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2章 人妻魔術師の冒険とはっちゃめちゃになるお話
27:宴
ガチンッ、と重々しい音を立てて三つのジョッキが打ち合わされ、泡がテーブルに飛び散った。ガラハッドは、ぐびぐび、と喉を鳴らして豪快にエールを飲み干し、「ぷはーっ!」と満足げな息を吐く。ロキは、ちびちびと、しかし確実に杯を重ね、その爬虫類のような瞳をいやらしく細めている。そして、エレナもまた、最初はためらいがちに一口含んだが、その濃厚で芳醇な味わいと、喉を焼くような強い刺激が、意外にも心地よく感じられた。彼女は、思い切ってジョッキを傾け、琥珀色の液体を喉へと流し込んだ。冷たい液体が食道を通り過ぎる時の、心地よい灼熱感。そして、胃の腑からじわりと広がっていく、温かく、そして抗いがたい高揚感。それは、エレナが長い間忘れていた、あるいは知らなかった、甘美な解放感にも似た感覚だった。
料理もまた、格別だった。猪の丸焼きは、見た目の豪快さに違わず、野趣あふれる力強い味わいだった。外側の皮は、直火で炙られてカリッと香ばしく、まるで飴細工のようにパリパリとした食感。しかし、その下にある肉は、驚くほど柔らかくジューシーで、噛むほどに濃厚な肉の旨味と、微かな獣臭さが口の中に広がる。黒パンは、ライ麦を多く使っているのか、少し酸味があり、どっしりとした噛み応えがあったが、それが猪肉の濃厚な脂っこさを程よく中和し、飽きさせなかった。エレナは、普段の質素な食事――せいぜい野菜スープと硬いパン程度――では考えられないほどの量を、まるで飢えた獣のように、夢中で食べ、そして飲んだ。
会話は、自然と今日の戦闘の話題になった。ガラハッドが、オーガの棍棒を受け止めた瞬間の衝撃がいかに凄まじかったかを、身振りを交えて語る。ロキが、いかに自分が素早くレッドキャップの背後を取り、毒の塗られた短剣で次々と仕留めていったかを、自慢げに、そして少し大袈裟に語る。そしてエレナもまた、風の魔術の奥深さ、マナの流れを読み、大気を意のままに操る際の集中力と精神力の重要性について、普段は決して他人には話さないような専門的な内容まで、熱っぽく語ってしまった。酒精は、彼女の舌を滑らかにし、普段は心の奥底に秘めている知識や感情までも、堰を切ったように溢れ出させていた。話題は尽きることなく、酒場の喧騒の中で、三人の笑い声が、まるで旧知の友であるかのように、朗らかに響き渡った。
どれほどの時間が経っただろうか。テーブルの上には、空になったジョッキがいくつも転がり、猪の丸焼きは、見るも無残な骨の塊と化していた。エレナの白い頬は、上気してほんのりと桜色に染まり、その大きな青い瞳は、普段の理知的で鋭い輝きとは違う、どこか潤んだような、とろりとした甘い光を宿していた。髪も少し乱れ、普段はきっちりと整えているはずの後れ毛が、汗ばんだ首筋に艶めかしく張り付いている。酒精は、確実に彼女の身体と精神を深く蝕み、その支配下に置き始めていたのだ。
『おっと、エレナの姐さん、少し飲みすぎたんじゃねえか? 顔が真っ赤だぜ。大丈夫か? 水でも飲むか?』 ガラハッドが、その巨体に似合わぬ心配そうな声で、エレナの顔を覗き込むようにして言った。彼の瞳が、エレナの潤んだ瞳と、普段よりもずっと無防備に見える様子を、気遣わしげに見つめている。
