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1章 少女との契約 上
22話 レーヴェンガルト
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「ここからの話は極秘事項。ですが神代側である奈月さんたちの耳に入れておいた方がいいと思い話ます。実は今レーヴェンガルトは新たな当主絡みで、内部分裂が起こっているのです」
カーティスは憂いの影を見せながら、レーヴェンガルトに対する懸念を口に。
「あら、それは穏やかな話じゃないわね。具体的には?」
なかなか面白い話だと、ほおに手を当てながら食いつく奈月。
「新たに当主なったお方の方針がこれまでと違い、みな混乱している状況といいますか。そのことで最有力当主候補だったお方が異を唱え、現在レーヴェンガルトは二つの派閥ができてしまっているのです」
「最有力候補って、まためんどくさそうなのがいたものね。おおかた当主になれなかったことに納得できず、決定をくつがえそうとでもしてるってことでしょ?」
「ははは、なんだ。今の神代と同じ状況ってわけか」
次期当主に決まった神楽と、それに異を唱え引きずりおろそうとしている陸斗の構図が目に浮かぶ。レーヴェンガルトも当主問題で、割と内部事情がガタガタなのかもしれない。
「くす、まったくね。あまりにかぶり過ぎて、その新たな当主に同情してしまいそうだわ」
奈月は肩をすくめながら、おかしそうに笑う。
「それで星魔教側としてはどちらを支持してるのかしら?」
「新たな当主様の方ですね。彼女は星魔教のことについて非常に理解があるお方で、これまで通り好きにしていいと言ってくれてますので」
「なるほど。つまり現状、星魔教の問題はその最有力当主候補ってわけね」
「はい、彼女は星魔教を自分たちの戦力として使う気でいる。そして現当主の意向を無視して、世界をレーヴェンガルトの名のもとに支配しようと企んでいるのです。おそらくそう時間が経たないうちに、動き出すでしょう」
カーティスの口調から、かなりせっぱ詰まっているように聞こえた。
どうやら現在レイヴァース当主が乗り込んでくる以上のことが、起ころうとしているのかもしれない。
「あら、物騒な話。新しいレーヴェンガルト当主の方はどうしてるのかしら?」
奈月は口元に手を当て、軽く驚いた表情を。
ここで重要なのは星魔教が押す、新たな当主の方だ。最有力候補が意向を無視しているということは、当主は彼らが起こす騒動を望んでいないということ。となればなにか動きをみせているはずだ。もしかするとその最有力候補を止めるため、手を組めるかもしれなかった。
「面白いから、好きにしていいと。しかも現当主が持つレーヴェンガルトの権限のほとんどを、最有力候補に渡す始末でして。結果、今のレーヴェンガルトの勢力を彼女が自由に扱えるほどになっているといいますか」
そしてカーティスは頭を抱えながら説明を。
「はぁ!? バカなのその当主!? なんで敵対してるやつに力を貸すのよ!? そんなことしたら当主の座も、そのままの勢いで奪われるわよ!?」
ここまではしょせんは他人事と軽い反応であった奈月。しかしあまりの馬鹿げた話に、思わず声を荒げ身を乗り出してしまう。
まだ黙認するならわかるのだが、まさが当主が持つ権限を渡したとなれば話は別。もしその権限を使いクーデターでも起こされれば、その当主の身が危険なのはいうまでもないだろう。
「ヒュー、なかなかイカレタ当主様だな。さすがレーヴェンガルト。常識では測れないってか」
陣としてはもはやあきれを通り越して、賞賛したいほどであった。
「現当主はレーヴェンガルトの悲願さえ達成できるのなら、あとのことはどうでもいいとのことらしいですよ」
「なんだか、頭が痛い話ね」
奈月もカーティスと同じように、頭を抱えだす。
「要点をまとめますと、最有力当主候補に星魔教を好き勝手使われる恐れがあるということです。こちらとしては星詠みを崇拝する目的の組織ゆえ、レーヴェンガルトの世界征服に付き合うなど御免こうむる。できるだけ避けられるよう打って出るつもりですが、果たしてうまくいくかどうか……」
カーティスは苦虫をかみつぶしたような表情を。
「さすがにその件についだと、神代は手が出しにくそうね」
星魔教は元々レーヴェンガルトが創設した組織ゆえ、いろいろ面倒なつながりが。ゆえに向こうの指示にしたがわなければならないのだろう。
