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CASE 3 町へ行こう!
【ウィル・外傷】
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5
麦藁色の髪にステンドグラスのような輝きを帯びた花の飾りが映えている。リリーは石畳を軽快に歩く。ムーンに何度も礼を伝えた。
「私は店主に声をかけただけだ。代金を支払ったわけではない」
「それでも、です!」
薬草相談所のことだけを考えて無駄遣いをしないようにしていたリリーは、着飾ることを避けてきた。年頃の娘らしく町の洗練された女たちに憧れもあった。本当は綺麗なもの可愛いものに興味はそれなりにある。町を訪れるときは、いつも気分が高揚していた。決して森の暮らしに不満があるわけではない。患者と接することは幸せでもある。それとこれとは別問題だった。
髪飾りを目にしたとき、素敵だと思った。咄嗟に値段を想像し、財布の中にある小銭で足りるかな――とまで考えてしまった。すぐにいけないいけないと首を振る。薬草を採りに出かけたり、調合をしたりと慌ただしい森暮らしにの身ではつけられない。頭では分かっているのに目が離せなかった。「わたしには贅沢なもの」と諦めようとしたとき――。
「店主。これを一つ欲しい」
意外なところから声が上がった。まるで自分の心を代弁したような言葉に混乱する。口に出してた?
ムーンは淡々とした態度で店主と会話をする。動揺としているうちに手の中には髪飾りがあった。
世間的には大したものではないのかもしれない。店主は賑やかしに置いただけというような反応だった。それでも、リリーにとっては飛び上がるほど嬉しかったのだ。髪飾りを見つめると、心が弾んで胸の中に温かいものが広がる。居ても立っても居られなくて、石畳を軽やかに跳ねるように歩いた。
6
太陽がだいぶ西に傾き、陽射しが弱まっている。夕暮れには家に帰らないと、すぐに視界が見えなくなるほどの夜がやって来る。人通りは少なくなっていた。
「次で最後になります」
リリーは民家の間を通る細道をやや急ぎ足で進む。大通りから離れていく。石畳は地面になり、民家は色褪せたものになっていく。
「なるほど」とムーンは口を出さずに頷いた。――下層民住居区だ。粗末な服を着てどこか正気のない目をした者を見かける。何らかの理由で職を手に入れられなかった者の集まり。ムーンの知識にあるということは、昔も今も似たような場所があったということだ。
棒切れをついた老人が覚束ない足取りで道の先に現れた。摺り足で今にも小石や地面の凹凸で躓いてしまいそうだ。
老人が視界に入ったところでリリーは駆け寄る。老人の斜め後ろ側から背中を支え、片手を握り、歩行を介助する。老人は頼りなげな様子で「ありがとう。ありがとう」と何度もお礼を言った。
さらに道を進むと開けた場所に出た。道の反対側には一際目立つ建物。石積の三階建て。屋根は丸いオレンジ色。
「ここです」
リリーは後ろを振り返り、ムーンに告げた。
「施療院です。無償で恵まれない方を治療する公共施設です。ムーンさんの時代にもあったでしょうか?」
「ああ。しかし、ここは――」
リリーは憂いを含んだ視線を送る。
「国が他国を真似て作ったものですが、充分な設備はありません……」
静かな口調でそう説明してからムーンが持っている木箱を三段受け取った。
「ここの皆さんに薬草壺を渡すと力尽くで奪われる恐れがありますから、施療院に預けるようにしてるんです。中の人と話してきますから、ムーンさんはここで待っていてくれませんか?」
「ああ」
リリーは早足で道を横切っていった。表の入口ではなく、脇道から奥へと進む。時間にして十分足らずで終わったらしい。リリーは手ぶらで建物から出てきた。
ムーンの元へ戻ろうとし――横道から出てきた小柄な人影と衝突した。
「あっ」
その場に膝をつくリリー。その拍子にパキンと軽い音がする。
ぶつかったのは十歳に満たないくらいの少年だった。したり顔でリリーを目の端で黙視してから前へ走り去ろうとした。が、眼前に鉄の板が現れ、行くてを阻まれる。見上げると、重々しい甲冑が目の前に立ちはだかっている。
「スリか」
「わっ?! なんだコレ……!」
正面衝突こそしなかったものの、バランスを崩した少年は倒れた。少年が奇妙な動きをした瞬間に地を蹴って二人に迫ったムーンがそこにいた。
「リリー」
その場から動かずにリリーに声をかける。
リリーは土のついた膝をはたき、身体を起こす。地面にはガラスの破片が飛び散った髪飾り。眉を八の字にして数秒それを見つめてから立ち上がる。
ぶつかってきたのは擦り切れて汚れた服装からこの地区の子どもだ。地面に伏してくの字になっている。
「うぐ……い、痛ぁ……」
喉の奥で絞ったような声にリリーが駆け寄る。少年のズボンの膝の部分が破けて赤く染まっている。辺りには尖った石が散らばっていて、そのどれかが少年を抉ったに違いなかった。
