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ただいま.
②
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父「死んだ娘が、3億円で売れた――!!」
と家族に喜ばれて、とても複雑な心境だった。
その気持ちを汲んでか、美羽さまが、さらに、1億円を追加していただけた。
(そういうことじゃないんだよ……)
美羽さまの お優しい ご尊顔。
なのに、家族は どうだろうか?―――。
舞い上がる両親に、札束に頬釣りをする姉とか、小躍りする弟には、マジ泣けた。
(ここは、時代劇の越後屋か…?)
とりあえず、思い描いていた『再会』を形にするために、私は母親に抱き着いた。
あぁ……。この温もり、この匂い。
たったの1年間だけれども。
本当に、懐かしいわ!
「おかーさま! どうか無理をなさらず、お身体をご自愛して、(余生を)お過ごしくださいませ!」など言ったのが悪かったのか、ゲーム内でのキャラクターの口調が そのまま 出てしまっていた。
母「はぁ? あんた、なに言ってんの」
父「おい、あゆみ。 頭でも打ったのか?」
――と、妙な心配をかけてしまった。
そして、智也にはビデオレターを送ることにした。
智也というのは、こちらの世界で 初めてできた 恋人のことです。
いまでも、海へ潜って、私の身体を探してくれている。
私想いな、とてもカッコイイ 彼氏なのでした。
……。
今は、ちょっと推し活に忙しいから。
また、後で動画を撮ろう。
**
「逃げたら 1つ。進めば 2つ」
私は 人差し指を テレビ画面に向けて 決めポーズの研究をしている。
――ぐふふ。
私、明坂あゆみは、とても快適な 日々を過ごしている。
「月影の死神‐晩鐘パラノイア‐」というゲーム内に転生してしまった私は、毎日がデスゲームだった(実際には 始まる前 だったけど)。
知力を尽くし、死亡フラグを回避しようとしたら、破滅フラグが立ってしまい…、
(まさに、進めば 2つ !?)
それから、色々とあって、その恐怖からやっと解放されたのだ。
はじめは、中学卒業という学歴で 生きていかなければならない 絶望的な状況だった。この頃は、まだ『行方不明者』扱いをしてもらっているとばかり思っていたのだけれども、帰ってきてみれば『死亡届』が受理されていた。
世間では『遺体無き殺人』として、大きな ニュース となっていたそうだ。
(まさか。ゲーム内で過ごした1年間が、こちらでも 同じように時間が進んでいるだなんて……)
――そう。
私は中卒という レッテル どころか、真っ白な戸籍となってしまっていたのだ!
(こんな事なら、農業スキルを 取得しておくんだったわ…)
こちらの世界でも『転生特典』を つけて欲しいくらいだ。
代わりに『ホームレス』という言葉が、重く肩にのしかかってくる。
☆
それが どういう事でしょう? いまでは、毎日が『推し活』です。
(お給料のほとんどを、推しキャラに あててます!)
ぐふふ。
たかだか 16歳の小娘、と思うなかれ。
お給料はなんと、20万円も頂いているのだ!(月給《くも》ですが、なにか?)
そうなのだ。(無職の?)私に、お仕事を紹介してくれたのが 命の恩人でもある美羽さまでした。(ありがたや²)
その内容とは――――
――
………今のところ、ブサカワ猫の世話だけです。
そして、私が生活している場所はというと。東京タワーの『7不思議』に入っている、誰も入れないといわれている『秘密の部屋』でした。
セキュリティ対策は万全らしいけど……。
(一般使用のエレベーターでは、この階に止まれない設定だとおっしゃっていた)
なんだか、幽霊とか出てきそうな部屋だ。
ゲーム内で夫だった、卵頭 公崇が出てきそうで怖い。
――あの体験は、今でも トラウマに なっている。
そうだ!
ビデオレターに、ブサカワ猫のナトリも 一緒に はいってもらおう。
(ひとりじゃ、ちょっと恥ずかしいから)
そんなことを考えながら、恐怖を隅っこに追いやっていく。
ついでに、ナトリを抱きしめれば、もう怖くない。
「私は トラウマに 立ち向かうのだ!」
☆
「月影の死神‐晩鐘パラノイア‐ex」という ゲームを起動した。
追加要素で、新キャラが増えるだなんて フツーじゃないわ。
でも、オープニングアニメーションが 追加されているのは、ちょっと嬉しいわね。
モブキャラだけど、虹夜さんが車で撥ねられるシーンも描かれている。
でた! 公崇さんだ……。
ん? いま、目が合ったような気がしたのだけれども―――、
気のせいよね……。
私は、画面の向こう側から、
手を 伸ばしてくる 公崇さんに ――――、
思わず、手を伸ばしてしまう……。
――と、そのときだ。
ドンッ! ドンッ! ドンッ!
