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第四十五話 第二階層『惑わしの森』
エンシェント・タイタンを打ち破った俺たちの前に開かれた新たな道。
それはさらに地下深くへと続く螺旋状の石の階段だった。
第一階層『巨人の庭』の壮大な光景とは対照的に、その先は再び漆黒の闇に包まれていた。
「……行くか」
俺の言葉に、ガロウとリリアナは力強く頷いた。
タイタンとの死闘による消耗はまだ完全には癒えていない。だが、俺たちの闘志は勝利によってさらに燃え上がっていた。
俺たちは一列になって階段を下り始めた。
一歩、また一歩と進むにつれて空気が変わっていくのが分かった。
これまで感じていた神聖で、しかし無機質な圧力ではない。
甘く、どこか人を惑わすようなしっとりとした空気が肌にまとわりついてくる。
そして、どこからともなく微かに美しい歌声のようなものが聞こえてきた。
「……なんだか、眠くなってくるな」
ガロウが大きなあくびをしながら言った。
「いえ、眠ってはいけません!」
リリアナが厳しい声で警告する。
「これは強力な精神干渉系の魔法です。意識を保ってください!」
彼女が聖なる光を放つと、俺たちの頭を覆っていた微睡みのような感覚が霧散した。
階段は思ったよりもずっと長かった。
どれくらい下っただろうか。
やがて俺たちの目の前に出口の光が見えてきた。
だが、その光は太陽のような力強いものではなく、青や緑、紫といった様々な色が混じり合った幻想的で妖しい光だった。
俺たちは光の先へと足を踏み出した。
そして、目の前に広がる光景に再び言葉を失った。
そこは森だった。
だが、俺たちが知っているどんな森とも違う。
地面には光る苔が絨毯のように生い茂り、足を踏み出すたびに燐光の胞子が舞い上がった。
木々は水晶のように透き通っていたり、あるいは虹色に輝いていたりする。巨大なキノコが傘を開き、その傘の下では見たこともない花々がまるで歌うように揺れていた。
第二階層『惑わしの森』。
そこは悪夢のように美しく、そして底知れない不気味さを湛えた幻想の空間だった。
「……綺麗ですけど……」
リリアナが警戒を解かずに呟いた。
「ああ、どうも落ち着かねえ。頭がクラクラするぜ」
ガロウもまた居心地が悪そうに周囲を見回している。
この森はその存在自体が人の五感を狂わせる。
まっすぐ歩いているはずなのに景色が歪んで見える。遠くに見える巨木が次の瞬間にはすぐ隣にあったりする。方向感覚が全くあてにならない。
俺は目を閉じた。
視覚に頼れば惑わされる。
俺は己の感覚だけを信じ、この森に満ちる魔力の流れを読もうとした。
だが、その魔力すらもまるで意思を持っているかのように揺らめき、俺の感知をすり抜けていく。
「……厄介な場所だ」
俺が呟いた、その時だった。
周囲の霧がにわかに濃くなった。
そして、その霧の中からすすり泣くような声が聞こえてきた。
「……助けて……」
か細い少女の声。
霧の向こうに小さな人影が見える。
「おい、誰かいるのか!」
ガロウが警戒しながらも声をかける。
だが、俺は彼の肩を掴んで制止した。
「待て。様子がおかしい」
俺の言葉通り、霧の中の人影はゆっくりとこちらへ近づいてきた。
それは確かに少女の姿をしていた。
だが、その体は霧でできており実体がない。
フォグラスプ。霧に宿る実体を持たない霊体系の魔物だ。
「……見つけた……新しい、体を……」
フォグラスプはそう呟くと、その霧の体を拡散させ俺たちを包み込もうとしてきた。
物理攻撃は効かない。
「聖なる光よ!」
リリアナが即座に浄化の魔法を放つ。
光を浴びた霧は苦悶の叫び声を上げて霧散した。
だが、それは一体だけではなかった。
周囲の霧の中から次から次へと新たなフォグラスプが姿を現す。
