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28 番外編 デメルフリード
デメルフリード視点
俺は寝室のど真ん中に置かれた大きなベッドの周りをウロウロとしながらマリアンヌを待っていた。
お、遅いな‥‥
ああ、マリアンヌはこんな俺に抱かれるのを嫌がって逃げているのかもしれない。
今日はもう来ないかも知れないな。
コンコン
どきーーーーーん!!!!
ききききき来た!!
「おおおおおお待たせしししましまた」
小さなノックの後に続いた、マリアンヌのカタカタ震える声。
そうだな、いくら愛していると言ってはくれても、ここまで醜悪な俺に抱かれるのはさすがに恐ろしいのだろう。
ああ、マリアンヌ、いいんだ。
君が隣で微笑んで『愛している』と囁いてくれるのなら、無理に躰を繋げる必要なんかない。
白い関係でも、俺と君の心は繋がっている。
そんなことを思いながら、そっとドアを開けて入ってきたマリアンヌを見ると‥‥‥
うっすらと肌の透ける真っ白の夜着を着て、
そのつるりとしたまろい頬はバラ色に染まっている。
こ、これは心臓が破れるっ!!!
白い関係でも構わない?
心が繋がっていればそれでいい?
無理だろう!!!
こんなに色っぽくも可愛らしい姿を見せられて何もしないなんて、絶対に無理だ!!!
マリアンヌが真っ赤な薔薇の花びらが撒かれたベッドの上に正座をして、三つ指を付いた。
「デメルフリード様、ふつつか者ではございますが、どうぞ優しく愛して下さいませ」
あああああああああああああああ!!!!!
マリアンヌ!!
そんな顔で、そんなセリフを言うのか!!
君は、君は何処まで俺を溺れさせる?!
「ここここんな、綺麗な、真っ白で、真っ赤な花びらで、ややや優しくあああ愛しててててて」
くそ!俺は気の利いた褒め言葉の一つも言えないのか!
いつも夢の中で君を抱く時の俺は、いっそ饒舌なほど沢山の言葉を使って君に愛を囁いているというのに。
緊張で、心臓が喉元までせり上がって上手く言葉が出ない。
マリアンヌの肩に触れようと手を伸ばしたけれど、その手はガタガタと大きく震えて仕方がない。
震える己の右手を震える左手で握りしめた。
「す、すまない、ててて手が震えてっ!!
い、いつもはもっとスマートに出来るんだ!!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
数秒の無言の後、
パーーーーーーン!!!
ベッドの枕が勢いよく爆発した。
窓に掛かったカーテンがバサバサと揺れる。
チェストの上の水差しがガタガタと震え、時計の針がグルグル回る。
マリアンヌの髪はぶわりと逆立ち、その瞳はメラメラと怒りの炎で燃えている。
ぷっくりと優しげな唇が、今は青紫に染まり、ワナワナと震えている。
枕から飛び出した沢山の真っ白い羽根と深紅の花びらが、マリアンヌの周りを囲うように狂い舞う。
激しく、美しく、そして幻想的なマリアンヌの姿に俺は瞬きも出来ず、ただうっとり見惚れていた。
「デメルフリード様!!!『いつも』こういうことをなさっているのですかっ!!!何処の!誰と!!!わたくしのデメルフリード様に触れたクソビッチは何処の誰ですか!!殺す、ぶち殺す!!!!」
その瞬間、俺は勢いよく鼻血を噴いた。
ベッドシーツに、マリアンヌの夜着に、まろい頬に、俺の鼻血が飛び散った。
‥‥‥マリアンヌが、
マリアンヌが俺に嫉妬している!!!!
その躰の全てで、その魔力の全てで怒りを爆発させている!
俺に触れた女性は誰だと、ぶち殺してやると!!
ああ、どうして君はそんなに俺を幸せにするんだ。
明日が来るのが恐ろしいほどの幸せが、俺の血液を沸騰させる。
鼻血が止まらない。
「マリアンヌ、俺は、君だけの俺だ。そして君は、俺だけの‥‥」
マリアンヌの周囲を狂い舞っていた羽根と花びらがフワフワポトリと血まみれのベッドシーツに落ちた。
そしてゆっくりと倒れ込むマリアンヌ。
やばい!
