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ハンターの卵たち
カリテンから来た男
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「今日はパーティを組んでの模擬戦闘だ。予備生の間は固定を組まずにランダムな組み合わせでチームを組んで仲間のジョブに合わせた動きを考えるのが課題となる」
ハンター養成所のこの訓練過程の必要性はアキラにもよく理解出来た。
自分以外のジョブのゲームと現実の違いを理解することで、お互いの出来ること出来ないことを把握することが出来る。
ゲームのときの攻略情報と同じパーティの組み合わせは現実となった今では正しく機能しないのだ。
その一番の理由が、物理系の攻撃が無力となったことにある。
いや、無力と言う訳ではないなとアキラは思った。
モンスターに対しては無力というだけだ。
そのゲームのなかのステータスはちゃんと現実に反映されてはいるのだ。
そしてそれこそが、物理系ジョブの立場が更に微妙になってしまった理由でもある。
つまり物理系の攻撃は人間に対してのみ有効なのだ。
「PK専用ジョブみたいな扱いになっちまったからなぁ物理職は」
実際は属性武器さえあればモンスターとも戦えるのでその認識は正しくないのだが、役立たずとしてさんざんネタにされた物理系ジョブの何人かが傷害事件を起こしてしまったのがまずかった。
それ以来物理系ジョブに対する世界の目は何枚ものフィルターがかかってしまったのだ。
「さて、チームはどうなっているかな?」
アキラはスコープグラスにファイルが落ちて来るのを待って開封する。
そこには知っている名前と見知らぬ名前が書かれていた。
一人は「神谷祐希」。
中学時代ゲー研で副部長を努めていた神のごとく慈悲深き男だ。
学年的には一学年上だが、この養成所では十八歳未満は全部ブッコミなのでそういうことはあまり関係ない。
実は今しばらくはアキラと祐希の年齢は同じであるという事実もあった。
もう一人は「斉木祭」、アキラの知らない名前である。
「ふむ、さすがに同じ学校の同学年である桜山さんとは組ませなかったか。目的から考えたら当然だな」
このチーム分けの目的は初めての相手とのチームプレイだ。
当然知らない同士を組ませようとするだろう。
しかし、学校も学年も違う祐希とアキラがまさか知り合いとは気づけなかったようだ。
アキラは「これってズルになるのかな?」と、考えてみたが、チーム分けをしたのは自分ではないので気にしないことにした。
ファイルを読み込ませると、グラウンドのエリア情報にマーカーが光る。
チームメンバーのいる場所を示しているのだ。
各々が合流に動き出し、すぐに三人が集合した。
「神さまお久しぶりです!」
アキラは祐希に丁寧なおじぎをする。
「やめるんだ、誤解されるだろ?」
「うす!」
祐希の目のなかに本気の色合いを見て、アキラはすぐに態度を改めた。
祐希は普段優しいだけに怒ると怖いのである。
「おう、お前たちが俺のチームか?」
もう一人、斉木祭は筋肉質で背が高い神経質そうな男だった。
いわゆる細マッチョという感じだ。
「ええっと、俺は天崎アキラです。よろしく」
「神谷祐希だ。よろしく頼むよ」
いきなり不良学生のようにかまして来た斉木だったが、アキラのわざとらしい自己紹介と、ソフトな祐希の自己紹介に少し戸惑いが見える。
差し出された祐希の手を取りこそしなかったが、複雑な表情で自己紹介を返した。
「俺様は斉木祭だ!」
この世に俺様とか自称する奴が生き残っていたのか、と、アキラは驚愕した。
もちろん顔には出さなかった。
「それで斉木くんのジョブは何だい?」
天然の祐希はそんな斉木に対してにこやかに問いかけた。
「ゆ、弓使いだ」
「弓師か、基本ジョブだね」
「違う、弓使いだ」
斉木の訂正に、アキラと祐希はしばし考えてああと得心した。
「カリテンか」
「カリテン組なんだ。珍しいね」
