ヴァンパイアよ死神から逃げよ

ナカムラ

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人間への憎しみが止まらないローズ

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 ジョセフ達は、人間の血を吸いに行くため、いつもの通りを歩いていた。オリバーは、ローズを庇うように歩いていた。

 ローズが呆れたように言った。
「オリバー、私、そんな、か弱い女性じゃないわ。そんなに守ってもらわなくても結構よ」
「でも……」
ノアが間に割って入って茶化した。
「オリバーに死神ハリソンから守ってもらわなければいけないのは、事実だろ。ローズは、口だけは、大きいことを言うな。ワッハッハ!!」
ノアは、大笑いした。
ローズは、酷く怒って、平手でノアの頭を叩いた。
「いててっ!! 痛いな! 何するんだよ」
「馬鹿にするからよ」

 そう言うと、ローズの足が止まった。
「あれ? 私の知り合いの人達だわ」
ジョセフ達が見ると、3、4人の人間が集まって、噂話をしていた。皆、中年の女性達だ。
 1人の女性が言った。
「知ってるー? ローズったら、ヴァンパイアになって、人々を襲っているんだって」
「そうなの? 恐ろしいわね」
「私達も気を付けないと!!」
最初に話した女性が更に続けた。
「だから、家が焼き討ちに遭って、旦那が殺されたって……」
「それは、仕方ないわね。ローズがヴァンパイアになって、人々を殺した罰よね」
「そうね。仕方ないわね。ウフフッ!!」

 ローズは、そこまで聞いていて、怒り狂った。
オリバーは、慌ててローズの気持ちを静めようとした。
「ローズ、あの……」

 ローズは、オリバーの言うことなど聞こえず、中年の女性達の輪の中へ走って行った。
「己れ、お前らが、そういう噂を流すから、うちの旦那が殺されたんだ。許さぬ。許さぬぞ!!」
 ローズは、1人の女性を捕まえて、牙で首元に血を吸おうとしていた。
捕まえられながらも、女性は、ローズに言った。
「仕方ないじゃない。あんたの旦那……」
女性は、言い終わらずに、その場に倒れた。
 残った女性達のこともローズは、1人ずつ襲っていった。
 すると、1人だけ恰幅のいい女性を捕り逃した。

 ローズは、まだ興奮状態だった。
ノアが言った。
「ヤバいぞ、ジョセフ。1人逃した。瞬く間に噂が広がって、人間達が暴れ出すぞ」
ジョセフは、言った。
「そうだな。この国を出ないとな。群衆は、侮れん」
アリスも言った。
「そうね」

その日のうちに、ジョセフ達は、隣国へ馬車で向かった。

 しばらくの間、死神ハリソンは、通りという通りに行き、ジョセフ達を探し回った。

「どこへ行きやがった。ローズども。探し出して倒してやる!!」
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