248 / 296
竜の御子達
川辺の歌
しおりを挟む
リマニは二つの港を持つと言われる。
川側の船着場と海側の船着場の事だ。
しかし、規模で言えば川の側の船着場は海側に遥かに劣る。
だが一方で、その活発性から言えば、川は海を遥かに凌ぐ交通の要所であった。
大陸中央部、不戦の国エルデの王都に源流を持つその川は、昔からその水量と、またぐ国の多さから、経済的交流の拠点となっていたのだ。
その、リマニの川側の船着場は、広い中洲に設けられている。
幾多の桟橋がひしめくその場所には、川岸から大きな橋が渡されていて、橋の前には門が掛けられ、検問があった。
検問で行われるのは主に逗留符の発行と廃棄だ。
つまりこの小さな国にちゃんと入ったこと、出たことを確認されるのだ。
この符の発行のための料金はこの場では徴収されないが、その費用は船賃に掛けられている。
「これって船着場にハトリが居なかったら俺たち中洲から動けなくなるってことだよね?」
ライカがふと思いついたように呟いた。
検問で、処罰として頑張って作った逗留符が簡単に廃棄されるのをなんとなく恨めしげに眺めながら、なんとなく思考がそこへ至ったのである。
「ん? なんでだ?」
サッズが不思議そうに聞く。
「だって、俺達穴貨一枚無い状態だよ?」
ちなみに穴貨とは銅貨の庶民的通称で、主に手元に無い時に使われる呼び名だ。
銅貨には大体の場合穴が空いていることからそう呼ばれる。
穴の無い物もあるのだが、通称としてその呼び名が通っているのだ。
ライカ達は海賊に捕まった時に持ち物は一度全て取り上げられたのだが、その後無事事件が終わってから、ライカにとって大事な、タルカスのくれた物と祖父のくれた物、二種類のナイフだけはなんとか戻って来た。
以前ライカが攫われた時にも無事に取り返せたので、宿った想いに依る所もおおいにあるのだろうとライカは思っている。
タルカスのナイフに関しては、相手に対する呪いのような効果もある可能性はあるのだが。
ただし、当然ともいえるが、金銭(主にサッズが持っていた)や金目の物(こちらもサッズが持っていた装飾品)は返って来なかったのだ。
多分、海賊たちの酒にでも化けたのだろう。
つまり、ライカとサッズは、今や何の誇張も無く、一銅貨たりともお金が無いのだ。
「なんで金が無いと動けなくなるんだ?」
「聞いただろ? 次に逗留符を発行してもらうには船で貰う割符が必要で、それには船に乗らなきゃいけない。つまり行くにも戻るにも船に乗らなきゃならないってことさ」
「自力で泳いで行ったり、空を飛べばいいだけだろ?」
「それやって怒られたんじゃないか。もう忘れたの?」
サッズはふむ、としばし考え。
「ああやって荷物を積んだ影に潜り込むとか」
「同じことだろ? そういうのは決まりを守らなきゃ色んな人が困るんだよ」
川をゆったりと遡る大型の細葉船にはそれこそ山と荷物が積まれている。
元々喫水のごく浅い船なので、重さで船縁と水面がほぼ同じぐらいにまで下がっていて、見ている側としては少し怖いぐらいだが、二人の船頭は気にする様子もなく船を進めていた。
「面倒だな」
理屈を飲み込んだのか否か、サッズはぽつりと零す。
「人間の世界は、それぞれ考えの違う人達が一緒に暮らすために決まりが必要なんだよ。みんなそれぞれ価値観なんて違うだろうし」
「一緒に暮らさなきゃいいだろ?」
「群れを作る習性なんだから仕方ないだろ?」
「面倒だ」
ライカの言い分に、サッズはまたも同じ言葉を口にしたのだった。
どこの検問所の前でも同じだが、検問待ちや逗留符の出来上がるのを待つための人々が思い思いに過ごす広場のような場所があり、そこでは物売りがここぞとばかりに食べ物飲み物を売り歩いている。
空腹の人間にはなかなかに誘惑が多い場所ではあった。
そしてそれは、金無しの二人には少々酷ですらある。
昨夜はヴェント達の廃材小屋に泊まらせて貰った二人だったが、流石に朝食まで誰かの分を奪う気にはならず、勧められるのを固辞して別れて来た。
逞しい彼らには元気を貰ったが、だからといって腹が膨れる訳でもない。
正直に言うと、ライカはかなり空腹だったし、サッズも元気が無さそうだった。
「お腹空いたね」
