ヴァンパイアよ死神から逃げよ

ナカムラ

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馬車での会話

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 アリスは、息も絶え絶えのローズの髪の毛を優しく撫でてあげていた。
「大丈夫よ、ローズ。いずれ、傷は、癒えていくわ。偉いわね。オリバーのことを助けに行って」
オリバーは、謝った。
「すみません。私のせいです」
アリスは、慌てて言った。
「いいえ、あなたに対する嫌味では、ないわ」

 オリバーは、それでも謝り続けた。
「すみません。本当に私のせいなんです。私は、寝床から出た後、ローズが付いてきたんです。私は、始めは、散々、私のことをけなしていたローズを突き離したんです。それでも、お構い無しにローズは、私に付いてきてくれたんです。歩いていると、死神ネイサンに出くわしてしまって、私も、必死で呪術で吹き飛ばしたりして、ローズも、短剣で死神ネイサンに向かったんですけど、かわされて。私も、必死でした。自分を守るというよりも、ローズが消滅させられてしまうのでは、ないかと心配で……」

 アリスは、笑顔で言った。
「それって、ローズのこと……」
オリバーは、耳まで顔を真っ赤にして言った。
「いいえ、そんな気持ちでは。ただ、ローズが付いて来てくれたことは、嬉しかったし、心強かったです。情けないですね。私……」
「いいえ、そんなことは、ないわ。でも、ローズには、謝った方がいいわね。こんなに傷ついて可哀想に」
アリスは、また、ローズの髪の毛を優しく撫でた。
「今度は、ローズに何かあったら、あなたが助ける番ね」

 オリバーは、申し訳なさそうに言った。
「でも、私は、もう皆さんの仲間には……」
ジョセフが割って入って、笑って言った。
「馬車でお前達を連れ出している時点で、私達は、お前を、許しているということだ。ただ、反省は、してもらいたい」
「すみません」
「オリバー、お前には、呪術がある。充分、私達の力になるよ」
「はい、でも、ローズが傷ついてしまったのは、私のせいなんです。私が、死神ネイサンに首を狩られようとしたところを、私の前にローズが立ってくれて、盾になってくれたんです。私は、消滅することからは、救われましたが、代わりにローズに深い傷を負わせてしまった」

 アリスは、嬉しそうに言った。
「ローズが目覚めたわ。良かった。傷も、だいぶ治ってきてる」
ローズは、アリスに聞いた。
「私は、一体……」
ローズは、肩をカマで襲われた記憶を失っているようだった。

 アリスは、優しく言った。
「ローズ、今は、とにかく、ゆっくり休んで」
横で、オリバーが何回もローズに謝った。
「ごめんよ、ローズ。ごめんよ、ローズ」
その様子を見ていたノアが茶化した。
「オリバーとローズ。お前達、付き合ってしまえ」
ジョセフがノアを嗜めた。
「うるさいぞ!ノア」

 ノアは、知らなかった。
次に行く国で、運命的な出会いをすることを……。
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