神代としてもカーティス神父に力を貸したいが、これはレーヴェンガルトと星魔教の内部問題。いくら同盟を結んでいるとはいえ、よそ者の神代では口を挟みにくい案件である。
「これは星魔教の問題なので、なんとかこちらで対処しますよ。もし最悪の展開になった場合は、神代側に助けを求めるかもしれませんが……。とまあ、とりあえず神代の方々には、動き出したレーヴェンガルトの方に注意を払いつつ、星葬機構側をどうにかしてくれれば。もし大きな動きがあった場合、すぐに報告させてもらいますので」
カーティスは胸に手を当て、頭を下げる。
「アタシたちの関係はこのままというわけね」
「はい、我々としてはぜひ、神代側に勝ってもらいたいと思っていますので」
「くす、じゃあ、引き続きなにかあったら情報をお願いね」
「おまかせください」
カーティス神父はうやうやしくお辞儀しながら、奈月の期待に応える。
「ははは、楽しいことになってきたな。レイヴァース率いる星葬機構だけでなく、レーヴェンガルトまで相手にすることになるとは。ようは三つどもえの戦争ってやつだな」
これにはさすがの陣も、胸の高鳴りを感じずにはいられない。
ここに来るまでは星葬機構との戦争のことしかなかった。しかしレーヴェンガルトが動きだしたとわかった今、彼らともことをかまえなければいけなくなってくるはず。ゆえにここに上代、レイヴァース、レーヴェンガルトそれぞれの陣営の三つどもえの戦い始まるのだ。
「ええ、本当に。今後邪魔するであろう組織を一網打尽にできるチャンスだから、わるくない話」
奈月は髪を優雅に払いながら、不敵な笑みを浮かべ同意してくれる。
もしここでうまいこと事を進められれば、星葬機構だけでなくレーヴェンガルトまで潰すことができるのだ。そうなれば世界はもはや神代のものになるといっても、過言ではなかった。
「まあ、問題があるとすれば、メインで動くアタシたちの苦労が増えるってことかしら……」
だが奈月はすぐさまそのことで動き回ることになるであろう自身の境遇を憂い、がっくり肩を落としだす。
「ははは、いいじゃねーか。パーティーのど真ん中で踊れるかもしれないんだ。どうせなら華々しく踊ろうぜ」
そんな彼女の肩に手を置き、愉快げに笑いかける。
「くす、いいわ。陣が一緒にいてくれるなら、よろんで!」
すると奈月は信頼しきったまなざしを向けながら、にっこりとほほえむ。
こうしてこの先の戦争に思いをはせる、陣たちなのであった。
カーティスは憂いの影を見せながら、レーヴェンガルトに対する懸念を口に。
「あら、それは穏やかな話じゃないわね。具体的には?」
なかなか面白い話だと、ほおに手を当てながら食いつく奈月。
「新たに当主なったお方の方針がこれまでと違い、みな混乱している状況といいますか。そのことで最有力当主候補だったお方が異を唱え、現在レーヴェンガルトは二つの派閥ができてしまっているのです」
「最有力候補って、まためんどくさそうなのがいたものね。おおかた当主になれなかったことに納得できず、決定をくつがえそうとでもしてるってことでしょ?」
「ははは、なんだ。今の神代と同じ状況ってわけか」
次期当主に決まった神楽と、それに異を唱え引きずりおろそうとしている陸斗の構図が目に浮かぶ。レーヴェンガルトも当主問題で、割と内部事情がガタガタなのかもしれない。
「くす、まったくね。あまりにかぶり過ぎて、その新たな当主に同情してしまいそうだわ」
奈月は肩をすくめながら、おかしそうに笑う。
「それで星魔教側としてはどちらを支持してるのかしら?」
「新たな当主様の方ですね。彼女は星魔教のことについて非常に理解があるお方で、これまで通り好きにしていいと言ってくれてますので」
「なるほど。つまり現状、星魔教の問題はその最有力当主候補ってわけね」
「はい、彼女は星魔教を自分たちの戦力として使う気でいる。そして現当主の意向を無視して、世界をレーヴェンガルトの名のもとに支配しようと企んでいるのです。おそらくそう時間が経たないうちに、動き出すでしょう」
カーティスの口調から、かなりせっぱ詰まっているように聞こえた。
どうやら現在レイヴァース当主が乗り込んでくる以上のことが、起ころうとしているのかもしれない。
「あら、物騒な話。新しいレーヴェンガルト当主の方はどうしてるのかしら?」
奈月は口元に手を当て、軽く驚いた表情を。