「普通は川が流れていれば大量のエールがあるはずなんだが、ここの川は少ないな」
サッズはどちらかというと人間の食物からよりも、そういう場所で生命の元を直接吸収するほうが効率良くエネルギーを補給出来るのだが、そこに滔々と流れる大川の水は、赤茶に濁っていて命の元たるエールの含有量が少ない。
おかげでサッズは、実はライカ以上に飢えていると言っていい状態だった。
その気になれば何年も飲まず食わずで眠り続けることも出来る竜族ではあるが、サッズはまだ雛なので成長のためのエネルギーを大量に必要とするのだ。
「大丈夫? どうしようもない場合は狩りをしようか? 狩りをして食事をしてからまた戻って来れば決まりを破ったことにはならないだろうし」
ライカが気遣うが、サッズはふんとばかりに鼻息で一蹴する。
「そんな心配よりあの歌唄いを探す方が先じゃないのか?」
「うわ、サッズがまともなことを言ったよ。何か異常事態が起こらなければいいなあ」
「それはどんな心配だよ! 俺がまともだと変ってことか! ……ん? あっ! そういうことなんだな? ライカ、お前俺をどういう目で見てるんだ!」
サッズは考えた挙句、あまりな結論に至ってライカに文句を言った。
とは言え、ライカがそれで恐れ入る訳も遠慮する訳もない。
「日頃の行いだよ、サッズ。個々の持つ本質ってのはそう変わる物じゃないからね、日頃の行いの積み重ねで俺はサッズを判断しているだけさ」
「なんだそのセルヌイ譲りの理屈は? お前口調もあいつに似てきてるぞ、やめとけ! 碌なことは無いからな」
「サッズ、酷い」
親と本人を一緒くたに貶める発言に、ライカは文句を言う。
しかし、ジトッとした目で見やるライカにサッズは言い放った。
「事実だろ、モテナイ病が感染るぞ」
「モテナイ病って、それは流石にセルヌイが可哀想だろ」
言葉とは裏腹にクスクス笑い出すライカに、サッズもニヤリと笑ってみせる。
「日頃の行いだろ」
この世界の隙間に在る近くて遠い場所で、一頭の白い竜がその時くしゃみをしたとかしなかったとかは、きっと誰も知らない。
ハトリの居場所はすぐに知れた。
橋を渡った所にある広場(対岸の広場と機能的には同じような場所)で、詩を歌っていたのだ。
「闇の中の闇、夜より暗いその竜はその翼を広げ、眼下の矮小な海賊共を睥睨した。
『愚かなり、悪逆の徒。魔物を操り海を汚せしその汚物まみれの魂を消滅させるがよい!』
その時、空に走った白銀の光は海賊の船を魔物ごと吹き飛ばし、憐れ空を錐揉みながら飛びし船は、軽々とリマニの森に投げ出される。
かくして女神の御手は差し伸ばされ、幼き子らは母の胸へと帰郷したのだ」
歌い終わった彼の元へ、少なくない銅貨や驚くべき事に銀貨が投げ出される。
人々は歓声を上げ、女性の中には涙ぐむ者までいた。
「凄い、歌でお金を稼ぐのか。上手いはずだよね」
ライカは感心したように言い。
一方でサッズは胡散臭げにハトリを見た。
「あいつ、今何か変な歌を歌ってなかったか? 人間の歌は相変わらずよくわからないが、何か有り得なさそうな話が語られていた気がするぞ。竜が銀色の光を放ってなんで船が飛ぶんだ?」
そのハトリは、愛想良く微笑みながら足元に散らばった金を回収し、改めて優雅に腰を屈めて見せている。
それを合図とするかのように人々が散っていくのを見計らって、ライカとサッズは彼に近づいた。
「ハトリ!」
呼び掛けに振り向いたハトリは、それまでの柔らかな笑みを消すと、それに変えて、口元をくいっと上げたどこかふてぶてしい笑みを見せる。
「お、ライカ、それにえっとサッズだったかな? 来たんだ」
ぴくりとサッズの片眉が上がり、口元が吊り上がった。
「お前に名前を呼ぶ許しを出した覚えはないぞ」
空気が実際にひやりと冷たくなり、ライカは慌てて二人を取り成した。
「あ、悪い、その名前は家族専用なんだ。良かったらサックって呼んであげて?」
一瞬、ハトリは目を瞬かせると、ぷっと吹き出す。
「欠け茶碗ね。うん、それはなんというか刺激的な組み合わせだな」
「てめえが何言ってるかさっぱりわからねえよ」
威圧は止めたものの、サッズは不機嫌な口調で反応する。
(なんでいきなり空気が悪いの?)
