11 / 114
序章 神代の依頼
11話 星魔教の少女
しおりを挟む
陣は少年の手足に拘束具を付ける。
そして持ってきていた注射器を取り出し、少年に打ち込んだ。投与したのは強力な睡眠剤であり、これでしばらくは目を覚まさないだろう。
「よし、捕獲完了っと」
「陣、ご苦労様。あとは彼を例の研究機関に運ぶだけね」
奈月が手をパチパチたたきながら、ねぎらいの言葉を掛けてくる。
「ああ、さっそく回収チームを呼んでと……、ハッ!? 誰だ!?」
陣はすぐさま立ち上がり、後ろを振り返った。
そこには陣たちと同年代ぐらいの少女がいた。見た感じこの少年と同じく一般人のようだ。おそらく彼女もまた星魔教にそそのかされ、この少年と同じようにこの場所に来たのだろう。
「その人から離れて!」
少女は陣たちに敵意を向けてながらさけぶ。
「なんだ、あの子? こんなところにいるということは、通りすがりの一般人じゃないよな?」
「ふむ、微弱だけど星の余波を感じるわね。彼女、今回のターゲットと違い、創星術師としての第一難関である星の安定化に成功してるみたいよ」
奈月は少女を観察し、興味深いことを口に。
「まだ力を完全に隠せてないところを見ると、なりたてか。そりゃー、めでたいねー。これでこの世界にまた一人、正式な創星術師が生まれたというわけだ。それでどうするよ? あの子の身柄も確保するのか?」
「いいえ、彼女にはこのまま星詠みを極めてもらうわ。その方がより高純度のデータを取れるはずだしね。ただこの場所は星葬機構がいるから、彼女を安全なところまで逃がしてあげましょう。そしてどこかの星魔教の教会にでも預ければ、あとは彼らが保護してくれるはず」
暴走しているよりも、星詠みを使いこなせている者の方が得られるデータは多い。なのでここはあえて見逃し、彼女が星詠みを少しでも極めるのを待つというわけだ。
そのためにもまずは彼女をここから逃がさなければならなかった。星葬機構にバレれば彼女は捕まる可能性が非常に高いのだから。あと逃がすだけでなく、少女の今後のためにも星魔教のもとへ送り届けるべきであろう。星詠みを崇める彼らであれば、そのスタート地点に立った彼女を放っておくはずがない。きっと少女が一人前の創星術師になるまで面倒を見続け、それ以降もサポートしてくれるはずだ。
「いいえ、その心配には及びません」
少女のことを考えていると、まだ別の少女の声が。
「あら、あなたは?」
「ワタシはルシア・ローゼンフェルト。星魔教の信者をやっている者です。彼女の身柄は我々星魔教が責任を持って預かり、創星術師として生きていけるよう全力でサポートさせてもらいます」
ルシアと名乗る少女が、丁寧にお辞儀しながら自己紹介を。
彼女は陣たちより一つ年下ぐらいだろうか。輝く金色の髪に少し大人びた雰囲気を持つ、奈月に劣らないぐらいの美少女である。ただどことなく破滅的といった危うい印象を受けてしまうのは気のせいだろうか。
「そう、手間がはぶけたわ。ところで今回の経緯はどういったものなのかしら?」
「そうですね。今回は創星術師になることを希望するお二人に方法を教え、実際になってもらいました。結果一人は安定化に成功したのですが、もう一人が暴走。このまま放っておくわけにもいかないので、昔からよくさせてもらっている神代の方々に連絡を入れ、この場を離れようとしたのです。ただ彼女が暴走した方を放っておけないと、ワタシが目を離した隙に向かわれてしまい、急きょ追いかけてきたというわけです」
実のところ神代と星魔教は、かなり良好な関係といっていい。創星術師を増やし成長させたい星魔教は、さらなる星詠みのデータを求める神代にとってもはや願ったり叶ったりな組織。ゆえに彼らが円滑に目的を達成できるよう、資金や人材、設備などいろいろ援助しているのだ。それゆえ星魔教側はその恩を返すため、いろいろ神代の研究に協力してくれるのであった。
「あなたたちもいろいろと大変ね。創星術師の道に誘うだけでなく、暴走した者の対処や、無事成功した者への手厚いサポートまで。それを慈善活動でやってるというんだから、開いた口がふさがらないわ」
奈月は肩をすくめながら、感想を伝える。
一応口では称賛しているみたいだが、内心呆れ呆れなのがすぐにわかった。
「うふふ、とんでもない。彼らは神にいたる試練に挑戦する、前途有望な開拓者なのです。そんな途方もないことを成し遂げようとする彼らに、手を差し伸ばさずにいられましょうか」
ルシアは祈るように手を合わせ、慈愛に満ちた表情で答える。
それは完全に聖職者の顔だが、その内容が内容だけに少し不気味に見えてしまう。
「――はぁ……、この子もきっすいの星魔教信者のようね……。――まあ、いいわ。それじゃあ、アタシたちはこの暴走した子を連れて帰るわよ」