ここで重要なのは星魔教が押す、新たな当主の方だ。最有力候補が意向を無視しているということは、当主は彼らが起こす騒動を望んでいないということ。となればなにか動きをみせているはずだ。もしかするとその最有力候補を止めるため、手を組めるかもしれなかった。
「面白いから、好きにしていいと。しかも現当主が持つレーヴェンガルトの権限のほとんどを、最有力候補に渡す始末でして。結果、今のレーヴェンガルトの勢力を彼女が自由に扱えるほどになっているといいますか」
そしてカーティスは頭を抱えながら説明を。
「はぁ!? バカなのその当主!? なんで敵対してるやつに力を貸すのよ!? そんなことしたら当主の座も、そのままの勢いで奪われるわよ!?」
ここまではしょせんは他人事と軽い反応であった奈月。しかしあまりの馬鹿げた話に、思わず声を荒げ身を乗り出してしまう。
まだ黙認するならわかるのだが、まさが当主が持つ権限を渡したとなれば話は別。もしその権限を使いクーデターでも起こされれば、その当主の身が危険なのはいうまでもないだろう。
「ヒュー、なかなかイカレタ当主様だな。さすがレーヴェンガルト。常識では測れないってか」
陣としてはもはやあきれを通り越して、賞賛したいほどであった。
「現当主はレーヴェンガルトの悲願さえ達成できるのなら、あとのことはどうでもいいとのことらしいですよ」
「なんだか、頭が痛い話ね」
奈月もカーティスと同じように、頭を抱えだす。
「要点をまとめますと、最有力当主候補に星魔教を好き勝手使われる恐れがあるということです。こちらとしては星詠みを崇拝する目的の組織ゆえ、レーヴェンガルトの世界征服に付き合うなど御免こうむる。できるだけ避けられるよう打って出るつもりですが、果たしてうまくいくかどうか……」
カーティスは苦虫をかみつぶしたような表情を。
「さすがにその件についだと、神代は手が出しにくそうね」
星魔教は元々レーヴェンガルトが創設した組織ゆえ、いろいろ面倒なつながりが。ゆえに向こうの指示にしたがわなければならないのだろう。
神代としてもカーティス神父に力を貸したいが、これはレーヴェンガルトと星魔教の内部問題。いくら同盟を結んでいるとはいえ、よそ者の神代では口を挟みにくい案件である。
「これは星魔教の問題なので、なんとかこちらで対処しますよ。もし最悪の展開になった場合は、神代側に助けを求めるかもしれませんが……。とまあ、とりあえず神代の方々には、動き出したレーヴェンガルトの方に注意を払いつつ、星葬機構側をどうにかしてくれれば。もし大きな動きがあった場合、すぐに報告させてもらいますので」
カーティスは胸に手を当て、頭を下げる。
「アタシたちの関係はこのままというわけね」
「はい、我々としてはぜひ、神代側に勝ってもらいたいと思っていますので」
「くす、じゃあ、引き続きなにかあったら情報をお願いね」
「おまかせください」
カーティス神父はうやうやしくお辞儀しながら、奈月の期待に応える。
「ははは、楽しいことになってきたな。レイヴァース率いる星葬機構だけでなく、レーヴェンガルトまで相手にすることになるとは。ようは三つどもえの戦争ってやつだな」
これにはさすがの陣も、胸の高鳴りを感じずにはいられない。
ここに来るまでは星葬機構との戦争のことしかなかった。しかしレーヴェンガルトが動きだしたとわかった今、彼らともことをかまえなければいけなくなってくるはず。ゆえにここに上代、レイヴァース、レーヴェンガルトそれぞれの陣営の三つどもえの戦い始まるのだ。
「ええ、本当に。今後邪魔するであろう組織を一網打尽にできるチャンスだから、わるくない話」
奈月は髪を優雅に払いながら、不敵な笑みを浮かべ同意してくれる。
もしここでうまいこと事を進められれば、星葬機構だけでなくレーヴェンガルトまで潰すことができるのだ。そうなれば世界はもはや神代のものになるといっても、過言ではなかった。
「まあ、問題があるとすれば、メインで動くアタシたちの苦労が増えるってことかしら……」
だが奈月はすぐさまそのことで動き回ることになるであろう自身の境遇を憂い、がっくり肩を落としだす。
「ははは、いいじゃねーか。パーティーのど真ん中で踊れるかもしれないんだ。どうせなら華々しく踊ろうぜ」
そんな彼女の肩に手を置き、愉快げに笑いかける。
「くす、いいわ。陣が一緒にいてくれるなら、よろんで!」
すると奈月は信頼しきったまなざしを向けながら、にっこりとほほえむ。
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