珍しいどころではない。
物理ジョブバッシングで最も割を食ったのがこのカリテンと呼ばれるゲーム、「狩人の天地」の元プレイヤー達だったのだ。
ハンター養成所のこの訓練過程の必要性はアキラにもよく理解出来た。
自分以外のジョブのゲームと現実の違いを理解することで、お互いの出来ること出来ないことを把握することが出来る。
ゲームのときの攻略情報と同じパーティの組み合わせは現実となった今では正しく機能しないのだ。
その一番の理由が、物理系の攻撃が無力となったことにある。
いや、無力と言う訳ではないなとアキラは思った。
モンスターに対しては無力というだけだ。
そのゲームのなかのステータスはちゃんと現実に反映されてはいるのだ。
そしてそれこそが、物理系ジョブの立場が更に微妙になってしまった理由でもある。
つまり物理系の攻撃は人間に対してのみ有効なのだ。
「PK専用ジョブみたいな扱いになっちまったからなぁ物理職は」
実際は属性武器さえあればモンスターとも戦えるのでその認識は正しくないのだが、役立たずとしてさんざんネタにされた物理系ジョブの何人かが傷害事件を起こしてしまったのがまずかった。
それ以来物理系ジョブに対する世界の目は何枚ものフィルターがかかってしまったのだ。
「さて、チームはどうなっているかな?」
アキラはスコープグラスにファイルが落ちて来るのを待って開封する。
そこには知っている名前と見知らぬ名前が書かれていた。
一人は「神谷祐希」。
中学時代ゲー研で副部長を努めていた神のごとく慈悲深き男だ。
学年的には一学年上だが、この養成所では十八歳未満は全部ブッコミなのでそういうことはあまり関係ない。
実は今しばらくはアキラと祐希の年齢は同じであるという事実もあった。
もう一人は「斉木祭」、アキラの知らない名前である。
「ふむ、さすがに同じ学校の同学年である桜山さんとは組ませなかったか。目的から考えたら当然だな」
このチーム分けの目的は初めての相手とのチームプレイだ。
当然知らない同士を組ませようとするだろう。
しかし、学校も学年も違う祐希とアキラがまさか知り合いとは気づけなかったようだ。
アキラは「これってズルになるのかな?」と、考えてみたが、チーム分けをしたのは自分ではないので気にしないことにした。
ファイルを読み込ませると、グラウンドのエリア情報にマーカーが光る。
チームメンバーのいる場所を示しているのだ。
各々が合流に動き出し、すぐに三人が集合した。
「神さまお久しぶりです!」
アキラは祐希に丁寧なおじぎをする。
「やめるんだ、誤解されるだろ?」
「うす!」
祐希の目のなかに本気の色合いを見て、アキラはすぐに態度を改めた。
祐希は普段優しいだけに怒ると怖いのである。
「おう、お前たちが俺のチームか?」
もう一人、斉木祭は筋肉質で背が高い神経質そうな男だった。
いわゆる細マッチョという感じだ。
「ええっと、俺は天崎アキラです。よろしく」
「神谷祐希だ。よろしく頼むよ」
いきなり不良学生のようにかまして来た斉木だったが、アキラのわざとらしい自己紹介と、ソフトな祐希の自己紹介に少し戸惑いが見える。
差し出された祐希の手を取りこそしなかったが、複雑な表情で自己紹介を返した。
「俺様は斉木祭だ!」
この世に俺様とか自称する奴が生き残っていたのか、と、アキラは驚愕した。
もちろん顔には出さなかった。
「それで斉木くんのジョブは何だい?」
天然の祐希はそんな斉木に対してにこやかに問いかけた。
「ゆ、弓使いだ」
「弓師か、基本ジョブだね」
「違う、弓使いだ」
斉木の訂正に、アキラと祐希はしばし考えてああと得心した。
「カリテンか」
「カリテン組なんだ。珍しいね」
珍しいどころではない。
物理ジョブバッシングで最も割を食ったのがこのカリテンと呼ばれるゲーム、「狩人の天地」の元プレイヤー達だったのだ。
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