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[22]聖剣&魔剣
-241-:完成!合体魔神!コントラスト!!
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コールブランド…その名は、かの有名な聖剣エクスカリバーの別称。
グラム…北欧神話に登場する、折れた魔剣。
聖と魔、光と闇。相反する二つが一つになって、今、現れる!
「融合合体と言うけれど…」
鈴木・くれははしみじみ思う。
兵士ゆえに、今は使えない融合合体のカードを見つめて。
このグルグルと渦を巻いているカードもそうだけれど。
コールブランドとグラムの形状を見る限り。
元から、あの2騎は合体する前提のデザインじゃないのかな…そこはかとなく感じていた。
合体シークエンスを眺めていると。
コールブランドの左右それぞれ3本ある脚の根本は、折り畳まれると腕に装着されたソードストッパーだし、頭部を60°下げて。
片やグラムは、股関節から後脚を前へ180回転。鎌を畳んだ腕は太腿を守る前面装甲へと変わり、頭部は120°跳ね上がって、絶対にコールブランドの頭部とくっ付くよね、アレ。
(しかも、中のオトギちゃん、現在真っ逆さま!)
予想した通り、2騎の頭(コクピット)同士底部をくっ付けて、接合。
折り畳んでいた腕を伸ばすと、中から手が飛び出して、どういった意図なのか?それぞれの手の薬指には指輪をはめている。
折り曲げていた膝を伸ばして、ようやく人型へ。
“ミルメート”を発射したバケツ状の物体は跳ね起きて、さらに前面部が開いて顔が現れるとバケツヘルメットを被った頭部となり。
一方、内部ではとんでもない事が起きていた。
座席が300°跳ね起きて水平となったグラムの座席(バイクシート)は、何と!コールブランドコクピットのヘッドレストを跨ぐ仕様に!
突然オトギの両太腿に挟まれる形となったタツローは困惑するばかり。
合体シークエンスの締めに、コールブランドの尻尾だった薙刀を手に、ブンブンと振り回した後。
胸元へと垂れる髪を、振り払うかのようにして手で跳ね除け。
その仕草は、まさに女性そのもの。
クレハが複雑な気持ちで眺める中。
締めは歌舞伎の演目のごとく、見栄を切る。
「完成!合体魔神!コントラスト!!」
ノリノリのオトギであった。
的を絞れたと、早速イヌ共が嬉々として合体した騎体に襲い掛かる。
ブゥンッ!薙刀の一閃。
敵はライオットシールドでこれを防ぐも、剣圧で飛ばされた挙句、長柄の中心を軸に振り回した石突部分で殴られ、瞬きする間に1騎が粉砕、破壊された。
すさまじいまでのパワーとスピード。
さらに。
イヌたちのマシンガンの直撃を受けてもビクともしない。
合体したことにより、装甲強度が大幅にUP。しかも、グラムの防御ビットが守ってくれるばかりか、コールブランドのオプション火器がカウンター射撃を行って、撃ってきたイヌに反撃を食らわせている。
オトギが名乗った通り、まさに魔神。
圧倒的な力を見せつける“魔神”ではあるが、中では、案の定すさまじいバトルが繰り広げらえていた。しかも白側回線が混線するほどに。
「どうして俺様がテメェの下になるんだよ!!」
「ふん!馬引きは黙ってご主人様を乗せている馬を引けば良い!それよりも、そこの女!何を私の美しい髪を邪魔みたいに払い除けているの!?汚い手で私の髪に触れるな!」
「美しい?私は邪魔だったから振り払っただけ。こんな手入れのなっていない髪、美しいと思わないし、私の好みでは無いわ」
売り言葉に買い言葉、さらに大安売りとばかりの売り言葉と買い言葉が飛び交っている。
それはそれで結構なのだが、せめて騎内回線でやり取りして欲しい。
通信画面を拾うも、オトギは何故かしら?未だに画像を遮断したまま。
仕方がないので、クレハはタツローと画像通信を行う事にした。が!
画面が開いた瞬間、クレハは思わず絶句。
何と!
タツローが、オトギの股間に顔を埋めている!?
「な、何やってるの!?タツローくん!!」
クレハの声に、オトギは股の間に覗くタツローの顔を発見!