「キリがねえ!」
ガロウが悪態をつく。
奴らは攻撃らしい攻撃はしてこない。だが、その霧に触れるだけで精神が蝕まれていくのが分かった。
楽しい記憶が薄れ、悲しい思い出だけが増幅されていく。じわじわと心を殺す毒のような攻撃だ。
「ガロウ様、心を強く持ってください!」
リリアナが叫びながら聖なる光を放ち続ける。
だが、彼女の魔力にも限界がある。顔色が徐々に悪くなっていく。
俺は目を閉じたまま動かなかった。
俺の心はただ一つの渇望で満たされている。
悲しみも喜びも、俺の戦いの前では意味をなさない。
精神攻撃は俺には効かない。
俺は霧の中に満ちる無数の敵意の中から、その源流を探っていた。
いる。
この霧を生み出しフォグラスプを操っている本体が。
それはこの森の木々の一本に擬態していた。
「……そこか」
俺は目を開いた。
そして、何もない空間に向かって闘気を込めた拳を突き出した。
俺の拳は空を切らない。
それは見えない壁に叩きつけられ、轟音と共にその壁に巨大な亀裂を走らせた。
空間がガラスのように砕け散る。
俺たちがいた場所は、実は巧妙な幻術によって作られた結界の中だったのだ。
結界が破られたことで周囲の霧は急速に晴れていった。
フォグラスプたちも悲鳴を上げて掻き消える。
そして、俺が殴りつけた場所。そこに立っていた一本の水晶の木が、メキメキと音を立ててその姿を変え始めた。
木が人型になる。
幻術の森の支配者、トレント・イリュージョニストだ。
「……我が結界を破る者がいたとは……」
トレントは無数の枝を揺らしながら驚愕の声を上げた。
「おしゃべりはそこまでにしろ」
俺は静かに構えた。
「お前のその綺麗な枝、全部へし折ってやる」
最初の敵をようやく捉えた。
だが、この森の本当の恐ろしさはまだ始まったばかりだった。
俺たちがトレントを倒したとしても、この森そのものが俺たちを喰らおうと静かに牙を剥き続けているのだから。
それはさらに地下深くへと続く螺旋状の石の階段だった。
第一階層『巨人の庭』の壮大な光景とは対照的に、その先は再び漆黒の闇に包まれていた。
「……行くか」
俺の言葉に、ガロウとリリアナは力強く頷いた。
タイタンとの死闘による消耗はまだ完全には癒えていない。だが、俺たちの闘志は勝利によってさらに燃え上がっていた。
俺たちは一列になって階段を下り始めた。
一歩、また一歩と進むにつれて空気が変わっていくのが分かった。
これまで感じていた神聖で、しかし無機質な圧力ではない。
甘く、どこか人を惑わすようなしっとりとした空気が肌にまとわりついてくる。
そして、どこからともなく微かに美しい歌声のようなものが聞こえてきた。
「……なんだか、眠くなってくるな」
ガロウが大きなあくびをしながら言った。
「いえ、眠ってはいけません!」
リリアナが厳しい声で警告する。
「これは強力な精神干渉系の魔法です。意識を保ってください!」
彼女が聖なる光を放つと、俺たちの頭を覆っていた微睡みのような感覚が霧散した。
階段は思ったよりもずっと長かった。
どれくらい下っただろうか。
やがて俺たちの目の前に出口の光が見えてきた。
だが、その光は太陽のような力強いものではなく、青や緑、紫といった様々な色が混じり合った幻想的で妖しい光だった。
俺たちは光の先へと足を踏み出した。
そして、目の前に広がる光景に再び言葉を失った。
そこは森だった。
だが、俺たちが知っているどんな森とも違う。
地面には光る苔が絨毯のように生い茂り、足を踏み出すたびに燐光の胞子が舞い上がった。
木々は水晶のように透き通っていたり、あるいは虹色に輝いていたりする。巨大なキノコが傘を開き、その傘の下では見たこともない花々がまるで歌うように揺れていた。
第二階層『惑わしの森』。