魔力枯渇を起こしている!!
俺は慌ててマリアンヌの両手を包み込むように握り、癒やし魔法を掛けながら己の魔力を送り込む。
マリアンヌからの嫉妬は想像を絶するほどに幸せなものであったが、さすがに魔力枯渇を起こすほどの嫉妬は危険だ。
俺には嫉妬される事実などあるはずもないのだが、今後言動には十分気をつけなければ。
「マリアンヌ。いつも抱いているのは夢の中の君だ。‥‥すまない、俺は毎晩夢の中で君を‥‥穢していたんだ」
俺は正直に話して謝った。
そうしなければ、絶対に許して貰えないと思ったから。
マリアンヌの強ばっていた顔から力が抜けて、ふにゃりと微笑んだ。
「デメルフリード様。わたくしは、穢れない。貴方に、夢の中でも愛されていたのが、うれし‥い」
君は、そんな泣かせるセリフを言って、気を失った。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
翌朝、驚くほど元気に起きたマリアンヌ。
マリアンヌ曰く、俺の魔力は『はいおくがそりん』らしい。
鈴を鳴らしてフルールに朝食を頼んだ。
そして‥‥
朝食を持ち、寝室に入ってきたフルールが見たのは‥‥‥
爆発した枕の残骸、散らばる羽根と、ベッドと夜着に飛び散った大量の血痕。
フルールは耳をつんざくような悲鳴を上げて朝食を放り投げると、マリアンヌを抱えて出て行った。
慌てて駆けつけたファスグリーからは襟首を捕まれて「殺す!」と言われた。
ああ、全て清浄魔法を掛けるのを忘れていた俺が悪い。
初夜の完遂は一日遅れとなったが、夢にまで見たマリアンヌの甘い嬌声と蕩けた瞳に、真っ白になった俺の頭も甘く蕩けて、そして溶けた。
──────
お読みいただきありがとうございます♪
ヤンデレ同士の初夜でしたが、色気と糖度が足りない!!と思われた方、申し訳ありません。
艶っぽい文章は苦手なんです(^o^;
次回からゴディバルト国王とデメルフリードの父子の再会編です。
俺は寝室のど真ん中に置かれた大きなベッドの周りをウロウロとしながらマリアンヌを待っていた。
お、遅いな‥‥
ああ、マリアンヌはこんな俺に抱かれるのを嫌がって逃げているのかもしれない。
今日はもう来ないかも知れないな。
コンコン
どきーーーーーん!!!!
ききききき来た!!
「おおおおおお待たせしししましまた」
小さなノックの後に続いた、マリアンヌのカタカタ震える声。
そうだな、いくら愛していると言ってはくれても、ここまで醜悪な俺に抱かれるのはさすがに恐ろしいのだろう。
ああ、マリアンヌ、いいんだ。
君が隣で微笑んで『愛している』と囁いてくれるのなら、無理に躰を繋げる必要なんかない。
白い関係でも、俺と君の心は繋がっている。
そんなことを思いながら、そっとドアを開けて入ってきたマリアンヌを見ると‥‥‥
うっすらと肌の透ける真っ白の夜着を着て、
そのつるりとしたまろい頬はバラ色に染まっている。
こ、これは心臓が破れるっ!!!
白い関係でも構わない?
心が繋がっていればそれでいい?
無理だろう!!!
こんなに色っぽくも可愛らしい姿を見せられて何もしないなんて、絶対に無理だ!!!
マリアンヌが真っ赤な薔薇の花びらが撒かれたベッドの上に正座をして、三つ指を付いた。
「デメルフリード様、ふつつか者ではございますが、どうぞ優しく愛して下さいませ」
あああああああああああああああ!!!!!
マリアンヌ!!
そんな顔で、そんなセリフを言うのか!!
君は、君は何処まで俺を溺れさせる?!
「ここここんな、綺麗な、真っ白で、真っ赤な花びらで、ややや優しくあああ愛しててててて」
くそ!俺は気の利いた褒め言葉の一つも言えないのか!