突然、大きな音が響いた。
まさか、この展開は――――。
◇おわり
と家族に喜ばれて、とても複雑な心境だった。
その気持ちを汲んでか、美羽さまが、さらに、1億円を追加していただけた。
(そういうことじゃないんだよ……)
美羽さまの お優しい ご尊顔。
なのに、家族は どうだろうか?―――。
舞い上がる両親に、札束に頬釣りをする姉とか、小躍りする弟には、マジ泣けた。
(ここは、時代劇の越後屋か…?)
とりあえず、思い描いていた『再会』を形にするために、私は母親に抱き着いた。
あぁ……。この温もり、この匂い。
たったの1年間だけれども。
本当に、懐かしいわ!
「おかーさま! どうか無理をなさらず、お身体をご自愛して、(余生を)お過ごしくださいませ!」など言ったのが悪かったのか、ゲーム内でのキャラクターの口調が そのまま 出てしまっていた。
母「はぁ? あんた、なに言ってんの」
父「おい、あゆみ。 頭でも打ったのか?」
――と、妙な心配をかけてしまった。
そして、智也にはビデオレターを送ることにした。
智也というのは、こちらの世界で 初めてできた 恋人のことです。
いまでも、海へ潜って、私の身体を探してくれている。
私想いな、とてもカッコイイ 彼氏なのでした。
……。
今は、ちょっと推し活に忙しいから。
また、後で動画を撮ろう。
**
「逃げたら 1つ。進めば 2つ」
私は 人差し指を テレビ画面に向けて 決めポーズの研究をしている。
――ぐふふ。
私、明坂あゆみは、とても快適な 日々を過ごしている。
「月影の死神‐晩鐘パラノイア‐」というゲーム内に転生してしまった私は、毎日がデスゲームだった(実際には 始まる前 だったけど)。
知力を尽くし、死亡フラグを回避しようとしたら、破滅フラグが立ってしまい…、
(まさに、進めば 2つ !?)
それから、色々とあって、その恐怖からやっと解放されたのだ。
はじめは、中学卒業という学歴で 生きていかなければならない 絶望的な状況だった。この頃は、まだ『行方不明者』扱いをしてもらっているとばかり思っていたのだけれども、帰ってきてみれば『死亡届』が受理されていた。
世間では『遺体無き殺人』として、大きな ニュース となっていたそうだ。
(まさか。ゲーム内で過ごした1年間が、こちらでも 同じように時間が進んでいるだなんて……)
――そう。
私は中卒という レッテル どころか、真っ白な戸籍となってしまっていたのだ!
(こんな事なら、農業スキルを 取得しておくんだったわ…)
こちらの世界でも『転生特典』を つけて欲しいくらいだ。
代わりに『ホームレス』という言葉が、重く肩にのしかかってくる。
☆
それが どういう事でしょう? いまでは、毎日が『推し活』です。
(お給料のほとんどを、推しキャラに あててます!)
ぐふふ。
たかだか 16歳の小娘、と思うなかれ。
お給料はなんと、20万円も頂いているのだ!(月給《くも》ですが、なにか?)
そうなのだ。(無職の?)私に、お仕事を紹介してくれたのが 命の恩人でもある美羽さまでした。(ありがたや²)
その内容とは――――
――
………今のところ、ブサカワ猫の世話だけです。
そして、私が生活している場所はというと。東京タワーの『7不思議』に入っている、誰も入れないといわれている『秘密の部屋』でした。
セキュリティ対策は万全らしいけど……。
(一般使用のエレベーターでは、この階に止まれない設定だとおっしゃっていた)
なんだか、幽霊とか出てきそうな部屋だ。
ゲーム内で夫だった、卵頭 公崇が出てきそうで怖い。
――あの体験は、今でも トラウマに なっている。
そうだ!
ビデオレターに、ブサカワ猫のナトリも 一緒に はいってもらおう。
(ひとりじゃ、ちょっと恥ずかしいから)
そんなことを考えながら、恐怖を隅っこに追いやっていく。
ついでに、ナトリを抱きしめれば、もう怖くない。
「私は トラウマに 立ち向かうのだ!」
☆
「月影の死神‐晩鐘パラノイア‐ex」という ゲームを起動した。
追加要素で、新キャラが増えるだなんて フツーじゃないわ。
でも、オープニングアニメーションが 追加されているのは、ちょっと嬉しいわね。
モブキャラだけど、虹夜さんが車で撥ねられるシーンも描かれている。
でた! 公崇さんだ……。
ん? いま、目が合ったような気がしたのだけれども―――、
気のせいよね……。
私は、画面の向こう側から、
手を 伸ばしてくる 公崇さんに ――――、
思わず、手を伸ばしてしまう……。
――と、そのときだ。
ドンッ! ドンッ! ドンッ!
突然、大きな音が響いた。
まさか、この展開は――――。
◇おわり
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