そこは悪夢のように美しく、そして底知れない不気味さを湛えた幻想の空間だった。
「……綺麗ですけど……」
リリアナが警戒を解かずに呟いた。
「ああ、どうも落ち着かねえ。頭がクラクラするぜ」
ガロウもまた居心地が悪そうに周囲を見回している。
この森はその存在自体が人の五感を狂わせる。
まっすぐ歩いているはずなのに景色が歪んで見える。遠くに見える巨木が次の瞬間にはすぐ隣にあったりする。方向感覚が全くあてにならない。
俺は目を閉じた。
視覚に頼れば惑わされる。
俺は己の感覚だけを信じ、この森に満ちる魔力の流れを読もうとした。
だが、その魔力すらもまるで意思を持っているかのように揺らめき、俺の感知をすり抜けていく。
「……厄介な場所だ」
俺が呟いた、その時だった。
周囲の霧がにわかに濃くなった。
そして、その霧の中からすすり泣くような声が聞こえてきた。
「……助けて……」
か細い少女の声。
霧の向こうに小さな人影が見える。
「おい、誰かいるのか!」
ガロウが警戒しながらも声をかける。
だが、俺は彼の肩を掴んで制止した。
「待て。様子がおかしい」
俺の言葉通り、霧の中の人影はゆっくりとこちらへ近づいてきた。
それは確かに少女の姿をしていた。
だが、その体は霧でできており実体がない。
フォグラスプ。霧に宿る実体を持たない霊体系の魔物だ。
「……見つけた……新しい、体を……」
フォグラスプはそう呟くと、その霧の体を拡散させ俺たちを包み込もうとしてきた。
物理攻撃は効かない。
「聖なる光よ!」
リリアナが即座に浄化の魔法を放つ。
光を浴びた霧は苦悶の叫び声を上げて霧散した。
だが、それは一体だけではなかった。
周囲の霧の中から次から次へと新たなフォグラスプが姿を現す。
「キリがねえ!」
ガロウが悪態をつく。
奴らは攻撃らしい攻撃はしてこない。だが、その霧に触れるだけで精神が蝕まれていくのが分かった。
楽しい記憶が薄れ、悲しい思い出だけが増幅されていく。じわじわと心を殺す毒のような攻撃だ。
「ガロウ様、心を強く持ってください!」
リリアナが叫びながら聖なる光を放ち続ける。
だが、彼女の魔力にも限界がある。顔色が徐々に悪くなっていく。
俺は目を閉じたまま動かなかった。
俺の心はただ一つの渇望で満たされている。
悲しみも喜びも、俺の戦いの前では意味をなさない。
精神攻撃は俺には効かない。
俺は霧の中に満ちる無数の敵意の中から、その源流を探っていた。
いる。
この霧を生み出しフォグラスプを操っている本体が。
それはこの森の木々の一本に擬態していた。
「……そこか」
俺は目を開いた。
そして、何もない空間に向かって闘気を込めた拳を突き出した。
俺の拳は空を切らない。
それは見えない壁に叩きつけられ、轟音と共にその壁に巨大な亀裂を走らせた。
空間がガラスのように砕け散る。
俺たちがいた場所は、実は巧妙な幻術によって作られた結界の中だったのだ。
結界が破られたことで周囲の霧は急速に晴れていった。
フォグラスプたちも悲鳴を上げて掻き消える。
そして、俺が殴りつけた場所。そこに立っていた一本の水晶の木が、メキメキと音を立ててその姿を変え始めた。
木が人型になる。
幻術の森の支配者、トレント・イリュージョニストだ。
「……我が結界を破る者がいたとは……」
トレントは無数の枝を揺らしながら驚愕の声を上げた。
「おしゃべりはそこまでにしろ」
俺は静かに構えた。
「お前のその綺麗な枝、全部へし折ってやる」
最初の敵をようやく捉えた。
だが、この森の本当の恐ろしさはまだ始まったばかりだった。
俺たちがトレントを倒したとしても、この森そのものが俺たちを喰らおうと静かに牙を剥き続けているのだから。
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