オトギとタツローの視線同士が合った。
「わ、わっ!勘違いしないで。オトギさん!いきなりオトギさんの脚が頭の両方から出てきたから、ちょっと振り向いただけだよっ。本当だよ!」
慌てても、脚を閉じる事のできないオトギは、恥ずかしさのあまり、タツローの顔面を蹴ってしまった。
不意に足蹴にしてしまった瞬間、「ごめんなさい」謝るも、再び顔を向けられると、「こっちを見ないで!」また蹴ってしまう。
それにしてもナニ?このご褒美映像は…。
クレハは呆気にとられた。
それにしても、何て大胆な…。
タツローの画面に一瞬だけ映ったオトギは、パイロットスーツの前をはだけて胸の谷間を惜しげも無くさらけ出している。しかも年頃の男子の頭を跨いだ大胆な構図。
無敵の合体魔神コントラストではあったが、中の人は思わぬダメージを被っていた。
「と、ところで」
振り向けば蹴りが飛んでくる中、タツローは顔を正面に向けたままオトギに声を掛けた。「何?タツローくん」
「合体魔神は分かるけど、“コントラスト”って…」
意味は、確か“対照”だったはず。
「私のグラムはチェスのマスの黒マスしか動く事ができなくて、貴方のコールブランドは白マスしか動けない…。本来なら助け合うこともできない2つの駒がこうして一つになった。“本来交わることの無いもの同士がくっ付いたから“コントラスト”。咄嗟にそう名乗ってしまったの」
それは、超が付くほどのお嬢様のオトギが、一般人にすぎないタツローに惹かれている現状と重なった。
「タツローくん…」
何かを言おうとして、オトギは口をつぐんでしまった。
「強固になったは良いが、この数、どうするんだよ?」
グラムが心配する通り、敵が集中してきた。
「そ、そうです!」
黒玉教会では、今頃になって、ココミがライクに抗議を始めた。
「大体、反則ではありませんか?いくら能力だといえ、1騎の盤上戦騎が大勢の手下を引き連れているなんて」
しかし、ライクはココミの抗議など、歯牙にもかけない。
「ねぇ、ココミ。チェスというゲームはね、ゲームの他に、戦争において作戦を練る道具としての側面も合わせ持つんだよ」
それは将棋も然り。
相手が打つであろう手を読むという点において、ライクの言っている事は正しい。
「チェス盤の上では、駒は一人として見なされているけれど、大局を見る点においては、駒は一つの軍団と見なされる。分かるね?」
作戦会議に用いられる長方形の駒の事である。
ココミは戦ごとには疎いけれども、机上に描かれた地図の上に配置されている駒を見た事があった。「アレなのですか?」
ライクは頷いて見せた。
「オプション火器は私が引き受けるから、タツローくんはコントロールを」
告げて、コントロールを委譲された。
「ま、待って!オトギさんの方が薙刀の扱いに慣れているじゃないですか」
コントロールを譲り渡そうとするが、拒否されてしまった。「どうして!?」
「私は、大好きな貴方に守ってもらいたいの」
恥ずかしそうに声を上ずらせて告げられても、それはムチャ振りと言うものではありませんか?
グラム…北欧神話に登場する、折れた魔剣。
聖と魔、光と闇。相反する二つが一つになって、今、現れる!
「融合合体と言うけれど…」
鈴木・くれははしみじみ思う。
兵士ゆえに、今は使えない融合合体のカードを見つめて。
このグルグルと渦を巻いているカードもそうだけれど。
コールブランドとグラムの形状を見る限り。
元から、あの2騎は合体する前提のデザインじゃないのかな…そこはかとなく感じていた。
合体シークエンスを眺めていると。
コールブランドの左右それぞれ3本ある脚の根本は、折り畳まれると腕に装着されたソードストッパーだし、頭部を60°下げて。
片やグラムは、股関節から後脚を前へ180回転。鎌を畳んだ腕は太腿を守る前面装甲へと変わり、頭部は120°跳ね上がって、絶対にコールブランドの頭部とくっ付くよね、アレ。
(しかも、中のオトギちゃん、現在真っ逆さま!)
予想した通り、2騎の頭(コクピット)同士底部をくっ付けて、接合。
折り畳んでいた腕を伸ばすと、中から手が飛び出して、どういった意図なのか?それぞれの手の薬指には指輪をはめている。
折り曲げていた膝を伸ばして、ようやく人型へ。
“ミルメート”を発射したバケツ状の物体は跳ね起きて、さらに前面部が開いて顔が現れるとバケツヘルメットを被った頭部となり。
一方、内部ではとんでもない事が起きていた。
座席が300°跳ね起きて水平となったグラムの座席(バイクシート)は、何と!コールブランドコクピットのヘッドレストを跨ぐ仕様に!
