捻くれ王太子にケモ耳チュピは絶対服従なのであります

ナカムラ

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ご主人様のお留守番つまーんない

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 しばらくすると、執事のアランさんが、またドアをノックして、ご主人様の前に現れたの。
 私は、ノックの音を聞いて、魔法で、急いで、透明になったの。

 執事のアランさんは、ご主人様に言ったの。
「あの、フィンリー殿下。皇帝陛下が、朝食の会の広間で朝食を、ということでお呼びでいらっしゃいます」
「わかったよ。アラン。1ヶ月ぶりか……気が向かないが、仕方あるまい。アラン、正装を持ってこい」
「かしこまりました。フィンリー殿下。失礼致します」
執事のアランさんは、深々と頭を下げたの。

 執事のアランさんの足音が無くなると、私は、普通に戻ったの。

 執事のアランさんが、持ってきてくれた正装に、ご主人様は、着替えたの。
 白い絹の刺繍の入った軍服に、赤に金色の縁のサッシュ(肩から反対側の腰へ斜めにかける帯)を掛けて、私の中のご主人様の王子様感、増しちゃったのだ。

「ご主人様。ステキですー!! でも、なぜ、軍服が正装なのです?」
「あぁ、我がキュイール帝国は、軍事力で領土を拡大していったからな。その名残だな。まぁ、そんなことは、いい。行ってくるぞ。チュピ」
「行ってらっしゃいませ。ご主人様!!」
 私は、いっぱい両方の腕を伸ばして、両方の手を振って、耳をピコピコ。シッポを目一杯フリフリしたの。

 ご主人様いなくなっちゃった。つまーんない。
私は、ご主人様が居ない間、また、ワインレッドの絨毯に寝っ転がったの。ゴロゴロ、ゴロゴロ。
「はぁ、やっぱり、フカフカー。この絨毯、気持ちいいー。まだかな? まだかな?」

 それから、しばらくして、ご主人様がお帰り。
私は、思いっ切りの笑顔で、頭を下げたら、さっきみたいに、手をフリフリ、耳をピコピコ。シッポをブンブン。
「お帰りなさいませ。ご主人様!!」

 あれ? してる場合じゃないみたい。
ご主人様の顔、明らかに暗い。悲しいー。
「全く、やっぱり、行くべきじゃなかったな。あんなもの。オレは、相変わらず、父上から一番遠く離れた席に座らされて、オレしか王位継承者がいないことで、父上と母上がまた、大喧嘩。父上は、私しか産まなかったことを責めるし、母上は、では、妾妃でもお迎えになればって嫌味言って、父上は、母上のこと愛してるから、それは、出来ないって。吐き気がしたわ。それに、父上、なんで食べるの、あんなに速いんだ。お陰で、半分も食べれなかった」

 私は、不思議に思ったの。
「ご主人様。なぜ、半分しか、食べれなかったのです?」
「ああ、我が帝国では、皇帝が食べ終えたら、他の者は、食べることを止めなくては、ならない決まりがあるのだ」
「そうなんですね。それなら、ご主人様。お腹空いていませんか?」
「逆に、食欲なくなってしまったよ。あんなベタベタして」

 私は、ご主人様が可哀想で泣いてしまったの。
「エーン! ご主人様!! 可哀想そう!!」
ご主人様は、項垂れてたけど、私が泣いたことに慌てて、私の頭を、ヨシヨシって撫でてくれたの。
「お前が泣くことじゃないじゃないか。大丈夫だから」

 そう言うと、私の肩をポンポンって叩いたの。
「トエイッ!!」
 私は、ご主人様の肩に置かれた手を振り払って、思わず、また、魔法で吹っ飛ばしちゃった。

「イタタッ!!もう、いい加減。吹っ飛ばすの止めてくれよ。もう!!」

 私、また、泣いちゃった。
「エーン! チュピ、また、ご主人様のこと吹っ飛しちゃった。ごめんなさいなのだ。ウェーン!!」
「わ、わかったよ。オレが肩を叩いたからだな。ごめん。ごめん」
「それでは、ご主人様とチュピの仲直りの魔法をしまーす!」
「まぁ、最初から、ケンカしてないけどな」
「さぁ、ご主人様もご一緒にー!!」

 私は、ご主人様と向かい合って、手をハートにしながら、魔法の言葉を言ったのだ。

「ラブ、ラブ! キュピ、キュピ! チュン、チュン!! ワーイ!!」
最後に、手をいっぱい振ったの。

 そしたら、ご主人様も顔を真っ赤にして真似してくれたの。

「ラ、ラブ、ラブ! ……キュピ、キュピ!チュン、チュン!!ワ、ワーイ!!」

 ケモ耳ピコピコ。シッポをフリフリ。
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