「ムーンさん、壺の残りは?」
ムーンは木箱をリリーに見えるように突き出した。
「この一箱にあるもの以外は空だ」
リリーは中身のある壺を確認し、その中の一つを見て安堵の表情を浮かべる。
「ヤロウの軟膏がある」
二壺と布を取り出し、少年に向かって屈んだ。
「ごめんね。綺麗にするね」
片方の壺の中身は芳香蒸留水。膝にかけて血と汚れを流し、布で傷口を押さえる。次にもう一つの壺を開けると、中にクリーム状の個体。ヤロウの軟膏。蜜蝋と植物油に薬草の成分を混ぜたものだ。ヤロウはノコギリ状の尖った葉を持つ植物。まとまりのある小さな花を咲かす。止血や消毒の効果がある薬草だ。
リリーは軟膏を塗ってから上から布を置き、他に布の余りがないことに気がついた。少し考えてから首元のスカーフを取り、足を布ごと縛る。
「これで大丈夫だよ。あまり動かさないようにしてね。一日経って傷口が塞がったら取ってね」
リリーに浮かぶのは慈愛に満ちた症状。
少年は少し戸惑っているようだった。手当てされた膝とリリーの交互に視線を送り、俯いて小さな声で言った。
「……ごめんなさい」
手のひらをリリーに見せる。そこには薬草壺の丸い蓋。
「エプロンのポケットに……」
患者の家を周っている中で無意識に入れたものかもしれなかった。エプロンにはリボン以外は何も入っていない。財布はエプロンの下にある着脱式のポケットにしっかりと収まっている。
「ありがとう。もうすぐ暗くなるから、早くおうちに帰ってね」
リリーは穏やかに対応し、蓋を受け取ってポケットにしまう。少年は意気消沈した様子でとぼとぼと路地に消えていった。
壊れた髪飾りが地面に散らばっている。リリーはしゃがんでワイヤーな部分など大きな欠片を広い、ゆっくり壺に入れていく。ムーンからは背中しか見えない。カシャンカシャンと乾いた音がした。
「ムーンさん、わたしはここの生まれなんです……。往診中の父に赤ちゃんのときに拾われて、それから相談所で育ちました。実の親のことは何一つ知りません。こんな環境ですから、事情があったんだと思います」
まだ細かい欠片が残っている。エプロンの裾で手を包み、光を帯びる粒子を集めていく。
「父や周りの人に恵まれていたんです。不幸だなんて思ったことはありません。わたしは運がよかった。お世話になった人たちの力になりたい、同じような環境で生まれた人たちを助けたい、そう思って相談所を続けてます。父には『自分の我儘に付き合わなくていい』なんて言われましたけどね」
壺の中に集めた欠片が土ごとサラサラと入る。リリーの吐露は話しかけているようでいて、自らにも言い聞かせているよう。語尾には冗談のような明るい響き。
「だから、立ち止まってはいられないんです」
後ろを振り返ったときは、いつもと変わらない笑顔だった。
ムーンは視界には頼らない。空気や温度を読むことが自然と身についている。
「リリー、少し待て」
「はい?」
肩から薬草かごを下ろし、ムーンの手が中に入れる。野草がすべてなくなり、芸を見せた子どもたちからの謝礼品だけが残っている。その中の一つを親指と人差し指を使って潰さないようにそっと掴む。人間と違って皮と金属に包まれた手は不器用だ。取り出したものをリリーが髪飾りをつけていた場所へ力を入れないように乗せる。――円形に開いた小さな黄色の花。細い花びらの集まり。あらゆる場所で見られるその花。子どもの一人がムーンに送ったもの。柔らかい髪に咲いた花はどの花よりも可憐だった。
リリーの瞳が潤み、水の膜が覆う。眉尻が下がり、唇がわななく。一度しゃくり上げた後に震える声で、「ありがとう……」と小さな言葉が溢れた。
次回→リリーとムーンの休憩時間①
※ヤロウ→英雄アキレスの花
麦藁色の髪にステンドグラスのような輝きを帯びた花の飾りが映えている。リリーは石畳を軽快に歩く。ムーンに何度も礼を伝えた。
「私は店主に声をかけただけだ。代金を支払ったわけではない」
「それでも、です!」
薬草相談所のことだけを考えて無駄遣いをしないようにしていたリリーは、着飾ることを避けてきた。年頃の娘らしく町の洗練された女たちに憧れもあった。本当は綺麗なもの可愛いものに興味はそれなりにある。町を訪れるときは、いつも気分が高揚していた。決して森の暮らしに不満があるわけではない。患者と接することは幸せでもある。それとこれとは別問題だった。
髪飾りを目にしたとき、素敵だと思った。咄嗟に値段を想像し、財布の中にある小銭で足りるかな――とまで考えてしまった。すぐにいけないいけないと首を振る。薬草を採りに出かけたり、調合をしたりと慌ただしい森暮らしにの身ではつけられない。頭では分かっているのに目が離せなかった。「わたしには贅沢なもの」と諦めようとしたとき――。
「店主。これを一つ欲しい」
意外なところから声が上がった。まるで自分の心を代弁したような言葉に混乱する。口に出してた?