『へっへっへ。いいじゃねえか、旦那。たまには、こういうのもよ。それにしても、エレナのお嬢ちゃん、酔うとまた一段と色っぽくなるじゃねえか。その潤んだ瞳も、ほんのり赤らんだ頬も、たまらねえな。なあ? そのローブの下は、どうなってるんだ? さぞかし、立派なもんが隠れてるんだろうなぁ?』 ロキが、再び下卑た笑みを浮かべ、エレナの肩に馴れ馴れしく腕を回そうとした。その指先が、意図的にエレナの豊かな胸の膨らみに触れようとする。
「…あらあら♡ ガラハッドさんも、ロキさんも、そんなに熱心にわたくしのこと、見つめないでくださいまし♡♡ 恥ずかしいでは、ありませんか♡♡♡」 エレナは、くすくすと、まるで鈴を転がすような、しかしどこか蠱惑的な響きを帯びた笑い声を漏らしながら、ロキの腕をそっと押し返した。しかし、その仕草には、もはや明確な拒絶の色はなく、むしろ誘いかけるような、甘く、そして危険な雰囲気が漂っていた。彼女の身体は、ドワーフ族の強力なエールによって完全に支配され、普段は鋼鉄の理性の鎧の下に厳重に隠されていた、奔放で、官能的で、そしておそらくは少しばかり嗜虐的な本性が、まるで硬い蕾がゆっくりと開花するかのように、露わになり始めていたのだ。
「うふふ♡♡ でも、お二人とも、本当に強くて、頼りになりますのね♡♡♡ わたくし、今日の戦いを見ていて、本当に感心してしまいましたわ♡♡♡ 特に、ガラハッドさんの、あのオーガの攻撃を受け止めた時の、逞しい腕…♡♡ 血管が浮き出て、まるで鋼鉄のようでしたわ♡♡♡ それから、ロキさんの、あの素早くしなやかな動き…♡♡♡ まるで、闇に舞う影のよう…♡♡♡ 見ていて、わたくし、胸がドキドキして、身体の奥が、なんだか、熱くなってしまいましたの♡♡♡♡♡」 エレナは、とろりとした瞳で二人を交互に見つめながら、わざとらしく、そして熱っぽい吐息を漏らした。その言葉と仕草は、もはや単なる酔っ払いの戯言ではなかった。それは、経験豊富な男であれば、誰でもその意味を理解できる、明確な誘惑の響きを帯びていた。彼女の豊満な胸が、浅く早い呼吸に合わせて艶めかしく上下し、少しはだけたローブの襟元から覗く、汗ばんで白く輝く肌が、ランプの薄暗い光を浴びて、男たちの劣情を掻き立てる。
料理もまた、格別だった。猪の丸焼きは、見た目の豪快さに違わず、野趣あふれる力強い味わいだった。外側の皮は、直火で炙られてカリッと香ばしく、まるで飴細工のようにパリパリとした食感。しかし、その下にある肉は、驚くほど柔らかくジューシーで、噛むほどに濃厚な肉の旨味と、微かな獣臭さが口の中に広がる。黒パンは、ライ麦を多く使っているのか、少し酸味があり、どっしりとした噛み応えがあったが、それが猪肉の濃厚な脂っこさを程よく中和し、飽きさせなかった。エレナは、普段の質素な食事――せいぜい野菜スープと硬いパン程度――では考えられないほどの量を、まるで飢えた獣のように、夢中で食べ、そして飲んだ。
会話は、自然と今日の戦闘の話題になった。ガラハッドが、オーガの棍棒を受け止めた瞬間の衝撃がいかに凄まじかったかを、身振りを交えて語る。ロキが、いかに自分が素早くレッドキャップの背後を取り、毒の塗られた短剣で次々と仕留めていったかを、自慢げに、そして少し大袈裟に語る。そしてエレナもまた、風の魔術の奥深さ、マナの流れを読み、大気を意のままに操る際の集中力と精神力の重要性について、普段は決して他人には話さないような専門的な内容まで、熱っぽく語ってしまった。酒精は、彼女の舌を滑らかにし、普段は心の奥底に秘めている知識や感情までも、堰を切ったように溢れ出させていた。話題は尽きることなく、酒場の喧騒の中で、三人の笑い声が、まるで旧知の友であるかのように、朗らかに響き渡った。