二人の間でライカは一人頭を抱えるのであった。
川側の船着場と海側の船着場の事だ。
しかし、規模で言えば川の側の船着場は海側に遥かに劣る。
だが一方で、その活発性から言えば、川は海を遥かに凌ぐ交通の要所であった。
大陸中央部、不戦の国エルデの王都に源流を持つその川は、昔からその水量と、またぐ国の多さから、経済的交流の拠点となっていたのだ。
その、リマニの川側の船着場は、広い中洲に設けられている。
幾多の桟橋がひしめくその場所には、川岸から大きな橋が渡されていて、橋の前には門が掛けられ、検問があった。
検問で行われるのは主に逗留符の発行と廃棄だ。
つまりこの小さな国にちゃんと入ったこと、出たことを確認されるのだ。
この符の発行のための料金はこの場では徴収されないが、その費用は船賃に掛けられている。
「これって船着場にハトリが居なかったら俺たち中洲から動けなくなるってことだよね?」
ライカがふと思いついたように呟いた。
検問で、処罰として頑張って作った逗留符が簡単に廃棄されるのをなんとなく恨めしげに眺めながら、なんとなく思考がそこへ至ったのである。
「ん? なんでだ?」
サッズが不思議そうに聞く。
「だって、俺達穴貨一枚無い状態だよ?」
ちなみに穴貨とは銅貨の庶民的通称で、主に手元に無い時に使われる呼び名だ。
銅貨には大体の場合穴が空いていることからそう呼ばれる。
穴の無い物もあるのだが、通称としてその呼び名が通っているのだ。
ライカ達は海賊に捕まった時に持ち物は一度全て取り上げられたのだが、その後無事事件が終わってから、ライカにとって大事な、タルカスのくれた物と祖父のくれた物、二種類のナイフだけはなんとか戻って来た。
以前ライカが攫われた時にも無事に取り返せたので、宿った想いに依る所もおおいにあるのだろうとライカは思っている。
タルカスのナイフに関しては、相手に対する呪いのような効果もある可能性はあるのだが。
ただし、当然ともいえるが、金銭(主にサッズが持っていた)や金目の物(こちらもサッズが持っていた装飾品)は返って来なかったのだ。
多分、海賊たちの酒にでも化けたのだろう。
つまり、ライカとサッズは、今や何の誇張も無く、一銅貨たりともお金が無いのだ。
「なんで金が無いと動けなくなるんだ?」
「聞いただろ? 次に逗留符を発行してもらうには船で貰う割符が必要で、それには船に乗らなきゃいけない。つまり行くにも戻るにも船に乗らなきゃならないってことさ」
「自力で泳いで行ったり、空を飛べばいいだけだろ?」
「それやって怒られたんじゃないか。もう忘れたの?」
サッズはふむ、としばし考え。
「ああやって荷物を積んだ影に潜り込むとか」
「同じことだろ? そういうのは決まりを守らなきゃ色んな人が困るんだよ」
川をゆったりと遡る大型の細葉船にはそれこそ山と荷物が積まれている。
元々喫水のごく浅い船なので、重さで船縁と水面がほぼ同じぐらいにまで下がっていて、見ている側としては少し怖いぐらいだが、二人の船頭は気にする様子もなく船を進めていた。
「面倒だな」
理屈を飲み込んだのか否か、サッズはぽつりと零す。
「人間の世界は、それぞれ考えの違う人達が一緒に暮らすために決まりが必要なんだよ。みんなそれぞれ価値観なんて違うだろうし」
「一緒に暮らさなきゃいいだろ?」
「群れを作る習性なんだから仕方ないだろ?」
「面倒だ」
ライカの言い分に、サッズはまたも同じ言葉を口にしたのだった。
どこの検問所の前でも同じだが、検問待ちや逗留符の出来上がるのを待つための人々が思い思いに過ごす広場のような場所があり、そこでは物売りがここぞとばかりに食べ物飲み物を売り歩いている。
空腹の人間にはなかなかに誘惑が多い場所ではあった。
そしてそれは、金無しの二人には少々酷ですらある。
昨夜はヴェント達の廃材小屋に泊まらせて貰った二人だったが、流石に朝食まで誰かの分を奪う気にはならず、勧められるのを固辞して別れて来た。
逞しい彼らには元気を貰ったが、だからといって腹が膨れる訳でもない。
正直に言うと、ライカはかなり空腹だったし、サッズも元気が無さそうだった。
「お腹空いたね」
「普通は川が流れていれば大量のエールがあるはずなんだが、ここの川は少ないな」
