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先日北のガゼボで出会ったチョコレートの君の素性が判明した。
デメルフリード様という名で、なんとこの国の第一王子様だったのですわ!
そう言えばあのクソゲーの中で第二王子のモラーハルトがヒロインのミリヨンに言ってましたわ。
『僕にはそれはそれは醜悪な見目をした腹違いの兄がいるんだ。しかし安心して欲しい。彼は18歳になったら王家から追放されることが決まっているから』
まるで己の恥でも晒すように、傷付いているような表情で打ち明けるモラーハルト。
いや、恥はカエルの化け物のあんたですから!
というか、その情報はあのゲームの内容には1ミリも関係ありませんでしたわよね?
それはアレですか??
そんな醜悪な兄を持った僕ちゃん可哀想でしょ?だから慰めて?
ってヤツ??
おえー。
気持ちわりぃヒーローだな、おい。
本当にまごう事無きクソゲーですわ。
いえ、もうあのゲームの事はどうでもいいですわ。
どうせ30分しかプレイしてないから解らない事だらけだし。
俗に言う『シナリオの強制力』など、わたくしの努力で蹴散らして見せましょう!
と、いうことで、わたくしは今、己がやらねばならぬことを粛々とやるのみ。
まずは、お勉強。
デメルフリード様は18歳で王家から追放される予定ですからね。
その時、わたくしもモラーハルトに婚約破棄されてデメルフリード様と一緒に追放されるのが理想。
しかし、その時点でわたくしはまだ16歳。
15歳から通う貴族学園は卒業が18歳。
だからなんとしても飛び級して16歳で卒業の資格を取るのですわ!
教養は身を助けると申しますでしょう?
そして魔法。
魔法はね‥‥お勉強のように努力だけでは何ともならないのですわ。
何故なら、己が持つ魔力の量も、その器の大きさも個人差があるから。
わたくしの場合はこの国の平均よりは少し大きいけれど、貴族令嬢としてはまぁ普通。
いずれ来る首チョンパの可能性に備えて瞬間移動の魔法を習得したいところではあるが、これはどうやったって無理。
魔法の発動自体はそう難しいものではないけれど、いかんせん魔力量がね。
だって部屋の真ん中から端に移動しただけで魔力涸渇を起こし、3日間も寝込む羽目になってしまいましたもの。
ということで、瞬間移動は諦めて認識阻害魔法を習得しましたわ!
これなら何とか隙をついて逃げられそうですからね!
それから、空間保存庫魔法。
これは必須。
この保存庫には何でも収納出来る。
どんなに大きな物でもいくらでも入る。
しかも、保存した瞬間のその状態で。
例えば料理を収納すれば、温かい物は温かいまま、冷たい物は冷たいまま。
某、青狸の四次元ポケットみたいな物だ。
22世紀の便利道具は無いけれど。
そしてこの保存庫は取り出しの時以外は魔力を殆ど必要としないから本当に助かりますわ!
断罪されるその日まで、食料から金目の物から生活必需品まで、溜めて溜めて溜め込むのですわ!!
そしてそして、忘れちゃならないのが火魔法だ。
追放されて落ち着くまでは野宿生活になる可能性もありますからね。
獣を追い払ったり、水を沸騰させたり、川で採った魚を焼いたり。
火が無ければ死に直結しますでしょ?
せっかく首チョンパを回避できたとしても、森の中で獣に食われたり、お腹を壊して死んでしまうなんて絶対にイヤですからね。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
そうして、わたくしはとうとう15歳になった。
デメルフリード様との幸せな未来だけを心の支えにあの日から今日まで、努力に努力を重ねて、それはもう、血反吐を吐くほどの努力をして頑張っているのですわ。
お勉強と魔法に加えて、将来全く役に立たない妃教育まで!!
あ、モラーハルト殿下は5年の月日を経て、立派なモラハラ男に成長なされましてよ。
出来の良い婚約者(わたくし)が妬ましくて堪らないのでしょう。
王太子教育で教師から
『その項目はマリアンヌ様はもう2ヶ月も前には習得なさってますよ、殿下ももう少し努力なさいませ』
なんて言われたのが気に食わなかったらしい。
ご自分の能力の低さをわたくしに当たってもどうにもなりませんのに。
『僕よりも少しだけ出来が良いくらいでいい気になるなよ!!』
ですって。
わたくしと同じだけの努力をしてから言って欲しいものですわ。
顔いっぱいに思春期特有の吹き出物を散らして、今やガマガエルならぬイボガエルの化け物ですわね。
(この世界、吹き出物も男らしさの象徴らしい)
妃教育もモラハラ男との茶会も苦痛ではあるけれど、王城内では時々チョコレートの香りが漂う瞬間があって、その時だけは
『デメルフリード様が近くにいらっしゃる!!』
って幸せを感じることが出来ますわ。
認識阻害魔法を使っているらしく、お姿を見ることは叶いませんが。
17歳になられたデメルフリード様‥‥
あの北のガゼボで出会った頃よりも更に美しく成長なさっているのでしょうね。
きっと、目もくらむような美青年になってらっしゃること間違いなしですわ。
さて、明日はいよいよ貴族学園の入学式です。
ゲーム本編のスタート!ですわ。
デメルフリード様という名で、なんとこの国の第一王子様だったのですわ!