どれほどの時間が経っただろうか。テーブルの上には、空になったジョッキがいくつも転がり、猪の丸焼きは、見るも無残な骨の塊と化していた。エレナの白い頬は、上気してほんのりと桜色に染まり、その大きな青い瞳は、普段の理知的で鋭い輝きとは違う、どこか潤んだような、とろりとした甘い光を宿していた。髪も少し乱れ、普段はきっちりと整えているはずの後れ毛が、汗ばんだ首筋に艶めかしく張り付いている。酒精は、確実に彼女の身体と精神を深く蝕み、その支配下に置き始めていたのだ。
『おっと、エレナの姐さん、少し飲みすぎたんじゃねえか? 顔が真っ赤だぜ。大丈夫か? 水でも飲むか?』 ガラハッドが、その巨体に似合わぬ心配そうな声で、エレナの顔を覗き込むようにして言った。彼の瞳が、エレナの潤んだ瞳と、普段よりもずっと無防備に見える様子を、気遣わしげに見つめている。
『へっへっへ。いいじゃねえか、旦那。たまには、こういうのもよ。それにしても、エレナのお嬢ちゃん、酔うとまた一段と色っぽくなるじゃねえか。その潤んだ瞳も、ほんのり赤らんだ頬も、たまらねえな。なあ? そのローブの下は、どうなってるんだ? さぞかし、立派なもんが隠れてるんだろうなぁ?』 ロキが、再び下卑た笑みを浮かべ、エレナの肩に馴れ馴れしく腕を回そうとした。その指先が、意図的にエレナの豊かな胸の膨らみに触れようとする。
「…あらあら♡ ガラハッドさんも、ロキさんも、そんなに熱心にわたくしのこと、見つめないでくださいまし♡♡ 恥ずかしいでは、ありませんか♡♡♡」 エレナは、くすくすと、まるで鈴を転がすような、しかしどこか蠱惑的な響きを帯びた笑い声を漏らしながら、ロキの腕をそっと押し返した。しかし、その仕草には、もはや明確な拒絶の色はなく、むしろ誘いかけるような、甘く、そして危険な雰囲気が漂っていた。彼女の身体は、ドワーフ族の強力なエールによって完全に支配され、普段は鋼鉄の理性の鎧の下に厳重に隠されていた、奔放で、官能的で、そしておそらくは少しばかり嗜虐的な本性が、まるで硬い蕾がゆっくりと開花するかのように、露わになり始めていたのだ。
「うふふ♡♡ でも、お二人とも、本当に強くて、頼りになりますのね♡♡♡ わたくし、今日の戦いを見ていて、本当に感心してしまいましたわ♡♡♡ 特に、ガラハッドさんの、あのオーガの攻撃を受け止めた時の、逞しい腕…♡♡ 血管が浮き出て、まるで鋼鉄のようでしたわ♡♡♡ それから、ロキさんの、あの素早くしなやかな動き…♡♡♡ まるで、闇に舞う影のよう…♡♡♡ 見ていて、わたくし、胸がドキドキして、身体の奥が、なんだか、熱くなってしまいましたの♡♡♡♡♡」 エレナは、とろりとした瞳で二人を交互に見つめながら、わざとらしく、そして熱っぽい吐息を漏らした。その言葉と仕草は、もはや単なる酔っ払いの戯言ではなかった。それは、経験豊富な男であれば、誰でもその意味を理解できる、明確な誘惑の響きを帯びていた。彼女の豊満な胸が、浅く早い呼吸に合わせて艶めかしく上下し、少しはだけたローブの襟元から覗く、汗ばんで白く輝く肌が、ランプの薄暗い光を浴びて、男たちの劣情を掻き立てる。
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