サッズはどちらかというと人間の食物からよりも、そういう場所で生命の元を直接吸収するほうが効率良くエネルギーを補給出来るのだが、そこに滔々と流れる大川の水は、赤茶に濁っていて命の元たるエールの含有量が少ない。
おかげでサッズは、実はライカ以上に飢えていると言っていい状態だった。
その気になれば何年も飲まず食わずで眠り続けることも出来る竜族ではあるが、サッズはまだ雛なので成長のためのエネルギーを大量に必要とするのだ。
「大丈夫? どうしようもない場合は狩りをしようか? 狩りをして食事をしてからまた戻って来れば決まりを破ったことにはならないだろうし」
ライカが気遣うが、サッズはふんとばかりに鼻息で一蹴する。
「そんな心配よりあの歌唄いを探す方が先じゃないのか?」
「うわ、サッズがまともなことを言ったよ。何か異常事態が起こらなければいいなあ」
「それはどんな心配だよ! 俺がまともだと変ってことか! ……ん? あっ! そういうことなんだな? ライカ、お前俺をどういう目で見てるんだ!」
サッズは考えた挙句、あまりな結論に至ってライカに文句を言った。
とは言え、ライカがそれで恐れ入る訳も遠慮する訳もない。
「日頃の行いだよ、サッズ。個々の持つ本質ってのはそう変わる物じゃないからね、日頃の行いの積み重ねで俺はサッズを判断しているだけさ」
「なんだそのセルヌイ譲りの理屈は? お前口調もあいつに似てきてるぞ、やめとけ! 碌なことは無いからな」
「サッズ、酷い」
親と本人を一緒くたに貶める発言に、ライカは文句を言う。
しかし、ジトッとした目で見やるライカにサッズは言い放った。
「事実だろ、モテナイ病が感染るぞ」
「モテナイ病って、それは流石にセルヌイが可哀想だろ」
言葉とは裏腹にクスクス笑い出すライカに、サッズもニヤリと笑ってみせる。
「日頃の行いだろ」
この世界の隙間に在る近くて遠い場所で、一頭の白い竜がその時くしゃみをしたとかしなかったとかは、きっと誰も知らない。
ハトリの居場所はすぐに知れた。
橋を渡った所にある広場(対岸の広場と機能的には同じような場所)で、詩を歌っていたのだ。
「闇の中の闇、夜より暗いその竜はその翼を広げ、眼下の矮小な海賊共を睥睨した。
『愚かなり、悪逆の徒。魔物を操り海を汚せしその汚物まみれの魂を消滅させるがよい!』
その時、空に走った白銀の光は海賊の船を魔物ごと吹き飛ばし、憐れ空を錐揉みながら飛びし船は、軽々とリマニの森に投げ出される。
かくして女神の御手は差し伸ばされ、幼き子らは母の胸へと帰郷したのだ」
歌い終わった彼の元へ、少なくない銅貨や驚くべき事に銀貨が投げ出される。
人々は歓声を上げ、女性の中には涙ぐむ者までいた。
「凄い、歌でお金を稼ぐのか。上手いはずだよね」
ライカは感心したように言い。
一方でサッズは胡散臭げにハトリを見た。
「あいつ、今何か変な歌を歌ってなかったか? 人間の歌は相変わらずよくわからないが、何か有り得なさそうな話が語られていた気がするぞ。竜が銀色の光を放ってなんで船が飛ぶんだ?」
そのハトリは、愛想良く微笑みながら足元に散らばった金を回収し、改めて優雅に腰を屈めて見せている。
それを合図とするかのように人々が散っていくのを見計らって、ライカとサッズは彼に近づいた。
「ハトリ!」
呼び掛けに振り向いたハトリは、それまでの柔らかな笑みを消すと、それに変えて、口元をくいっと上げたどこかふてぶてしい笑みを見せる。
「お、ライカ、それにえっとサッズだったかな? 来たんだ」
ぴくりとサッズの片眉が上がり、口元が吊り上がった。
「お前に名前を呼ぶ許しを出した覚えはないぞ」
空気が実際にひやりと冷たくなり、ライカは慌てて二人を取り成した。
「あ、悪い、その名前は家族専用なんだ。良かったらサックって呼んであげて?」
一瞬、ハトリは目を瞬かせると、ぷっと吹き出す。
「欠け茶碗ね。うん、それはなんというか刺激的な組み合わせだな」
「てめえが何言ってるかさっぱりわからねえよ」
威圧は止めたものの、サッズは不機嫌な口調で反応する。
(なんでいきなり空気が悪いの?)
二人の間でライカは一人頭を抱えるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる