平凡少年とダンジョン旅

七星北斗

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一 旅路

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 村を出てから一時間が過ぎた。ずっと気になっているのだが、隣を歩くシルは無言でやたらと僕の右手ばかりを凝視する。

「何で僕の右手をそんなに見るの?」

「…」

 僕は耐えきれずにシルが何で僕の右手をそんなに見るのか問いただすが、シルは一瞬目を合わせるとそっぽを向き無言で左手を差し出した。

「もしかして手を繋ぎたいの?」

「…コクッ」

「手を繋ぐくらいなら別に良いけど。でも懐かしいな、昔はどこに行くにも手を繋いで行ったよね。でも、その度にからかわれたけど」

 ラクスはシルの手を握る。シルの手は少しヒンヤリした冷たさでラクスに比べると手が小さく柔らかい。気恥ずかしさで、ラクスはシルと目が合うと照れくさそうに下を向いた。そんなラクスを見てシルは遠くの景色を見ながらラクスに話しかけた。

「最近、ラクス私を避けてたよね。私のこと嫌い?」

「避けてたと言うか、人の目が厳しくて。家族を除くと、僕はシルが一番大切な人だと思ってる」

「ボフッ」

 シルは漫画のような擬音とともに一瞬で顔が真っ赤に染まった。シルはごまかすように鼻歌を口ずさみだし、とても機嫌が良さそうだ。気付かれないように少し後ろを歩く双子は手を繋ぐ兄を見て殺気を放つ。ラクスは身震いがして後ろを振り向く。しかし誰もいない?

 シルはラクスを気遣いながら、いつもの無表情に戻りラクスに問う。

「ラクスどうしたの?」

 僕は身震いがしたことを話すと、シルは一瞬表情を変える。

「気のせいだよ」

 と言って、シルは何故か歩くスピードを上げる。双子はラクス達が歩くスピードを上げたことに驚き、双子も歩くスピードを合わせた。

「ヤバッ気付かれた?」

「私達の隠密を看破するとは、シルさんはやっぱり油断ならない」

 シルが突然止まる。

「どうしたの?」

 ラクスはシルに疑問を投げかける。するとシルはラクスを草むらに連れ込み、西の方角を指差して魔獣がいることを教えてくれた。レベル2魔獣ウルフの群れが百メートル先にいる。風下に隠れ群れが去るのを待つ。双子達はラクス達に見つからないように行動を開始する。

「エシス、殺るよ。お兄ちゃんたち隠れてるのバレバレ」

「シャルラ、匂い玉持ってる?」

「うん、持ってるよ」

「こっちにウルフの群れを惹き付けるよ」

「りょーかい」

 ラクスのレベルは一、シルのレベルは三。ウルフの群れを相手をするのは今の僕らでは無理だ。しばらくするとウルフの群れは通りすぎ、ホッとする。

 裏で双子達はラクス達をサポートする。無事に双子達がウルフの群れを惹き付けることに成功した。それからラクス達は二時間ほど歩き。川を見つけ近くにテントを張り、ここで野宿する事にした。
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