妄想少年✖️現実少女

七星北斗

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一 幼女神は引きこもり

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 左座草太さざそうたは部屋のドアを開ける。すると周りの景色が一瞬で変わってパソコンで密集された場所へと移動する。

「あれ?ここはどこ?夢でも見ているのかな?自分の部屋に入ったはず?だけど、随分汚い部屋だな…」

 部屋の中央の布団からモゾモゾと何かが動く。布団を抜け出した幼女と早太は目が合う。幼女は早太に頬を膨らませ大変ご立腹のようだ。

「何じゃ!失礼な小童が。この部屋の良さがわからんとはつまらんのう」

 幼女はとてとてと歩き、パソコンの配線に引っ掛かりコケる。するとパソコンの配線が抜け電源が切れる。幼女は涙目になった。

「ワシの秀善の野望のデータがー、帰ってこーい。死ぬなー。グスン」

「神様、何をされているんですか?」

 部屋のドアを開けて掃除用具とマスクを身につけた少女が不思議そうに声をかける。

「この生意気な小童がワシの部屋が汚いと馬鹿にするのじゃ。この部屋の完成された美しさがわからんのか」

「その通りです。これ程、神秘に満ちた部屋は他にありません。それはそうと自己紹介しないとだね。私の名前は神代未来かみしろみらい。君の名前は?」

「ぼ、僕の名前は左座草太」

「草太君、君は選ばれたんだよ。異世界への勇者としてね。私も君と同じで数日前に神様に呼ばれて、この神界にいるわけだけど、あんまり難しく考えなくて良いよ、世界を救うって言う盟約だけど簡単に話すと人助けだからね。仲良く頑張ろう」

「勇者?異世界!世界を救う?僕が!」

「そう、君が。勇者として行く私達には特別な力を神様が授けてくれることになってる。君が望んだ力を得て異世界に行けるんだよ」

「コラっ!未来全部話すではない。私の役目がなくなるではないか。めったにワシのところには客人はこないし、暇なのじゃ」

「申し訳ございません。神様にお手間を取らせてしまうのは心苦しかったので」

「まあ良い、異世界への道は明後日開くのじゃ。今日と明日は神界で存分に持て成そう。未来に草太への力は異世界への門をくぐると自然に身につくから心配は無用じゃ。言語についても問題はない、言語をお主らの魂に刻むからのう。それにしても未来、何故そのような格好をしておる?」

「そ、いえ。部屋をより美しくするためにご無礼ながら浄化しようかと」

「そうか、良い心がけじゃ」

「ワシは風呂に入って来る。あまりいじるなよ」

「承りました」

 神様?幼女はとてとてと部屋を出ていった。

「草太君も手伝ってね。私は汚い部屋を見ると我慢できないんだ」

「わかった」

 そして幼女神が戻って来た。しかし、時すでに遅し。徹底的に掃除をされた後だった。
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