突然オトギの両太腿に挟まれる形となったタツローは困惑するばかり。
合体シークエンスの締めに、コールブランドの尻尾だった薙刀を手に、ブンブンと振り回した後。
胸元へと垂れる髪を、振り払うかのようにして手で跳ね除け。
その仕草は、まさに女性そのもの。
クレハが複雑な気持ちで眺める中。
締めは歌舞伎の演目のごとく、見栄を切る。
「完成!合体魔神!コントラスト!!」
ノリノリのオトギであった。
的を絞れたと、早速イヌ共が嬉々として合体した騎体に襲い掛かる。
ブゥンッ!薙刀の一閃。
敵はライオットシールドでこれを防ぐも、剣圧で飛ばされた挙句、長柄の中心を軸に振り回した石突部分で殴られ、瞬きする間に1騎が粉砕、破壊された。
すさまじいまでのパワーとスピード。
さらに。
イヌたちのマシンガンの直撃を受けてもビクともしない。
合体したことにより、装甲強度が大幅にUP。しかも、グラムの防御ビットが守ってくれるばかりか、コールブランドのオプション火器がカウンター射撃を行って、撃ってきたイヌに反撃を食らわせている。
オトギが名乗った通り、まさに魔神。
圧倒的な力を見せつける“魔神”ではあるが、中では、案の定すさまじいバトルが繰り広げらえていた。しかも白側回線が混線するほどに。
「どうして俺様がテメェの下になるんだよ!!」
「ふん!馬引きは黙ってご主人様を乗せている馬を引けば良い!それよりも、そこの女!何を私の美しい髪を邪魔みたいに払い除けているの!?汚い手で私の髪に触れるな!」
「美しい?私は邪魔だったから振り払っただけ。こんな手入れのなっていない髪、美しいと思わないし、私の好みでは無いわ」
売り言葉に買い言葉、さらに大安売りとばかりの売り言葉と買い言葉が飛び交っている。
それはそれで結構なのだが、せめて騎内回線でやり取りして欲しい。
通信画面を拾うも、オトギは何故かしら?未だに画像を遮断したまま。
仕方がないので、クレハはタツローと画像通信を行う事にした。が!
画面が開いた瞬間、クレハは思わず絶句。
何と!
タツローが、オトギの股間に顔を埋めている!?
「な、何やってるの!?タツローくん!!」
クレハの声に、オトギは股の間に覗くタツローの顔を発見!
オトギとタツローの視線同士が合った。
「わ、わっ!勘違いしないで。オトギさん!いきなりオトギさんの脚が頭の両方から出てきたから、ちょっと振り向いただけだよっ。本当だよ!」
慌てても、脚を閉じる事のできないオトギは、恥ずかしさのあまり、タツローの顔面を蹴ってしまった。
不意に足蹴にしてしまった瞬間、「ごめんなさい」謝るも、再び顔を向けられると、「こっちを見ないで!」また蹴ってしまう。
それにしてもナニ?このご褒美映像は…。
クレハは呆気にとられた。
それにしても、何て大胆な…。
タツローの画面に一瞬だけ映ったオトギは、パイロットスーツの前をはだけて胸の谷間を惜しげも無くさらけ出している。しかも年頃の男子の頭を跨いだ大胆な構図。
無敵の合体魔神コントラストではあったが、中の人は思わぬダメージを被っていた。
「と、ところで」
振り向けば蹴りが飛んでくる中、タツローは顔を正面に向けたままオトギに声を掛けた。「何?タツローくん」
「合体魔神は分かるけど、“コントラスト”って…」
意味は、確か“対照”だったはず。
「私のグラムはチェスのマスの黒マスしか動く事ができなくて、貴方のコールブランドは白マスしか動けない…。本来なら助け合うこともできない2つの駒がこうして一つになった。“本来交わることの無いもの同士がくっ付いたから“コントラスト”。咄嗟にそう名乗ってしまったの」
それは、超が付くほどのお嬢様のオトギが、一般人にすぎないタツローに惹かれている現状と重なった。
「タツローくん…」
何かを言おうとして、オトギは口をつぐんでしまった。
「強固になったは良いが、この数、どうするんだよ?」
グラムが心配する通り、敵が集中してきた。
「そ、そうです!」
黒玉教会では、今頃になって、ココミがライクに抗議を始めた。
「大体、反則ではありませんか?いくら能力だといえ、1騎の盤上戦騎が大勢の手下を引き連れているなんて」
しかし、ライクはココミの抗議など、歯牙にもかけない。
「ねぇ、ココミ。チェスというゲームはね、ゲームの他に、戦争において作戦を練る道具としての側面も合わせ持つんだよ」
それは将棋も然り。
相手が打つであろう手を読むという点において、ライクの言っている事は正しい。
「チェス盤の上では、駒は一人として見なされているけれど、大局を見る点においては、駒は一つの軍団と見なされる。分かるね?」
作戦会議に用いられる長方形の駒の事である。
ココミは戦ごとには疎いけれども、机上に描かれた地図の上に配置されている駒を見た事があった。「アレなのですか?」
ライクは頷いて見せた。
「オプション火器は私が引き受けるから、タツローくんはコントロールを」
告げて、コントロールを委譲された。
「ま、待って!オトギさんの方が薙刀の扱いに慣れているじゃないですか」
コントロールを譲り渡そうとするが、拒否されてしまった。「どうして!?」
「私は、大好きな貴方に守ってもらいたいの」
恥ずかしそうに声を上ずらせて告げられても、それはムチャ振りと言うものではありませんか?
応援ありがとうございます!
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