誰にも愛されず生涯を終えると思っていた冷遇王女ですが、暗殺にきた侯爵様が私を救ってくれるようです。

ぽんぽこ@3/28新作発売!!

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殺された野良猫姫

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 次の日、モンドール王国に訃報が流れた。

 王城の外れにある小屋が不審火により延焼し、そこに住んでいた第二王女が亡くなった、と。


 速やかに、王城にて小さな葬儀が執り行われた。


 数人の参列者が見送る中。

 ゆっくりと棺桶が運び出され、王家の墓場へと向かっていく。


 その列に、王と王妃の姿は無かった。二人ともどういうわけか、揃って体調がすぐれないらしい。


 いつかのようにメイド服姿となっていた私は、王城の廊下にある窓からその葬儀を静かに眺めていた。


「大丈夫かい、ニーナ」
「ヴィクター様……」

 後処理を終えたヴィクター様が、私の肩を後ろから優しく抱き寄せた。私は彼の肩に頭を乗せて寄り掛かる。

 彼はお母様との思い出が残るあの家を灰にしたことを心配してくれているのだろう。

 だけど私が死んだと偽装させるために……そしてあの場所から私が巣立ちをするためには、どうしても必要だった。


「大丈夫です。私には、ヴィクター様がいますから」

 そう言って視線を上げると、そこには耳まで真っ赤になったヴィクター様の顔があった。

 彼は嬉し恥ずかしそうに自分の頭をワシャワシャと掻くと、空いているもう片方の手で私の手を握ってくれた。


「さぁ、私たちの家に帰ろうか。シードル家はアップルパイが作り放題だからね。ニーナも気に入ってくれるはずだよ」
「うふふ。幸せ太りには気を付けないといけませんね?」


 彼の林檎のような優しい甘い香りを間近で楽しみながら、私たちは王城の廊下を後にした。



 その後、国王陛下は早々に退位。

 シードル家は新しくアップルパイを売る商売を始め、王都で大変な人気をはくしたという。


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