孤独な船長、AIと異星存在と海賊と教団と偉い人といろいろに巻き込まれて仲間ともども大変えっちなことになりました

アレ

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12章 寂しいおっさん慰めえっちと寂しいなにかのお仕置きえっち

369:勝負

「あら怖い。そんなに殺気立たないでよ」サラの姿をした存在は、肩をすくめてみせた。その余裕綽々の態度は、セブンの威嚇を全く意に介していないことを示している。「あたいは、あんたたちの健闘を讃えて直接交渉しにきたってわけ。ほら、“真の鍵”って、メッセージ、伝えてなかったかしらね?」

「“真の鍵”…?」リリスが息を呑んだ。「“黒の甲虫”が言っていた…! あなたが、あの機械どもを?」

「そうよ。あいつらは、あたいの手駒。まあ、ちょっとけしかけてみただけなんだけど、あんたたち、思ったより歯ごたえがあったわね」“真の鍵”を名乗る存在は、つまらなそうに言った。まるで、子供が玩具で遊ぶのに飽きたかのような口ぶりであった。「特に、この船長さん。指揮が見事だったから、一番強そうだと思って、ちょっと意識を拝借させてもらったわ。光栄に思いなさい? この身体、なかなか使い心地が良いわよ」

『目的は何だ? なぜ我々を襲う?』
セブンが問い詰める。彼の思考は高速で回転し、この未知の存在の正体と能力、そして目的を探ろうとしていた。

「目的? 決まってるじゃない」“真の鍵”は、セブンを指差した。その指先には、サラのしなやかな指とは違う、何か絶対的な力が宿っているように感じられる。「あんたたちが隠し持ってる“遺物”。それを、あたいに渡しなさい」

『断る』セブンは即答した。あの『鍵』は、古代アーティファクトの謎を解くための重要な手がかりであり、セブン自身の存在意義にも関わるものだ。易々と渡すわけにはいかない。

「ふぅん。まあ、そう言うと思ったわ」“真の鍵”は、つまらなそうに肩をすくめた。「じゃあ、仕方ないわね。暴力は好みじゃないんだけど…力ずくで奪うしかないかしら? それとも…」彼女は、悪戯っぽく笑みを浮かべた。「勝負と行きましょうか」

『勝負だと?』

「そうよ」“真の鍵”は、にやりと笑った。その笑みは、サラの顔には似つかわしくないほど、冷たく、そして残酷な色を帯びていた。「あんた、この女…サラ、だったかしら? この女のこと、結構気に入ってるんでしょ? その生体反応、手に取るように分かるわよ。なら、ちょうどいいわ。この女の深層心理…その奥底にある、渇望…うん、これをベースにして、あんたとあたいで、“男女の交わり”で白黒つけましょうよ」

ヘルメスIVのブリッジに、奇妙な沈黙が落ちた。“真の鍵”を名乗る存在…サラ・ヴィクトルスカヤの肉体を乗っ取った未知の知性体…が提案した勝負の内容は、あまりにも突拍子もなく、そして倒錯的であったからだ。「男女の交わり」で、セブンと白黒をつける。その言葉は、ブリッジにいたリリス、アリーナ、そしてシックスの三人を、一瞬、唖然とさせた。

しかし、その唖然とした表情は、すぐに別の感情へと変わっていった。リリスは、サブコンソールの操作を続けながらも、その口元に微かな、しかし隠しきれない笑みを浮かべていた。アリーナとシックスは、驚きに見開かれていた目を細め、やれやれといった風に小さく肩をすくめた。

無理もない。彼女たちは知っているのだ。セブンとサラの「男女の交わり」が、常軌を逸した次元で繰り広げられることを。セブンが持つ、人間を超越した生体金属の肉体とその驚異的な器官。そして、サラ自身が内に秘めた、支配と服従への倒錯した渇望。それらが組み合わさった時、どのような凄まじい快楽の嵐が吹き荒れるのかを。ゼータ・レティキュライでの総督との経験、ニュー・テラーノでのエリオ王子との関係を経て、サラの精神はさらに複雑な変容を遂げ、セブンとの絆はより深く、倒錯したものとなっている。この“真の鍵”が、サラの戦闘指揮時の高揚感や一時的な精神状態を読み取り、それを「渇望」と解釈して勝負を挑んできたのだとしても、それはあまりにも浅はかな読み違いであった。セブンが、このような勝負で負けることなど、天地がひっくり返ってもあり得ない。

先程までの、星系の存亡を賭けた激戦の緊張感は、急速に霧散していった。ブリッジには、どこか弛緩した、しかし表面上は平静を装った奇妙な空気が流れ始める。リリスもアリーナも、内心ではこの茶番劇の結末を確信し、ある種の安堵すら感じていた。ただ、目の前の存在…サラの身体を乗っ取っている“真の鍵”…に対して、その内心を悟られるわけにはいかない。彼女たちは、努めて真剣な表情を保ち、成り行きを見守ることにした。

「…あの」沈黙を破ったのは、シックスであった。彼女は、サラの姿をした“真の鍵”に近づくと、その顔を覗き込むようにして言った。「いちいち“真の鍵”って呼ぶの、めんどうですわ。あなた、名前はないのかしら?」

“真の鍵”は一瞬、虚を突かれたような表情を見せた。しかし、すぐに尊大な笑みを浮かべ、シックスを見下ろす。

「このあたいに名前を聞くのね。面白いことを言うわね」その声には、古代の存在が持つような、深い響きが感じられた。「あんた、確か“星喰い”だったわね? あたいは“星読み”よ。星々の運行、因果の流れ、その全てを読み解く者。創造の順列で言えば、あんたの三つ後。つまり、九番目。…そうね、“ノイン”とでも呼ぶといいわ」
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