葉を吐かれた。一時は優しかったのに、また嫌味を言う様になるだなんて。でも、確かにはしたなかったわね。いけないわ。
窓から離れ、背筋を伸ばす。
「ディン、その様な言い方をしなくてもいいだろう?シャレルは飛行船が初めてなのだから。シャレル、好きなだけ景色を見ていていいのだよ。ここには、僕たちしかいないのだから」
「ダーウィン殿下が甘やかすから、シャレル嬢がつけあがるのです。元々優秀な方だったのに、どこで狂われてしまわれたのか…」
「何だって!シャレルは今でも非常に優秀だ。現に社交界でも一目置かれているし、令嬢たちとの関係も良好。知識も豊富で、僕なんてしょっちゅう助けられているよ」
「確かに優秀ですが、いざという時、後先考えずに突っ走るところがあるでしょう?それが危険なのです。どんな状況でも、冷静でいないといけません」
「ディン、君って人は…」
「ダーウィン様、ディン様も落ち着いて下さい。確かに私は、まだまだ未熟で、後先考えずに行動してしまう事がございますわ。だからこそ、これからもどうか私の事を支えて下さい。頼りにしていますよ、ディン様」
にっこりとディン様にほほ笑んだ。あなたがダーウィン様の傍にいてくれたからきっと、ジョーン殿下を断罪できた。なんだかんだ言って、私はディン様に感謝をしているのだ。
「シャレル、いつの間にディンの事を。ディン、最近いつも僕たちの傍にいるね。もしかして、シャレルの心を掴むために!」
「ダーウィン殿下、訳の分からない嫉妬をするのはお止め下さい。それよりも、窓を見て下さい、ディーラス王国が見えてきましたよ」
皆で窓の外を見た。白を基調とした美しい建物が並んでいるディーラス王国。なんて美しい国なのかしら?
「ディーラス王国は、白のレンガを主にして建物を作っているのですよね。真っ白でとても美しい街ですわ。上から見てもこんなに綺麗なのですから、きっと地上に降りたら、もっと綺麗なのでしょうね。それに奥の方には、立派な海も見えますわ。真っ白な建物に真っ青な海。なんて素敵な国なのでしょう」
「ディーラス王国は確かに綺麗な国だね。シャレルが喜んでくれてよかったよ。1ヶ月という短い期間だが、沢山思い出を作っていこう」
「シャレル様、殿下は1ヶ月で戻らなくてはいけませんが、あなた様はもう少し長居しても問題ありませんと、陛下から仰せつかっております。もし1ヶ月たって、まだディーラス王国に残りたいのでしたら、何なりとお申し付けを」
「ディン、シャレルに余計な事を言わないでくれ。シャレルが残るのなら、僕も残るよ」
「殿下、あなた様にはたくさんの仕事が残っているのです。その様な我が儘は許されません」
「何が我が儘だ。婚約者のシャレルが残るのなら、僕も残るのが筋と言うものだ」
またしても言い合いを始めた2人。さて、どうしよう。
「あなた達、何を喧嘩をしているの?もうディーラス王国に着陸するわ。シャレルちゃん、ここが私が生まれ育ったディーラス王国よ。どうか楽しんでいって。私も色々とあなたに案内したい場所もあるし」
私たちの元にやって来たのは、王妃様だ。
「それは本当ですか?こんなに美しい国を見て回れるだなんて、とても楽しみです。王妃様、どうぞよろしくお願いします」
私の言葉に、嬉しそうに頷く王妃様。久しぶりの里帰り、王妃様の心の傷も、少しは癒えてくれると嬉しい。
「さあ、到着しましたよ。参りましょう」
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