聖アルテミ教の反教者

三毛山猫

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加護は外過誤の内

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---新月満ちる日に私たち新入聖は手を合わせ聖アルテミ様に祈りを捧げる。
 
 祈りなか大聖堂に流れる光はステンドグラスに居られますアルテミ様を讃えているかのよう脈々と鮮やかに輝き私たちを包み込むように光は煌めいている。壮観とした光なか大司教様が加護を授けるべく教典を掲げ新入聖の名を読み上げ始めた。     
 聖アルテミ大聖堂内は静寂だと言うのに周囲からはギシギシと不心音が列をなして聞こえてきている。不安が異質な空気感で幻聴すら聞こえてしまうくらい新入聖たちは皆、その時をじっと息を堪えて待っていた。
  
 今まさに私たち新入聖徒にとってこれから学ぶ聖アルテミ教典魔法高学校での三年間と将来は聖アルテミ教典に祈りを還してせい聖アルテミ様によって授けられる加護の良し悪しで奇しくも大きく左右されるだから表情は硬く険しくなるのは当然だろう。辺りは重苦し空気だが、私は緊張していると言うよりはワクワクしている。
 念願の加護!素晴らしきこと!神様からの援助金と言ってもいい加護がここに入学しただけでもらえるのだから実にありがたいことだ。
 あーもう、待ち遠しくて瞳孔はパッと開き小刻みに動いていた。気持ちを落ち着かせようにも内面の私の私たちが草原をかけずり回るようにハシャイで仕方がない。
 今年の新入聖徒は234人いるのだが加護の良し悪しは降り立つ光の強さで決まるのだ。大抵は顔を照らすくらいの光だが、もっともアルテミ様に愛された者は天を照らすく程だとされている。
 私がそうなったらとしたら「プププ…」実に待ち遠しいことだ。
 『!?』
 左袖の助祭たちがあわただしくしているのが横目に入ってきた。
 何が起きてるのかは用意に想像だきる。あくまでもおそらくだ。子爵以上の令嬢の新入生の誰かがプレジャーに負け倒れてしまったのだろう。ここ聖アルテミ教典魔法高学校の大半の生徒はどこぞの爵位の令嬢だ。子爵ともなれば、尚更…お家柄が何かめんどくさいことが絡んでお家ひっくり返るくらいの出来事になることがあるそうなのだから、親御さんが加護に掛けられる期待は子に重く重くのしかかるのだと思うし、その重圧は計り知れないのだろう。ましてや私たちの身の丈でふてぶてしく振る舞えるなど成長などしていないと思うので倒れるのも当然だと思う。
 正直。今、私は心から貧困男爵令嬢でよかったと心から思うことができる。
 聖都にくる前の私の実家暮らしと言えば朝、家畜であるブタブタに餌を与え井戸から水を汲んでは水瓶に汲んでは水瓶に…終われば作業着に着替えて畑を耕し芋を掘る。そしてまた、朝が来れば家畜に餌をやり終われば着替えて畑を耕し芋を掘る。そんな農民と変わらない生活の貧困男爵だったからこそ、柵も人の顔色も気にする必要性がないのは本当にありがたい。
 父さん、母さん、今日私は加護持ちになります。時には嫌気が差して怒鳴ったこともあったけど…
 悲願だった聖アルテミ教典魔法高学校に入学させてくれたことは涙があふれるくらい嬉しかったです。
 あと少しの順番で加護もちの立派な男爵令嬢になります。
 そんなこと思っているうちに私の番が回って来たようだ。

 大司教の右前にいる助祭が名簿を指でなぞり彼女の名前を読み上げた。

「はい❗」

 ありあまる喜びが押さえ切れなくなっていたのだろう。呼ばれた瞬間に私の声は返事は大聖堂に轟程だったというがその時は気にもとめずに祭壇へと一歩踏み出した瞬間に足が絡まり顔面が大理石に敷かれた柄の深紅の絨毯に打ち付けた。
 頭は中はお花畑が広がって、広がって身体より心が先にいってしまった。転けた時、内心笑われるかと思ったが聖堂内はピクリとも静寂を崩すことはなかった。それほど皆真剣何だと言うことなのだう。
 さぁ気を取り直して立ち上がり教壇へと再び向かうこととしよう。多少鼻血はでたが問題ではない。何故ならば加護持ち男爵令嬢になるからだ!
 『フフッ』幾分か鼻が高くなった?ような…まぁそんなことはないのだか…ただ気分がそう思わせているのは間違いないだろう。

 では、祝生のために祈りに付くことにしよう。

 柄の深紅の絨毯に両膝を尽き胸の前当てりで両手を大司教様の前で組んだ。
 「汝。苦なるときも、悲なるときも、『来た!ついに来たのだ!この時が加護持ちになると時が!芋掘りサヨウナラ、家畜サヨウナラ、水汲みサヨウナラ、今までありがとう私は…』聖アルテミ様の比護の下に生を生き、生が尽きるときまで守護神を愛すことを誓うならば、光とともに汝に加護の恵み与えんことを…」

 おっとと…流行る気持ちを押さえて早く誓いを述べなければ…私の加護をまたさせるわけにもいかないし後が控えている…にやけるようとする顔を必死で押さえるのも一苦労だ。
 
 さすれば汝ここに名を述べよ。
 
 あと少しで加護持ち加護持ちプププ
 「ヒナリ・L・ブービッドと申します」
 大司教様は彼女の名に答え更に教典を読み進めていく…その間にもニヤケ顔を必死で抑える処かニヤケ過ぎてヨダレまで溢れ出していた。
 助祭が咳払いで注意を促してはいたがそんな程度のことで、彼女の粗相が止まるはずもない
 そんな状況で大司教様が最後一小節を読み上げ始めるた。
 比護の下に誓いを立て祈りと愛を捧げ加護の恵みにて他に幸を分かち合うことを誓い聖アルテミ教徒として誠実に清らかに勤めることを宣言し心に刻むことを誓い……ま…すか!?
 
 この時まだ私はアルテミ様のお怒りに気がついてはいなかった。

「私は……」

 気がつくことはもはや不可能だったのだと言っていい…舞い上がった私の中の私たちは祭り囃子を奏でながら全身の血管を練り歩いていたからだ。
 今思えば誠実さ何て無かった。清らかさ何てもの当然ながら無かった。あったのは欲望と淀だったのは確かだ。
 だからといって最後の誓いの途中でね…突然、何も無いところから2尺ほどの金ダライを頭上目掛けて落とすとか、突然、聖堂に到る扉が開き轟と共に水流で押し流して聖堂の外へと退流させるとかまでは、ビックリしただけだったんだけどね
 でもね(ノ´Д`)ノ空に居られます新月を分厚い雲で覆って雷光が迸りってね私めがけて雷鳴を放つとかは流石に死ぬとか思ったよ!おかげで私真っ黒コゲだよ( >Д<;)もう!
 こんな仕打ちはあんまりだ(≧口≦)ノ
 (・´д`・)はぁ。こんなはずじゃなかったのにな…
 ちょっとだけ反省した彼女は明日を変えるべく寮に戻り黒パンを齧りミルクを飲み残し倒れるように床についたという。
     
              続く 
    
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