「はい、よろしくお願いします」
「ルシアさん!?」
少女は少年が連れていかれることに、抗議しようと。
だがルシアは少女の肩に手を置き、優しくさとし始めた。
「残念ですが、彼は神の試練に立つに、力が及ばなかった。だからここでお別れなのです」
「――そんな……」
「彼のことを想うなら、その無念を心に刻み前へ進んであげましょう。それがあなたにできる、彼への唯一の手向け……。それにまだ本当の意味でお別れになるとは限りません。もしかするとお優しい神代の方々が、返してくれるかもしれませんしね」
ルシアは奈月の方に、意味ありげな視線を向けてくる。
クロノスでは彼のような暴走した創星術師を何人も捕まえており、その扱いにも慣れている。今までの研究データから星詠みによる暴走を抑える薬剤なども開発されているらしいので、ぎりぎり理性を取り戻せるかもしれなかった。
「データが取れれば用はないわね。正気に戻れるなら、そのまま返してあげられるわ」
「だそうです。さあ、この別れも神の道に通ずる試練の一つ。星魔教と共に進みましょう」
ルシアは少女の手をとり、やさしくほほえみかけた。
「――わかりました……」
こうしてルシアに言い聞かされ、少女はこの場を去っていった。
「ではこれにてワタシも失礼しますね」」
ルシアは陣たちに一礼して、少女のあとを追う。
「アタシたちもこの場を離れるわよ。ここまで来て断罪者に邪魔されたくないし、なによりもう眠いわ」
奈月が目をこすりながら、提案してくる。
「そうだな。さっさと依頼を完遂させて、帰るとするか」
陣は近くで待機しているであろう、回収チームを無線で呼んだ。あとはこのままヘリに乗ってこの場からおさらばするだけである。
もはや仕事はおわったも同然なので背筋を伸ばし楽にしていると、奈月がふとなにかを思い出したらしい。
「そうそう、また明日も仕事があるから、付き添いよろしくね!」
陣の腕をつかみながら、にっこりほほえんでくる奈月。
「おい、確かに呼ばれたら行くといったが、そう何度も呼び出されるとなると話は別だぞ。それじゃあ、付き人のころと同じだろうが」
「くす、口答えしないの! アタシの中ではまだ陣は付き人なんだから、ご主人様の言うことは聞かないと! ね!」
抗議の言葉に対し、奈月は陣の胸板に手を当ててくる。そして得意げにウィンクをして、無邪気に告げてくるのであった。
そして持ってきていた注射器を取り出し、少年に打ち込んだ。投与したのは強力な睡眠剤であり、これでしばらくは目を覚まさないだろう。
「よし、捕獲完了っと」
「陣、ご苦労様。あとは彼を例の研究機関に運ぶだけね」
奈月が手をパチパチたたきながら、ねぎらいの言葉を掛けてくる。
「ああ、さっそく回収チームを呼んでと……、ハッ!? 誰だ!?」
陣はすぐさま立ち上がり、後ろを振り返った。
そこには陣たちと同年代ぐらいの少女がいた。見た感じこの少年と同じく一般人のようだ。おそらく彼女もまた星魔教にそそのかされ、この少年と同じようにこの場所に来たのだろう。
「その人から離れて!」
少女は陣たちに敵意を向けてながらさけぶ。
「なんだ、あの子? こんなところにいるということは、通りすがりの一般人じゃないよな?」
「ふむ、微弱だけど星の余波を感じるわね。彼女、今回のターゲットと違い、創星術師としての第一難関である星の安定化に成功してるみたいよ」
奈月は少女を観察し、興味深いことを口に。
「まだ力を完全に隠せてないところを見ると、なりたてか。そりゃー、めでたいねー。これでこの世界にまた一人、正式な創星術師が生まれたというわけだ。それでどうするよ? あの子の身柄も確保するのか?」
「いいえ、彼女にはこのまま星詠みを極めてもらうわ。その方がより高純度のデータを取れるはずだしね。ただこの場所は星葬機構がいるから、彼女を安全なところまで逃がしてあげましょう。そしてどこかの星魔教の教会にでも預ければ、あとは彼らが保護してくれるはず」
暴走しているよりも、星詠みを使いこなせている者の方が得られるデータは多い。なのでここはあえて見逃し、彼女が星詠みを少しでも極めるのを待つというわけだ。
そのためにもまずは彼女をここから逃がさなければならなかった。星葬機構にバレれば彼女は捕まる可能性が非常に高いのだから。あと逃がすだけでなく、少女の今後のためにも星魔教のもとへ送り届けるべきであろう。星詠みを崇める彼らであれば、そのスタート地点に立った彼女を放っておくはずがない。きっと少女が一人前の創星術師になるまで面倒を見続け、それ以降もサポートしてくれるはずだ。
「いいえ、その心配には及びません」
少女のことを考えていると、まだ別の少女の声が。
「あら、あなたは?」