そう言えばあのクソゲーの中で第二王子のモラーハルトがヒロインのミリヨンに言ってましたわ。
『僕にはそれはそれは醜悪な見目をした腹違いの兄がいるんだ。しかし安心して欲しい。彼は18歳になったら王家から追放されることが決まっているから』
まるで己の恥でも晒すように、傷付いているような表情で打ち明けるモラーハルト。
いや、恥はカエルの化け物のあんたですから!
というか、その情報はあのゲームの内容には1ミリも関係ありませんでしたわよね?
それはアレですか??
そんな醜悪な兄を持った僕ちゃん可哀想でしょ?だから慰めて?
ってヤツ??
おえー。
気持ちわりぃヒーローだな、おい。
本当にまごう事無きクソゲーですわ。
いえ、もうあのゲームの事はどうでもいいですわ。
どうせ30分しかプレイしてないから解らない事だらけだし。
俗に言う『シナリオの強制力』など、わたくしの努力で蹴散らして見せましょう!
と、いうことで、わたくしは今、己がやらねばならぬことを粛々とやるのみ。
まずは、お勉強。
デメルフリード様は18歳で王家から追放される予定ですからね。
その時、わたくしもモラーハルトに婚約破棄されてデメルフリード様と一緒に追放されるのが理想。
しかし、その時点でわたくしはまだ16歳。
15歳から通う貴族学園は卒業が18歳。
だからなんとしても飛び級して16歳で卒業の資格を取るのですわ!
教養は身を助けると申しますでしょう?
そして魔法。
魔法はね‥‥お勉強のように努力だけでは何ともならないのですわ。
何故なら、己が持つ魔力の量も、その器の大きさも個人差があるから。
わたくしの場合はこの国の平均よりは少し大きいけれど、貴族令嬢としてはまぁ普通。
いずれ来る首チョンパの可能性に備えて瞬間移動の魔法を習得したいところではあるが、これはどうやったって無理。
魔法の発動自体はそう難しいものではないけれど、いかんせん魔力量がね。
だって部屋の真ん中から端に移動しただけで魔力涸渇を起こし、3日間も寝込む羽目になってしまいましたもの。
ということで、瞬間移動は諦めて認識阻害魔法を習得しましたわ!
これなら何とか隙をついて逃げられそうですからね!
それから、空間保存庫魔法。
これは必須。
この保存庫には何でも収納出来る。
どんなに大きな物でもいくらでも入る。
しかも、保存した瞬間のその状態で。
例えば料理を収納すれば、温かい物は温かいまま、冷たい物は冷たいまま。
某、青狸の四次元ポケットみたいな物だ。
22世紀の便利道具は無いけれど。
そしてこの保存庫は取り出しの時以外は魔力を殆ど必要としないから本当に助かりますわ!
断罪されるその日まで、食料から金目の物から生活必需品まで、溜めて溜めて溜め込むのですわ!!
そしてそして、忘れちゃならないのが火魔法だ。
追放されて落ち着くまでは野宿生活になる可能性もありますからね。
獣を追い払ったり、水を沸騰させたり、川で採った魚を焼いたり。
火が無ければ死に直結しますでしょ?
せっかく首チョンパを回避できたとしても、森の中で獣に食われたり、お腹を壊して死んでしまうなんて絶対にイヤですからね。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
そうして、わたくしはとうとう15歳になった。
デメルフリード様との幸せな未来だけを心の支えにあの日から今日まで、努力に努力を重ねて、それはもう、血反吐を吐くほどの努力をして頑張っているのですわ。
お勉強と魔法に加えて、将来全く役に立たない妃教育まで!!
あ、モラーハルト殿下は5年の月日を経て、立派なモラハラ男に成長なされましてよ。
出来の良い婚約者(わたくし)が妬ましくて堪らないのでしょう。
王太子教育で教師から
『その項目はマリアンヌ様はもう2ヶ月も前には習得なさってますよ、殿下ももう少し努力なさいませ』
なんて言われたのが気に食わなかったらしい。
ご自分の能力の低さをわたくしに当たってもどうにもなりませんのに。
『僕よりも少しだけ出来が良いくらいでいい気になるなよ!!』
ですって。
わたくしと同じだけの努力をしてから言って欲しいものですわ。
顔いっぱいに思春期特有の吹き出物を散らして、今やガマガエルならぬイボガエルの化け物ですわね。
(この世界、吹き出物も男らしさの象徴らしい)
妃教育もモラハラ男との茶会も苦痛ではあるけれど、王城内では時々チョコレートの香りが漂う瞬間があって、その時だけは
『デメルフリード様が近くにいらっしゃる!!』
って幸せを感じることが出来ますわ。
認識阻害魔法を使っているらしく、お姿を見ることは叶いませんが。
17歳になられたデメルフリード様‥‥
あの北のガゼボで出会った頃よりも更に美しく成長なさっているのでしょうね。
きっと、目もくらむような美青年になってらっしゃること間違いなしですわ。
さて、明日はいよいよ貴族学園の入学式です。
ゲーム本編のスタート!ですわ。
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