ムーンは淡々とした態度で店主と会話をする。動揺としているうちに手の中には髪飾りがあった。
世間的には大したものではないのかもしれない。店主は賑やかしに置いただけというような反応だった。それでも、リリーにとっては飛び上がるほど嬉しかったのだ。髪飾りを見つめると、心が弾んで胸の中に温かいものが広がる。居ても立っても居られなくて、石畳を軽やかに跳ねるように歩いた。
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太陽がだいぶ西に傾き、陽射しが弱まっている。夕暮れには家に帰らないと、すぐに視界が見えなくなるほどの夜がやって来る。人通りは少なくなっていた。
「次で最後になります」
リリーは民家の間を通る細道をやや急ぎ足で進む。大通りから離れていく。石畳は地面になり、民家は色褪せたものになっていく。
「なるほど」とムーンは口を出さずに頷いた。――下層民住居区だ。粗末な服を着てどこか正気のない目をした者を見かける。何らかの理由で職を手に入れられなかった者の集まり。ムーンの知識にあるということは、昔も今も似たような場所があったということだ。
棒切れをついた老人が覚束ない足取りで道の先に現れた。摺り足で今にも小石や地面の凹凸で躓いてしまいそうだ。
老人が視界に入ったところでリリーは駆け寄る。老人の斜め後ろ側から背中を支え、片手を握り、歩行を介助する。老人は頼りなげな様子で「ありがとう。ありがとう」と何度もお礼を言った。
さらに道を進むと開けた場所に出た。道の反対側には一際目立つ建物。石積の三階建て。屋根は丸いオレンジ色。
「ここです」
リリーは後ろを振り返り、ムーンに告げた。
「施療院です。無償で恵まれない方を治療する公共施設です。ムーンさんの時代にもあったでしょうか?」
「ああ。しかし、ここは――」
リリーは憂いを含んだ視線を送る。
「国が他国を真似て作ったものですが、充分な設備はありません……」
静かな口調でそう説明してからムーンが持っている木箱を三段受け取った。
「ここの皆さんに薬草壺を渡すと力尽くで奪われる恐れがありますから、施療院に預けるようにしてるんです。中の人と話してきますから、ムーンさんはここで待っていてくれませんか?」
「ああ」
リリーは早足で道を横切っていった。表の入口ではなく、脇道から奥へと進む。時間にして十分足らずで終わったらしい。リリーは手ぶらで建物から出てきた。
ムーンの元へ戻ろうとし――横道から出てきた小柄な人影と衝突した。
「あっ」
その場に膝をつくリリー。その拍子にパキンと軽い音がする。
ぶつかったのは十歳に満たないくらいの少年だった。したり顔でリリーを目の端で黙視してから前へ走り去ろうとした。が、眼前に鉄の板が現れ、行くてを阻まれる。見上げると、重々しい甲冑が目の前に立ちはだかっている。
「スリか」
「わっ?! なんだコレ……!」
正面衝突こそしなかったものの、バランスを崩した少年は倒れた。少年が奇妙な動きをした瞬間に地を蹴って二人に迫ったムーンがそこにいた。
「リリー」
その場から動かずにリリーに声をかける。
リリーは土のついた膝をはたき、身体を起こす。地面にはガラスの破片が飛び散った髪飾り。眉を八の字にして数秒それを見つめてから立ち上がる。
ぶつかってきたのは擦り切れて汚れた服装からこの地区の子どもだ。地面に伏してくの字になっている。
「うぐ……い、痛ぁ……」
喉の奥で絞ったような声にリリーが駆け寄る。少年のズボンの膝の部分が破けて赤く染まっている。辺りには尖った石が散らばっていて、そのどれかが少年を抉ったに違いなかった。
「ムーンさん、壺の残りは?」
ムーンは木箱をリリーに見えるように突き出した。