いつも夢の中で君を抱く時の俺は、いっそ饒舌なほど沢山の言葉を使って君に愛を囁いているというのに。
緊張で、心臓が喉元までせり上がって上手く言葉が出ない。
マリアンヌの肩に触れようと手を伸ばしたけれど、その手はガタガタと大きく震えて仕方がない。
震える己の右手を震える左手で握りしめた。
「す、すまない、ててて手が震えてっ!!
い、いつもはもっとスマートに出来るんだ!!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
数秒の無言の後、
パーーーーーーン!!!
ベッドの枕が勢いよく爆発した。
窓に掛かったカーテンがバサバサと揺れる。
チェストの上の水差しがガタガタと震え、時計の針がグルグル回る。
マリアンヌの髪はぶわりと逆立ち、その瞳はメラメラと怒りの炎で燃えている。
ぷっくりと優しげな唇が、今は青紫に染まり、ワナワナと震えている。
枕から飛び出した沢山の真っ白い羽根と深紅の花びらが、マリアンヌの周りを囲うように狂い舞う。
激しく、美しく、そして幻想的なマリアンヌの姿に俺は瞬きも出来ず、ただうっとり見惚れていた。
「デメルフリード様!!!『いつも』こういうことをなさっているのですかっ!!!何処の!誰と!!!わたくしのデメルフリード様に触れたクソビッチは何処の誰ですか!!殺す、ぶち殺す!!!!」
その瞬間、俺は勢いよく鼻血を噴いた。
ベッドシーツに、マリアンヌの夜着に、まろい頬に、俺の鼻血が飛び散った。
‥‥‥マリアンヌが、
マリアンヌが俺に嫉妬している!!!!
その躰の全てで、その魔力の全てで怒りを爆発させている!
俺に触れた女性は誰だと、ぶち殺してやると!!
ああ、どうして君はそんなに俺を幸せにするんだ。
明日が来るのが恐ろしいほどの幸せが、俺の血液を沸騰させる。
鼻血が止まらない。
「マリアンヌ、俺は、君だけの俺だ。そして君は、俺だけの‥‥」
マリアンヌの周囲を狂い舞っていた羽根と花びらがフワフワポトリと血まみれのベッドシーツに落ちた。
そしてゆっくりと倒れ込むマリアンヌ。
やばい!
魔力枯渇を起こしている!!
俺は慌ててマリアンヌの両手を包み込むように握り、癒やし魔法を掛けながら己の魔力を送り込む。
マリアンヌからの嫉妬は想像を絶するほどに幸せなものであったが、さすがに魔力枯渇を起こすほどの嫉妬は危険だ。
俺には嫉妬される事実などあるはずもないのだが、今後言動には十分気をつけなければ。
「マリアンヌ。いつも抱いているのは夢の中の君だ。‥‥すまない、俺は毎晩夢の中で君を‥‥穢していたんだ」
俺は正直に話して謝った。
そうしなければ、絶対に許して貰えないと思ったから。
マリアンヌの強ばっていた顔から力が抜けて、ふにゃりと微笑んだ。
「デメルフリード様。わたくしは、穢れない。貴方に、夢の中でも愛されていたのが、うれし‥い」
君は、そんな泣かせるセリフを言って、気を失った。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
翌朝、驚くほど元気に起きたマリアンヌ。
マリアンヌ曰く、俺の魔力は『はいおくがそりん』らしい。
鈴を鳴らしてフルールに朝食を頼んだ。
そして‥‥
朝食を持ち、寝室に入ってきたフルールが見たのは‥‥‥
爆発した枕の残骸、散らばる羽根と、ベッドと夜着に飛び散った大量の血痕。
フルールは耳をつんざくような悲鳴を上げて朝食を放り投げると、マリアンヌを抱えて出て行った。
慌てて駆けつけたファスグリーからは襟首を捕まれて「殺す!」と言われた。
ああ、全て清浄魔法を掛けるのを忘れていた俺が悪い。
初夜の完遂は一日遅れとなったが、夢にまで見たマリアンヌの甘い嬌声と蕩けた瞳に、真っ白になった俺の頭も甘く蕩けて、そして溶けた。
──────
お読みいただきありがとうございます♪
ヤンデレ同士の初夜でしたが、色気と糖度が足りない!!と思われた方、申し訳ありません。
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