孤独な船長、AIと異星存在と海賊と教団と偉い人といろいろに巻き込まれて仲間ともども大変えっちなことになりました

6章 偉い人と交渉ではちゃめちゃえっち

158：夫婦

『よろしい。物分かりが良くて助かるよ、私の可愛いサラ』
長官…いや、「夫」は満足げに頷くと、その太い腕でサラの身体を強く抱きしめた。分厚い脂肪と、その下にある硬い人工筋肉の感触。そして、彼の体温はやはり異常に高く、まるで内部の動力炉がオーバーヒートしているかのようだ。サラは息を詰まらせ、彼の胸に顔を押し付けられる形になった。不快な体臭と、甘ったるい香水の匂いが混じり合い、部屋に漂う向精神性物質の効果も相まって、意識が朦朧としてくる。
『さあ、まずは新妻からの熱い口づけが欲しいものだな』
長官はサラの顎を掴み、無理やり上を向かせた。間近で見るその顔は、やはり醜悪だった。しかし、その瞳の奥には、サラの嫌悪や恐怖すらも愉しんでいるような、歪んだ光が宿っている。サラは固く目を閉じた。唇に、湿った分厚い感触が押し付けられる。
「♡ん゛ぅ…っ♡」
思わず、拒絶の呻きが漏れた。しかし、長官はそれを意に介さず、さらに強く唇を押し付けてくる。ねじ開けられた唇の隙間から、ぬるりとした感触のものが侵入してきた。彼の舌だ。人工的に強化された筋肉で動くそれは、驚くほど力強く、そして精密に動き回る。
「ん゛ーッ♡ん゛ん゛♡んむっ♡」
サラは必死に舌を押し返そうとするが、彼の舌は抵抗をものともせず、サラの口内を蹂躙する。歯列を一本一本丁寧に舐め上げ、敏感な上顎の粘膜をざらついた舌先で擦り、そしてサラ自身の舌に力強く絡みついてくる。唾液が混じり合い、ぬるぬると卑猥な音を立てる。嫌悪感で吐き気がこみ上げてくる。しかし、その強引で支配的な口づけに、身体の奥底が疼き、熱くなっていくのを止められない。背徳感が、まるで強力な触媒のようにサラの理性を溶かしていく。

最初は固く閉ざされ、抵抗を示していたサラの舌。しかし、長官の執拗で巧みな舌使いに、次第に抵抗する力を失っていく。彼の舌は、まるでサラの口内地図を熟知しているかのように、最も敏感な場所を探り当て、的確に刺激を与えてくる。舌の根元をくすぐられ、喉の奥を突かれ、サラは「ん゛ぐぅ♡」と苦しげな声を漏らすが、それはもはや拒絶ではなく、未知の感覚への戸惑いの声に近かった。やがて、サラの舌は完全に力を失い、彼の舌の動きに翻弄されるままになる。絡め取られ、吸われ、蹂躙される感覚。それは屈辱的であるはずなのに、なぜか身体は正直に反応し、微かな快感を覚え始めていた。

長官の唾液は、彼の体臭とは異なり、奇妙に甘く、そして金属的な味がした。おそらく、彼の体内で生成される特殊な酵素か、あるいは摂取している薬物の影響なのだろう。最初は不快でしかなかったその味が、舌が痺れるような感覚と共に、徐々に慣れていく。いや、慣れるだけではない。その異質な甘さが、舌の味蕾を刺激し、もっと味わいたいという倒錯した欲求を引き起こし始めていることに、サラは気づいてしまった。
（嘘…でしょ…？ なんで…こんなものの味が…美味しいなんて…）
サラは内心で激しく動揺した。嫌悪すべき相手の唾液に、快感に近いものを感じてしまう自分自身が信じられない。しかし、身体は正直で、彼の舌が離れると、無意識のうちにそれを追い求めてしまう。ちゅぷ、じゅるり、と粘着質な水音が、部屋の異様な静寂の中に響き渡る。

口づけを続けながら、長官の太く短い指が、サラのユニフォームの上から身体をまさぐり始めた。それは、まるで長年の労苦をねぎらうかのように、ゆっくりとした、しかし確かな圧力を伴う動きだった。背中のラインをなぞり、肩甲骨の周りを揉みほぐし、腰の括れを確かめるように探る。そして、豊かな臀部を鷲掴みにし、その弾力を確かめるようにむにゅり、と揉みしだく。
「♡ひゃぅッ♡♡！？」
突然の強い刺激に、サラの身体がびくりと跳ねた。ユニフォームの生地越しに伝わる、彼の指の異常な熱と力強さ。それは、単なる愛撫というよりも、所有物を確認するような、支配的な行為に感じられた。サラは戸惑い、身を捩ろうとするが、彼の腕に阻まれる。
「ん゛、んん゛♡♡や、ぁ゛…♡♡」
か細い抵抗の声は、彼の舌によって掻き消される。しかし、長官の手つきは、意外にも粗暴ではなかった。まるで貴重な調度品を扱うかのように、あるいは、長旅から帰還した妻を慈しむかのように、ユニフォームの上から、サラの身体の曲線を丁寧に辿っていく。肩の凝りをほぐすように揉み、腰の疲れを癒すように撫でる。その「いたわり」のような手つきに、サラの戸惑いは次第に薄れていった。嫌悪感はある。しかし、この男が自分を「妻」として扱い、その役割を演じようとしている。その歪んだ状況を受け入れざるを得ないのだと、サラは諦めに似た感情を抱き始めていた。

彼の指は、ゆっくりとサラの腹部を撫で、そして胸元へと移動する。ユニフォームの上から、豊かな乳房の膨らみを確かめるように、優しく、しかし確実に揉みしだく。
「♡んあっ♡♡！？ あ゛っ♡」
指先が硬くなりかけた乳首の先端に触れ、サラは思わず息を呑んだ。生地一枚を隔てただけの刺激が、妙に生々しく、直接触れられるよりも倒錯的な興奮を掻き立てる。彼の指は、乳首の周りを円を描くように撫で、時折、軽く押し付けるように圧迫する。
「ん゛ん゛～～～～～～ッッッッ♡♡♡♡♡！」
サラは腰をくねらせ、甘えるような嬌声を漏らした。もう、抵抗する気力は失せていた。むしろ、このじらすような愛撫が、もどかしく感じられ始めている。服の上からではなく、直接、彼の熱い指で、この火照った肌に触れてほしい。もっと強く、もっと激しく、この身体を支配してほしい。そんな、自分でも信じられないような渇望が、心の奥底から湧き上がってくるのを、サラは感じていた。

長官は満足げに頷き、サラの身体を抱き寄せる。その口元には、獲物を手に入れた捕食者のような、醜悪な笑みが浮かんでいた。サラは目を閉じ、これから始まるであろう屈辱的な時間に、身を委ねる準備をする。アランへの思いを意識しながら、身体の奥底で疼く倒錯した期待感に、抗うことはもはやできなかった。