「この一箱にあるもの以外は空だ」
リリーは中身のある壺を確認し、その中の一つを見て安堵の表情を浮かべる。
「ヤロウの軟膏がある」
二壺と布を取り出し、少年に向かって屈んだ。
「ごめんね。綺麗にするね」
片方の壺の中身は芳香蒸留水。膝にかけて血と汚れを流し、布で傷口を押さえる。次にもう一つの壺を開けると、中にクリーム状の個体。ヤロウの軟膏。蜜蝋と植物油に薬草の成分を混ぜたものだ。ヤロウはノコギリ状の尖った葉を持つ植物。まとまりのある小さな花を咲かす。止血や消毒の効果がある薬草だ。
リリーは軟膏を塗ってから上から布を置き、他に布の余りがないことに気がついた。少し考えてから首元のスカーフを取り、足を布ごと縛る。
「これで大丈夫だよ。あまり動かさないようにしてね。一日経って傷口が塞がったら取ってね」
リリーに浮かぶのは慈愛に満ちた症状。
少年は少し戸惑っているようだった。手当てされた膝とリリーの交互に視線を送り、俯いて小さな声で言った。
「……ごめんなさい」
手のひらをリリーに見せる。そこには薬草壺の丸い蓋。
「エプロンのポケットに……」
患者の家を周っている中で無意識に入れたものかもしれなかった。エプロンにはリボン以外は何も入っていない。財布はエプロンの下にある着脱式のポケットにしっかりと収まっている。
「ありがとう。もうすぐ暗くなるから、早くおうちに帰ってね」
リリーは穏やかに対応し、蓋を受け取ってポケットにしまう。少年は意気消沈した様子でとぼとぼと路地に消えていった。
壊れた髪飾りが地面に散らばっている。リリーはしゃがんでワイヤーな部分など大きな欠片を広い、ゆっくり壺に入れていく。ムーンからは背中しか見えない。カシャンカシャンと乾いた音がした。
「ムーンさん、わたしはここの生まれなんです……。往診中の父に赤ちゃんのときに拾われて、それから相談所で育ちました。実の親のことは何一つ知りません。こんな環境ですから、事情があったんだと思います」
まだ細かい欠片が残っている。エプロンの裾で手を包み、光を帯びる粒子を集めていく。
「父や周りの人に恵まれていたんです。不幸だなんて思ったことはありません。わたしは運がよかった。お世話になった人たちの力になりたい、同じような環境で生まれた人たちを助けたい、そう思って相談所を続けてます。父には『自分の我儘に付き合わなくていい』なんて言われましたけどね」
壺の中に集めた欠片が土ごとサラサラと入る。リリーの吐露は話しかけているようでいて、自らにも言い聞かせているよう。語尾には冗談のような明るい響き。
「だから、立ち止まってはいられないんです」
後ろを振り返ったときは、いつもと変わらない笑顔だった。
ムーンは視界には頼らない。空気や温度を読むことが自然と身についている。
「リリー、少し待て」
「はい?」
肩から薬草かごを下ろし、ムーンの手が中に入れる。野草がすべてなくなり、芸を見せた子どもたちからの謝礼品だけが残っている。その中の一つを親指と人差し指を使って潰さないようにそっと掴む。人間と違って皮と金属に包まれた手は不器用だ。取り出したものをリリーが髪飾りをつけていた場所へ力を入れないように乗せる。――円形に開いた小さな黄色の花。細い花びらの集まり。あらゆる場所で見られるその花。子どもの一人がムーンに送ったもの。柔らかい髪に咲いた花はどの花よりも可憐だった。
リリーの瞳が潤み、水の膜が覆う。眉尻が下がり、唇がわななく。一度しゃくり上げた後に震える声で、「ありがとう……」と小さな言葉が溢れた。
次回→リリーとムーンの休憩時間①
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