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32 最終話 デメルフリード
ベッドに横たわるマリアンヌの右手を両の手のひらで包み込み、ゆっくりと魔力を流す。
「マリアンヌ、気分はどうだ?」
「貴方の手のひらが温かくて‥‥気持ち良い‥‥」
この極寒の暖かい邸で共に愛し合うこと早60年。
マリアンヌの艶やかだった黄緑色の髪は色褪せパサつき、キラキラと俺を見つめた美しい瞳は落ちくぼみ、優しく愛を囁いたその唇はカサついて。
君はもうすぐ、この人生を、その命の炎を消そうとしている。
そして俺の人生も、もうすぐ終わる。
だからもう少しだけ、愛を語ろう?
「デメルフリード様。わたくしは、貴方と出会えて幸せでした」
「俺も、俺の方が幸せだったよ、マリアンヌ。」
「ねぇ、デメルフリード様、覚悟なさって?
わたくしは次の人生でも貴方を探し出してみせますから」
「ふふ、それは俺のセリフだ」
「では、どちらが先に見つけ出すか、掛けをしましょう?」
「ああ、いいよ。俺が勝つのは目に見えているが」
「いいえ、わたくしが勝ちますわ。わたくしの名前はマリ、アンヌ。万里、一空です。だからこの掛けは、わたくしが勝ちます」
「ばんり、いっくう?」
「ええ。万里一空。『万里』はとても遠い距離、 『一空』は一つの空。一つの目標に向かって努力する、という意味」
「それは正に君にピッタリの名前だな」
「そして、この言葉はもう一つ意味を持っています。それは『どんなに遠く離れていても、同じ空のもと』‥‥わたくしは、このマリアンヌという名に誓って、必ずこの掛けに勝ちます‥わ」
マリアンヌ。
あまり俺を泣かせないでくれないか?
流して良いのは幸せの涙だけだ、と言ったのは君だろう?
「デメルフリード様、愛して‥ます。わたくしの人生は‥貴方という光に照らされて、輝いて、終わる‥‥」
まだだよ。
マリアンヌ。
まだ、もう少しだけ。
俺の魔力の全てを君に注ぎ終えるまで。
この呪いの魔法がちゃんと君に掛かるまで。
あの時みたいにすぐに解けたりしないように、念入りに、念入りに。
ああ、ごめんねマリアンヌ。
俺は君を縛るよ。
君を俺に縛りつけて逃がさない。
俺の生命を司る魔力の全てを以て君に。
─そう、未来永劫、『縛りの呪い』を。
天国?
地獄?
それとも君の言うように次の人生?
何処でも良い。
何でも良い。
俺の隣に君がいれば、俺は何処だって、何だって良いんだ。
獣でも、虫けらでも、例え道端に転がる石ころだとしても。
マリアンヌ。
君の瞳が映すのは、俺だけだ。
マリアンヌ。
君は、俺だけの君なんだ。
マリアンヌ。
俺のたった一つの希望。
絶対に、離してなんて、やらないよ。
‥‥‥ああ。
やっぱり俺は、狂ってる。
了
──────────
「マリアンヌ、気分はどうだ?」
「貴方の手のひらが温かくて‥‥気持ち良い‥‥」
この極寒の暖かい邸で共に愛し合うこと早60年。
マリアンヌの艶やかだった黄緑色の髪は色褪せパサつき、キラキラと俺を見つめた美しい瞳は落ちくぼみ、優しく愛を囁いたその唇はカサついて。
君はもうすぐ、この人生を、その命の炎を消そうとしている。
そして俺の人生も、もうすぐ終わる。
だからもう少しだけ、愛を語ろう?
「デメルフリード様。わたくしは、貴方と出会えて幸せでした」
「俺も、俺の方が幸せだったよ、マリアンヌ。」
「ねぇ、デメルフリード様、覚悟なさって?
わたくしは次の人生でも貴方を探し出してみせますから」
「ふふ、それは俺のセリフだ」
「では、どちらが先に見つけ出すか、掛けをしましょう?」
「ああ、いいよ。俺が勝つのは目に見えているが」
「いいえ、わたくしが勝ちますわ。わたくしの名前はマリ、アンヌ。万里、一空です。だからこの掛けは、わたくしが勝ちます」
「ばんり、いっくう?」
「ええ。万里一空。『万里』はとても遠い距離、 『一空』は一つの空。一つの目標に向かって努力する、という意味」
「それは正に君にピッタリの名前だな」
「そして、この言葉はもう一つ意味を持っています。それは『どんなに遠く離れていても、同じ空のもと』‥‥わたくしは、このマリアンヌという名に誓って、必ずこの掛けに勝ちます‥わ」
マリアンヌ。
あまり俺を泣かせないでくれないか?
流して良いのは幸せの涙だけだ、と言ったのは君だろう?
「デメルフリード様、愛して‥ます。わたくしの人生は‥貴方という光に照らされて、輝いて、終わる‥‥」
まだだよ。
マリアンヌ。
まだ、もう少しだけ。
俺の魔力の全てを君に注ぎ終えるまで。
この呪いの魔法がちゃんと君に掛かるまで。
あの時みたいにすぐに解けたりしないように、念入りに、念入りに。
ああ、ごめんねマリアンヌ。
俺は君を縛るよ。
君を俺に縛りつけて逃がさない。
俺の生命を司る魔力の全てを以て君に。
─そう、未来永劫、『縛りの呪い』を。
天国?
地獄?
それとも君の言うように次の人生?
何処でも良い。
何でも良い。
俺の隣に君がいれば、俺は何処だって、何だって良いんだ。
獣でも、虫けらでも、例え道端に転がる石ころだとしても。
マリアンヌ。
君の瞳が映すのは、俺だけだ。
マリアンヌ。
君は、俺だけの君なんだ。
マリアンヌ。
俺のたった一つの希望。
絶対に、離してなんて、やらないよ。
‥‥‥ああ。
やっぱり俺は、狂ってる。
了
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それでも面白かったと言って頂けて、凄く嬉しいです!
後日談も楽しみにして下さり、ありがとうございます♪
完結お疲れ様でした!
面白かったです☺️
二人のその後ももちろん気になるのですが、もし出来たらデメルフリードがちゃんとマリアンヌと幸せになれた事を王様に知ってもらいたい!のでチラッとでいいのでその辺りも読めたら嬉しいです✨
コメントありがとうございます♪
面白かったと言って貰えてとっても嬉しいです!
実は父子の再会編、只今執筆中なんです( ´艸`)
近いうちに配信できるように頑張ります!
サムーい地方🤣で国が滅びるのを眺めながら末長くお幸せに👍️
当方、ネーミングセンスが皆無でして(^o^;
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