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荒野でのキャンプ二日目③

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 北西の森に向かって歩き始めたのですが、なにぶん空腹なので、足取りはとても重い。

 お腹が空いて、動きたくない。でもこのままだと飢え死にします。

 どうやら呑気に、お昼寝している場合ではないようですね。本来なら今すぐにでも、お昼寝したいとこですが。

 しかし暑い、服の下が汗で凄いことに。

 帰ったらもう一度、水浴びをする必要があります。

 てくてく歩き、案外早く森に辿り着くことができた。でも、お気に入りのフード付きポンチョを汚したくはないし、変な虫がいても嫌だな。

 うーん、虫除けスプレーが欲しいものですね。

 この世界の生態系ってどんなだろう?危険な生き物はいるのかな?

 この世界に来てから動物の鳴き声?などは何度も耳にした。でも実際に目にしていない。

 襲われたりしたらやだな。怖いけど勇気をだして、森の中に足を踏み入れることにした。

 よくわからない植物ばかりで、不思議な感覚。もしかしたら、未知のウイルスに感染する可能性もあるので、不用意に触れない。

 むむむ…果物らしき物を見つけた。しかしこれは食べて大丈夫なのかな?

 形は西瓜のような縞模様、皮を剥いて舐めてみることにする。

 恐る恐る果物の果肉を舐めると、その味は少し苦かった。そして後からどんどん舌が痺れ、急いで水魔法で口を漱ぐ。

 どうやらこの実は、食用ではないようだ。

 青いキュウリが木に生ってる…これは気になりますが。木の実何ですかね?

 試しに一つ捥いで、ポキッと二つに折る。青いキュウリからは、何故か?とても甘い匂いがした。

 …食べて大丈夫何ですかね?見た目がアレなので、躊躇する。

 キュウリの果汁?を舐めとると、驚いたことに蜂蜜に近い濃厚で豊潤な甘さ。

 舌が痺れるようなこともなく、久しぶりのまともな味覚だった。

 見渡せば、そこら中にキュウリの実が生っている。

 青キュウリの名称がわからないので、略してアオリと呼ぶことにした。

 我慢できず、木からアオリを捥ぐ。水魔法で綺麗に洗い、先端にかぶりつく。

 シャクシャクした食感で、ちょっと違和感がある。そして瑞々しく、今まで食べた蜂蜜と比べると癖のない甘さ。

 夢中になって食べていたら、口元や手、服がベトベトになってしまった。

 うー、気持ち悪い。

 アオリを食べれる分だけ収穫して、急いで帰ることにする。

 えっと、帰り道はこっちだね。

 空腹が収まると、余裕ができて、ふと思う。やはり会話ができないのは、こんなに辛いものなのですね。

 そんなことを考えていると、何かが近づいてくる!ドタドタと土を踏み、ガサガサと音を立て、草木を掻き分ける謎の生き物。

 グギャやゲギャと、会話をしながら二足歩行で歩く、体色が緑色の人型のモンスター?
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