「ワタシはルシア・ローゼンフェルト。星魔教の信者をやっている者です。彼女の身柄は我々星魔教が責任を持って預かり、創星術師として生きていけるよう全力でサポートさせてもらいます」
ルシアと名乗る少女が、丁寧にお辞儀しながら自己紹介を。
彼女は陣たちより一つ年下ぐらいだろうか。輝く金色の髪に少し大人びた雰囲気を持つ、奈月に劣らないぐらいの美少女である。ただどことなく破滅的といった危うい印象を受けてしまうのは気のせいだろうか。
「そう、手間がはぶけたわ。ところで今回の経緯はどういったものなのかしら?」
「そうですね。今回は創星術師になることを希望するお二人に方法を教え、実際になってもらいました。結果一人は安定化に成功したのですが、もう一人が暴走。このまま放っておくわけにもいかないので、昔からよくさせてもらっている神代の方々に連絡を入れ、この場を離れようとしたのです。ただ彼女が暴走した方を放っておけないと、ワタシが目を離した隙に向かわれてしまい、急きょ追いかけてきたというわけです」
実のところ神代と星魔教は、かなり良好な関係といっていい。創星術師を増やし成長させたい星魔教は、さらなる星詠みのデータを求める神代にとってもはや願ったり叶ったりな組織。ゆえに彼らが円滑に目的を達成できるよう、資金や人材、設備などいろいろ援助しているのだ。それゆえ星魔教側はその恩を返すため、いろいろ神代の研究に協力してくれるのであった。
「あなたたちもいろいろと大変ね。創星術師の道に誘うだけでなく、暴走した者の対処や、無事成功した者への手厚いサポートまで。それを慈善活動でやってるというんだから、開いた口がふさがらないわ」
奈月は肩をすくめながら、感想を伝える。
一応口では称賛しているみたいだが、内心呆れ呆れなのがすぐにわかった。
「うふふ、とんでもない。彼らは神にいたる試練に挑戦する、前途有望な開拓者なのです。そんな途方もないことを成し遂げようとする彼らに、手を差し伸ばさずにいられましょうか」
ルシアは祈るように手を合わせ、慈愛に満ちた表情で答える。
それは完全に聖職者の顔だが、その内容が内容だけに少し不気味に見えてしまう。
「――はぁ……、この子もきっすいの星魔教信者のようね……。――まあ、いいわ。それじゃあ、アタシたちはこの暴走した子を連れて帰るわよ」
「はい、よろしくお願いします」
「ルシアさん!?」
少女は少年が連れていかれることに、抗議しようと。
だがルシアは少女の肩に手を置き、優しくさとし始めた。
「残念ですが、彼は神の試練に立つに、力が及ばなかった。だからここでお別れなのです」
「――そんな……」
「彼のことを想うなら、その無念を心に刻み前へ進んであげましょう。それがあなたにできる、彼への唯一の手向け……。それにまだ本当の意味でお別れになるとは限りません。もしかするとお優しい神代の方々が、返してくれるかもしれませんしね」
ルシアは奈月の方に、意味ありげな視線を向けてくる。
クロノスでは彼のような暴走した創星術師を何人も捕まえており、その扱いにも慣れている。今までの研究データから星詠みによる暴走を抑える薬剤なども開発されているらしいので、ぎりぎり理性を取り戻せるかもしれなかった。
「データが取れれば用はないわね。正気に戻れるなら、そのまま返してあげられるわ」
「だそうです。さあ、この別れも神の道に通ずる試練の一つ。星魔教と共に進みましょう」
ルシアは少女の手をとり、やさしくほほえみかけた。
「――わかりました……」
こうしてルシアに言い聞かされ、少女はこの場を去っていった。
「ではこれにてワタシも失礼しますね」」
ルシアは陣たちに一礼して、少女のあとを追う。
「アタシたちもこの場を離れるわよ。ここまで来て断罪者に邪魔されたくないし、なによりもう眠いわ」
奈月が目をこすりながら、提案してくる。
「そうだな。さっさと依頼を完遂させて、帰るとするか」
陣は近くで待機しているであろう、回収チームを無線で呼んだ。あとはこのままヘリに乗ってこの場からおさらばするだけである。
もはや仕事はおわったも同然なので背筋を伸ばし楽にしていると、奈月がふとなにかを思い出したらしい。
「そうそう、また明日も仕事があるから、付き添いよろしくね!」
陣の腕をつかみながら、にっこりほほえんでくる奈月。
「おい、確かに呼ばれたら行くといったが、そう何度も呼び出されるとなると話は別だぞ。それじゃあ、付き人のころと同じだろうが」
「くす、口答えしないの! アタシの中ではまだ陣は付き人なんだから、ご主人様の言うことは聞かないと! ね!」
抗議の言葉に対し、奈月は陣の胸板に手を当ててくる。そして得意げにウィンクをして、無邪気に告げてくるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる